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受動文中の副詞の位置

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Academic year: 2021

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(1)

受動文中の副詞の位置

著者

河原田 有香

雑誌名

Immaculata

24

ページ

82-94

発行年

2020

URL

http://id.nii.ac.jp/1560/00000468/

(2)

受動文中の副詞の位置

河原田 有香

はじめに

 中学や高校の英語の授業で受動態について学ぶが、受動文中で副詞をどの位置に置け ばよいのかというのは難しい問題である。副詞はさまざまな位置に現れることができる が、副詞の種類によって現れることのできる場所には規則性があり、受動文での副詞の 分布もそれに基づくと考えられる。受動文の中で副詞が現れる位置について調べるため に、まず第1 節でJackendoff(1972)が分類した副詞の文中での位置を、第 2 節ではそ れらが助動詞を伴う文の中で現われることができる位置についてまとめ、第3 節で能動 文と受動文の意味役割の違いについて調べ、その違いが副詞の分布にどのように影響す るかを見る。最後に、第4 節で受動文中に現われる副詞の用例を取り上げ、その分布に ついて考察する。

1.Jackendoff (1972) の副詞の分類

 Jackendoff(1972)は副詞をその分布の違いによって話者指向の副詞、主語指向の副詞、 様態副詞、merely などの助動詞の位置にしか現れない副詞の四種類に分類した。彼は文 頭と助動詞の位置にのみ起こる副詞は話者指向の副詞か主語指向の副詞の意味構造を持 ち、動詞の前の位置や文末に起こる副詞は様態副詞のような意味構造を持つとし、これ ら三つの場所すべてに起こる副詞は二つ以上の投射規則があると述べている。話者指向 の副詞、主語指向の副詞、様態副詞が現れることができる位置をJackendoff(1972: 73-75)は以下のように示している。

(3)

(1)話者指向の副詞evidently と主語指向の副詞 carefully が現れる位置

a S

Adv NP VP

eviden t ly John V NP carefully

ate the beans

b. S

NP VP Adv

John V eviden t ly carefully ate the beans

NP

c. S

NP Adv VP

John evident ly V carefully

ate the beans NP

(4)

(2)様態副詞completely が現れる位置     (1)で表されるように、話者指向の副詞と主語指向の副詞はS に付加する副詞であり、 NP と VP の外側か間に現われることができ、主語指向の副詞も S に付加するので、話 者指向の副詞と同じ位置に現れることができる。S に付加する副詞は(1b)のように、 文末に来る場合、副詞の前にコンマを伴う。理論的には話者指向の副詞と主語指向の副 詞はS に付加するので、現れる位置はこのように示されるが、主語指向の副詞は主語 を修飾するので、より主語に近い位置の方が好ましいと考えることができるかもしれな い。様態副詞はVP に付加するため、現れることができる場所は(2)のように示され る。他動詞とその目的語の間は副詞が入ることが難しい場所なので、completely は VP 内のV と NP の外側に現れることができる。(2a)のように様態副詞が文末に来る場合、 副詞の前にコンマを伴わない。(1c)は S に付加する副詞が動詞の前に来る場合で、(2b) はVP に付加する副詞が動詞の前に来る場所を示している。文中ではそれらは主語と動 a. NP VP John V NP Adv

ate the beans com pletely S

b. S

NP VP

John Adv V NP

(5)

詞の間であり、同じ位置であるが、構造を図に表わすと付加するものの違いがわかる。 この動詞の前の位置は話者指向の副詞、主語指向の副詞、様態副詞が現れることができ る場所であり、主語指向の解釈と様態の解釈など、複数の意味を持つ場合、二義的となる。

2.助動詞を含む文の副詞の位置

 Jackendoff(1972:75)ではさらに助動詞を含む場合の副詞の位置について述べている。 (3)のように助動詞がアスペクト、modal、強調の do を含むとき、それらの前は、S に 付加する副詞のみが来ることができる。(4)のようにそれらの助動詞が単独で一つある 後は、S に付加する副詞も、VP 副詞も両方とも来ることが可能である。(5)のように 助動詞が二つがあり、それらの間に副詞がある場合、Sに付加する副詞が好まれる。(6) のように、副詞が2つの助動詞のあとに来るなら、VP 副詞だけが可能である。 (3) has read the book.

is finishing his carrots.   George   probably was ruined by the tornado.         *completely will lose his mind.

did eat up the cabbage.

