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東京女子医科大学々会第84回例会
目時 昭和32年5月31日場所東京女子医大臨床講堂
1・ 化学療法剤による腸内偏性嫌気性細菌叢の変動 について1 (細菌)荒 川 英 子 化学療法剤による腸内細菌叢の変動は,好気性菌に ついては多くの研究がなされ,又嫌気性菌についても 報告があるが,私は,クロmマイセチンベンゾエeト と,ク跳馬マイセチンパルミテーbを,マウスに経口 的に投与して,その腸内嫌気性菌の変動を,レプリカ 法を用いて追求した。 レプリカ法は従来,栄養要求,抗生剤の感受性等に 広く用いられて来ているが,又嫌気性菌分離にも応用 されて来た。 私はこのレプリカ法を用いて笑験を行った。その結 果これら薬剤投与前に比べて,投与中は偏性嫌気性菌 が少なくなり,投与後は元に復する傾向がある。これ らの検出した菌について,形態生物学的性状も調べ たので,共に報告した。 2. 極めて稀な眼窩外傷(眼科)長橋久子
木片が右鼻孔より入り,左眼窩漏斗部を侵したとい う外傷の機序が,極めて稀であり,該部各神経の殆ん ど完全な麻痺以外は,自他覚ともに殆んど症状を認め なかった症例を経験したので,その症状及び経過につ いて観察した。 3.副鼻腔異物による失明の一例についての耳鼻科 的考察 (耳鼻科)(演)大 田 豊 長 沼 雅 子 右鼻腔より鼻中隔を貫き,左鼻腔及び左回骨洞に侵 入し,眼窩壁を破り,眼障善を起した例に遭遇し,眼 科と共に其の経過を観察し,併せて副鼻腔異物につ き,侵入経路,異物の種類等につき考察を行った。 4.旧ツベルクリンと精製ツベルクリンの比較研 究(第1報)(衛生)山口たか子
ツベルクリン反応は,最近に至り,種々の点から検 討の必要にせまられている。その一つとして精製ツベ ルクリン(PPD)の人体に対する研究の必要が考え られる。今回国立予防衛生研究所結核部において製ら れたPPDを分与されたので旧ツ“n7レクリン(OT)と 比較して入体に対する反応を検討しt: 。’ 対象は埼玉県入聞郡福岡村における住民男女1; 398 名である。PPDO,06γ,2,000倍OTを両前搏皮内に 各々0,1ccつつを注射した,48時間をもって判定した。 注射に際しては結核歴,ツ反応の有無,BCG接種 の有無等を極力詳しく調査した。その結果BCG非接 種軍職を第1群とし,BCG接種者群を第2群として 両i群を比較検討した。なお,X線間接撮影を行い,有 所見者18名について病型とOT, PPDの反応を比較 した。 1)発赤の度数分布曲線は第1群ではOTの曲線はP PDの曲線より左へつれ,発赤の大きい方ではPPD の曲線が高い。第2群は反対にOTの曲線は右の方へ つれている。 第1群,第2群とも発赤の相関は正の相関々係をし めした。 年令別(10才一一49才と50才以上)にはOTは有意の 差をみとめ,PPDでは有意ではない。 2)硬結の度数分布は発赤における曲線と同様の関係 にみとめられたQ 相関は第1群,第2群とも正の相関がある。 第1群で年令別に硬結を比較するとOT,PPDと も差は認められない。 3)随伴症状は第1群,第2群ともPPDの方がつよ い。 4) X線像との関係はPPDの方がより一致した。 5.脳性小! ma痺の治療 整形外科 岡 本 幸 子 大正14年,東大名誉教授高木博士がラジオのつまみ を万年筆型に改良した器具を使用して脳性小児麻痺児 を約半年後に字がかける様に治療したのが日本に於け る機能訓練,克服指導のさきがけであります。 全国的に拡:大しつつある肢体不自由児事業の発展に 伴いリツDレ以来不治というレッテルをはられて社会 の片隅に放置されていた脳性小児麻痺児もようやく世 の脚光をあびるようになりましたが,まだその前途は 遼遠であります。 私は脳性小児麻痺児が,肢体不自由児施設に収容さ 一 397 一54 れてから正しい機能訓練をうけ正しい教育,さらに職 能補導も身につけて,日常生活が入手にかからずに出 来社会に立っても役に立つようになるまでを主として スライドにより説明いたしました。 起立歩行訓練 立つ歩くためにはまつ頭,筥,胴体がしっかりする事 が必要であります。 首をあげて正しい座位がとれるようになったらSh工一 ingeで起立のバランスを覚え更に一人でも上手に立 てるようになったらばじめて歩行訓練に入ります。 又日常生活に極めて大切な肩,上肢の副練も忘れては なりません,これには無暗に柳津のあるオモチヤを使 用して行う事が多い。 その外日常動作訓練(例えば食事,用便,更衣等) も指導します。、又言語障害に対する機能訓練には特別 の配慮を要します。 要するに脳II生小児麻痺児の機能訓練はあらゆる日常 生活に関する事がそのままとり入れられているのであ ります。 6. 潰化管診断に関する墓礎的研究 (其の一 浩影剤について) 放射線科 石 原 純 一 研究巨標:消化管X線診断に用いる造影剤硫酸バリ ウムは,現在種々の製剤が市販されているが,夫々に 特徴があり俄に優劣は定め難い。:叉診断目的によって も当然その特性を生かさなければならない。しかしな がら案外このような考慮が払われることが少く,或意 味では診断能力を減ずる結果ともなりかねない。そこ で我々が日常使用する市販硫酸バリウム製剤について 検討し,診断能力向上の一助とせんとした。 研究方法:市販局方硫酸バリウム1種,複方硫酸バ i)ウム3種,コ・イド状流動硫酸バリウム1種,硫酸 バリウムベース}1種,計6種について一定量を水に 溶解しこれを試験管にとり十分混和した上第1回X線 撮影を行う。垂直位に静置し経時的に同様撮影を行い 24時聞に至る。溶解方法により,指定処方により溶解 した群及一定量硫酸バリウムを含有するよう調製した 両群に分ける。叉一部にはアルミゲルを30%め割合に 混合した。これらのフ■7レムより陰影濃度,洗降度, 粒子の状態を主として検討した。 研究結果:上記三項とも満足するようなものは殆ん どなかった。中にば三項目すべて1ご劣るものもあり, 市販品の中に案外粗悪なものがあるようにも思われ る。併しいつれも一長一短がありこの程度の検討では 優劣は定め難い。 考案:消化管診断を行う際造影剤使用方法の良否 により相当診断能力が左右されるものであるから,で きるだけ診断目的に唄ったものを選ぶことが望まし い。併し入手に制限のあることが多いので必ずしも最 臭のものが選ばれるとは思わないから,少くとも指定 処方による溶解ということは守らなければならない事 項ではないかと考える。 7.血管心臓造影法に於ける造影剤 稀釈の実験的研究 放射線科 島津フミヨ・石原 純一 高岡 真・後藤 千代