• 検索結果がありません。

発展途上国における社会経済計画に関する一考察--カンボディアの計画 利用統計を見る

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "発展途上国における社会経済計画に関する一考察--カンボディアの計画 利用統計を見る"

Copied!
23
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

発展途上国における社会経済計画に関する一考察--カンボディアの計画

著者

金子 彰

著者別名

KANEKO Akira

雑誌名

国際地域学研究

5

ページ

39-60

発行年

2002-03

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00003847/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

(2)

国 際 地域 学研究 第5 号2002 年3 月 39

発展途上国 にお け る社会経済計画 に関す る一考 察

−カンボディアの計画一

金 子 彰 * は じ め に 国際 地 域学 にお いて は発 展途 上 国 の 開発 をい か にす す めるか は中 心 的 な課題 で あ る。 限 ら れた 資 金、 資 源 や人 材の 中で、 また 解決 す べ き多 くの 課題 と限 ら れた 時 間の中 で 適切 に 開発 を行 って い く た め には まず その 基本的 な 戦略 が示 さ れな け れば なら ない。 また、 現 在多 く の発展 途上 国 で も市場 経 済化 が進 めら れてい る。し か し、 す べて市 場 に任 せ れば市 場 経済 化が 円 滑 に進 む もので は ない。 後 で述 べ るよ うに、 発展 途上 国 に おい て こ れら の課 題に対 応 す る ため に は、国 とし て の社 会経 済計 画 を策 定し そ れを ふ まえ整 合性 のあ る開 発 を進 め る必要 があ る。 以 前 から い くつ かの 発展 途上 国で 社会 経 済計 画が 策定 さ れ それ に基づ き進 め ら れた開 発に よ り大 き な成果 を あげ て きた。 さ て、本 学大 学 院国際 地 域学研 究 科 に おい て 「公共 経 済学 演習A 」 とい う科 目 があ る。国 際 地域 学研 究 の ため に必 要な公 共 経済 学 に つい て の実 践的 な知識 を 学 ぶこ とを目 的 とし てい る。2001年春 学 期 におい て は発 展途上 国 にお け る 社会 経 済計 画 につい て ゼ ミ形 式 で輪 読し 議 論 をす るこ ととし 、 比 較的 最近 策定 さ れそ の進 捗 につい て もあ る程 度把 握さ れ てい るカ ン ポデ ィ アにお け る社 会経 済計 画 を とり あげ た。 この演 習A に参加 し た 院生 との やり とり を とお し 実効 性 のあ る 社会 経済 計画 とは 何 か、 そ れが開 発 に どの よう に寄与 す るの かに つい て改 め て考 え る機 会を 得 た。 本稿 にお い て は、 カ ン ボデ ィア に おけ る 社会 経 済計画 を分 析整 理 し て示 す と と もに 、 その成 果 を 検証 し 得 ら れた経 験を示 し 、今 後 の 発展 途上 国 の 開発の 参考 とし たい。 改 めて、 議論 に 参加し て く れた院 生 の皆 さ んに感 謝し たい 。 1 。 発 展 途 上 国 に お け る 社 会 経 済 計 画 の 必 要 性 と 意 義1 )市場 経 済に おけ る社 会 経済 計 画 市 場 経済 の もとで なぜ計 画 が必 要 な の か ? わが国 で も多 い 質 問 であ る。 計 画経 済 と呼 ばれ る経 済体 制 で は市場 の代 わ りに国 家 が すべ て の基 本的 な 経済活 動 を計 画し 、 生産 、 流通 な どを担 う 各機 関 は計 画 に基づ く指 令 を実行 す る こ とが計 画 の機 能 であっ た。 この よう な 経済 にお いて は計 画 が す べて であ る が。 市場 経 済に おい て は各 経 済主 体 は自主 的 に判 断、 行 動 する。 この結 果社 会 とし て最 '東 洋大学 国際 地域 学部:FacultyofRegionalDevelopmentStudies,ToyoUniversity

(3)

40 国際地 域学 研究 第5 号2002 年3 月 も望 まし い 資 源配 分が 達成 さ れ る もの と想定 さ れる。 し かし、 市 場 は万 能 で は ない。 その た め政府が 大 きな 役割 を果 た す。 そ の役割 の なか に は、 政 府 が 社 会 経済 の発 展 に対 し て様 々 な施 策 を もっ て支 援し て い く こ と。 生 活や産 業 の発 展 に寄 与 す る 社 会 資 本 の整 備 を行 うこ と、 市場 経 済 だけで は達成さ れない 公平 性 の確 保 のた め例 え ば社会 的 弱 者 に 対 す る支援 を行 う こ とがあ げ ら れる。 そ もそ も市場 経 済 の枠 組 みを形 成 す るの は政 府 の役 割 で あ る し 、 市 場 経済 が安 定的 に 機能 す る よう にす るの も政府 の機 能 であ る。 市場 経 済 におい て は、 計画 が市 場 に代 わ る ことは あり え ない が、政 府 が経 済社 会 の進 む べ き方 向 を示 し 、 またこ の計 画にし たがっ て自 ら実 施 する政 策 につい て 整合性 のあ る もの にし てい く こ とで 中長 期的 に市 場 を誘 導し てい くこ とに な る。し たが って 計 画 は市場 経 済 の中 で も重 要 な機 能 を 有し てい る。 た だし 、計 画 と市場 経 済 の関 係 につ いて は時代 と ともに変 化し て い る。「 大 きな 政 府」が志 向さ れてい る と きに は計 画 の果 た す役 割 が大 きいが 、 現在 の よう に「小 さな政 府 」が 志向 さ れる場 合 は より市 場 機能 にウ ェ イト がお か れ、計 画 はより間 接的 、指 針 的 な もの になる。2 ) わ が国の 経 験 わが 国 は これ まで14の 経済計 画を 策定し て きた。( 表 ト1 )その中 で も昭 和35年 に策定 さ れた「国 民 所 得 倍増 計 画」 はわが 国 の高 度成長 をリ ードし た計 画 とし て よ く知 ら れ てい る。 こ れ まで の わ が 国 の 経済 計 画に つい て、 そ の策定 に あ たっ た 経済審議 会 から 平 成12年12月 に「 経済 審議 会 活 動 の 総 括 的報 告 とこ れから の新 しい 体 制で の活 動 へ の期 待」 とい う報 告が 出て い る。 ここ で は詳 し く は述 べな いが 、特 に初 期 にお い て はわが 国 の経 済計 画 は発展 の た めの政 府 とし ての明 確 な 指針 を 示 す と と もに、 限 ら れた投資 財 源 の整 合性 あ る配 分 を行 っ て きた と考 え られ る。し かし 、 経 済 の成 熟 化 に より 機能 は変 化し 、 政府 とし て 今後 の 社会 経 済のあ る べ き方 向 を示 す こ とに その役 割が 移 っ た。 平 成14年1 月 経 済財政 改 革 のた め に「構 造改 革 と経 済財政 の 中期 展望 」 とい う中 期的 な 経 済計 画 が 策定 さ れた。 こ の計 画に おい て は、 構造 改 革を中 心 とし て経 済財 政運 営 を どの よう に 進 めて い く のか、 その 結果 日本 経 済社 会 は どの よう に変化 す るの かが 示さ れ てい る。 わ が 国 の市場 経 済にお け る経 済計 画 の長 い 経験 は、 特 に こ れか ら開 発を 進 めてい こう とし て い る 発 展途 上 国 に寄与 する もの と考 えら れる。 表1-1 日本の経済計画一覧 名 称 策 定 年 月 計 画 期 間( 年 度) 計 画 の 目 的 実質経済成長率( 計画期間平均) 経 済 自 立5 ヵ 年 計 画 昭30.12 昭 和31 ∼35 経 済 の 自 立 完 全 雇 用 4.9% 新 長 期 経 済 計 画 昭32.12 昭 和33 ∼37 極 大 成 長 生 活 水 準 向 上 完 全 雇 用 6.5% 国 民 所 得 倍 増 計 画 昭35.12 昭 和36 ∼45 極 大 成 長 生 活 水 準 向 上 完 全 雇 用 7.8% 中 期 経 済計 画 昭40.1 昭 和39 ∼43 ひ ず み是 正 8.1%

(4)

