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ステューデントサポートチームによる学校教育相談体制に関する研究

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Academic year: 2021

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(1)論文要旨. ステユーデントサポートチームによる 学校教育相談体制に関する研究 学校教育専攻 生徒指導コース 細 見 博 文. 1 研究目的. 第2に,対象生徒に関する援助情報は,データ ベースソフトで記録・蓄積・保守・管理される。こ. 公立中学校において,生徒の学習・進路・生活 面の発達的援助サービスをシステマティックに展 開するための生徒援助チームを構築し,その教育 効果を検証する。. れによって援助過程の分析及び評価資料として活 用でき,教師間の共通理解を促進する。. 第3に,SSTを構築する初期段階で,教職員全 員参加の校内事例研修を実施し,教師の組織的・ 計画的対応を点検する過程を通して,適切なSST. 2 研究内容 1生徒援助チームの先進的な取り組みであるアメ リカのステユーデントサポートチーム(Student. を組織する。この研修は(1)全体研修の目的,(2) 事例の提示,(3)情報の収集,(4)個人研究,(5)グ. ループ研究(6)全体研究,(7)まとめの7段階か ら構成されている。. Support Team,以下SSTと略する。)にモデ ルを依拠し,公立中学校にSSTを構築する。. 2実際にSSTを運用し,援助対象生徒の心理社 会面及び学習成績の実践前後における変化を 明らかにする。. 3教師の組織評価の実践前後における変化を明 らかにする。. 3 SSTの構築. 4 SSTの実践過程 A県B市の中規模公立中学校X校(生徒数517 ・名,教師28名,2000年4,月現在),小規模公立中. 学校Y校(生徒数154名,教師16名,2000年4 月現在)が対象校である。両校ともSSTの実践は 生徒指導部会を中心に行われた。実践過程の詳細 については以下の通りである。. X校では,1999年12月から2000年3.月まで,. SSTとは,行政:官,教師,保護i者,スクールカ. 1年生から4名の生徒を抽出し,2回の校内研修と. ウンセラー等からなる学際的,協働的な学校を基. 5回の援助会議が実施され,2000年4,月から7月. 盤とする生徒援助チームであり,危機の初期段階. までは,各学年3名,計9名の生徒を抽出し,2回. にある生徒に介入し,学業達成をさせることを目. の校内研修と5回の援助会議が実施された。2年 生対象生徒のうち1名は前年度からの継続生徒で あり,2名が新たに加えられた生徒である。. 的として設立されている。SSTの構築に関しては, カリフォルニア州サクラメント,ノースカロライナ. ハワード郡公立学校システムの文献研究から,公. 一方,Y校では,2000年4月から7月目で,各 学年3名,計9名の生徒を抽出し,2回の校内研. 立中学校で実践可能なSSTを抽出した。このSST. 修と5回の援助会議が実施された。. 州ウエイク郡公立学校システム,メリーランド州. の特徴は,大きく3点ある。 第1に,(1)生徒理解,(2)援助課題の特定化, (3)援助方針の策定,(4)援助サービスの展開,(5). データベース化,(6)援助の評価,というシステマ. ティックな援助サイクルを2週間から1か月の頻 度で繰り返し,学習,進路,生活面における包括 的かつ形成的な評価を行う。. 5 SSTの教育効果 5.1 測定方法 対象生徒の心理社会面の変容を測定するため,X. 校では2000年3,月と7月に,Y校では2000年1.

