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ヤママユ蛾科昆虫のフェロモン及びその類縁体の化学合成とそれらの構造と活性に関する研究

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Academic year: 2021

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Title

ヤママユ蛾科昆虫のフェロモン及びその類縁体の化学合成

とそれらの構造と活性に関する研究( 内容の要旨 )

Author(s)

畑中, 顕彦

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(農学) 甲第068号

Issue Date

1996-03-14

Type

博士論文

Version

publisher

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/2409

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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氏 名(本籍) 学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学位授与年月 日 学位授与の要件 研究科及び専攻 研究指導を受けた大学 学 位 論 文 題 目 審 査 委 貞 畑 中 顕 彦 (奈良県) 博士(農学) 農博甲第67号 平成8年3月14日 学位規則第4条第1項該当 連合農学研究科 生物資源科学専攻 信州大学 ヤママユ峨科昆虫のフェロモン及びその類縁体 の化学合成とそれらの構造と活性に関する研究 主査 信 州 大 学 教 授 入 江 繚 副査 岐 阜 大 学 教 授 長谷川 副査 静 岡 大 学 教 授 坂 田 副査 信 州 大 学 教 授 渡 副査 信 州 大 学 教 授 柴 蓮 田 完 泰 久 明 三 邦 夫 論 文 の 内 容 の 要 旨 ヤママユ蛾科に属するエリ蚕は天蚕とも呼ばれこの性フェロモンは平成7年3月停年退 官された富田教授が30年間以上研究されてきた。1987年、富田教授とBesbl弧n教授 (ドイツ国、エアランゲン大学)の共同研究によってこの構造が(4E,6EtllZト4,6,1ト hexadecatrienalと決定された。申請者は富田教授に学部、修士、遠大博士各課程で師事し、 この研究も富田教授の指導の下に行われたものである。本研究は①ェリ蚕の性フェロモン の活性発現に寄与する構造的要因の解明、②がスタロマげラフの検出器にFIDとEAG(エレクトp7 ンテナク寸ラフーエリ蚕の触覚の電気信号を増幅する検出器)を用いて流出成分とその活性を同 時に検出する性フェロモンの定量的活性韓験法の確立、③ェリ蚕性フェロモン及びその誘 導体のクス蚕に対する活性の検討とクス蚕性フェロモンの研究法の確立、の3部から構成 されている。論文は第l章ではエリ蚕性フェロモン誘導体のデザインと合成及び活性試験、 第2章ではクス蚕の性フェロモンの研究について記述している。 申請者は、これまでの研究から①ェリ蚕の性フェロモン活性が真性フェロモンの全ての 幾何異性体に見られること②真性フェロモンの2重結合数を2個に変化すると6,1トhexa decadienalだけがその幾何異性体に活性が見られること、から活性要因は幾何構造より2 重結合の数と位置に関係し.ていて、1,6-dene構造が活性と関係していると推測した。そ して、(5E,12Eト5,10,12-hexadecatrienalと(5Z,12E)-5,10,12-hexadecatrienalを 合成し、5E一異性体に弱い活性を認めること、b)2,7-dodecadienylformateの全ての幾何 異性体、2,7-dodecadiellalの2E.7E-及び2E,7Z一体及び4,9-tetradecadie11ylfbnnateの 4E,9E-と4Z,9Z一体を合成し、別途入手した6,11-hexadecadienaiの4幾何異性体、4,