金子: 発展 途上国 にお け る社 会経 済計 画 に関 す る一考 察 − カン ボデ ィア の計画 一 41 名 称 策 定 年 月 計 画 期 間( 年 度) 計 画 の 目 的 実質経済成長率(計画期間平均) 経 済 社 会 発 展 計 画 一40 年 代 へ の挑 戦− 昭42.3 昭 和42 ∼46 均 衡 が と れ充 実 し た 経 済 社 会 へ の 発 展 8.2% 新 経 済 社 会 発 展 計 画 昭45.5 昭 和45 ∼50 均衡 が と れた 経 済 発 展 を 通 じ る 住 み よい 日 本 の 建 設 10.6% 経 済 社 会 基 本 計 画 一活力 あ る福祉社 会 のため に− 昭48.2 昭 和48 ∼52 国 民 福 祉 の 充 実 と 国 際 協 調 の 推 進 の 同 時 達 成 9.4% 昭 和50 年 代 前 期 経 済 計画 一 安 定 し た 社 会 を目 指 し て− 昭51.5 昭 和51 ∼55 我 が 国 経 済 の 安 定 的 発 展 と充 実 し た 国 民 生 活 の 実 現 6% 強 新 経 済 社 会7 ヵ 年 計 画 昭54.8 昭 和54 ∼60 安 定 し た成 長 軌 道 へ の 移 行 国 民 生 活 の 質 的 充 実 国 際 経 済 社 会 発 展 へ の 貢 献 5.7% 前 後 1980年 代 経 済 社 会 の 展望 と指 針 昭58.8 昭 和58 ∼ 平 成2 平 和 で 安 定 的 な 国 際 関 係 の形 成 活 力 あ る 経 済 社 会 の形 成 安 心 で 豊 か な 国 民 生 活 の 形 成 4 % 程 度 世 界 と と もに 生 き る 日 本 一 経 済 運 営5 ヵ 年 計 画 一 昭63.5 昭 和63 ∼ 平 成4 大 幅 な 対 外 不 均 衡 の是 正 と世 界 へ の 貢 献 豊 か さ を 実 感 で き る 国 民 生 活 の 実 現 地 域 経 済 社 会 の均 衡 あ る 発 展 3 % % 程 度 生 活 大 国5 か 年 計 画 一地 球 社 会 と の共 存 を め ざ し て− 平4.6 平 成4 ∼8 生 活 大 国 へ の 変 革 地 球 社 会 との 共 存 発 展 基盤 の 整 備 31'A % 程 度 構 造改革のため の経済社会計画 一 活力 あ る 経 済 ・安 心 で き る く ら し− 平7.12 平 成7 ∼12 自 由 で 活 力 あ る 経 済 社 会 の 創 造 豊 か で 安 心 で き る 経 済 社 会 の 創 造 地 球 社 会 へ の 参画 3 %程 度(8 ∼12 年 度) 経 済 社 会 のあ る べ き 姿 と経 済 新 生 の 政 策 方 針 平11.7 1999 ∼2010 多 様 な 知 恵 の 社 会 の 形 成 少 子・高 齢 社 会 、 人 口 減 少 社 会 へ の 備 え 、 環 境 との 調 和 (2%) 構 造 改 革 と 経 済 財 政 の 中 期 展 望 平14.1 2002 ∼2006 人 間 を よ り重 視 す る 経 済 社 会 雇用 ・ 高 齢化 ・ 地 域 経 済 等 の課 題 へ の 積 極 的 な 挑 戦 強 靭 な 経 済 、 財 政 の 実 現 1% 程 度 あ る い は そ れ 以 上(2004 年 度 以 降) 出 典 : 内閣 府 ホー ムペ ー ジ に加 筆 3 ) 発展 途上 国 に おける 必要 性 既 に述 べ たこ とで ある が、 発 展途 上国 におい て は開 発 のた め の資源 が 限ら れ てい る一 方、 貧困 な ど の解決 す べ き課 題 は多 く かつ 時間 が 限 ら れてい る。 また 、多 くの発 展 途上 国 にお いて は市 場 経済 を採 用し て い る とはい え制 度が 熟し てい る と はい えない。 これ らの課 題 を 解決 す るのが 政 府の 役割 で あ るが、 そ の統 治能力 が十 分 とはい えない 国 が少 な くない 。 こ の ような状 況 の も とで 未来 に向 かっ た 開発 を 進め てい くた め に は、政 府 が今 後 の開発 の方 向 に つ き明 確 なビ ジョ ン を示 すこ と、 そ のビ ジ ョ ンを ふ まえ限 ら れた資 源 を 整合性 を もっ て活 用し て い くこ とそし て そのた め のプ ロ グ ラム を つ くる 必要 があ る。 さ ら に、 わが 国 の高度 成長 期 に至 る 経験

(5)

42 国 際地 域学 研究 第5 号2002 年3 月 に照 らし て も、 発 展途上 国 にお い て 社会 経 済計画 を策定 する必 要性 が 高い。 2 。 カ ン ボ デ ィ ア の 概 況1 )地 理 本論 で対 象 とす るカン ポデ ィ ア は、東 南 ア ジアの インド シ ナ半島 に位 置し てい る熱 帯 の国 で あ る。 南 は シ ャ ム湾 に面 し てい るが、 そ の他 の周 囲 をヴェ ト ナム、 ラオ ス、 タイ に囲 ま れてい る。 国 土 は18万ぼ と日本 の約 半分 で あ る。 メ コン 川が国 土 を貫い て 流 れて お り、 東 南 ア ジア最 大 の 淡水 湖 で あ るト ンレ サップ 湖 があ る。 国土 は平 地 が多 い が 南西 部 に は山脈 があ り、 中央 平 野 と海 岸 部 を 分 け て い る。 人 口 は約1,100万 人 であ り、大 半 が地 方 に住 み、第1 次産 業 に従 事し て い る。主 要 な都 市 は首 都 プ ノ ンペ ン の ほか、 ア ンコ ール ワ ット の遺 跡 のあ るシ ェ ムリア ップ 、農 業 の中 心バ ッ タ ンバ ン、 港 湾 都市 シハ ヌ ー クビ ル、 メ コン 川 に面 し たコ ン ポンチ ャ ムな どが あ る。(図2-1 参 照)2 ) 歴 史 カ ン ボデ ィア は12世 紀 こ ろに 最 も栄 えア ン コール ワッ ト が建設 さ れた ほ か優 れた 濯漑 施 設 な ど も つ く ら れた が、 そ の後 戦 乱 に よっ て衰退 し 】9世紀 半 ば からフ ラ ン スの支 配 下にお か れた。 第2 次大 戦後 独立 し シハ ヌ ーク体 制 の もとで 国づ くり が進 めら れた。 し かし 東西 冷戦 や インド シ ナ半島 におけ る戦乱 の影響 を うけ 、1970年 のク ーデ タ ー以 後 長 期 に わ た る 内戦 に突 入 した。そ の間、クメ ー ルル ージ ュ支配 下 にお いて100万 人以 上 に のぼ る虐 殺 が あっ た。 さ ら に そ の後 ヴ ェト ナ ムの 支援 を受 け たプ ノ ンペ ン の ヘン サ ムリ ン政権 と3 派 連合 との間 で 内 戦 が 続 い た。 ヘ ン サムリ ン政 権 は社 会 主義 経 済を 導入し 、 ソ連、 東 欧諸 国 の支援 をう けた。 東 西冷 戦 の終 結 に伴い 、パ リ和 平 会 議 を経 て1992年 より国 連 の暫 定統 治(UNTAC )の下 で 総選 挙 が 実施 さ れ新 し い政 府が 成立 し た。 採 択さ れ た憲 法 に より王 国 となり、 シハ ヌー ク国王 が即 位 し、 今 日 に至 っ てい る。 し か し、 後 で のべ る よう に内戦 の もた らし た傷 跡 は大変 大 きな ものが あ る。3 )経 済 経 済 につ いて は後 で詳 し く述 べ るの で詳 細 は示 さ ない が、 長 期に わ た る内 戦 の結 果 経済 は 大 き く 破壊 さ れ、現 在1 人 当 りGDP は約300US$ と最 も貧し い 国 の一 つに なっ てい る。現 時点 で は 観光 、 林産 品 や 縫製 製品 な どを除 き、 見 るべ き産業 はない が、 し かし肥 沃 な広 い平 野 を有 す るな ど そ の ポ テ ン シ ャル は評価 さ れて い る。 し か し 未だ 経 済が自立 し う る段階 に は至 って い ない。 カ ン ボディ ア にお いて は1990年 代 に入 り 本格的 に 市場 経済 が 導入 され た。 現在 も市 場 経 済化 の た めの 政策 が推 進 され てい る。 ま た、 カン ボ ディ アにお い て は内戦 から の復興、 市 場 経済 化あ るい は 社会問 題 の改 善 な どに対 し 国 際 機関 や わ が国 をはじ め と す る 先 進諸 国 か らの援 助 やNGO の 活 動 な ど が大 き な貢 献 をし て い る。 これ らの カン ボデ ィ ア社会 経 済 に占 め る位置 は大変 大 き い。

(6)

金子: 発展途上 国 にお け る社 会経 済計 画に関 する一 考察 − カ ッ ボディ アの計 画 一 @ いdonal 匈 鳶WOPr −CmitiioCi ¥ii3NntMrpon ↓Pan 一 一-Rs ●my べ と 恥1-P 加nolst 幽ndDiy. _ _ ―.(RtimBllontf-dounet&fy(BcMncfarictsnotnaoasBt 膚yo 膚iorita雌爽) CAMBODIA f ︱I 中 % ゝ ∼ ミ . ¬ 1 1 X ≒ バ ” 図2 −1 カ ン ボ デ ィ ア SouthChinaSea 43 出典:“FIRSTFIVEYEARSOCOECONOMICDEVELOPMENTPLAN1996-2000"TheRoyalGovernmentofCambodiaJanuar \'1997 より転載 3 。 第l 次 社 会 経 済 開 発 計 画1996 −2000 の 概 要1) 計 画の 背景 カ ン ボ デ ィア に お い て は新 政 権 の 発 足 後 、1994年 に カ ン ボ デ ィア 復 興 開 発 国 家 プ ロ グ ラ ム(NPRD) 、社 会 経済復 興計 画1994−1995 が 策定 さ れた。また1996年 に は3 年 間 のロ ーリ ン グ投 資 計 画 で ある 公共投 資 プロ グ ラ ム1996−1998 が 策定 さ れた。NPRD には カン ボデ ィ ア政府 の広範 な 開発 目 標 が示 さ れてい る。 こ れ らの先 行 す る計 画、 プ ロ グラ ムを ふ まえ、 より広 範 で詳細 な計画 が策 定 さ れる こ ととなっ た。こ れが以 下 に紹 介 す る第1 次 社会 経済 開発 計 画1996−2000 であ る。ち な みに、

(7)