(2) 月と7月に,生徒全員に対して大阪心理発行「教育. 5.3 教師の変容. 相談のための総合調査Σ」(以下Σと略する。)を. 実施し,全領域合計及び下位要素の得点の変化を. 分析した。ただし,X校2年生は,進級前の1999 年10月にも調査を行っている。また,1年春の事 前調査は小学校時に実施している。さらに,対象 生徒の学習成績の変化を見るために,援助期間前 後の定期テスト校内偏差値の比較を行った。. (1)X校では,「目的的要因」「組織運営的要因」. 「組織風土的要因」において,危険率5%で. 有意な上昇傾向が確認された。特に「組織 運営的要因」は顕著な上昇傾向を示した。 (2)Y校では,「組織運営的要因」において,危 険率5%で有意な上昇傾向が確認された。. また,教師の組織評価の変化を測定するため,X. 校では1999年10月と2000年7月に,Y校では. 6 考察. 1999年12,月と2000年7.月に「学校経営診断カー ド(児童・生徒指導課)」を実施し,2年間在籍し た教師の平均値の差の検定を行った。. 1SSTによる組織的・計画的・個別的な生徒援助 サイクルは,生徒の心理的な安定や学校への 適応の促進,教師への信頼感への増大効果を もっていることが明らかとなった。また,SST. 5.2 対象生徒の変容. が個別学習指導と組み合わされることで,学 習成績の向上という教育効果をもっているこ とが確認された。. 1)心理社会面. 2対象生徒の心理社会面で顕著に上昇する領域 (1)両校の対象生徒21名全員のΣ全領域合計 得点に上昇傾向が確認された。. は,学校によって差異が見られ,中規模X校 では情緒領域で,小規模Y校では社会領域で. (2)X校では,対象生徒の共通した特徴として,. 顕著な上昇傾向が確認された。これは,教師. 情緒領域の得点が大きく上昇し,「安心感」. の生徒に対する関わり方が学校の規模で違う. 「自己肯定感」において特に顕著な上昇傾向. ことによるものと考えられるが,2校での実. が見られた。. 践であるため,さらに多くの学校での分析が. (3)Y校では,対象生徒の共通した特徴として,. 必要である。. 社会領域の得点が大きく上昇し,「学校適応. 感」「学級適応感」「教師信頼感」において. 特に顕著な上昇傾向が見られた。. (4)X校2年生で,1999年度のみSSTの援助 を受けた3名の生徒のΣ全領域合計得点は,. SSTによる援助が終結した後も上昇傾向を 示した。 2)学習成績. (1)X校対象生徒12名中11名の5教科合計校 内偏差値が上昇傾向を示し,1名は無変動 であった。. (2)Y校対象生徒全員の5教科合計校内偏差値 が上昇傾向を示した。. 3SST終結生徒の心理社会面及び学習成績に上 昇傾向が確認されたことから,SSTは,生徒 の課題が深刻化している時期に実施し,生徒 の心理社会面の安定を図り,生徒を取り巻く. 教職員が,対象生徒の援助パターンを確立し た時期を見極めて,援助の主体を学年会や学 級担任に移行すればよいことが示唆された。. 4教師の組織評価で,2校に共通して「組織運 営的要因」が有意に上昇したことから,SST の実践は,生徒指導における全体計画及び責 任分担の理解を促進させる効果をもっている ことが明らかになった。これは,SSTの実践 過程において,計画的・系統的に校内研修や. (3)教科別比較では,対象生徒の弱点を強化し. 援助会議が開催され,全教職員が意思決定過. たり,長所を伸ばす目的で援助策が繰り返し. 程へ参加したことに起因すると推察される。. 修正された教科が大きな上昇傾向を示した。. (4)心理社会面の変化と同様に,X校の3名の. SS丁終結生徒の学習成績は,援助終了後も 上昇傾向を示した。. 主任指導教官 上地 安昭 指導教官 八並 光俊.

(3) 学位論文. ステユーデントサポートチームによる 学校教育相談体制に関する研究. 兵庫教育大学大学院 学校教育研究科. 学校教育専攻 生徒指導コース. M99168G. 細見博文.

