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白色腐朽菌由来のリグニン分解酵素による内分泌撹乱物質のエストロゲン活性除去

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Academic year: 2021

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Title

白色腐朽菌由来のリグニン分解酵素による内分泌撹乱物質

のエストロゲン活性除去( 内容の要旨(Summary) )

Author(s)

玉川, 祐基

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(農学) 甲第476号

Issue Date

2008-03-13

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/23483

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏 名(本(国)籍) 学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学位授与年月 日 学位授与の要件 研究科及び専攻 研究指導を受けた大学 学 位 論 文 題 目 審 査 委 員 会 玉 川 祐 基 (長野県) 博士(農学) 農博甲第476号 平成20年3月13日 学位規則第3条第1項該当 連合農学研究科 生物資源科学専攻 静岡大学 白色腐朽菌由来のリグニン分解酵素による内分泌撹乱 物質のエストロゲン活性除去 主査 静岡大学 教 授 副査 静岡大学 准教授 副査 岐阜大学 教 授 副査 信州大学 教 授 昭 吾 彦 彦 友 真 善 守 田 合 田 本 西 河 篠 徳 論 文 の 内 容 の 要 旨 近年、生物を用いて環境汚染物質を分解・除去し、環境を浄化しようとするバイオレメ ディエーション(生物的環境修復)が注目されており、白色腐朽菌やリグニン分解酵素を 用いて\環境汚染物質を分解しようとする研究がなされている。 一方、世界各地で観察されている生物の生殖異常に内分泌撹乱物質が関与していること が指摘され、内分泌撹乱物質による環境汚染が大きな社会問題となっているが、白色腐朽 菌やリグニン分解酵素を用いて、内分泌撹乱物質のエストロゲン活性を除妄しようとする 研究は極めて少ない。 以上の背景に基づいて、水環境中で高頻度に検出され、内分泌撹乱作用が確認されてい る、4-ね′ケオクチルフェノール、エストロンおよびゲニスティンを内分泌撹乱物質として 取り上げ、克ずは、白色腐朽菌による分解を試み、いずれの物質も白色腐朽菌で分解され ることを明らかにしている。次いで、これらの内分泌撹乱物質の分解に関与する酵素系を 解明し、部分精製したリグニン分解酵素(マンガンペルオキシダーゼ(MnP)、ラッカー ゼ)が、4・ねrナオクチルフェノール、エストロンおよびゲニスティンのエストロゲン活性 除去に有効であることを見いだしている。本論文は、これらの結果を取りまとめたもので あり、その概要は以下の通りである。 (1)リグニン分解酵素による4-ね′トオクテルフェノールのエストロゲン活性除去 組換え体酵母を用いるTwo-Ⅱybrid法により4・おオオクチルフェノール(4・TOP)のエ ストロゲン活性を測定した結果、4-TOI,はビスフェノールA(BPA)よりも20借、ノニ ルフェノール(NP)よりもの2倍高いエストロゲン活性を有していた。次いで、白色腐 朽菌(ぞβ〝苗ゐYE-624株およびカワラタケ)を用いて4・TOPを処理した結果、ヱg〝血ね YK-624株処理においては培養5日間で完全に減少し、カワラタケ処理では6日間で約90% の減少を示した。さらには、その際に産生されるリグニン分解酵素の活性と4-TOP減少と の関係を解析することで、月β地ねYE-624株処理においてはMnPとラッカーゼが、カ ワラタケ処理においてはラッカーゼが4-TOP分解に関与することを見いだした。また、部