44 国際 地域学 研 究 第5 号2002 年3 月 この計 画 は当国 に とっ て市場 経 済 の中 で の最初 の5 か年 計 画で あ る。2 ) 計画 の 目標 こ の計 画 は地方 部 の社 会開 発 に主 眼 を置い てい る。 それ は第H ここ の国 の貧困 者 の90% が 地 方 に 住 んでい るこ と、第2 に社会 的 弱 者に対 す る直 接的 な支 援 が緊 急 の課題 であ る こ とに よ る もの で あ る。 都市 部 のプ ロ ジェ クト に はコ スト がか か る こと も考 慮し て 、 この計 画 で は人 口 のQCO/が地方 部 に 居 住し てい るが、 計 画期 間内 の 投資 を地 方 部65: 都 市部35 と想 定し てい る。 具 体的 な 目標 は後 で述 べる が ポ イント を示 す と、 ・ 農 村開 発 省 の設立 とNGO の重 視 ・ 保 健、 教 育等 の水 準向 上 ・ 農林 漁業 開発 の重 視 ・ 地方 部 の道路 整備 の 重視 ・ 労働 集約 型産 業 な ど民間 投 資 の誘 致 ・ 政府 の財政 や 統治能 力 の再 編 強化、 効 率化 な どが あげ ら れ る。3 )計 画 の構 成 本 計 画 は4 部 で 構成 さ れてい る。 第1 部 におい て はカ ン ボデ ィア政 府 とし て の長期 的 な 開発 目 標 と戦 略 が述 べら れる。 そ の中 で、 社 会的弱 者 の重 視、 雇 用、 地方 開発 の た めの仕 組 み、 環境 保 全 、 公共 部 門 の再 編 といっ た 分野 を また が る課題 が示 さ れる。 第2 部 にお い て は過去5 年 間 のカ ン ボデ ィ アのマ クロ 経済 の 実績 を評 価し た上 で 計画 の フレ ー ム が示 さ れる。 そ の中で 計 画期 間 中の 政府 の分 野別、 地 方 都市 別 の投 資目 標 やい くつ か の重 要 な 社会 開発 の指 標 な どが 示 され る。 第3 部 にお い て は個々 の分 野 につ い て の分析、現時 点で の戦 略 お よび開 発プ ロ グ ラム が示 さ れる。 第4 部 にお い て は本 計 画 の要約 と結論 が述 べら れ る。 4 。 国 家 開 発 の 目 標 と 戦 略1 ) 開発 の 目標 、戦略 と制 約 本 計 画 にお い て、 カン ボデ ィ ア政 府 の目標 は「 公正 、 公平 で平 和 な社 会 を築 き、 経 済成 長 を加 速 す るこ とに より すべ ての カ ン ボディ ア国 民 の生活 水準 を向 上 さ せ るこ と」で あ る とさ れて い る。 そ のた め に以 下 の こ とをめ ざ す とさ れて い る。 〈貧 困 の減少 と能 力 開発 〉 貧 困 の撲 滅 がカ ン ボデ ィア 政府 の 唯一 の重 要な長 期 目標 で あ る。 現 在 、貧 困が 貧困 を呼 ぶ とい う 悪循 環 に 陥っ てい る がこ の打 破 が必 要で あ る。他 の国 の例 をみ て も、 こ のた め には 特 に女性 や子 供 の能 力 開発 に重点 が置 か れ るべ きで あ る。この ことに より 長期 的 な発 展 の基 礎を築 く こ とがで き る。

(8)

金 子: 発展途 上国 に おけ る社 会経 済計 画に関 す る一考察 一 カン ボデ ィアの 計画 45 貧困 層 は多 く地 方部 に居 住し て い るた め地方 部 の社会 開 発に重 点 が おか れ るが、 都 市部 の開 発 も製 造 業 や観 光 な ど成 長 のた め の基盤 とし て必 要 であ る。< 産 業基 盤 の整 備〉 長期 的 かつ持 続的 な貧困 撲滅 の た め に も産 業 基盤 の整 備 が必 要 であ る。 民 間部門 の成 長 の た めの 基 盤 は地 方部お よ び工業 、 観光 、 サ ービ ス産 業 の発 展の 中 心であ るプ ノン ペ ン、 シハ ヌ ー クビ ル、 シェ ムリ アップ に おい て進 めら れ る。 産業 基 盤 の整備 の た めに政 府 はマ クロ 経済 の安定 、 制度 の 確 立お よびイ ンフ ラ の整備 を行 う。 こ の際環 境 へ の配慮 が重 要 であ る。 〈自立 性 の向 上 〉 カ ン ボデ ィア は貿易 赤 字 と輸 出力 の 限 界、 財政 赤字 と歳 入 源の 制約 お よ び低賃 金 の ため高 度 な経 営 管 理・ 技術 者 な どの流 出 に直 面 し てい る。 こ のた め輸出力 を確保 する必 要があ る。 また国 内 の経 済力 の制 約 から当 面 外国 から の援 助 、NGO によ る と ともに海 外 から の投 資 の誘 致 も重要 であ る。過 去20年間 にお い て国内 で の自立 し て 運営 する人 的 能力 は失 わ れてし まっ たが 、次 期5 か年 の 間 に は 立 て直 す必要 があ る。 さ らに 市場 経 済化 の 中 で運 営し てい く能力 をつ け る こ とも重 要であ る。 〈受 け入 れ能 力 の向上 〉 カ ン ボデ ィア は次 の20年 間 に急 速 な成 長 と構造変 化 を とげた い と考 えてい るが、 そ れは中 期的 に は カン ボデ ィア の受 け 入 れ能力 の向上 にか かっ てい る。そ のた め には カン ボ ディ ア政 府 は財政 改革 、 市場 経 済にお け る運営 能力 の向 上 、 組織 改 革、 公的 部門 の縮小 お よび 軍隊 の削減 な ど軍備 縮 小が 必 要で あ る。 〈地 域協 力 〉 カ ン ボデ ィア は幸い な こ とに経 済 活動 が 活 発化し て い る地域 に 位置し てい る。 交通 津 信、 エ ネル ギー、 農 業、 環境 な どの 分野 で地 域 にお け る 協力 の機 会が 存在 し てい る。 カン ボデ ィア は この よう な協力 プ ロ グラ ム に 参加 し た い と考 え てお り、 またバ ン コ クープ ノ ンペ ンー ホー チ ミ ン道 路 プ ロ ジェ クト (RI ) な どの共 同 プロ ジェ クト の実施 に 関心が あ る。 〈カ ン ボデ ィア 政府 の開 発戦 略 の ま とめ〉 カ ン ボ ディア 政府 の開 発プ ロ グラ ムの 要素 を整 理 する と以 下 の よう にな る。 ・ 貧 困撲 滅 と地方 部 の開 発へ の広 範 な 参加 ・社 会 サ ービ ス に対 す るア クセ ス の拡 大、 特 に女 性 と子供 を対 象 ・マ クロ 経 済の安 定 の達 成 ・ 行 政・ 司 法組 織 の再編 ・ イン フラ投 資 の拡 大、 特 に地 方部 の道路 ・人 的 能力 の向 上 ・米 の 生産 拡大 と安 定化 、 家畜 生産 の促 進、 商 品作物 の多 様 化 に よる生 産 基盤 の拡 充 ・ 労働 依存 型工 業 な どに よる 雇用 の 創出 ・天 然 資 源の持 続可 能 な利 用 ・ カ ン ポデ ィア経 済 の地 域、世 界 経 済 への 再 統合 と地 域機 関 と結合

(9)

46 国 際地 域学 研究 第5 号2002 年3 月 2 ) 社 会 的 弱 者 の 重 視 ○ 雇 用 と 貧 困1993-1994 に は じ め て の 社 会 経 済 調 査 (SESC ) が 行 わ れ た 。 そ の 結 果 を 示 す 。 〈労 働 力 の 状 態 〉 表4-1 労働力 の状 態 (単位:千人) 全 国 う ち 地 方 15∼64 歳 人 口 5,157 4,321 非 労 働 力 人 口 1,299 1,005 労 働 力 人 口 3,857 3,316 就 業 者 *I3,768 ≫23,254 失 業 者 90 62 注 出典:"FIRSTFIVEYEARSOCOECONOMICDEVELOPMENTPLAN1996-2000"TheRoyalGovernmentofCambodiaJanuary1997 よ り *1 こ の う ち雇 無 自 営業 主 は59.0%、無 給の 家 族 従業 者 は29.3%で あ り 雇用 者 は10.3% *2 こ の う ち雇 無 自 営業 主 は60.8% 、 無給 の 家族 従 業 者 は31.7% で あ り雇 用 者 は7.1% 毎 年135 千人 が 新た に労 働 市場 に 参入 す る。 うち100千人 が 地方 部 、35千人 が都 市 部 であ る。 に加 えて3 年 間で20% の公共 部 門 の削 減や42千人 の復 員 に よる増 加 も見 込 ま れる。< 貧 困〉 家計 調 査 から 得ら れた食 料 に対 する 支出 と必 要カロ リ ーから 貧困 基準 が も とめら れた。 こ れ こ れ は 地 域 に よ っ て 異 な る が プ ノ ン ペ ン の平 均 的 な 世 帯 (5.9人 / 世 帯 ) はUS$149 / 月 で あ る 。 貧 困 の 割 合 は以 下 の と お り 。 表4-2 貧困の割合 (単位:% ) プ ノ ン ペ ン そ の他 都 市 部 地 方 部 全 国 世 帯 24 35 40 38 人 □ 19 27 32 30 出典:“FIRSTFIVEYEARSOCOECONOMICDEVELOPMENTPLAN1996-2000"TheRovalGovernmentofCambodiaJanuary1997 より 〈政 策 〉 貧困 撲 滅 と雇用 の 創出 に政 策 の重 点 が置 か れる。 また 、貧 困撲 滅 と雇用対 策 は省 庁 横断 的 な課 題 で あ る。 さら に近 い将 来公 共 部門 の削 減や復 員 に伴 う雇 用対策 も政 府の 大 きな課 題 と なる。 現 在 の 社 会問 題 ・労 働・ 復員 軍人 省 (MSALVA ) の強化 が求 めら れる。 ○ 社会 的弱 者 のた めの社 会 の再 建 と開発 カ ン ボデ ィア政 府 のこ の課 題 にお け る2000年 に向 けた目 標 は、地域 に 根ざし た調 査 分析 に 基 づ き、 社 会的 弱 者 を最小 に する た めの戦 略 的 な計 画づ くり、 プロ グラ ム開 発お よ びサ ービ スの 提供 を行 う 強 い協 同 ネ ット ワ ークを つ くる こ とにあ る。

