中 学 校 に お け る 生 徒 問 の 人 間 関 係 を 促 進 す る 活 動 と 学 級 担 任 の 支 援 一 「 協 同J に よ る 日 常 的 な 清 掃 活 動 へ の 取 り 組 み を 通 し て 一 学校教育専攻 学校改善コース 新 見 睦 恵 1.研究の目的 今日,中学校の学級においては人間関係の希 薄化・表面化の問題を抱えており,それを克服 しようと,学級担任は学校や学級での行事の導 入を試みるが,その効果は継続しないと考えら れる。そこで,本研究は, 日常的に行われてい る清掃活動の体系を「協同」で行い,学級の人 間 関 係 の 促 進 の 効 果 と 協 同j による清掃活 動に必要な教師の支援について検討するもので ある。 2.本研究での「協同jの概念 「協同Jについては,その集団に与えられた 課 題 に 対 し 力 を 合 わ せ る こ と に よ っ て 互 い の存在が課題を達成するために必要である」と いう認識が「互いの存在が,集団として成立す るために必要であるjに波及すると考えられて いる。このような考え方から,本研究では「協 同」を「集団に課せられた課題,あるいは成員 間で共有された目標の達成のための自発的な相 互依存関係 J と定義づけた。 3.本 研 究 で の f協同jによる清掃活動と教師 の働きかけの想定 「協同」による清掃活動の効果が,学級の人 間関係に効果が波及する可能性を検討するため に次のような手順をとった。 まず, 日常的に行われている清掃活動を「協 同j による清掃活動に転換させるためのポイン 指導教官 佐 竹 勝 利 トと考えられる項目と,それに関わる教師の働 きかけの例について,先行研究と筆者の教育実 践の体験から想定した(次表参照)。そして, これをもとに調査を進めた。 「協同 Jの ポ イ ン 「協同jに よ る 清 掃 に 必 要 な ト 教師の働きかけ 生徒主体の認識 - 活 動 に 教 師 が 表 立 っ た 関 与 をしない - 活 動 に 必 要 な 計 画 ( 手 順 ) を生徒に任せる 課題の明瞭化 - 活 動 の 目 的 , 自 分 , 斑 の す べき仕事を明確化させる 課 題 の 必 要 性 の 認 -その課題が必要であること 識 を認識させる 目標の共有化 - 成 員 が 相 互 依 存 し て 初 め て 達 成 が 可 能 と な る よ う な 目 標 を設定させる 活 動 の ル ー テ ィ ン - 定 期 的 に 活 動 さ せ , 生 徒 に イ じ ノレーティン・ワークとして 捉えさせる 役割分化の認識 - 互 い の 役 割 が 全 体 と し て ひ と つ の 組 織 と し て 統 合 さ れ て いることを認識させる 絶対評価の重要性 -他の生徒(グ、ループ)と競 争 さ せ な い 働 き か け を す る ・ 評価を明確にする 班 員 と し て の 対 等 - リ ー ダ ー と フ ォ ロ ア ー の 入 性 れ替わりの可能性を示す - 生 徒 に 住 事 量 の 平 等 性 を 認 識させる -互いの役割が活動上不可欠 4.調査の概要 (1) 予備調査 中学校の担任教師に現行の日常的な学級活動 と非日常的な学級活動についてのインタビュー を行い,それぞれの特性について比較した。 予備調査を行った結果,協力学級担任が,本 研究での「協同J による清掃活動のポイントと
-32-具体策を担任学級で実践中であることがわかっ た。そこで,この教師の活動体系について分析 し 協 同 J による清掃活動のポイントと,教 師の具体的な取り組みについて検討した。 (2) 調査 I 予備調査での調査対象者の学級担任教師(以 下 B教諭)と,同一調査対象校の学級担任教師 1 名(以下 A教諭)の 2名を対象に, 日常的な清 掃活動の取り組みと学級の様子についてインタ ヒ守ューを行った。また,それぞれの学級の生徒 への質問紙調査から,清掃活動の実態,学級の 人間関係の実態を分析した。調査時期は,年度 末の2月である。 この結果,両学級の清掃の活動体系の違いと 清掃活動に対する教師の意識の違いが確認され た。また,両学級の生徒に,学級で行われてい る清掃活動及び学級の人間関係についての評定 を質問紙調査で、行った結果,各項目について