(4) has read the book. is probably finishing his carrots.   George was completely ruined by the tornado.

will lose his mind.

did eat up the cabbage. (5) have read the book.

will be finishing his carrots by now. probably be ruined by the tornado.   George has ?*completely been finishing his carrots.

been ruined by the tornado. is being ruined by the tornado.

(6)

(6) will have read the book. will be finishing his carrots.

*probably ruined by the tornado.   George has been completely finishing his carrots.

ruined by the tornado. is being ruined by the tornado.

(7)のように、Modal か have か be の助動詞があれば、それは表層構造で Aux によって 支配されるので、それらの前にはS に付加する副詞しか来ることができない。(3)で VP 副詞の completely がこの位置に現われるのが不可で、probably のみが可能なのはそ のためである。 (7) しかし、(4)のように、一つの助動詞の後に来る副詞や、助動詞がない時の主動詞be は、 (8)のようにVP にも S にも付加されることができ、二義性を生じる。副詞の例は第 3 節で詳しく述べる。 (8) S NP Adv Aux VP T M have be S NP Aux VP T M Adv V have be

(7)

もし、2つの助動詞があれば、Have-Be 繰り上げは、Aux の下に1つの助動詞だけ来る ので2 つ目の助動詞はVP の下になる。したがって、(9)のように 2 つ目の助動詞に続 く副詞はVP に付加する副詞のみが可能である。(6)が completely のみ可能なのは、こ のためである。 (9) 二つの助動詞の間に副詞が現われる場合について、下の(10)を見るとS に付加する 副詞もVP 副詞もどちらの解釈も可能であるようであるが、(5)を見ると二つの助動詞 の間の副詞の場合は、S に付く副詞の方が非常に好まれることがわかる。これは VP の 下にある厳密下位範疇化された副詞の位置は制限されるため、VP の前へ動かすことが できないためと考えられる。 (10) S に付加する副詞が現われることができる位置は文頭、助動詞の前、最初の助動詞のあ と、休止をともなう文末であり、Sの下の構成要素の切れ目であるのに対し、VP の下 にある厳密下位範疇化された副詞はVP の前へ動かすことができず、VP のもとで、副 詞の位置は基底がそれらを生成する場所に制限される。 S NP Aux VP T M have Adv V NP . . . have be be S NP Aux VP T M Adv have V NP . . . have be be

(8)

 助動詞を含む場合の副詞の位置について見てきたが、受動文は助動詞be を含み、さ らにmodal やアスペクトなどのさらなる助動詞を含むこともある。複数の助動詞を持つ 場合の構造は非常に複雑になるが、(10)の構造をもとに副詞が現れることができる場 所を考えることができる。

3.受動文と意味役割

 本節においては、Chomsky(1981)の理論にもとづく受動文の分析を岸本(2009:73) を参考に述べる。(11)の文は描かれる視点は異なるがそれぞれ同じ出来事を記述し、 論理的な意味は同じであると考えられる。

(11)a. John kicked Mary.    b. Mary was kicked by John.

(11a)を(11b)の受動文にするには、動詞 kicked を受身形の was kicked にし、能動文 では主語であった名詞句がby John のように前置詞句として表され、義務的な項であっ た主語が付加詞に格下げされる。そして能動文では目的語として起こる名詞句Mary が 移動して受動文の主語となる。

 受動文では名詞句に与えられる意味役割と格の関係から名詞句の移動が起こると考え られる。他動詞kick は Agent(動作主)と Theme(主題)の意味役割を持ち、名詞句に 意味役割を与えるので、名詞句Mary は、もともと kick の目的語の位置にある。受動文 でもMary は kick という行為の向けられる対象なので、Theme の意味役割を受ける。動 作主はby John のように前置詞句として表され、John は by によって Agent の意味役割 が指定されるので、動詞が受身形になると動詞自体はTheme の意味役割しかもてなく なる。Theme は目的語位置にある名詞句に与えられる意味役割なので、受動文での意味 役割の付与は、(12)のように行われる。