(4) 目次 1. 1. 問題の所在と研究の目的 1.1 問題の所在. .. 1. 1.2 不登校支援のための援助チーム .... . .. 1.2.1 教師の協働による援助チーム. 4. . .. L2。2 専門家との協働による援助チーム 1.3 学校心理学における援助チーム 1.3.1 SSTチームとIEPチーム. 1.3.2 心理教育的援助サービスの流れ.. .. 4. . .. 8. .. 13. 13 。. .. 15. 17. 1.3.3 生徒援助チームの実践 ... L3.4 生徒援助チームの利点と課題. .. 20. 20 21. 1.4 生徒援助チームの課題と研究の目的... L4.1 先行研究の課題.,. L4.2 研究の視座. .. 2 アメリカのSST研究 28 2。1 カリフォルニア州サクラメント ....,.... 22. .. 2.1.1 SSTハンドブック作成の背景 ......... 2.1.2 SSTハンドブック..................。. 2.2 ノースカロライナ州ウェイク郡公立学校システム(WCPSS) 2.2.1 TATモデルからSSTモデルへの転換 ........ 2.22 SSTの理念 .............,..。... 28 29 31. 35 36. .. 38. 2.2.3 SSTの運営 38 22.4 SSTの評価レポート ......,... 42 2.2.5 SSTソフトウエア. . 50 2.3 メリーランド州ハワード郡公立学校システム(HCPSS)_. 2.3.1 SSTワークショップ。。.... , 53 2,3.2 SS丁ワークショップハンドブック ........... . 53 53. 2.4 アメリカのSST研究の考察 ................. . 56 2.4.1 SSTの特徴 ...........。........... . ..56. 2。4.2 SSTの課題 ....................... 2。43 目本の援助チームとの異同............ .. 58. 59. 3 SSTによる生徒援助チームの構築. 63. 3.1本研究におけるSSTの定義. 63. 3。1。3 SSTの構成. 63 65 65. 3.1.4 SSTの定義. 68. 3⊥1 SSTの対象生徒.. 3。1.2 SSTの援助領域...

(5) 68. 3.2 $STによる援助過程の構築. 3.2.1. 組織心理学における意思決定モデル.. 68. 3.2.2. システマティックアプローチ.. 69. 32.3. SSTによる援助過程. 71. 共通理解と守秘義務 3.3 $STデータベースによる情報の収集 3.3.1 データベースの利点 3.2.4. 4.1 校内研修における事例研究の意義 4。1,1 事例研究の有効性と課題.... 4.1.6. 生徒理解を深める事例研究法 指導援助方法を検討する事例研究法. 組織的対応を見直す事例研究法.. 援助シートを用いた事例研究法.. その他の事例研究法. 4.1.7. 年間計画に基づく研修 .. 4.1.4 4.1.5. 76. 86. 4 SST校内研修の構築. 4.1.3. 76. 77. 3.3.2 データベースの活用. 4.1.2. 75. 4.2 SST研修モデルの構築 4.2.1 SST構築のための研修要素.. 86. 86 89 92 95 98 100 100 103 103. 4.2.2. SST(System)研修.. 105. 4.2.3. SST(Observation)研修. 109. 4.2.4. SST(Management)研修.. 112. 4.2.5. SST(Evaluation)研修_. 115. 4.2.6. SST会議と校内研修. 119. 4.2.7. 年間研修計画モデル. 121 123. 4.3 SST(System)研修の効果分析. 4.3.1 研修対象.... 123. 4.3。2 研修方法.... 124. 4.3.3 研修結果の分析... 125. 131. 5 SSTの実践. 131. 5.1 実践研究の目的 5,1.1 数量分析の先行研究 5.1.2 数量分析を行う目的 5.1.3 研究仮説の設定.. 5.1,4 仮説の測定項目... 131. 132 133 133. 5.2 対象校の概要. 135. 5.3 実践過程.. 135. 11.

(6) 135. 5.3ユ 筆者の立場 5.3.2 X校の実践過程.. 5,3.3 Y校の実践過程.. 6. 7. 136 139. X校学年協働モデルの数量分析. 141. 6.1 対象生徒の援助事例. 141. 62 対象生徒の変容分析. 153. 6.2ユ 心理社会面の変容. 6.2.2 学習成績の変容... 153. 6.23 他生徒の変容との比較.. 155. 154. X校学校協働モデルの数量分析. 157. 7.1 対象生徒の援助事例. 157. 7.2 対象生徒の変容分析. 185. 7.2.1 心理社会面の変容.. 185. 7.2.2 学習成績の変容... 191. 195. 7.3 教師の変容分析. 7.3.1 組織評価の分析... 195. 7.3。2 組織評価の校務分掌別分析.. 200 205 205 205. 7.3.3 教師の変容. 7.4 生徒集団の変容分析 7.4。1 学年別分析. 207 210 210. 7.4.2 2年生の学習階層別分析 7,4.3 1年生の学習階層別分析 7.4.4 3年生の学習階層別分析. 8. Y校学校協働モデルの数量分析. 214. 8.1 対象生徒の援助事例 8.2.1 心理社会面の変容.. 214 242 242. 8.2.2 学習成績の変容... 245. &2 対象生徒の変容分析. 246. 8.3 教師の変容分析. 8.3。1 組織評価の分析... 246. &3.2 組織評価の校務分掌別分析. 8.3.3 教師の変容. 251. 256 256. 8.4 生徒集団の変容分析. 256 258. 8.4.1 学年別分析. 8.4.2 1年生の学習階層別分析 8.4.3 2年生の学習階層別分析. 258 261. 8.4.4 3年生の学習階層別分析 iii.

