児 童 に 対 す る 指 導 ・ 支 援 の 場 面 に お け る 判 断 と 指 導 の 規 範 専 攻 高度学校教育実践 コース 教 員 養 成 特 別 コ ー ス 氏 名 下 紺 晃 季 1 研究の載機 私は,適切な場面で,適切な指導を行うこと ができる教師を目指している。そのために高め なければならない自身の課題として,指導・支 援を要する場面における判断に焦点を当てる ことにした。 この考えに至ったのは,学部時の実習や,ボ ランティア活動での出来事である。児童の行動 に対し,私が指導を迷ったり,または子どもが 考えて行動できると判断したことを,同じ現場 を見ていた担任の先生が指導をされるという 場面を幾度カ遭遇し
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c."私はその時に,適切な 場面で適切な指導を行っていける教師を目指 すようになり,自身の課題は指導に際しての判 断に問題があると考えた。ここでいう「適切」 とは,下記の3つの指導のこと。まず1つ目は, 児童自身が判断UT
動するべきこと。 2つ目は, 児童が判断できないことを教師が支援するこ とである。 3つ目は,教師が指導をしなければ ならないこと,といった3段階の指導を見組め, 指導することである。つまり,児童が考えられ ることは,教師が先々に指示をしないこと,間 違っていることはEすということである。そう することで,児童が生活の中で自ら考え,学び ながら育ち,生きるカを身につけることができ ると考えている。 このようなことから,児童に対する指導・支 援の場面における判断と指導の課程を実践研 実習責任教員 山 田 貴 明 実習指導教員 喜 上 秀 文 実習指導教員 端 村 達 也 究課題として取り組むことで,教育の専門家と して不可欠な子ども瑚平や児童・生徒指導力, 集団指導の能力を高めていきたしL 2 研究の目的 本研究の目的は,短期的目的と長期的目的が ある。 短期的目的では,それぞれの揮鞠面におい て先行研究にあたりながら,問題を明らかにし ていく。それに基づいて自身の行動指針を形成 していくことを目的としている。 また,長期的目的では,短期的目的において 問題を明らかにし,行動指針の形成を1つ1つ 積み重ねていくことで 1年時の指導場面と, 2年終了間近の指導場面では,どのように変容 し,児童に対する指導・支援の場面における教 師としての力量がいかに高まっているかを確 認し,私が教師lこなったときに,力量向上の研 究を続けるための素地を作ることを目的とす る。 3 研究の対去 まず自身の事例から課題を見出し,分析して いく。具体的な方法として,過去の実習での事 例から,自分の判断がうまくいかなかった場面 を抽出し,その判断を検討することで,問題点 を洗い出吹占さらに,自身の分析と平行して先 行研究にあたっていき,今後の行動指針を立てる。複数の事例を検討し,行動指針をたてたこ とに基づきながら,児童の指導にあたっていく。 これらを繰り返し行っていくことで,判断¢質 を高めてし、く。 以上のことをまとめると,日々,自身が行っ た指導の事例を基にし,場面ごとに指導と改善 を繰り返しながら成長を図る(短期的変容)。 そして 1年時実習における指導と, 2年時の 終了間近の時点での児童の指導の状況とを比 較する中で自身の変容を分析する(長期的変 容)。本研究は長期的変容を成果として挙げる ことで最終成果報告書として発表することと する。 4 指導・支援の規範という言葉の意図につい て 基準という言葉は,踊輔第5版によると, 「ものごとの基礎となる標準比較して考える ためのよりどころ。『基準を設ける
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基準を上 まわる出来H
建築基準.!lJとある。このことか ら,基準は,なかなか変えることができないと いうことである。臨機応変を求められる学校現 場では基準という言葉は当てはならない。 一方規範は,朗報開5版によると「のっと るべき規則L
