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終末期にある癌患者の療養の場を決定する要因

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平成9年5月15日 第44巻 日本公衛誌 第5号 339

終末期にある癌患者の療養の場を決定する要因

啓之

安達

元明

 終末期の療養の場を決定する要因を明らかにするために,死亡から遡って30日間の在宅期間が7日未満と 7日以上の2群間で,年齢,性,診断,痛み,モルヒネ用量,点滴の使用の有無,performance status,ホス ピス入院前の療養の場,病識の有無,住所,同居家族,住宅環境について比較検討した。  対象は神奈川県下に開設されたホスピスに入院し,1993年10月から1995年5月の間に死亡した癌患者100 例である。全症例のうち,自宅で死亡した例は4例にすぎず,病院で死亡が5例,ホスピスで死亡が91例で あった。  多重ロジスティックモデルによる解析の結果,療養の場に影響を与える要因として,以下の3因子が有意 であった。 1) モルヒネ用量:経口のモルヒネに換算して1日60 mg以下の例は60 mgを超える例に比して在宅期間 が長い(OR=23.26)。 2) ホスピス入院前の療養の場:在宅から入院した例は病院から転院した例に比して在宅期間が長い (OR=14.08)。 3) 住宅環境:自宅が一戸建てあるいは集合住宅の1階の例は集合住宅2階以上の例に比して在宅期間が 長い(OR=18.17)。  以上の結果から,モルヒネの適切な処方と副作用対策等の疼痛コントロールに代表される緩和ケアの普 及,在宅ケアシステムの発展,住宅環境の改善が終末期にある癌患者の在宅期間の延長に寄与するものと考 えられた。 Key words : 緩和ケア,ホスピス,ターミナルケアの場所,モルヒネ用量,住宅環境

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