(10)

金子 : 発展途上 国 にお け る社会 経 済計画 に関 する一 考察 一 カ ンボ ディ アの計 画 一 47 〈女 性 と子 供 のおか れてい る現 状〉 女 性 の置 か れてい る状況 は出産 に伴 う死 亡 率が良 く示し て いる。 カン ボディ アで は出産10 万人 当 り600−900 の死亡 率 で アジア で 最 も高い 。 また女性 は教育 の 機会 が 少 な く、 地方 部 の女性 の非識 字 率 は男性 の20% に比較 し て大 幅 に高 い50% であ る。 さ ら に15歳以 上 の女 性 の40% 近 く は就 学 し たこ とが ない。 この よう な中で 、女 性 が主 た る家計 支 持者 とな っ てい る世 帯 が地 方部 で20%、 都 市部 で25 % となって い る。 女 性 の社 会的 地 位 の向上 はカ ン ボデ ィア の開 発 にお け る基本 的課題 とい え る。 子 供 につい てい え ば、1,000人 出生 中 日5−181 人 が5 歳 まで に死 亡し てい る。栄 養失 調 が その主 た る原 因で あ る。 幼 児期 にお け る 栄養 失調 は発育 不良 となっ て後 まで影 響 す るこ とに なる。 女 性 と子供 のお か れた 問題 を 解決 す るに は統一 的 で協 調し た努力 が 必 要で あ る。 特に、 開 発 にお ける 女性 の役 割 に より留 意さ れ るべ き であ る。 〈 社会的 弱 者〉 カ ン ボデ ィア におい て は社 会的 弱 者 は貧 困 と強 く結びつ い てい る。 他 の家 族 か らの支 援 が得 ら れ ない 、 働 き手 が な くし か も子 供 が多 い世 帯 な ど は特 に当 て は まる。 以 下 の グル ープが 社会 的弱 者 とし て 考慮 さ れなけ れ ばなら ない 。 ・孤 児 と遺棄 さ れた子 供 たち ・路 上生 活 の子供 と家族 ・路 上生 活 の女性 ・性 的 に搾 取 され る女性 、子 供 ・ 武力 衝突 に よっ て影響 さ れ た人々 ・ 身体 障 害者 〈 社 会開発 の戦 略 と1996−2000年 のプ ロ グ ラ ム〉 ・能力 開 発 政 府 機関 の能力 開 発 と同時 に コ ミ ュニ テ ィ段 階で サー ビ スが提 供 で き るよ うに する。 ・ 社会 的弱 者 に対 するプ ロ グラ ム 特別 のプロ グラ ムが こ れら グル ープ に対 し て実施 さ れる。 ・ 貧し い片 親世帯 ・ 子供 の 養子 と養育 ・ 子 供 の搾 取 ・孤 児 と遺棄 さ れ た子 供 ・路 上 生活 の家 族 と子供 ・ 身 体障 害者 ・難民 ・ 孤 立し た 少数民 族 ・高 齢者 ・HIV/AIDS 感 染者

(11)

48 国 際地 域 学研究 第5 号2C02 年3 月 〈実施 のモニ タ ー〉 開発 の人間 的 側面 はし ばし ば 無視 さ れ るこ とがあ るた めヽ こ の計画 の実施 に よ る社会 の 進歩 の状 況 が モニ タ ーさ れ る必 要 が あ る。 一 般 的な 指標で あ る一人 あ たりGDP だ けで な く貧 困者 や 社会 的 弱 者 に対 す る開 発 の効果 が モニ タ ーさ れ る こ とが重 要 であ る。3 ) 地方 部開 発 への重 点 化 と環境 の 重視 ○地 方 部の 開発 カ ン ボデ ィア の国民 の うち85 % は主 要9 都 市以 外 に居 住し てい る。 し た がって 地 方部 の開発 が カ ン ポデ ィア全 体 の開発 の キ ーポ イン ト にな る。 〈地 方部 開 発 の組織 〉 地 方部 の 開 発 の 促 進 の た め に はそ れ を担 う組 織 づ く り が 重 要 で あ る。 政 府 の 中 に地 方 開 発 省 (MRD )が設立 さ れ たほ か、 各段 階(州 、 郡、村 な ど)に 各々 の 開発委 員 会 が設立 さ れ る。 例 え ば 村 開 発委 員 会(VDC )は5 −9 名 の 村民 で構 成 され、そ の村 の抱 え る問題 を整 理し 開 発計 画 をつ く る、 開発 資金 を管理 す る ことな ど を任務 とし てい る。 この よう な草 の 根型 の地 方 開発 が志 向 さ れ る。 〈地 方 部 開発 のた め の主 なエ リ ア〉 地 方部 開 発 にお いて は、多 く の地 方 部 の家 庭に大 きな効 果 を もた らす もの に焦点 をあ て る。 す な わ ち、 地 方道路 、 基礎的 な保健 衛 生、 教育 、家 族 経営 の農業 、 地 方金 融 な どで あ る。 〈NGO 〉 カン ボディ アの 地 方開発 に はNGO が大 きな役 割 を果 たし て い る。1996−2000 年 の間 にNGO に よりUS$365 百万 が想 定さ れ てい る。NGO は教育 、訓練、 保健衛 生 の分 野 で貢献 す るが、 その 活 動 に は小 規模 金融 (マイ クロ フ ァ イナ ン ス) など自立 を支援 す る分 野 にお け る貢献 も含 まれ る。 〈 地 方部 開発 のた めの金融 〉 地 方部 におい て は肥料 の 購入 な ど のた め に融資 を必 要 とす るが、 現 在 は極 めて 高利 の非 公 式 的 な ものし か ない。 こ の ように 要請 は大 きい が商業 銀行 はこ の ような 融資 に は応 じ てお ら ずNGO が 主 とし て貧 困 救済 を目 的 とし て対 応し て い る。NGO に よ る融資 は急速 に拡 大し てお り45,000人 に 融 資 す る よう になっ て い る。た だし そ の規 模 は小 さく平 均$US30 程 度 であ る。さ らに 小企業 向 け の よ り 大 規 模($US300 ―400)な 融資 も検 討 さ れてい る。 い くつ かの 課題 もあり 政府 とし て はこ の よう な 地 方 部開 発 のた め の金融 の制 度 化 を提 案 す るこ ととして い る。 〈地 方 部 にお ける地 雷除 去 〉 カ ン ボデ ィア の地 方部 の開 発 に は地 雷や 不発弾(UXO )が大 き な制約 となっ てい る。 カン ボ デ ィ ア には約10百 万個 の地雷、1900 の地 雷 原 があ ると想定 さ れ る。 こ のた めカ ン ボデ ィア 地雷 除 去 活動 セン タ ー (CMAC ) が 設立 さ れ1995年9 月 末で275KM2 の探 査 が行 われ た。1996 −2000年 にお いて地 雷 除去 を計 画的 に進 めて行 く こ と とし てい る。 ○ 環境 ・天 然資 源 の管理 カ ン ボデ ィア は環境 ・天 然 資 源に 恵 まれ た国で あ るが 経済 開発 を進 めて行 く中 で環 境 に配 慮 し て い く こ とが重 要 と考 えてい る。 この た め環境 省が設 置 さ れてい るが取 組 が十分 とは い えな い。

(12)

金子 :発 展途上 国 にお ける 社会 経済 計画 に関 する一 考察 − カ ン ポディ アの計 画 一 49 〈 現在 の環 境 の課 題〉 現 在 の環境 の課題 とし て は、 森林 の減 少、 沿岸 域 の環境 悪 化、 水 質汚 染 、水産 資 源 の減少 、 ト ン レ サップ 湖 の 複合的 環境 悪化 、 生物 多 楡 既の 喪 失、 都市環 境 の 悪化 が あげ ら れる。< 環境 ・天 然 資源 に対 す る長期 戦 略 〉 カン ボディ ア政府 は環 境 ・天 然 資 源に対 す る長 期戦 略 を策 定 す る。 その 中で 特定 の指 標 を設 定し 達成 状 況 を把握 し てい く。 長期戦 略 とし て、 森 林管理 戦 略、 沿 岸域 管理 戦 略、 水質 管理 戦 略、 漁業 管理 戦 略、 トン レ サップ 湖 エ コシ ス テ ム管理 、 自然保 護地 域 管 理お よび都 市・ コ ミュニ テ ィ環境 改 善 があ げ られ る。<2000 年 を目 指し た環 境・ 天然 資 源 の目 標 〉 はじ め に環境 省お よび各 省庁 の中 期 的 な組 織 目標 があ げ られ る。 環境 省 であ れ ば各分 野 と協 調し た計 画 策定、 各 省庁 で あ れば環境 部 門 の 設立 、 強化 な どがあ る。 森 林 管理 中期 目標 、 沿岸 域管 理中 期 目標 、 水 質管理 中期 目 標、 漁 業管 理 中期 目標 、 トンレ サップ 湖エ コ システ ム中期 目標 、 自然保 護 地 域 管理 中期 目 標お よび 都 市環境 保 全 中期 目標 が設 定 さ れ る。5 )国 家 組織 の改 革 民 主的 な政治 システ ム、 市場 経 済、 持 続的 な 経済・ 能力 開 発、 社 会的 な 公正 お よび貧 困撲 滅 は カ ン ボ ディ アの復 興 開発 に対 す る基 本的 な 共通 認識 の中心 であ る。このた め に国家 組 織 が改革 さ れ る。 〈行 政の 改革 〉 国 家 の役 割 と各 機関 の責 務 を明 確化 する た め法律、 政 令 が制 定、 施行 さ れる とと もに行 政 の内部 事務 の 方 法や 実施 につ い て改革 さ れ る。 また各省 庁 の強 化 と同 時 に各州 の行政 能力 の向 上、 公務 員 制 度の 改 革 と人 材 開発 が 進め ら れる。 〈司 法の 改革 〉 司 法 の 改革 はカ ン ボデ ィア に とっ て不 可欠 な ものであ る。 人 権 と民 主主 義、 自由 な企 業 活動 と市 場 経済 そ してASEAN へ の完 全 な加 盟 のた め に も司 法 が「法 の 支配 」の た めに信 頼 され効 果的 に 機 能 す る必 要が あ る。 制 度 の枠組 みと して は裁 判 所 の機構 、裁 判 官 や検 察官 の育 成、 民 法 など の法制 度 の整 備 な どが必 要で あ る。< 治 安 機関 の改 革〉 最 も困難 で 政 治的 に微 妙な問 題 で あ るが軍 、 民兵 お よび 警察 といっ た 治安 機関 の改 革 が必 要で あ る。 軍 隊 の縮 小 と復員 、 復員軍 人 の 社会 へ の再 統合 が 急務 であ る。< 国 有企 業 の改 革〉 国有 企業 は原則 的 に民 営化 さ れる。 ただ し、 公共 性 が強 く民 営 化 すべ きで ない もの は公共 の管 理 の もと 独立的 な 企業体 に 再編 さ れ る。 また、 見通し の立 た ない 国 有企 業 は清 算さ れ る。 〈立 法 機能 の改 革〉