判断・開面また同行為などの拠る べき基準。」とある。「のっとらなければならな い」と書かイに「のっとるべきJと書いている 言葉が意味していることは,基準と違b可耐画力 な意味が含まれていると考えることができる。 規範とは,ものごとの行動や判断としての「の っとるべき基準Jとなるものがあり,その基準 にピタリと重ならなくてもいいというゆとり や柔軟性を兼ね備えているものである。規範を 明確にすることで自身の課題を改善していく ものである。 5 1年次から 2年次前期までの生徒指導の実 状について 1年次から 2年次前期までのことを振り返る ことにより,いくつかの思いを持ちながら指導 をしているということがわかった。実習の中で 得た課題をまとめると次のようなことが自身 ¢課題として挙がった。 -朝市とはこうあるべきだという思いが強く出 すぎる指導・支援 ・自分の思いを主張し,子どもに押しつけよう とする指導・支援 ・子どもの顔色を窺っている指導・支援 ・自分の心にゆとりを持てていない指導・支援 このような課題が生じるのは,私自身に確固 たる規範がまだ明確化されていないためであ る。「騨s.Jを明確化し,課題改善に向かうよ う努めた。 6 講義や先行研究に基づいた自身の行動規 範 4つの課題を受けて,講義や先行研究をもと に4つの行動央競包を明らかにした。以下がその 4つである。 -子どものことを受容する態度 .子どもに決定することを促す ・子どもの成長にとって,耕市としてどう接サ るべきか考える ・子どものいいところを見つけ,愛情をもって 接する これらのことを自身の規範として,大学院2 年の後期実習における,生徒指導の改善を試み た。7 1
年次から2
年次後期までの指導伏況と自 身の課題の改善幸状況 1 教師はこうあるべきだという思いが強く 出すぎる指導・支援 今まではケンカしようとしているからとめ ないといけないかな。とただその行為だけを見 て判断しようとして迷い,結局指導をしないと いうことをしていた。しかし,この事例では, まずは様子を見て見ょうという自分の考えを 持つことができている。以前のように「迷って 指導しない」ではなく,「理由があって指導し ない。」というところに自身の変容が認められ る。 また昨年度の自分であれば,掃除の時間に掃 除をしなければならないという思いが強く出 すぎて,掃除をしない子どもに対して「掃除を しましょう。 J と怒った口調で,子どもに命令 するような指導をしていた。しかし,2
年次後 期の指導では,r
子どもに決定することを促す」 という行動規範から,子どもが自ら「掃除をし よう。 Jという気持ちになれるように,一方的 な指導にならないようにしている。子どもが決 定することを促すような関わりに変容してい る。 2 自分の思いを主張し,子どもに押しつけよ うとする指導・支援 思いが強すぎるとっし,~苦情的に怒ってしまうと いうことがある。 この場面においては行動規範に則った行動 ができていなかった。しかし, (I)では行動 規範に則った指導ができている場面もあるた め,全く達成できていないというわけではなしL 思いが強すぎるとっし将旨静さに欠ける一面が あるため,確固たる行動規範として自身に身に ついていないということがわかった。今後も行 動声賂E
に則りながら,課題改善に努めていく必 要がありそうである。 3 子どもの顔色を窺っている指導・支援 子どもの顔色を窺っている指導・支援に関し ては変容があったということが言える。 今までは単に,r
嫌な気持ちかな,嫌われる かな。」などという気持ちであったのに対し, 「今の自分は子どもに愛情を持てているとい えるのか。Jr
子どもの成長のために必要な指導 である。j と,私が明確にした行動規範から, 冷静に自分を見つめ直した結果「ちょっと言い 過ぎたかな。」という感情を抱いている。一見 同じ対応に見えるかもしれないが,私の中では 大きな違いがある。 「子どもの成長にとって何が大切なのか」と 考えることで,自らの中に指導の意味を持って おくことが大切であるということである。教師 が自分のために子どもの顔色を窺って指導を するのではなく,子どものために,子どもの表 情を見ながら指導を行うことができており,今 の私はその指導の本当の意味がわかりつつあ るといえる。 4 自分の心にゆとりを持てていなし精導・支 援 耕市は冗談を言いながらも,掃除をしようと いうことを伝えており, 4つの行動規範を意識 するようになって,指導にゆとりが出てきてい る。自分の指導に裏付けがあることで,自分の 行動に自信を持って子どもと接することがで きている。そのことが自分の心にゆとりを持ち, 冗談を混ぜたような指導もできるようになっ たという変容に繋がったのではないかと考えている。 以上のように,自身が掲げた4つ¢課題につ いて,