(7) 264. 9 本研究の成果と課題. 264 270. 9.1 本研究の成果 ....... 9.2 本研究の課題 .......... 参考文献一覧. 272. Appendix. 288. AWCPSSデータベース関連資料. 288. Aユ システム管理画面.......... A.2 ソフトウエア生徒情報閲覧・入力画面 A.3個人屋印刷書式.... A.4援助計画印刷書式........ A.5会議記録印刷書式... A.6評価票印刷書式................ A.7データテーブルモデル.。.......。.. 288 288 290 292 293 293 294. 295. B HCPSS生徒援助記録一覧 Bユ 援助要請用紙..............。.. 295. B.2教師記入用紙............... 296 298. B.3カウンセラー記入用紙............ B.4行政官記入用紙. B.5保護者記入用紙............. B.6援助計画記入用紙.. 299 300 302. C 教育相談のための総合調査Σ. 308. D 学校経営診断マ:ニュアル(児童生徒指導編)資料. 313. D.1学校経営診断カード(児童生徒指導編). 313. D2学校経営診断カード診断要素. 314 315. D.3学校経営診断モデル. iv.

(8) 表目次 1. 石庭・田村式援助チームシート.. 18. 2. WCPSS実験校のSST運営状況. 3. WCPSS SST対象生徒数. 39 42. 4. WCPSS SST対象生徒の特性....... 5. WCPSS SSTへの紹介者 WCPSS課題領域の分類. 6 7 8 9. WCPSS 1997−98年度のストラテジーと評価.. WCPSS 1998−99年度のストラテジーと評価,.. 42 43 43 46. 47 48 49. 11. WCPSS SSTによる課題の改善.. WCPSS改善率の校種別比較... SST援助シート... 12. 事例研究の目的... 13 15. インシデント・プロセス方式 シカゴ方式 :埼玉県南教育センターS方式. 16. A・B・S方式の主な相違点. 17. 101. 21. 分析・援助シートを用いた事例研究法 北海道立教育研修所の分析・援助シート 富山県総合教育センター研修の付加的ねらい 情報記入用紙 _. 援助策立案用紙... 22. SST(System)研修,. 106. 23. SST(System)研修の資料.. 108. 24. SST(Observation)研修. 110. 25. SST(Management)研修_. 113. 26. SST(Management)研修の資料... 114. 27 28. SST(Evaluation)研修、... 116. SST援助記録_.. 29. SST(Evaluation)研修の資料. 30. SSTに関する年間研修計画モデル..... 117 118 122. 31. 33. 現職教員の校内研修実施状況 研修で得られた援助策一覧表 SST(System)方式に対する評価. 34 35 36 37. Y校スクールカウンセラー活動状況... SST実践の対象校の概要. X校の実践過程... Y校の実践過程.... 10. 14. 18 19. 20. 32. 73. 87 90 93 96. 97 98 99 102 102. 124 125. V. 127 128 135 136 139.