(12)[TP was [VP kicked〈Theme〉Mary (by〈Agent〉John) ]]

目的語の位置でTheme の意味役割をもらった Mary は名詞句移動で主語の位置に現れる。 主格を持つ名詞句は時制のある定型節にしか現れず、時制要素が主語位置にある名詞句 に主格を与える。受動文では、主題名詞句が目的語の位置から主語位置に移動し、主格 を受ける。

(9)

(13)[TP Mary was[主格] [VP kicked Mary (by〈対格〉John) ]] kick は目的語に対格を与える動詞だが、受身になるとその能力が失われてしまうが、時 制は主格を与える能力があるので主題名詞句Mary が主格をもらうためにこのような移 動が起こる。Mary は目的語の位置で Theme の意味役割を受けるが、格(主格)は主語 の位置で受ける。この意味役割と格の与えられる位置の違いが移動の誘因となる。  受動文と能動文で論理的な意味は同じであると考えられるが、表される視点が異なる ため、能動文では動作主の名詞句が主格の位置に来るのに対して、受動文では主題の名 詞句が主格に来る。主語指向の副詞は主語の心情や状態について述べるため、主語指向 の副詞を伴う文は能動態と受動態で意味が変わるのではないかと考えられる。  Jackendoff(1972:82)では、副詞の解釈のある側面は表層構造に依存しているとして、 能動文と受動文の間の意味の違いについて述べている。以下の例は様態副詞の解釈を排 除するために、すべて完了相を含んでいる。

(14)a. The doctor cleverly has examined John. ⇒ The doctor was clever.    b. John cleverly has been examined by the doctor. ⇒ John was clever. (15)a. The police carelessly have arrested Fred. ⇒ The police was careless.

   b. Fred carelessly has been arrested by the police. ⇒ Fred was careless.

(14a)は「その医者は手際よくジョンを診察した。」という意味になり、主語指向の副 詞cleverly は主語である The doctor のことを説明しているのに対し、(14b)の cleverly は主語のジョンの説明をしており、「ジョンは手際よく医者によって診察してもらった。」 という意味になる。この二つの文は「その医者がジョンを診察した。」という事実は同 じだが、誰がcleverly かが異なっている。同様に、(15a)は「その警官は不注意に Fred を逮捕した。」という意味で主語指向の副詞carelessly は the police の説明をしているの に対し、(15b)ではその副詞は主語の Fred の説明になり、「Fred は不注意にその警官に 逮捕された。」という意味になる。  また、これらの副詞は様態副詞として機能し、受け身のもとで意味の変化を示さない。 (16a)は「その医者は注意深くジョンを診察した。」という意味になり、それを受動態 にした(16b)は「ジョンは医者によって注意深く診察してもらった。」という意味にな り、能動文と受動文が同じ意味になる。(17a)も「その警官は Fred を不注意に逮捕した。」

(10)

という意味になるのに対し、受動文の(17b)は「Fred はその警官によって不注意に逮 捕された。」という意味になり、能動文と受動文の意味が同じである。含意関係を示す と以下のようになる。

(16)a. The doctor examined John carefully. ⇒ The doctor was careful.    b. John was examined carefully by the doctor. ⇒ John was careful. (17)a. The police arrested Fred carelessly. ⇒ The police was careless.

   b. Fred was arrested carelessly by the police. ⇒ Fred was careless.

したがって(18)のように、もし副詞が助動詞と動詞の間の位置にあると、指向が二義 的になる。

(18)a. John was carefully examined by the doctor.     (ジョンは注意深く診察してもらった。

     /医者によってジョンは注意深く診察された。)    b. Fred was carelessly arrested by the police.