(13)

50

5 。 計画のフレ ームワ ーク

国 際地 域学 研究 第5 号2002 年3 月 1 ) マ ク ロ経 済の 目標 カ ン ボ ディ アにおい ては 社会 経 済 デー タが 未だ十 分で な く特 に投 入産 出構 造 を明 ら か にす る こ と は困 難 であ る。 こ れに加 え て、 農業 生産 と国 内の米 の供 給 は天 候 に大 き く左 右 さ れる こ と、 外 国 か ら の投 資 は外国 の カン ボデ ィア に対 する認識 によ り変 わる、 ご く一 部 の要 素 によ り予 算が 大 き く左 右さ れる こ とが あげ ら れ、 こ れら は政 府 に よってコ ント ロ ール し がたい 面 があ る。 そこでい く つ か の リス ク 要因 はあ る ものの 現時 点 で可 能で 現 実的 な予 測 を行 っ た。 すで に述 べ たよ うに7 ∼8% の 実質GDP 成 長率 を達 成 する こ と、民 間投 資 と国内 貯蓄 を加 速 さ せ る こ とそし て安 定的 で注 意 深い 経 済運 営 も必 要 とさ れる。 表5 −1 経済の目標 1996 1997 1998 1999 2000 実 質GDP 成 長 率 7.5 7.5 7.5 7.5 7.5 消 費 者 物 価 上 昇 率 ( 第4 四半 期 ) 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0 輸 出 ($US 百万 ) 53 58 65 72 80 輸 入 ($us 百 万 ) 490 510 540 600 700 出典:“FIRSTFIVEYEARSOCOECONOMICDEVELOPMENTPLAN1996 −2000"TheRoyalGovernmentofCambodiaJanuary1997 より 表5-2 予 算 (単位:対GDP %) 1996 1997 1998 1999 2000 歳 入 9.9 10.4 10.8 11.2 11.6 税 7.4 7.9 8.3 8.8 9.3 そ の 他 2.5 2.4 2.5 2.4 2.3 歳 出 17.0 16.2 16.1 16.4 16.9 経常 的 支 出 10.2 9.8 9.7 9.8 lO.O 国 防 ・ 治 安 4.9 4.5 4.3 4.1 3.9 そ の 他 5.3 5.3 5.4 5.7 6.1 投 資 的 支 出 6.8 6.4 6.4 6.6 6.9 経 常 的 経 費 の 収 支 ▽0.3 0.6 □ 1.4 1.6 総 収 支 ▽7.1 ▽5.8 ▽5.3 ▽5.2 ▽5.3 海 外 資 金 6.9 5.6 5.1 5.2 5.3 予 算 支 援 1.5 0.6 0.0 0,0 0.0 プ ロ ジ ェ クト 援 助 5.4 5.1 5.1 5.2 5.3 国 内 資 金 0.2 0.2 0.2 0.0 0.0 出典:“FIRSTFIVEYEARSOCOECONOMICDEVELOPMENTPLAN1996 −2000"TheRoyalGovernmentofCambodiaJanuary1997 より 一 一

(14)

金子 :発 展途上 国に おけ る 社会 経済 計画 に関 する一 考察 − カ ンボデ ィア の計画 一 表5 −3 投 資 と資 金 51 (単 位: 対GDP %) 1996 1997 1998 1999 2000 総 国 内 投 資 22.6 23.0 22.8 24.8 26.5 政 府 投 資 6.4 6.1 6.1 6.5 6.9 う ち 国 内 資 金 に よ る も の 1.0 I.O 1.0 1.2 1.6 海 外 資 金 に よ る も の 5.4 5.1 5.1 5.2 5.3 非 政 府 投 資 16.2 17.0 16.7 18.4 19.7 う ち国 内 資 金 に よ る も の 12.4 11.9 11.5 12.5 12.7 海 外 資 金 に よ る も の 3.7 5.1 5.2 5.9 7.0 投 資 資 金 22.6 23.0 22.8 24.8 26.5 国 内 資 金 13.4 12.8 12.5 13.6 14.2 う ち政 府 ▽0.3 0.6 口 1.4 1.6 非 政 府 13.7 12.2 11.4 12.2 12.6 海 外 資 金 9.2 10.2 10.3 11.2 12.3 出典: ”FIRSTFIVEYEARSOCOECONOMICDEVELOPMENTPLAN1996 −2000"TheRoyalGovernmentofCambodiaJanuary1997 より 表5 −4 国 際 収 支 (単位 : 対GDP %) 1996 1997 1998 】999 2000 貿 易 収 支 ▽13.6 ▽12.4 ▽11.7 ▽11.6 ▽12.1 サ ー ビ ス 収 支 ▽1.6 ▽1.0 ▽0.6 ▽0.2 0.0 民 間 移 転 収 支 1.0 0.8 0.9 0.8 0.7 経 常 収 支 ( 公 的 移 転 収 支 除 き ) ▽14.2 ▽12.6 ▽11.4 ▽11.0 ▽11.4 公 的 移 転 収 支 7.7 6.2 5.3 4.4 3.7 経 常 収 支 ▽6.5 ▽6.4 ▽6.1 ▽6.6 ▽7.7 資 本 収支 5.8 7.3 7.0 7.6 8.8 収 支 計 ▽0.7 0.9 0.9 1.0 1.1 出典:“FIRSTFIVEYEARSOCOECONOMICDEVELOPMENTPLAN1996 −2000"TheRoyalGovernmentofCambodiaJanuary1997 より 〈1996 ―2000年 の財 政政 策〉 政 府 はこ の5 年間 の財 政運 営 に対 し て7 つ の目 標を た ててい る。 すな わ ち、 ・ 予 算支援 のた めの海 外 から の援 助 を大 幅 に 減ら す ・ 経常 的 な支 出 のうち 公務 員 の人 件 費 の比 率 を削 減す る、 ただ し 給与 そ の もの は上 げ る ・ 課 税対 象 を広 げる と と もに 徴収 率 を向 上 さ せ る ・ 経常 的収 支 の黒 字化 を めざ す ・ 国 防費 を 削減 する

(15)

52 国際 地域学 研 究 第5 号2002 年3 月

・ 社 会 的 な 基 盤 の た め の 政 府 支 出 を 増 加 さ せ る ・ 資 本 支 出 に対 す る 資 金 の 海 外 依 存 を減 ら す<1996

−2000 年 の 金 融 政 策 〉

こ の 間 に 脱 ド ル 化 を す す め リェ ル (注:Riel カ ン ポ デ ィ ア の 通 貨1995 年 時 点 でUS$1 ≒2500Riel ) の 使 用 を 促 進 す る。 また 、 適 切 な 金 融 の コ ン ト ロ ー ル を 行 う。<1996 −2000 年 の 対 外 経 済 政 策 〉 カ ン ボ デ ィ ア と し て は、ASEAN に加 盟 す る こ と 、最 恵 国 待 遇 を う け る 条 件 整 備 を 行 う こ と 、大 メ コ ン 地 域(GMS )に お け る 地 域 協 力 な ど を通 じ て 広 範 な 地 域 協 力 に 参 加 す る こ と、IMF8 条 国 と な り 海 外 か ら の 投 資 を 広 くう け い れ る こ と な ど を め ざ し て い る 。1994 年 に成 立 し た 「 投 資 法 」 に よ り 海 外 か ら の 投 資 受 け 入 れ を促 進 す る 。 〈1996 −2000 年 の 主 要 部 門 別 成 長 〉 表5-5 経 済活動別実質国内総 生産1996 −2000 (単位:l幡 リェル(1989年価格)/%) 1996 2000 実 質 額 年 伸 び 率 実 質 額 年 伸 び 率 農業 等 152.2 5.2 184.7 5.2 農 産 物 お よ び ゴ ム 87.4 5.9 108.4 5.9 米 51.1 6.0 64.5 6.0 ゴ ム お よ び そ の 他農 産物 36.3 5.8 43.9 5.8 畜 産 業 42.7 4.0 50.0 4.0 漁 業 12.7 4.0 14.9 4.0 林 業 9.4 5.0 11.4 5.0 工 業 68.1 11.8 99.2 11.8 鉱 業 4.3 8.0 5.9 8.0 製 造 業 27.7 15.0 40.6 15.0 電 力 お よ び 水 道 0.9 8.0 1.2 8.0 建 設 業 35.2 10.0 51.6 10.0 サ ー ビ ス 129.0 8.0 182.3 8.0 運 輸 通 信 11.8 8.0 17.3 8.0 商 業 52.2 8.0 76.5 8.0 ホ テル お よ びレ ス ト ラ ン 2.0 10.0 3.0 10.0 公 務 、 教 育 、 保 健 13.9 8.0 18.9 8.0 不 動 産 23.5 8.0 32.0 8.0 そ の他 サ ービ ス 25.5 8.0 34.7 8.0 計 349.3 7.5 466.2 7.5 出典:“FIRSTFIVEYEARSOCOECONOMICDEVELOPMENTPLAN1996 −2000"TheRoyalGovernmentofCambodiaJanuary1997 より

