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上部胃癌の形態学的検討 : 周囲粘膜ならびに深部浸潤様式との関連において

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Academic year: 2021

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88 症例は37歳の女性,下腹部痛と腹満を主訴として来 院.入院時所見では,膀部に皮膚の発赤を伴なった圧 痛を有する腫瘤を認め,血液生化学検査では,血清 Al・Pの軽度上昇と白血球数22,000,血小板数64.4万を 示した。CTにて腹壁下に腫瘤を,また注腸透視にて横 行結腸に狭窄と辺縁不整を認めたため,悪性腫瘍を疑 い手術施行したところ,組織学的検索で放線菌症と診 断された, 抗生物質が多用される現在では放線菌症は稀な疾患 であるが,最近われわれは巨大腫瘤をきたした回盲部 放線菌症の症例を経験したので報告する. 16.当院における最近15年間の消化器病症例の動向 と検討 (川崎胃腸病院) 太田代安律・大森 尚文・今給黎和典・ 山内 大三・松尾 成久 最近の手術症例数の変遷上,大きな変化は,昭和58 年以降のH2プロッカーの出現・普及に伴う胃良性疾 患の手術点数の激減である.しかしながら,出血によ る緊急手術例は,減少傾向が鈍く,その胃良性疾患全 体に対する%はむしろ増加している.最近,当院では 出血例に対する内視鏡的止血を積極的に試みている. 胃悪性疾患は,ここ数年間,絶対数・%共に横ばい状 態で,全手術例の約20∼30%を占める.大腸疾患はほ とんどが悪性疾患であり,全手術例の約10%を占め, その70∼75%が下部大腸である.胆道・膵疾患は経時 的変化に一定の傾向がなく,全手術例の約30%を占め る,平均寿命の高齢化にともない,70歳以上の高齢者 症例も,全手術例の約10%を占め,大学病院の傾向同 様,高齢者を扱う機会が今後も増えていくことが示唆 される. 17.胸部食道癌拡大郭清後の反回神経麻痺 (都立駒込病院外科) 室井 正彦・吉田 操・岩塚 迫出 我々は食道癌手術の根治性を向上さぜるべく,リン パ節の拡大郭清に努めている. 胸部食道癌に対するリンパ節拡大郭清は再発が 12%,全て血行性転移で局所再発のないことから,よ い適応と考えられた.しかしこれに伴い反回神経麻痺 が48%と高頻度に合併し,その原因としては,術中損 傷とともにCUSAの使用によるところが大きいと考 えられた. 両側反回神経麻痺による呼吸困難は術後管理上の工 夫で対応でき,時間の経過と共に代償性に改善する. 麻痺は長期にわたり残存するため,退院後も,癌を対 象にした追跡だけでなく,誤嚥や,これによる気管支 炎に対しても注意する必要があった. 18.咽喉頭異常感の電子内視鏡的検討 (東京女子医科大学第二病院中央検査科) 片山 修・市岡四象・長谷川みち代・ 亀井 文恵・増田美知子・藤林真理子 対象は1985年8月から1986年10月までに当院内視鏡 室で,咽喉頭に異物感,つかえ感などを訴えて下咽頭・ 喉頭を含む上部消化管内視鏡検査を施行した100例で ある.使用器種はWelch Allyn社製Video Endoscope VE8110597回,同社製の9.5mm Video Gastroscope VE8120512回,オリンパス光学工業製Video Image Endoscope GIF−V10 4回および東芝一町田製TV− Endoscope TGS50D 1回目ある. 診断でぎた下咽頭病変は,舌扁桃肥大4例,粘膜下 腫瘍2例,下咽頭癌1例などで,食道病変では,裂孔 ヘルニア10例,食道潰瘍3例,食道癌2例などであり, いずれも優れた画像としてとらえることができた. 19.昭和60年度の検診で発見された胃癌33例の検討 (社会保険山梨病院内科) 佐藤 秀一・久米川重子・広瀬 寿文・ 小沢みや子・中沢 肇・田辺 誠・ 井口 幸伯・飯田 龍一 (同外科)草野 佐 (同病理)小俣 好作

昭和60年4月1日から昭和61年3月31日までの1年

間に社会保険山梨病院健康管理センターで施行した検 診で発見された胃癌33例について検討した.胃癌発見 率は,14,792例中33例(0.22%)であった.X線検査 を第1選択した症例のうち発見された胃癌の頻度は 8,379例中11例(0,13%)であり,内視鏡検査を第1選 択した症例のうち発見された胃癌の頻度は,6,413例中 22例(0.34%)であった.早期癌についてみると,X線 検査では4例(0.05%)であり,内視鏡検査では21例 (0.27%)であった. 20.上部胃癌の形態学的検討一周囲粘膜ならびに深 部浸潤様式との関連において (金沢大学がん研究所病院外科部) 荻野 知巳・磨伊 正義 金沢大学がん研究所外科において,過去に切除しえ た791例の胃癌症例中の約3.9%,31例で噴門部癌を経 験したが,今回,癌の宿主たる周囲粘膜の腸上皮化生 と癌腫形態,臨床病理学的態度の間に相関がみられた 一458一