    (フレッドは不注意に警察に逮捕された。      /フレッドは警察によって不注意に逮捕された。) これらの主語指向のS に付く副詞は、派生された主語の説明をしているが、これらの 様態副詞は深層構造の主語の態度を説明をしている。表層構造の主語の説明をする主語 指向の副詞を含む文では、受動文と能動文では主語が異なるため意味が変わることが確 認できた。

4.受動文中に副詞を含む用例

 1、2 節で副詞が現れる場所について見てきたが、それらが現れる実際の例をAgatha Christie(1944)の TOWARDS ZERO(以降 TZ)や Margaret Mitchell(1936)の Gone with

the Wind(以降 GW)から探した。話者指向の副詞として probably を含む文、様態副詞

の例としてcompletely を含む文、主語指向を含む文として happily を含む文を探した。 主語指向の副詞については、用例件数が少なく、受動文中に起こる主語指向のhappily の用例が見つからなかったので、CORPUS OF CONTEMPORARY AMERICAN ENGLISH

(11)

(以降COCA)から引用した。以降、例文中の下線は筆者による。 (19)probably を含む受動文の用例

  a. It was all incredible - so incredible that probably it would not have been believed in court.’       TZ (1944:123)   b. And, except for Melanie, he probably would not have been received there.

GW (1936:217)   c. And to make them worse, you, like every other mother, are probably determined that they

shall never know the hardships you’ve known.

GW (1936:621)   d. Probably the girl hadn’t been raped after all.      GW (1936:681)   e. Probably she’d just been frightened silly and, because of her, a lot of men might lose their

lives.       GW (1936:681) (19)の受動文中に現れるprobably の用例 5 件のうち、probably の位置は a,d,e が文頭、

b が一つ目の助動詞の前、c は一つ目の助動詞のあとである。文頭にある 3 件と、一つ 目の助動詞の前に現れる1 件のうち、3 件は否定語not を含んだ文で、残りの 1 件も助 動詞の位置に副詞just が来ている。これらの語より probably は広い作用域を取らなけれ ばならないので、これらの文では助動詞よりも前にprobably が来ていると考えられる。 (20)completely を含む受動文の例

 a. In the center of the hall the huge ugly lamp, hanging from the ceiling by rusty chains was completely transformed by twining ivy and wild grapevines that were already withering from the heat.       GW (1936:152)  b. It was completely hidden from view by the banked greenery and starry bunting and Scarlett

knew that every potted and tubbed plant in town was there, coleus, geranium, hydrangea, oleander, elephant ear―even Mrs. Elsing’s four treasured rubber plants, which were given posts of honor at the four corners.       GW (1936:152)

(12)

 c. “We’re completely buried at Tara.”       GW (1936:407)  d. And the air of supercilious elegance which had clung about him in his striking Zouave

uniform was completely gone.       GW (1936:550)  e. Her figure was completely gone and her face and ankles were puffy.

GW (1936:628)  d. The sun had completely gone when she reached the bend in the road above Shantytown and

the woods about her were dark.      GW (1936:718) (20)のcompletely を含む受動文はすべて一つの助動詞を持ち、その助動詞と動詞の間 にcompletely が現れている。(21)は受動文以外の助動詞を持つ文に completely が現れ る用例を挙げている。これらの文でもcompletely は(20)と同じ位置に現れている。 (21)受動文以外の助動詞を持つ文に現れるcompletely

 a. Suppose―oh, terrible thought!―suppose he had completely forgotten about her and was chasing after some other woman.        GW (1936:494)  b. The apathy which had clutched them immediately after the war had completely disappeared

and they were too busy building their own fortunes to help her build hers.  GW (1936:679) 主語指向の副詞の例は小説の中ではほとんど見つけることができなかったため、COCA で検索をした。

(22)主語指向の副詞を含む受動文の用例

   The future came rushing headlong, but we were happily settled with a house outside Corpus and daughters in school and a love for kayaking the wilds of the marshes and bays along the coast.       COCA COCA で調べた(22)の主語指向の副詞 happily は、助動詞の位置に現われるものが確 認できた。happily, deliberately, carefully など主語指向になると考えられる副詞が受動文 中に現われるものをCOCA で調べてみたが、そのほとんどは Theme が主語で動作主が

(13)

by の句または省略の形で、その動作主の様子を表すこれらの副詞は VP につく副詞の位 置に現われていた。

結論

 Jackendoff の分類した話者指向の副詞、主語指向の副詞、様態副詞がそれぞれ現われ ることができる場所について調べ、話者指向の副詞と主語指向の副詞はS に付加する 副詞なので文頭、助動詞の位置、コンマの後の文末に現われることができ、様態副詞は 動詞の前と文末に現われ、動詞の前に来るときに二義的になる。Gone with the wind から