(16)

金子 :発展 途上国 にお け る 社会経 済 計画 に関す る一 考 察 一 カン ボデ ィア の計画 一 2 ) 社会 開 発の 目標 以 下 に社会 開発 の 目標 のう ちい くつ かの もの を選 んで示 す。 表5 −6 社会開発の目標(抜粋) 53 現 状 2000 年 目 標 全 体 出 産 に伴 う死 亡 率 乳 児 死 亡 率5 歳 まで の死 亡 率 子 供 の 栄 養 状 態 出 生1(X〕,000あ た り650 十 出 生1,000あ た り115 出 生1,000あ た り1815 歳 以 下 の 栄 養 不 良40 −50 % 出 生100,000 あ た り300 十 出 生1,000あ た り80 出 生1,000あ た り1205 歳 以 下 の 栄 養 不 良25 % 教育 子 供 が 初 等 教 育 を 終 了 し 識 字 お よ び 計 算 能 力 を 身 に つ け る 5 年 間 で5 年 生 を終 了 す る 割 合13 % 12歳 で6 年 生 を 終 了 し 識 字 お よ び 計 算 能力 を 身 に つ け る 割 合65 % 保 健 サ ー ビ ス 看 護 婦 や 訓 練 さ れ た 助 産 婦 が 立 ち 会 っ た 出 産 地 方部 の90 % 以 上 が自 宅 で 伝 統 的 な 助 産 婦 の み立 会い 出 産 地 方 部 の40 % に 訓練 さ れ た 人 員 が 立 会 い 安 全 な 水 地 方部25 % 都 市 部65 % 地 方 部65 % 都 市 部90% 衛 生 状 態 の 改 善 改 善 さ れ た ト イレ 都 市 部74 % 地 方 部6 % 改 善 さ れ た ト イレ 都 市 部100 % 地 方 部20 % 出典:“FIRSTFIVEYEARSOCOECONOMICDEVELOPMENTPLAN1996 一2000"TheRoyalGovernmentofCambodiaJanuary1997 より 3 )1996 −2000 年 に お け る 公 共 投 資 と そ の 配 分 表5 −71996 −2000年におけ る公共 ・民 間の投資 (単 位:SUSIOO 万 / %) 1996 2000 年 伸 び率 民 間 投 資 国 内 資 金 海 外 資 金 463.0 378.0 85.0 lOIO.O 650.0 360.0 16.9 11.5 33.5 公 共 投 資 国 内 資 金 海 外 資 金 182.7 27.7 155.0 352.0 80.0 272.0 14.0 23.6 11.8 全 体 投 資 国 内 資 金 海 外 資 金 645.7 405.7 240.0 1362.0 730.0 632.0 16.1 12.5 21.5 出典:“FIRSTFIVEYEARSOCOECONOMICDEVELOPMENTPLAN1996 −2000"TheRoyalGovernmentofCambodiaJanuary1997 より

(17)

54 国 際地 域学研 究 第5 号2002 年3 月 表5 −81996 −2000 年 の 公 共 投 資 の部 門別 配 分 目 標 地 方 部 比 率( %) 都 市 部 比 率( %) 部 門 比 率( %) 合 計 投 資 額($us 百 万) 農 業 鉱 工 業 交 通 ・ 通 信 電 力 水 道 ・ 衛生 教 育 ・ 訓 練 保 健 社 会 ・ コ ミ ュ ニ ティ ー サ ー ビ ス 宗 教 ・ 文 化 活 動 行 政 管 理 / 未 配 分 97 25 85 26 70 75 70 60 50 65 3 75 15 74 75 30 25 30 40 50 10 4 23 8 8 II 10 7 3 11 220 88 506 176 176 242 220 154 66 242 ふ 計 65 35 100 2,200 出典:“FIRSTFIVEYEARSOCOECONOMICDEVELOPMENTPLAN1996 −2000"TheRoyalGovernmentofCambodiaJanuary1997 より 6 。 部 門 別 の 開 発 プ ロ グ ラ ム 本 計 画 に お い て は 農 業 、 鉱 工 業 、 交 通 ・ 通 信 、 電 力 、 水 道 ・ 衛 生 、 教 育 ・ 訓 練 、 保 健 、 社 会 ・ コ ミ ュ ニ テ ィ ー サ ー ビ ス 、 宗 教 ・ 文 化 活 動 の 各 々 に つ い て 部 門 別 の 開 発 プ ロ グ ラ ム が 示 さ れ て い る。 例 え ば 、 交 通 ・通 信 部 門 の う ち 交 通 を 例 に と れ ば 、 道 路 、 港 湾 ・内 陸 水 運 、 航 空 の 各 セ ク タ ー 毎 に 、 現 状 、 長 期 的 な 方 向 、1996 −2000 年 の 政 策 が 述 べ ら れ て い る。 さ ら に1996 −2000 年 の 航 空 を 除 く 各 セ ク タ ー 別 に主 要 プ ロ ジ ェ ク ト 毎 の 投 資 計 画 が 示 さ れ て い る。 投 資 計 画 を 抜 粋 し て 示 す と以 下 の よ う に な る 。 表6-1 交通部門 の投 資計画1996 −2000年 (単位:$lOOOUS ) 1996 1997 1998 1999 2000 計 道 路 道 路 27,000 62,600 62,600 58,000 53,900 264,【00 街 路 1,500 9,00C〕 3,000 2,500 0 16,000 港 湾 ・ 内 陸 水 運 17,000 2,000 7,000 7,000 7,000 40,000 鉄 道 5,000 4,500 11,500 6,000 8,000 33,000 出典:“FIRSTFIVEYEARSOCOECONOMICDEVELOPMENTPLAN1996 −2000"TheRoyalGovernmentofCambodiaJanuary1997 より 注l :首都ポチェントン空港はBOT による整備、航空管制および国営航空 は独立採算のた めここに含まれない。 注2 :この他に通信部門があるため合計は表5 −8と一致しない。 7 。 計 画 の 達 成 状 況 と 課 題1 ) マ クロ的 な 経済状 況 カ ン ボディ ア政府 の非 公 式資 料 に よ る とマ クロ的 な 経 済状況 の 達成 状況 は下 表 に示 す とお りで あ

(18)

金子: 発 展途上 国に おけ る社会経 済 計画 に関す る一考 察 − カン ボデ ィア の計画 一 55 る。 こ の結果 を みる と必 ずし も完 全 に 目標 が達 成 さ れたわ けで はない が 全体 とし て みれ ば着 実な 成 長 が みら れ る。但 し1997年 に 国 内で 武力 衝 突 が発生 し た。 また1996年 に はメ コ ン川 の大 規模 な洪 水 が発生 し た。一 方でASEAN へ の加 盟 を果 たし また米国 か ら最 恵国 待 遇 を得 る な ど対 外的 な地 位 の 向 上 が みら れた。 経 済 の目 標 と実績 を みる と1997年 に 生じ た武 力 衝突 の影 響 な ど もあ り1998年 は低成 長 を余 儀な く さ れた。7.5%成 長 の目 標 は達成 で き なか っ たが 着実 に成長 し て いる。一 方物 価 につい て は前 半 は目 標を 達成 で きな かっ たが 後半 は安 定し てい る。 表7 −1 経済の目標と実績 1996 1997 1998 1999 2000 実 質GDP 成 長 率 目 標 7.5 7.5 7.5 7.5 7.5 実 績 5.5 3.7 】.8 5.0 4.5 消 費 者 物 価 上 昇 率 ( 第4 四 半 期 ) 目 標 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0 実 績 7.2 8.0 14.3 4.0 −0.8 出 典: カ ン ボ デ ィア 政 府非 公式 資 料 予 算 に つ い て 対GDP 比 で み る と 全 体 と し て は お お む ね 計 画 ど お り の 財 政 運 営 に な っ て い る 。 表7 −2 予算 (単位: 対GDP %) 2000 計 画 2000 見込 歳 入 11.6 11.8 税 9.3 8.6 その 他 2.3 2.9 歳 出 16.9 17.2 経 常 的 支 出 10.0 9.9 投 資 的 支 出 6.9 7.4 経 常 的 経 費 の 収 支 1.6 1.6 総 収 支 ▽5.3 ▽5.4 出 典 : カ ン ボデ ィ ア政 府非 公 式 資料 投 資 に つ い て は 、 計 画 を 達 成 し て い な い 。 特 に 民 間 投 資 は 目 標 の2/3 に と ど まっ て い る。 こ の こ と がGDP 成 長 率 が 目 標 を 下 回 っ て い る 原 因 に も な っ て い る 。 表7-3 投資 (単位: 対GDP %) 2000 計 画 1999 実 績 総 国 内 投 資 26.5 18.4 政 府 投 資 6.9 6.2 民 間 投 資 19.7 12.2 出 典 : カン ボ デ ィ ア政 府非 公 式資 料

(19)