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9-tetradecadienalの4幾何異性体の活性と比較しノ、ほとんどの化合物で活性が見られるこ と、C)4,9-tetradecadienylformate幾何異性体が最も高い活性を示す事、この活性は上記 の6,1l-lleXadecadienal幾何異性体の活性を上回る辛から、1,6-diene構造とホルミル基から 最初の2重結合の炭素が6位であることが重要であると結論している。活性の測定は、が スタロマげラフイ一にFDとEAGを組み込んで各化合物の生理活性を定量的に正確に軌定して いる。クス蚕はフ●テクナス、粟、クルミ、クヌギなどに寄生する害虫でヤママユ蛾科昆虫であ る。この昆虫の性フェロモンは知られていない。申請者はクス蚕の性フェロモンをがスタ叩 げラフ上EAG活性として確認する事に成功し、性フェロモン合成ペプチド(PBAN)を投与 したクス蚕から更に4個のEAG活性ヒ◆-クを得ている。続いて、エリ蚕の性フェロモン研 究に用いたtetradecadienylforrnateに強い活性が見られ、エリ蚕真性フェロモン(4E,6E, 11Z)-4,6,1トhexadecatrienaH=も活性を確認している。更に、クス蚕性フェロモンのRf 値は6,11-hexadeeadiena)のものと近くこの構造がC16アげLl/の可能性である知見を得 ている。又、P13AN投与によって得られたと●一クの1個は(4E,9E)-4,9-tetradecadienylfo mateのと●-クと一致し、構造に関する知見を得ている。 審 査 結 果 の 要 旨 昆虫性フェロモンの研究はButenandtのカイコの性フェロモン、(10E,12Z卜10, 12-hexadecadiene-1-Olの単離・構造決定にはじまる。エリ蚕の性フェロモンの 化学的研究は京都大学農薬化学研究施設に始まる。当時研究に従事していた富田 教授(平成7年3月停年退官)が信州大学農学部農芸化学科生物化学研究室に転 任となり、当学部で以後約30年間にわたって研究を続けられた。1989年、富田 教授とBestmann教授(ドイツ固、エアランゲン大学)の共同研究によってエリ 蚕の性フェロモンの構造が(4E.6E,11Z)-4,6,11-hexadecatrienalと決定された。申 請者は富田教授に修士及び岐阜連大博士課程を通じて指導を受け、この研究も富 田教授の指導によるものである。本研究は①ヤママユ蛾科昆虫に属するエリ蚕性 フェロモンの化学構造における生理活性発現の構造的要因の検討、②昆虫性フェ ロモン活性試験法、③ェリ蚕性フェロモン誘導体のヤママユ蛾科昆虫クス蚕に対 する活性の検討とクス蚕性フェロモンの研究法の確立、に関する3部から構成さ れている。論文は第1章ではエリ蚕性フェロモン誘導体のデザインと合成及び活 性試験、第2章ではクス蚕の性フェロモンの研究について記述している。 申請者は、これまでの研究から①エリ要の性フェロモン活性が真性フェロモン の全ての幾何異性体に見られること②真性フェロモンの2重結合数を2個に変化 すると6,11-hexade毘dienalだけがその幾何異性体に活性が見られること、から活 性要因は幾何構造より2重結合の数と位置に関係していて、1,6-dene構造が活 性と関係していると推測した。そして、a)極性基(アルデヒド基)と3個の2 重結合の位置関係について検討するため(5E,12E)-5,10,12-hexadecatrienalと (5Z,12E)-5,10,12-hexadecatrienalを合成し、5E一異性体に弱い活性を認めるこ

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-86-と、b)2,7-dod∝adieny=加mateの全ての幾何異性体、2,7-dodecadienalの2E,7E一及 び2E,7Z一体及び4,9-tetradecadienylfomateの4E,9E-と4Z,9Z一体を合成して活 性を測定し、別途入手した6,11-hexadecadienalの4幾何異性体、4,9-tetradecadien dの4幾何異性体の活性と比較し、ほとんどの化合物で活性が見られること、C) 4,9-tetrade腿dienylfblmate幾何異性体が最も高い活性を示す事、この活性は上記 の6,11-hexadecadienal幾何異性体の活性を上回る事から、1,6-diene構造とホルミル 基から最初の2重結合の炭素が6位であることが重要であると結論している。 活性の測定は、がスタ叩トク∼ラフイ一にm検出器とEAG(エレクトロアンテナク∼ラフーエリ蚕の 触覚の電気信号を増幅する検出器)検出器を組み込んで各化合物のビータの生理活 性を定量的に測定しており評価に値する。 クス要は70ラタナス、粟、クルミ、クヌギなどに寄生する害虫でヤママユ蛾科昆虫 である。この昆虫の性フェロモンは知られていない。申請者はエリ蚕で得られた 知見をクス蚕に適用している。即ち、クス蚕の性フェロモンをがスタロマげラフ上EA G活性として確認する事に成功し、性フェロモン合成ペプチド(PBAN)を投与し たクス蚕から更に4個のEAG活性ヒ○-クを得ている。続いて、エリ蚕の性フェロ モン研究に用いたtetrade偽dienylbrmateに強い活性が見られ、エリ蚕真性フェロ モン(4E,6E.11Z)-4,6,11-hexadecatrienalにも活性を確落している。更に、クス蚕 性フェロモンのRf値は6,11-hexadecadienalのものと近くこの構造がC16アlけ∼ヒド

の可能性である知見を得ている。又、PBAN投与によって得られたと●一クの1個は

(4E,9E)-4,9-tetrade伐dienylfbrmateのと●-クと-敦し、構造に関する知見を得てい る。 本論文では2重結合を複数有する不安定な化合物の合成を行い、極微主物質の生 物括性を定量的に行った点も評価される。 以上の内容の1部はht.J.WildSilkmoth&SiJk誌、Biosd.Biotec.Biochem誌に論 文として掲載又は掲載予定であり新規性に富む内容で、・この論文は博士の学位に 合格と認めた。

参照

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