主語指向の副詞の用例を調べた際、受動文に現われるものは見つけることができなかっ たが、助動詞を含まない主語指向の副詞happily の用例は 5 件あり、そのどの例もコン マの後の文末に現われるものはなかった。主語指向の副詞は主語から離れた文末にはあ まり来ないのではないかということが考えられる。  受動文中の副詞が現われる位置について、Jackendoff は S に付加する副詞が現われる ことができる位置は文頭、助動詞の前、最初の助動詞のあと、休止をともなう文末であり、 Sの下の構成要素の切れ目であるのに対し、VP の下にある厳密下位範疇化された副詞 はVP の前へ動かすことができず、VP のもとで、副詞の位置は基底がそれらを生成す る場所に制限されるとしているとしている。調査した話者指向の副詞probably は文頭、 一つ目の助動詞の前後に現われ、主語指向の副詞happily は助動詞の位置に現われるの に対し、調べた様態副詞のcompletely は動詞の前の位置にのみ現われるものが見られた。 話者指向の副詞のprobably は様々な位置に現われるのに対し、主語指向の副詞 happily は文頭に来るものを見つけることができず、少ないながら見つけた用例は助動詞の位置 であった。主語指向の副詞は情報構造などの関係で主語のあとに来る傾向があるのでは ないかと考えられるが、今回は用例が少ないのでまた今後の調査の課題にしたい。また、 下の(23)のようにby の前置詞句による Agent はないが、Agent に指向があると思わ れるhappily がある。

(23) That incident, through preceding the Wigand interview, is happily forgotten in “The Insider.”       COCA (23)の文の主語はThat incident であり、That incident is happily forgotten in “The Insider.”

という文の主語のあとにthrough の句が挿入されている。「その出来事は幸せに忘れら れた。」と言う意味になるが、Agent である by の前置詞句が省略されている。文中の

(14)

happily は Agent に指向があると考えられ、Jackendoff の様態副詞に一番あてはまると思 われる。happily が主語指向の解釈と様態副詞の解釈の間での両方の解釈を持つのかは 今後の課題にしたい。様態副詞completely は動詞の前のみに現われるものが見られたが、 また他の副詞では文末にのみ現われるものもあると考えられるので、この調査もまた今 後の課題としたい。  受動文に現われる副詞の位置は複雑であるが、話者指向の副詞、主語指向の副詞、様 態副詞でそれぞれ現われることができる場所が統語的に制限される。そして今回主語指 向の副詞のhappily や様態副詞の completely が同じ場所に現われるものしか見つけられ なかったことなどから、語の持つ意味によってさらに現われる場所が制限されることが 考えられる。

参考文献

Bellert, Irena (1977) “On Semantic and Distributional Properties of Sentential Adverbs,”

Linguistic Inquiry 8, 337-351

Carnie, Andrew (2013) Syntax : A Generative Introduction (3rd ed.) Wiley-Blackwell, Oxford, UK.

Chomsky, Noam (1981) Lectures on Government and Binding, Foris, Dordrecht. Greenbaum, Sidney (1969) Studies in English Adverbial Usage, Longman, London.

Jackendoff, Ray (1972) Semantic Interpretation in Generative Grammar, MIT Press, Cambridge, MA. 岡田信夫(1985)『新英文法選書 9:副詞と挿入文』東京:大修館書店. 奥野忠徳・小川芳樹(2002)『極性と作用域』(英語学モノグラフシリーズ9)東京:研究社. 岸本秀樹(2009)『ベーシック生成文法』東京:ひつじ書房. 澤田治美(1993)『視点と主観性―日英語助動詞の分析』東京:ひつじ書房.

資料

Christie, Agatha (2002) Towards Zero. Agatha Christie Signature Edition. Harper Collin, London. Mitchell, Margaret (1936) Gone with the Wind. Macmillan, New York.

Corpus of Contemporary American English (http://corpus.byu.edu/coca/)

参照

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