(9) 38 39. 1999年度X校対象生徒の関連資料一覧表.. SST援助記録例.. 141. 40. SST援助シート(X21男4)_._. 143. 41. SST援助シート(X21男一2).__. 42 43. SST援助シート(X21男一3)... 144 145 146. 44 45 46. $ST援助シート(X21男一5).._. SST援助記録(X21男一2). 47 48 49. SST援助の概要(X22男). SST援助の概要(X23男). SST援助の概要(X24子).. 50. 153. 51. 1999年度X校1年生対象生徒のΣ得点実施前後比較 1999年度X校1年生対象生徒の成績二化係数. 52. 1999年度X校1年生Σ〕得点平均値の変化... 155. 53. X校対象生徒の関連資料一覧表. 54. SST援助シート(X11男一1).,.... 157 158. 55. SST援助シート(X11男一2)__.. 56. SST援助シート(X11男一3)_.... 57 58 59 60. SST援助シート(X11男一4)...... 61. 64. SST援助シート(X21男一6)_. SST援助シート(X21男一7)_... SST援助シート(X21男一8)..._ SST援助シート(X21男一9)_.... 65. SST援助シート(X21男一10). 169. 66. SST援助記録(X21男一3). 67 68 69. SST援助記録(X21男一4). 70. SST援助シート(X31男一3)_. 170 171 172 173 174. 71. SST援助シート(X31男一4)....。. 175. 72. SST i援助シート(X31男一5)... 176. 73. SST援助記録(X31男一1). 74. SST援助記録(X31男一2). 177 178. 75. SST援助の概要(X12子). SST援助の概要(X!3子).. 179 180. 62. 63. 76. SST援助シート(X21男一4)...... SST援助記録(X21男一1). SST援助シート(X11男一5)..... SS丁援助記録(X11男一1>. SST援助記録(X11男一2). SST援助シート(X31男一1)..._ SST援助シート(X31男一2)._... 142. 147 148 149 150 151 152. 154. 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168.

(10) 77 78 79. 80 81. 82. 83 84 85 86. 87 88 89 90 91. 92 93 94 95 96. 97 98 99. SST援助の概要(X25男). SST援助の概要(X26子). SST援助の概要(X32男). SST援助の概要(X33子).. 181. X校2年分対象生徒のΣ得点実施前後比較. X校2年生終結生徒のΣ得点の多重比較.. X校1年掛対象生徒のΣ得点実施前後比較. X校3年掛対象生徒のΣ得点実施前後比較. X校2年生対象生徒の成績特化係数.. X校2年生対象生徒の成績特化係数の期間別比較. 186. 182 183. 184. X校1年生対象生徒の成績特化係数..... X校3年掛対象生徒の成績特化係数。.... X校組織評価の診断項目比較.... X校組織評価の関連要素比較.... X校組織評価の校務分掌別診断項目比較 X校組織評価の校務分掌別関連要素比較. X校Σ得点学年平均値の変化 X校2年中学習階層別Σ得点平均値の多重比較 X校2年中学習階層別Σ得点平均値の変化. X校1年中学習階層別Σ得点平均値の変化. X校3年中学習階層別Σ得点平均値の変化. Y校対象生徒の関連資料一覧表. SST援助シート笛1子一1) 100SST援助シート(賄1子一2) 101SST援助シート(}三1子一3). 102SST援助シート(賄1子一4) 103SST援助シート(yi1子一5). 188 189 190 192 192 193 194 196 201. 203 204 206. 208 209 211 212 214 215 216 217 218 219. 104SST援助記録(}三1子一1)... 220. 105SST援助記録(}㌔子一2)... 221. 106SST援助シート(巧1男一1) 107SST援助シート(巧1男一2). 222 223 224 225. 108SST援助シート(}う1男一3). 109SST援助シート(巧1男一4). 226 227 228 229 230 231. 110SST援助シート(}る1男一5) 111SST援助記録(}う1男一1)... 112SST援助記録(}勤男一2),. 113SST援助シート(y含1男一1) 114SST援助シート(}毛1男一2) 115SST援助シート(}∼1男一3). V11.

(11) 116SST援助シート(を∼1男一4). 232. 117SST援助シート(}急男一5) 118SST援助記録(y含1男一1)... 233. 234 235 236. 119SST援助記録(}も1男一2)_ 120SST援助の概要(を∼2子). 124SST援助の概要(}急2男). 237 238 239 240. 125SST援助の概要(玲3男). 241. 126Y校1年生対象生徒のΣ得点実施前後比較 127Y校2年生対象生徒のΣ得点実施前後比較 128Y校3年生対象生徒のΣ得点実施前後比較. 242. 129Y校対象生徒の成績特化係数.... 130Y校組織評価の診断項目比較.... 131Y校組織評価の関連要素比較..... 245 247 252 254 255 257 259 260 262 269 269. 121SST援助の概要(yi3男) 122SST援助の概要(y⊇2子) 123SST援助の概要(yう3男). 132Y校組織評価の校務分掌別診断項目比較 133Y校組織評価の校務分掌別関連要素比較 134Y校Σ得点学年平均値の変化 135Y校1年生学習階層別Σ得点平均値の変化 136Y校2年生学習階層別Σ得点平均値の変化 137Y校3年生学習階層別Σ得点平均値の変化 138X校相談相手の選択率 139Y校相談相手の選択率. VllI. 243. 244.