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-64-分精製MnPおよびラッカーゼを用いる1時間の両酵素処理で4・TOPは完全に消失し、エ ストロゲン活性についても2時間の両酵素処理でほぼ完全に除去されることを明らかにし た。 (2)リグニン分解酵素によるエストロンのエストロゲン活性除去 ステロイド系ホルモンであるエストロン(El)のエストロゲン活性は、BPAよりも104 倍、NPよりも103倍高く、17β・エストラジオー′レの1/2に相当した。白色腐朽菌(月g〃成血 YE・624株およびカワラタケ)を用いてElを処理したところ、培養5日間で両菌株とも 95%以上のEl減少を示し、月占肌d昆bY正一624株処理においてはMnPとラッカーゼが、 ヵヮラタケ処理においてはラッカーゼがEl分解に関与すると判断された。そこで、部分精 製MnPおよびラッカーゼを用いてElを処理した結果、1時間のMnPおよびラッカヤゼ 処理によってElはほぼ完全に消夫し、エストロゲン活性についても2●時間処理で完全に 除去されることを見いだした。 (3)リグニン分解酵素によるゲニスティンのエストロゲン活性除去 植物エストロゲンであるゲニスティン(GE)は、BPAよりも10倍高く、NPに匹敵す るエストロゲン活性を有していた。次いで、白色腐朽菌月gα撼ねYX・624株を用いると、 培養5日間でGEの完全な消失が生じ、MnPおよびラッカーゼの産生挙動とGEの減少挙 動とが符合した。さらに、部分精製MnPおよびラッカーゼ処理を行うと、2時間の両酵 素処理でGEはほぼ完全に消失し、エストロゲン活性もほぼ完全に除去されることを明ら かにした。 審 査 結 果 の 要 旨 近年、生物を用いて環境汚染物質を分解・除去し、環境を浄化しようとするバイオレ メディエーション(生物的環境修復)が注目されており、白色腐朽菌やリグニン分解酵 素を用いて、環境汚染物質を分解しようとする研究がなされている。 一方、世界各地で観察されている生物の生殖異常に内分泌撹乱物質が関与しているこ とが指摘され、内分泌撹乱物質による環境汚染が大きな社会問題となっているが、白色 腐朽菌やリグニン分解酵素を用いて、内分泌撹乱物質のエストロゲン活性を除去しよう とする研究は極めて少ない。 本論文は、以上の背景に基づいて、4・虎汀ナオクチルフェノール、エストロンおよびゲ ニスティンを内分泌撹乱物質として取り上げ、白色腐朽菌の産生するリグニン分解酵素 を用いてそれぞれの物質のエストロゲン活性除去を試みた結果を取りまとめたものであ る。なお、本論文の概要.は以下の通りである。 (1)リグニン分解酵素による4-ねrトオクテルフェノールのエストロゲン活性除去 4・血汀ナオクチルフェノール(4・TOP)は、ノニルフェノール(NP)の2倍、ビスフェ ノールA(B払)よりも20倍高いエストロゲン活性を有していた。如、で、白色腐朽菌 (郎肌放ねYK・624株およびカワラタケ)を用いて4-TOPを処理した結果、員β以血ね YK・624株処理においては培養5日間で完全に減少し、カワラタケ処理では6日間で約 90%の減少を示した。さらには、その際に産生されるリグニン分解酵素の活性と4・TOP 減少との関係を解析することで、月βα感血YE・624株処理においてはMnPとラッカー ゼが、カワラタケ処理においてはラッカーゼが4・TOP分解に関与することを見いだした。 また、部分精製MnPおよびラッカーゼを用いる1時間の両酵素処理で4-TOPは完全に 消失し、エストロゲン活性についても2時間の両酵素処理でほぼ完全に除去されること を明らかにした。

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-65-(2)リグニン分解酵素によるエストロンのエストロゲン活性除去 ステロイド系ホルモンであるエストロン(El)のエストロゲン活性は、BPAよりも 104倍、NPよりも103倍高く、17β・エストラジオールの1/2に相当した。白色腐朽菌(月 郎肌九鬼YK・624株およびカワラタケ)を用いてElを処理したところ、培養5日間で両 菌株とも95%以上のEl減少を示し、P戯乃て放ねYE・624株処理においてはMnPとラッ カーゼが、カワラタケ処理においてはラッカーゼがEl分解に関与すると判断された。そ こで、部分精製MnPおよびラッカーゼを用いてElを処理した結果、1時間のMnPお よびラッカーゼ処理によってElはほぼ完全に消失し、エストロゲン活性についても2時 間処理で完全に除去されることを見いだした。 (3)リグニン分解酵素によるゲニスティンのエストロゲン活性除去 植物エストロゲンであるゲニスティン(GE)は、BPAよりも10倍高く、NPに匹敵 するエストロゲン活性を有していた。次いで、白色腐朽菌月g以血YE・624株を用いる と、培養5日間でGEの完全な消失が生じ、MnPおよびラッカーゼの産生挙動とGEの 減少挙動とが符合した。さらに、部分精製MnPおよびラッカーゼ処理を行うと、2時間 の両酵素処理でGEはほぼ完全に消失し、.エストロゲン活性もほぼ完全に除去されるこ とを明らかにした。 以上のように、本論文は、リグニン分解酵素処理が4・TOP、ElおよびGEのエストロ ゲン活性除去に有効であることを明らかにしている。よって、審査委貞全員一致で本論 文が岐阜大学大学院連合農学研究科の学位論文として十分価値あるものと認めた。 【基礎となる学術論文】 1・Thmagawa・Yl,Hirai,H・,Kawai,S・,andNi$hida,T(2005)Removalofestrogemic activityofendocrine・disruPtinggemisteinbyligminobTticenzymeSfromwhiterot fungi.FEMSMicrobiologyLetter$,244,93・98. 2.Tamagawa、Y,協maki,R.,Hirai,H.Kawai,S.,andNishida,Tl也006)Removalof estrogenicactivityofnaturalBterOidalhormoneestronebyligminobTticenzymeS fromwhiterotfungi.Chemosphere,65,97・101. 3・Thgl瓢箪aWa・Y,Hirai,H・,Kawai,S・,andNishida,T.(釦07)Removalofe$trOgenic activityof4・iezナoctylphenolbyligminolyticenzymeSfromwhiterotfungi. En血onmentd恥衰eolo防22,281・28&

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