56 国際 地域 学研 究 第5 号2002 年3 月 経 常 収 支 に つ い て は 計 画 で も か な り の 赤 字 を見 込 ん で い た が 、実 績 は そ れ を さ ら に下 回 っ て い る。 表 に は 示 さ れ な い が 輸 出 は 順 調 に 増 加 し て い るが 輸 入 も増 加 し 貿 易 収 支 は ほ ぼ 計 画 ど お り で あ る 。 た だ し 、 そ れ以 外 の 要 素 に よ り 公 的 移 転 収 支 を除 い た 経 常 収 支 は 大 き な 赤 字 に な っ て い る 。 表7-4 国際収 支 (対GDP %) 2000 計 画 2000 見 込 経 常 収 支 ( 公 的 移 転 収 支 除 き ) ▽11.4 ▽12.5 出 典 : カ ン ボデ ィ ア政 府 非 公式 資 料 産 業 活動 別 に みる と農業 が計 画 を大 きく下 回っ てマ イ ナス になっ て い る。 これ は、 災害 に よる米 生 産 の落 ち込 み、輸 出 規制 に よ る木 材生産 の落ち込 みな どに よ るも の と考 え ら れる。 一方 、 工業 に つい て は特 に 製造業 の伸 びが大 きい。 表7 −5 経済活動別実質国内総生産 伸び率 計画と実績 2000 計 画 2000 実 績 農業 等 5.2 −1.8 工 業 11.8 16.0 サ ー ビ ス 8.0 6.0 出 典 : カ ン ポデ ィ ア政 府非 公式 資 料 公 共投 資 に つい て は計画 と実 績 は大 きく乖 離し てい る。 交通 ・ 通信 部門 特 に道 路 につ い て は大 き な投 資 が なさ れてい る。 また電 力 に つい て も計画以 上 の比 率 で公共 投 資が な され てい る。 一 方 そ れ 以 外 の分野 で は目 標 を大 き く下 回 っ てい る。 表7 −61996 −2000年の公共投資の部門別配分目標と実績 計 画 部 門 比 率 ( % ) 実 績 部 門 比 率 ( % ) 農 業 鉱 工 業 交 通 ・ 通 信 電 力 水 道 ・ 衛 生 教 育 ・ 訓練 保 健 社 会 ・ コ ミ ュ ニ テ ィ ー サ ー ビ ス 宗 教 ・ 文 化活 動 行 政 管 理 未 配 分 10 4 23 8 8 H 10 7 3 H 5 2.9 0.0 50.8 19.4 2.2 0.0 0.0 1.5 8.0 9.4 5.7 出 典 : カ ン ポ ディ ア 政府 非 公式 資 料 なお 、行 政 改革 につ いて も実施 に 移さ れ てお り、 籍 だ けあ り給与 は支払 わ れて い る もの の実 際 に は勤 務 し てい ない 幽霊 公務 員 は2000年7 月 までに排 除 さ れる こ とに なっ てい るが、 各 省庁 の機 能 の

(20)

金子: 発 展途上 国に おけ る 社会経 済 計画 に関す る一考 察 一 カン ボデ ィア の計画 一 57 見直 し や コ ンピ ュ ーター に よる給 与 管 理 な どは実施 さ れてい ない。 さ ら に軍 隊 につい て は16千 人 の 幽 霊 兵士 が排 除 さ れ$US4 百万 が節 約 さ れた。3 年 間で134千 人 の兵力 を100千 人 に 削減 す る行 動 計 画が 準備 さ れてお りすで に 試行 に移 さ れ てい る。2 )社 会開 発 社 会 開発 につ い ては1998年 末 の結 果 が以 下 に示 さ れてい る。 目 標 が意 欲的 であ っ た とい え、 進捗 状 況 は 思 わし くない。な お人 口 が年 間2.5% 増 加 し てお り 、現状 を維持 する だけで も相当 な努 力 が要 求 され る こ とを 忘 れて はい けな い。 表7-7 社会開発の目標(抜粋) 2000 年目 標 1998年 末 実 績 見 込 み 全 体 出 産 に 伴 う 死 亡 率 乳児 死 亡 率5 歳 ま で の 死 亡 率 子 供 の 栄 養状 態 出 生100,000 あ た り300 十 出 生1,000 あ た り80 出 生1,000 あ た り1205 歳 以 下 の 栄 養 不良25 % 出 生100,000 あ た0473 出 生1,000あ た り89.4 出 生1,000あ た り1155 歳 以 下 の 栄 養不 良40 % 教 育 子 供 が 初 等 教 育 を 終了 し 識 字 お よ び 計 算 能 力 を身 に つ け る 12歳 で6 年生 を 終了 し 識 字 お よ び 計 算 能 力 を 身 に つ け る 割 合65 % 12歳 で6 年 生 を 終了 し 識 字 お よ び 計 算 能 力 を身 に つ け る 割 合33 % 保 健 サ ービ ス 看 護 婦 や 訓 練 さ れ た 助 産 婦 が 立 ち 会 っ た 出 産 地 方 部 の40 % に 訓 練 さ れ た 人 員 が 立 会 い 地 方 部 の33 % に 訓 練 さ れ た人 員 が 立 会 い 安 全 な 水 地 方 部65 % 都 市 部90 % 地 方 部28.1 % 都 市 部69.5 % 衛 生状 態 の改 善 改 善 さ れ た ト イレ 都 市 部100 % 地 方 部20 % 改 善 さ れ た ト イ レ 都 市 部49 % 地 方 部8.6 % 8 出 典: カ ン ポ デ ィア政 府 非公 式 資 料 ま と め 1 )カ ンボ デ ィア 側の得 た教訓 本 計 画 に対 し て カン ボデ ィア 政府 とし ての 公式 的 な評 価 は下 さ れ てい ない 。し かし 、上 に述 べた 資 料 にお い て は以 下 の よう な議 論が 示 さ れて い る。 ・ 経 済成長 こ そが 貧困 撲滅 につ なが る。 し た がっ て達成 さ れた 経 済成 長で は貧困撲 滅 に貢献 し てV ゝなVゝ。 ・ 市場 経済 にお ける 経済計 画 は指 示 的 な計 画 で はない ので民 間 の 経 済の将 来 を直 接規 定 す るこ と はで きない。 民 間 は経 済 の将来 を 評 価し て投 資 を決 定 する。 ・ 計 画 に は タイ ムリ ー な評 価 が組 み込 ま れ てい な け れ ば な ら ない 。 評 価 の な い 計 画 は 機能 し な い。 ・政 府 のさ まざ まな活 動 が ばら ば ら に行 わ れ本計 画 と連動 し てい ない 。

(21)

58 国際地 域学 研究 第5 号2002 年3 月 2 ) 結 論 以 上 カ ン ボ デ ィ ア の 第1 次 社 会 経 済5 ヵ 年 計 画 の 概 要 と そ の 実 績 お よ び そ れ に 対 す る 内 部 の 議 論 を 紹 介 し た 。1) に お い て 述 べ ら れ た こ と に つ い て は 基 本 的 に 妥 当 な も の と考 え る 。以 下 そ れ に つ い て 述 べ る 。 ・ 特 に カ ン ボ デ ィ ア の よ う に 長 期 の 内 戦 を 経 験 し た 国 に お い て は 解 決 す べ き 社 会 問 題 は 大 き い 。 本 計 画 の 中 で 示 さ れ て い る 現 実 は 等 閑 視 し え な い 問 題 で あ る こ と は い う ま で も な い 。 国 際 社 会 は そ の 解 決 に 直 接 寄 与 す る さ ま ざ ま な 援 助 を 実 施 し て い る 。 そ の 中 で はNGO の 果 た す 役 割 も ま た 大 きい 。 し か し 、 こ れ は わ が 国 の 経 験 で 示 さ れ て お り ま た 他 の 諸 国 の 実 績 が 示 す よ う に 経 済 成 長 の 成 果 が 貧 困 に よ る 社 会 問 題 の 解 決 に つ な が っ て い る 。 自 ら の 力 に よ り 社 会 問 題 が 解 決 で き る よ う に し な け れ ば 本 質 的 な 解 決 に な ら な い と 同 時 に 持 続 的 な 経 済 成 長 は ス タ ー ト し な し2・。 ・ 市 場 経 済 に お け る 経 済 計 画 の 大 き な 役 割 に 、 政 府 が 考 え て い る 経 済 社 会 の 将 来 の 姿 を 示 す こ と が あ る。 政 府 は そ の た め の 条 件 を整 備 す る こ と が 義 務 で あ る 。 こ の 点 大 規 模 な 洪 水 や ア ジ ア の 通 貨 危 機 は 政 府 の コ ン ト ロ ー ル 外 の こ と で あ る が 、1997 年 に 発 生 し た 国 内 の 政 治 勢 力 間 の 武 力 衝 突 は民 間 の 信 頼 を 大 き く 減 少 さ せ る こ と とな っ た 。 計 画 は 安 定 し た 政 治 状 況 が 前 提 と な っ て い る 。 市 場 経 済 は安 定 し た 社 会 で の み 機 能 す る。 こ れ が 市 場 経 済 に 対 す る政 府 の もっ と も 基 本 的 な 役 割 で あ る。 以 下 に 海 外 か ら の 直 接 投 資 の 伸 び を示 す が こ の こ と を よ く示 し て い る 。 表8-1 海外から の直接 投資の 伸び (単位: %) 1995 1996 1997 1998 1999 直 接 投 資 の伸 び 4.9 9.3 5.5 4.3 4.0 出典:カンボディア政府非公式資料 ・計 画 に対 する評 価検 証 であ る。 わが国 にお いて も計 画 に対 す る評価 検 証 が十分 で あっ た とは い え ない。 現 在 わが国 で は「 政策 評 価」 が正 式 に制 度 化 さ れてい る。 地 方公 共団 体 で は計 画 と評 価 そし て それ を踏 まえ た執 行 を制 度 とし て確立 し た ところ が少 な くな い。 計 画 は評 価 とそ れ を 踏 ま えた執 行 が制度 として 確立 し て はじ めて有効 に機能 す る。 た だし、 この こ とは容 易 で は な い。 民主 的 で オープ ン な政 府 の確 立 がそ の前提 とな り、 必 要 な制度 の 整備 が不 可 欠で あ る。 ・本 計 画 の もう一 つ の重 要 な機能 は政府 の行動 の指針 とな るこ とで あ る。 特 に投 資 の配 分 は 重 要 で あ る。 わが国 の経 済計 画 にお い て も特 に高度成 長 期 まで は公 共 投資 の部 門別 配 分 を決 める こ とが重 要 な機能 であ っ た。 すで に述 べた よう にカ ン ボディ ア にお いて は、 当時 のわ が国 と異 な り 、公 共 投資 の財 源 が海 外 から の援 助 に大 きく頼 って い る。この意 味 で は困 難 な側 面 があ るが、 逆 にカ ン ボデ ィア政 府 とし て の意 思 を示 すこ とが、 カ ン ボデ ィア にお い ては すべ て が不足 し て い る が必要 な援 助 が確保 さ れかつ 有効 な もの とな る前提 とな る。 こ のた めに は、 計 画 が単 に承 認 さ れた だけで は不 十分 で あ る。 政 府 の意 思決 定 の中、 特 に公 共 投資 の意 思決 定、にお い て制 度的 に明 確 な位置 づ け が必 要 とな る。こ の点 は全 く機能 し な かっ た とい わざ る をえ ない。