(12) 図目次 8 9. 5. 東山・藪下のシステマティックアプローチ 教育相談プロジェクトチーム コーディネーター型教育相談 コラボレーション・アプローチ NW活用つきあい方モデル............ 6. 3種類の援助サービス....._........ 14. 7. 16. 8. 心理教育的援助サービスの流れ 田村・七隈式援助資源チェックシート. 9. カリフォルニア州サクラメントSST援助過程. 10. WCPSS SST援助過程.... 11. 14. WCPSS SST対象生徒の課題領域 WCPSS SSTで勧告されたストラテジー HCPSS SST援助サイクル WCPSS生徒の課題とストラテジー....... 34 37 44 45 56. 15. 学年チームとSSTの責任........... 66. 16. 意思決定モデル_........ 69. 17. システマティックカウンセリングアプローチ.. 70. 18. SSTによる生徒援助過程............. 71. 19. SSTソフトデータテーブル. 20 21. SSTソフト操作選択...。.... SSTソフト情報入力........ 22. SSTソフト生徒名入力.. 23. SSTソフト援助内容入力..... 77 78 78 79 79. 24. SSTソフト評価内容入力.. 80. 25. SSTソフト援助状況閲覧.,.,. SSTソフト補助記録操作........。..,. 80. SSTソフト生徒情報操作.. 81. SSTソフト援助状況操作...... SSTソフト援助計画登録....,........ 81. 82. 31. SSTソフト生徒情報個人票 SSTソフト援助状況個人票. 32. SSTソフト生徒情報一覧......_..... 83. 33. SSTソフト援助者一覧表.... 83. 34 35 36. SSTソフト対象生徒一覧表 SSTの理解のための研修要素. 83. 1. 2. 3. 4. 12 13. 26. 27 28 29. 30. 37. 10 11. 12. 19. 64. 81. 81. 82. 103 119. 単ループ学習と複ループ学習 スパイラルなマルチループ学習. 120. 1X.

(13) 38. 1999年度X校における対象生徒の援助. 39. X校における対象生徒の援助.... 40 41. X校2年生対象生徒のΣ得点の変化., X校2年生終結生徒のΣ得点の変化.. X校組織評価ダイヤグラムの比較... X校組織評価プロフィールの比較... Y校における対象生徒の援助.., . Y校組織評価ダイヤグラムの比較... Y校組織評価プロフィールの比較... WCPSSソフトパスワード....... WCPSSソフトセキュリティ......,. 42 43 44 45. 46. 47 48 49 50 51. 52 53. 54 55 56. 57 58 59 60. WCPSSソフトログイン.. . 141. 157 185 187 197 198 214 .. 248. 250 .. 288. 288. .. . .288. 288 288 288 289 289 289 289. WCPSSソフト情報請求録.....,.. WCPSSソフトー般情報. WCPSSソフト家族情報. WCPSSソフト社会情報. WCPSSソフト情緒情報. WCPSSソフト健康情報. WCPSSソフト法的情報. WCPSSソフト教育情報. WCPSSソフト生徒記録. WCPSSソフト援助計画. WCPSSソフト会議録. ,. ,. ,. 289. 289 .. 289. 289. .. X.

