• 検索結果がありません。

児童・生徒のクリティカル・シンキング志向性に影響を及ぼす諸要因の検討 : リラックス感、自尊感情、自己統制感との関連を通して

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "児童・生徒のクリティカル・シンキング志向性に影響を及ぼす諸要因の検討 : リラックス感、自尊感情、自己統制感との関連を通して"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)児童・生徒のクリティカル・シンキング志向性に影響を及ぼす諸要因の検討    一リラックス感,自尊感情,自己統制感との関連を通して一 専  攻. 学校教育学専攻. コ ース. 学校心理学コース. 学籍番号. M09043F. 氏  名. 小住 智子. 【キーワード】. 自尊感情 クリティカル・シンキング. リラックス 自己統制(自己コントロール). 問題と日的. 行い,授業を構造化している(岸野,2005)。学校.  平成20年学習指導要領改訂(文部科学省,2008). の学びについて佐藤(2009)は,「対話的実践として. において,r生きる力」・の育成をもとに,言語活. の学び」の理論を提唱している。これは新指導要. 動の充実や社会生活上の自覚を促す道徳教育が. 領の言語の充実やクリティカル・シンキング(道. 挙げられている。井上・久保(1997)は,ピアジェ. 日ヨ,2001)に及んでいる。楠見(1996)は,良き思. の規則の認識やパターソンの向社会行動に必要. 考の市民に育てるためにクリティカル・シンキン. な自信(自己効力感)・援助スキルなどの理論をも. グを教えることは必要であるとしている。. とに,児童・生徒の規範意識の形成には社会的環. ZechmeisterやJohns㎝(1996)は,「適切な規準や. 境の関与が必要であると述べている。董(2007)は,. 根拠に基づく理論的で,偏りのない思考」と定義. 幼児期の自己制御の発達は重要であるとしてい. し,道田(2001)や鈴木(2006)は,学校教育での必. る。また,自己制御機能は対人関係の基盤である. 要性や教育の在り方について言及している。. (新名,1991)。畠山・戸田(2000)は,自己統制力の.  リラックス感に関わる先行研究においては,ス. 得点の高い児童は寄付行動得点が高いこと. トレスコーピングの試みは多数あるが,クリティ. (Mussen,R & Harris)などを挙げ,向社会性が. カル・シンキングとの関連についての先行研究は,. 出現する衰境や発達について述べている。また,. 管見の限りでは少ない。また,クリティカル・シ. 安藤・布施・小平(2008)は,自律性の高い動機づ. ンキングについても大学生や看護学生対象のも. けが学習行動に関連しているとしている。櫻谷・. のが多い。そこで,本研究では,児童・生徒が,. 澤井・桂田(2006)は向社会性の欠如は問題行動. リラ・ックス感や自己コントロール感を高めるこ. に関連しているとし,ライヒヴアインが自尊心を. とは,自尊感情を高め,クリティカル・シンキン. 育むことで人格的人間の育成をめざしたことに. グに影響があると仮説し,小学校高学年・中学生. 言及している。このように意識や行動を支える自. の児童・生徒におけるリラックス感・自尊感情・. 尊感情は,池田(2000)が「包み込まれ感覚」「社交. 自己統制感・クリティカル・シンキング志向性の. 性感覚」「勤勉感覚(自己効力感)」「自己受容感」. 関わりと,これらの関わりの発達段階における変. と分類しており、このr包み込まれ感覚」は藤原. 化の比較ついて検討をすることとした』. (2006)の身も心も解放されている状態にするリラ. 方法. クゼーションに関連している。小澤・佐々木(2002).  クリティカル・シンキングに影響を与えてい. はリラクゼーションが不安低減に効果があると. る要因が何であるのかを質問紙で調査し、分析. 想定している。. することとした。質問紙の作成にあたっては、.  実際に教室では,担任は子どもの理解と受容を. 小池ら(2007)のリラックス感尺度,畠山ら(2000). 一56一.