(22)

金 子: 発展途 上国 にお け る社会 経 済計 画に関 する一 考察 一 カ ン ボディ アの 計画 一 59 以 上 の こ とを総括 す る と、 この よ うな 社会 経 済計画 の必 要 性 は大 きい とい え る。 し かし、 そ の達 成 あ るい は活 用 は必 ずし も容易 な こ とで はない。 市場 経 済 を機能 さ せ るた め に政府 の果 た す べき役 割 を よく認 識し 、 個々 の行 政 が計 画 と基 本的 に整 合し て 実施 さ れ る よう、評 価 お よび そ れに基 づ く 執行 とい う こと も含 め計画 を機 能 さ せ る仕 組 みの 確立 が重 要で あ る とい える。3 )展 望 カ ン ボデ ィア は新 し い政府 が誕 生し て か ら二度 の総 選 挙 を経 て復 興 が進 み、 新 たな 開発 の段 階 に 入 ろう とし て い る。 復 興 の段 階 に お いて は、 内戦 前 の段 階で 達成 し て いた こ と を速 や か に回復 す る こ とに中心 が あっ た。 こ の段 階で は上 に の べた ように計 画 は必 ずし も十分 に機 能し た と は言い が た い面 もあ るが、 そ れで も社会 経済 に かな り の前 進 が みられ た。 今後 の 開発 にお い て は今 まで以 上 に 明 確 なビ ジョ ン、 具体 性 を もっ た戦 略、 整 合性 が あり実 現 可能 なプ ロ グ ラム が求 めら れ る。 この た め に は、第1 次社 会経 済開 発計 画 の 実績 の評 価 に基づ く新 た な計 画 が 必 要 とさ れる。 こ のた めに は以 下 のこ とが必 要 とさ れ る。 具 体的 な提 案 まで は示 さ な いが、 概 略 とし て は ・基 本的 な国 のあ り方に つ いて は すで に示 され てい るが、 これ を国 民 が共有 し う る明 確 で わか り や すい ビ ジョ ン にし て示 す こ とが重 要 であ る。 こ れが 具体 的 な計 画 のベ ー ス とな る。 ・計 画 にお いて は財 政 な どの制 約 の も とで実 現 可能 な成 長の 目標 とそ の成果 を社会 開発 に どの よ うに投 入 す るか を明 示 す る。 望 まし い 社会 開 発の目 標 を長 期的 に 示し つ つ、 限 られ た計 画期 間 内に達 成 可能 な目 標 を改 め て設 定 す る。 こ れらは経 済財 政 と整 合 あ る もので あ る必 要が あ る。 し た がっ て デー タの制 約 があ る もの の計量 モ デル の開 発 と活用 が 不 可欠 に なる。 ・計 画 に多 く の意見 を反映 す る仕 組 み と評 価 の 仕組 みが 必要 であ る。 いわ ば計 画 の策定 プロ セ ス の明 確化 であ る。 原案 を だ れが ど の よう につ くる か も大切 であ るが、 計画 をオ ーソ ライ ズし て い く部 分 が特 に重 要で あ る。 また、 このプ ロ セス と一 体 の もの とし て評 価お よび そ の成 果 を反 映 するプ ロ セス が制度 化 さ れ る必要 が あ る。 ・上 に述 べた こ とと も関 連 す るが 、計 画 と政 府 部内 にお け る個々 の 行政 と整 合 さ せ るた めの制 度 の確立 が必 要で あ る。 カ ン ボデ ィ ア の場合 は国際 機関 や先 進諸 国 か らの援 助 あ るい は海外 から の直接 投 資 に依存 す る部 分 が大 きい が 、 そ れで も公共 投資 や財 政 支 出 など は政府 で あ る程度 コ ントロ ール可 能で あ る。 ・ また、 政 府各 部門 にお い て も特 に戦 略 的 な部 門にお い て は具体 的 で 本計 画 と整合性 のあ る具 体 化 のた めの計 画 を策定 する こ とが必 要 で あ る。 例 え ば、運 輸 交通 で い えば「 総合 交通 計 画」 が 考 えら れ る。また、戦 略的 な地 域 に おけ る多 部 門 にわた る 総合 開発 計 画 も必 要で あ る。例 え ば、 文化 、観 光、 農林 水産 、 環境 、 交通 な どにわ た る「 シェ ムリ ア ップ 地域総 合 開発 計 画」 な どが 考 えら れ る。 これら は本 計 画 をふ ま え計 画の 実現 の戦 略 と手段 を具 体的 に示 す こ とに なる。

おわりに:現状 と今後の研 究

カ ン ボ デ ィ ア に お け る 社 会 経 済 計 画 に つ い て は 第1 次 計 画 が2000 年 目 標 で あ っ た。 目 標 年 次 は 過

(23)

60 国 際地 域学 研究 第5 号2002 年3 月 ぎ た が現時 点 (平 成13年11月 ) で は政 府 部 内で は国 際機関 の 支援 も受 けて準備 がな さ れつ つあ る も の の 次期 の計 画 が策定 さ れて い ない。 その 理由 は述 べな いが、 早期 に策 定さ れ る必 要が あ る。 本論 におい て は、カ ン ボデ ィ ア の第1 次 社会経 済 開発5 ヵ 年計 画1996 ―2000を みる こ とに よ り発 展 途上 国 の社 会 経済計 画 の重 要性 と課 題 をみて きた。 他 に もい くつ か の発展途 上 国 で同 様 な社 会 経 済 計 画 が策定 さ れてい る。また 中国 に おい て も市場 経 済の 導入 の中 で、5ヵ年計 画 の性 格 が 大 き く変 わ り、がっ て の指 令型 の計 画 から ここで対 象 とし てい る よう な市場 経 済 にお ける計 画 となっ て い る。 発 展途 上 国 の社会 経 済計画 につ いて の研 究 は従来 あ まり多 く はない。 また、 発展 途上 国 に おい て も 国レ ベ ルだけ で はな く、大 都 市 圏や戦 略 的 な地域 の地 域総 合 開発 計 画 の必要性 が高 まっ て い る。 こ れ ら の計 画に つ いて は国全 体 の 計画 と異 な り、 より地 域 の実 態 とニ ー ズに も とづ く と と もに地 域 の イ ニ シ アテ ィブ を中心 とした も ので な けれ ばな らな い。 その た めの手 法、 必 要 なデ ータ ベ ー ス、 参 加 を 念頭 にお い た計画 プロ セ スづ くり など が必 要で ある。 し かし 今後 の研 究 に よ るべ き とこ ろが 少 なく ない。 この よう な社会 経 済計 画 は「 国 際地域 学」 の重 要 な研 究対 象で あ る。 今後 具 体的 な計 画 づ く り に有効 な ツー ルを提 供 す るた めの研究 を進 め てい きた い。 参考文献ITheRoyalGovernmentofCambodia/ “FIRSTFIVEYEARSOCOECONOMICDEVELOPMENTPLAN1996 −2000"/January19972 国際協力事業団/カンボディア国援助研究会報告書/2001年10月3AkiraKANEKO/TransportationPolicyinCambodia(FinalDraft)/JlCA(Cambodia)/May19984AkiraKANEKO/AProposalfoTTransportationinCambodia/JICA(Cambodia)/May19985 経済企画庁/経済審議会活動の総括的評価と新しい体制での経済政策運営への期待/2000年12月6 経済財政諮問会議/今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針/2001年6 月7 経済財政諮問会議/構造改革と経済財政の中期展望/2002年1 月

参照

関連したドキュメント

さらに体育・スポーツ政策の研究と実践に寄与 することを目的として、研究者を中心に運営され る日本体育・ スポーツ政策学会は、2007 年 12 月

社会調査論 調査企画演習 調査統計演習 フィールドワーク演習 統計解析演習A~C 社会統計学Ⅰ 社会統計学Ⅱ 社会統計学Ⅲ.

Abstract: This paper describes a study about a vapor compression heat pump cycle simulation for buildings.. Efficiency improvement of an air conditioner is important from

῕ / ῎ῒ῏ , Analytical complication of comments by Govern- ments and international organizations on the draft text of a model law on international commercial arbitration: report of

Arriba Soft Corp., ΐΐ F.Supp... Google

二院の存在理由を問うときは,あらためてその理由について多様性があるこ

ところで,基金の総額が増減した場合における措置については,つぎのご

戦後の労働立法の制定もポツダム宜言第1o項後段に掲げられた「日本国政府