(14) 1 問題の所在と研究の目的 本研究の目的は,第1に,近年,アメリカで学校教育の責任として実践されているス テユーデントサポートチーム(SST)を基盤とした学校教育相談体制を公立中学校に. 構築すること1,第2に,実際にSSTを実践し,その教育的効果の検証することの2点 にある。. ステユーデントサポートチーム(SST)とは,行政官(administrator),管理職教師,カ. ウンセラー,サイコロジスト,ソーシャルワーカーからなる学際的かつ協働的な生徒 援助チームである。その機能は,発達上の危機の初期段階にある生徒を早期に発見 し,学校内外の援助者・援助資源を活用しながら子どものもつ機能を強化することで ある。それでは,なぜSSTに着目するのか。. 1.1 問題の所在 現在,児童・生徒の問題行動は,不登校,いじめ,校内暴力,中途退学,学業不振等,多. 様化,深刻化の傾向を示している。しかも,児童・生徒の抱える問題は心理社会的な 面だけではなく,学習面,進路面,生活面と錯綜している。そのため,従来のように生 徒指導部,教育相談部,進路指導部というような各分掌単位での役割分担主義では,到 底対応できない状態が生じている。 例えば,今井・諸富(1996)2は,中学校2年生421名と公立中学校教諭487名に対し て質問紙調査を行い,生徒は悩みの種類によって相談する教師が異なり,教師全体で かかわるという共通理解が必要なことを指摘し,藤原(1998)3は,高等学校の担任教諭. 157名,生徒指導部長37名,養護教諭44名に対する質問紙調査から,校務分掌の横の つながりを重視する学校では,生徒の援助活動が活発に行われることを明らかにして いる。. ところで,生徒の指導・援助をめぐる校務分掌問の連携・協働は,生徒指導上の課 題として,文部省(1966)4以来強調され続けており5,文部省(1990)6においては「生徒. 1文部省(1990)は,『生徒指導は一般的に,F人一人の生徒の個性の伸長を図りながら,同時に社 会的な資質や能力・態度を育成し,さらに将来において社会的に自己実現できるような資質・態 度を形成していくための指導:・援珈(生徒指導資料第20集)と定義され,その対象となる生徒 規模により,集団指導と個別指導に分けて考えられている。教育相談は,このうちの個別・非公 開による指導・援助の中心的なものである。』と定義している。本研究では個々の生徒に対する 援助という観点からSSTによる援助の領域を教育相談としている。 2今井英弥・諸富祥彦(1996)「生徒の悩みに積極的に関わる教師集団のあり方『役割・分掌』『同 僚間の相談関係』『教師としての自信と同僚や職場への意識』を視点として」『千葉大学教育学 部教育相談センター年報』13,pp.137−148. 3藤原敏晃(1998)「高等学校における教育相談に関する一考察一ネットワークの視点から一」『中国 四国教育学会教育学研究紀要』44,pp.213−218. 4文部省(1966)『生徒指導資料第2集生徒指導上の諸問題とその解明』大蔵省印刷局,p6 5中学校に関連するものとして文部省(1970,1972,1973,1975,1976,1977,1980,1981a,1981b,1982,1984, 1988,1990,1997a)がある。. 6文部省(1990)『生徒指導資料第21集生徒指導研究資料第15集学校における教育相談の考え 方・進め方一中学校・高等学校編一』大蔵省印刷局,p111. 1.

(15) への指導・援助は学校の全体でとり組む必要がある。そこで,指導・援助をどのよう に組織的に進めたらよいか,一人の生徒をめぐって各組織及び担当者の指導・援助の 連携の在り方を考えておかねばならない。その際には,各部・係の特色を生かし,固 有の領域と機能を有する部・係が相互に信頼し合い,協力し合う関係が大切である。」 と記されている。すなわち,従来より個々の生徒に対して校務分掌を越えたチームに よる援助が求められてきたわけである。. この課題に対して,教育実践・研究の中で校務分掌を越える援助チームが組まれて きたが7,その対象とする生徒は不登校が中心であり,前述の多領域にわたる生徒の課 題に対応するための援助チームの枠組みを構築する必要がある。 これに対して,SSTは,アメリカで実施されている包括的ガイダンスカウンセリン グシステム(Comprehensive Guidance&Counseling System)が提供する1つのプログ ラムである。. 包括的ガイダンスカウンセリングプログラムとは,「個人の尊重と潜在能力の最高 の実現を目指す教育活動であり,幼稚園から高校までの教育段階で,子ども一人一人 の学業的能力,個人的・社会的能力,キャリア的能力を開発し,責任ある創造的市民を 育成しようとする営み」である8。 中野・花屋(1997)9は,包括的ガイダンスカウンセリングプログラムは人間形成プ ログラムであるとし,戦後の日本の教育は,米国のガイダンスを翻訳した「生徒指導」 に学校の人間形成機能を割り振って出発し,その後,生徒指導から道徳教育,特別活 動,進路指導と独立し,養護教諭の相談も加わり,人間形成機能が細分化され,各分掌 担当者が機能の一部をばらばらに実践するようになったことに対して,人間形成プロ グラムである包括的ガイダンスカウンセリングプログラムはスクールカウンセラー を含めた生徒指導体制のモデルとなりうると述べている。. したがって,人間形成プログラムの1つとして提供されるSSTは,多領域わたる援 助チームモデルとして有効性を示すと考えられる。これがSSTに注目する第1の理 由である。. 次に,近年の動向として,1995年から始まった文部省のスクールカウンセラー派遣 事業がある。将来的には,中学校拠点方式をとる全校配置が模索され10,不登校,いじ め等にかかわる諸問題に対して,臨床心理士資格を基礎とするスクールカウンセラー に大きな期待が寄せられている。 これらの活動については,文部省11やスクールカウンセラー自身の報告12がなされ. 7神保(1995),國分・門田(1996),東山・一子(1992)原田・府川・林(1997),平松(1997),八並・木 村(2000)など。 8ASCA.(1990)RoZe 5オαオemeηオ’7んe 5cんoo♂co財η5θZor.Alexandria,VA:ACA Press. 9中野良顯・花屋哲朗(1997)「米国総合的学校ガイダンス&カウンセリングプログラムの分析と日 本の生徒指導の再構築」『進路指導研究』18(2),pp27−38 10神戸新聞2000.5,8に掲載 11文部省(2000,1999,1997b) 12大塚・滝口(1998),倉光(1998),村山・山本(1998),大塚(1996)等. 2.