(2) の自己統制尺度,ローゼンバーグの自尊感情尺度. 公正性),non亨。cia1versionでは3因子(向上. を根底にした尺度,廣岡ら(2000)のクリティカ. 性・全体性・探求性)にまとめた。その上で,自. ル・シンキング志向性尺度をもとに,具体的な児. 己統制感尺度との重回帰分析を行った。リラック. 童・生徒像を想定し検討した。予備調査として、. ス感からクリティカル・シンキング志向性誠実性. 作成した質聞紙を0市とK市の小学5年児童55. への関連は児童・生徒とも同様であるが,自己統. 名・中学2年生徒68名に実施し,質問紙の有効. 制感からの関連には違いがある。このことから各. 性,小・中の校種の差,男女の性別の差について. 関連には加齢による変化が見られ・るといえる。本. 調査した。また,0市小学5年児童21名を対象. 調査3では性及び校種をそれぞれ独立変数とす. にリラックス感のその場での気づきが,ある一定. る1要因分散分析を行った。その結果,性差では. 期間の気づきとして有効な尺度であるのかの信. 女子が,また校種差では小学校が相対的に高いと. 頼性などについても予備調査し検討した。本調査. 言える。これらの違いに関しては,井上ら(2007). では,O市・K市の小学5年生に実施し有効回答. の衝動性の発達の観点や自己理解の発達モデル. 172名を得,K市の中学2年生229名の有効回答. をもとに,性差では女子が,また校種差では小学. を得た。本調査では,クリティカル・シンキング. 校が相対的に高いと推測する。. 志向性に影響を及ぼすリラックス感・自尊感情・. 考察. 自己統制感各尺度との関連性を重回帰分析した.  本研究における仮説は,自己統制感への自尊感. 本調査1,リラックス感及び自尊感情と,自己統. 情・リラックス感の各要因間の循環的な関連を除. 制感及びクリティカル・シンキング志向性の下位. き,指示されたといえる。スターンの枠組みやコ. 尺度との関連を検討する因子分析及ぴ重回帰分. ップの理論(井上ら,1997)に見るように,自己. 析を本調査2,性別及び校種を独立変数とする分. の感覚から感情へ,感情から思考へ,目標志向活. 散分析を本調査3として検討した。. 動から思考へと活動や行動と思考とが相互に関. 結果. 連していると言える。.  予備調査の結果,本質間紙は中学生や小学生に.  本研究では,自己統制とリラックス感・自尊感. 実施可能であること,リラックス感尺度が継続的. 情との循環的な関連が弱かったが,これは自己統. な尺度として信頼性が有ることが明らかになっ. 制尺度における因子構造に問題があったと考え,. た。本調査1では,小学生児童データにおいてリ. 児童・生徒の現状に即した下位尺度の因子の再検. ラックス感と自尊感情及びクリティカル・シンキ. 討が必要であり,新しい因子の構成によるリラッ. ング志向性(S㏄ia1VerSion)との関連が認められ,. クス感・自尊感情・クリティカル・シンキングの. 中学校生徒データにおいてはリラックス感と自. 各要因との関連の再検討が望まれる。. 己統制感・自尊感情との関連、自尊感情とクリテ.  また,本研究は児童生徒のクリティカル・シシ. ィカル志向性(SOCia1VerSion及ぴmn SoCia1. キングと関連諸要因(感覚。感情・行動・思考). VerSion),自己統制感とクリティカル・シンキン. 間との関連を横断的に検討したに過ぎない。今後,. グ志向性(SoCia1 VerSiOn及びmn SoCia1. 児童・生徒がトレーニングしてリラクゼーション. version)の関連が認められた。本調査2では,ク. を体得した後に,クリティカル・シンキングヘと. リティカル・シンキング志向性尺度が大学生向. 繋ぐ,リラックス感・自尊感情・自己統制の循環. けに作成されたものであることから,下位尺度. 的な関連を縦断的に検討することが必要である. をSOCia1VerSion・mn SOCia1鴨蝸ion別に因. と考える。. 子分析し,因子の再検討及び再構成を行い,S㏄1a1.   主任指導教員  浅川 潔司. Ver6ionでは4因子(誠実性・客観性・尊重性・.   指導教員 藤原忠雄 一57一.

(3)

参照

関連したドキュメント

バルーントラップを設置したギャップの周りの樹冠下の地上高約1mの位置に設置した(以

而してCocaine導流開始後5分より10分に至る 迄の期間に現はれる房室伝導系の不完全遮断は

小田25)は「デトラヨ■一ドフエノールフタレンナ

するものであろう,故にインシュリン注射による痙攣

[r]

年度まで,第 2 期は, 「日本語教育の振興」の枠組みから外れ, 「相互理解を進 める国際交流」に位置付けられた 2001 年度から 2003

選定した理由

適応指導教室を併設し、様々な要因で学校に登校でき