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89 ので報告する.噴門部品の多くを占める分化型腺癌で は,化生粘膜の存在下で胃長軸に対して直角に横長の 発育をし,一方,非化生粘膜部分では長軸方向に長い 縦型の発育をするものが多くみられた.又,深部浸潤 様式を比較してみると,化生粘膜部分に在るものは表 層拡大型の発育をし,比較的深達度の浅い癌が多く, その予後は良好であるのに対し,非化生粘膜部分に在 るものは深部浸潤型発育をし,高深達度の癌が多く, 予後には期待でぎないものが比較的多かった.予後推 定上有意義な所見と思われた. 21.当院における残留の癌の検討 (防府胃腸病院外科) 笹川 剛・島田 幸男・南園 義一・ 戸田 智博・長崎 進 残胃の癌における病態については不明の点が多く, その用語についても統一されていないが,残胃に発生 した癌をすべて総称して「残胃の癌」として取り扱い, 検討を加えた. 昭和42年∼61年の間の全胃癌手術数は1,507例で「密 植の癌」は28例,頻度は1.9%であった.これらを初回 良性,初回悪性の2群について検討した.良性群では 手術間隔が長いが,悪性群では短かく再発が最も多く 考えられた。第2回手術時では面出とも進行例が大部 分を占めた.これらのことより,初回手術時の寸隙と なるべき胃の検索も充分に行ない,切除後,内視鏡と レントゲン検査を定期的に施行し,残胃の癌の早期発 見に努める必要があると考えられた. 22.胃アニサキス症の超音波像の検討 (丹羽病院) 大久保公雄・舟橋 英昭・宮村 正廣・ 新谷 卓弘・南 康平・高山 欽哉 寄生虫移行症である胃アニサキス症は,アニサキス 虫体を含む魚貝類を生食し,アニサキス幼虫が胃粘膜 に刺入することによって発症する.近年,胃アニサキ ス症は増加の傾向があり,それに伴い内視鏡像,レン トゲン像の報告は数多く認められるが,超音波像の報 告はそれ程多くない.今回我々は昭和56年1月から61 年4月までの間に,内視鏡検査と超音波検査の両方を 同日に行ない得た38例を対象とし,その超音波像を検 討し若干の知見を得たのでここに報告する. 23.膵・胆道疾患に於けるEUSの有用性 (東京女子医大消化器病センター外科) 新井田達雄・村田 洋子・秋本 伸・ 大橋 正樹・羽生富士夫 内視鏡的超音波検査(以下EUS)は腹壁の厚さや腹 部ガスの有無に影響されず膵や胆道を明瞭に描出す る.そのため膵・胆道疾患の描出と切除性の検討に有 用な検査法である. 自験例の膵・胆道:疾患69例を対象に,EUS診断と切 除標本を対比し有用性と今後の課題を検討した.EUS は腫瘍断面像の最大径,胃・十二指腸への浸潤,近傍 のリンパ節転移,胆道末端・胆嚢内の微細な病変を明 瞭に描出し得た.一方,上部胆管,肝内,SMA周囲な どの病巣の描出,後腹膜や血管への浸潤を判定するが 困難であった.これらを克服することが今後の課題で ある.このためには,EUSの改良が必要であり,また EUS像と切除標本の詳細な対比検討が必要であるこ とは言うまでもない. 24.いわゆる粘液産生性膵腫瘍の3例 (谷津保健病院) 藤田 徹・御子柴幸男・糟谷 忍・ 平山 芳文・新井 稔明・中迫 利明・ 平塚 卓・藤野 信之・佐藤 一弘 本疾患を3例経験しその臨床病理学的位置づけにつ いて若干の知見をえたので報告する. 症例:38歳男,腹痛,腫瘤触知で入院.ERPで乳頭 正常,膵管拡張なし,体部で圧排途絶.PD施行,粘液 嚢胞性乳頭管状腺癌.3年7カ,月後肝転移死亡.症 例:53歳男,腹痛,発熱,口区吐で入院.ERPで乳頭腫 大開口,粘液排出,膵管拡張,体尾部に造影剤貯留. DP施行,粘液嚢胞性乳頭管状腺癌.11ヵ月後生存.症 例:81歳男,腹痛,口区吐で入院.ERPで乳頭腫大開口, 粘液排出,膵管拡張,頭部に粘液塊透亮像.膵管鏡で 頭部にIIa様病変,生検で粘液腺腫.10ヵ月後生存.結 語:1.本疾患はERP III型のみではない.2.発生部 位,膵管との交通の有無,粘液粘調度,病期により多 彩な病態を呈する.3.従って本疾患は粘液嚢胞腺腫, 腺癌をも含め細胞外に粘液を産生しあるいは貯留する 広義の膵腫瘍と考える. 25.外傷性膵損傷の1例 (尾原病院) 石井 洋治・杉山 明徳・原田 昌弘・ 飛田 洋一・尾原 徹司 一般病院では,医局では得難い外傷性疾患,急性疾 患に遭遇することが多く,その診断や治療の点で,時 として難渋する場合も少なくない.今回,外傷性膵損 傷のユ例を経験したので報告する. 症例は48歳,男性,交通事故によるいわゆるハンド 一459一

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