(16) てきたが,文部省(2000)13は,「カウンセラーの高度な専門性に裏打ちされた受容の 態度によって,安心感が芽生え,その結果,自らを真摯に振り返り,自己解決しようと. 努力するようになる。また,コンサルテーション・スーパーヴァイズに関して高度な 能力を有していることから,教員がコンサルテーションを受けることにより,子ども たちと接する際の意識が変わるとともに,教員一人一人が自信をもって指導にあたる ことができるようになる。さらに,保護者にとっても,カウンセリングを受けること により,子どもの問題行動等に対して心理学的側面から理解と受容を深めることがで き,精神的な余裕をもって対応できるようになる。」とカウンセラーのもつ「専門性」 を第1の成果としてあげている。 また,「児童生徒にとって,評価者として目常駐する教職員よりも校外の第三者的 存在であるスクールカウンセラーの方がリラックスして心情を訴えることができる。 また,教員にとっても,同僚の教員に話しにくいことでも,気軽に相談することができ る。さらに,保護者にとっても,公平な第三者であるスクールカウンセラーの助言の 方が受け入れやすく,スクールカウンセラーを介して家庭と学校との連携が円滑にな り,その結果,保護者が学校に対する信頼を深めることができる。」という「外部性」 を第2の成果としてあげている。 一方,児童生徒の問題行動等の予防・発見・解消の効果や保護者,教員の意識及び 指導の在り方にも効果がある等,概ね良好な評価を得ているとしながらも,課題の一 つとして,学校におけるスクールカウンセラーの役割・位置づけの明確化,他の教職 員,特に養護教諭との役割の明確化や連携の在り方など,カウンセリング機能の充実 のための校内体制作りの検討が必要であることを指摘している。 このように教師とスクールカウンセラーがお互いの専門性を活かしながら,連携・協 働する必要性は,鵜飼(1995)14,鵜養・鵜養(1997)15,村山(1998)16らも指摘している。. さらには,スクールカウンセラーとの連携・協働に関する組織研究において,伊藤・ 中村(1998)17は,学校現場に即した実際的な援助体制の確立をスクールカウンセラー に求めており18,瀬戸(2000)19は,学校組織特性が教師とスクールカウンセラーの連 携を左右することを示し,「校内組織作り」「広報活動」「事例研究会・校内研修会」. などの組織的マネージメントを教師に求めている。. したがって,現在と今後の学校教育相談の枠組みを考えるとき,スクールカウンセ. 13学部省(2000)『中等教育資料』(8,月号臨時増刊特集「平成10,11年度スクールカウンセラー活 用調査委託研究集録」),pp.18−23 14鵜養啓子(1995)「学校における教職員との連携」村山正治・山本和郎編『スクールカウンセラー その理論と展望』ミネルヴァ書房,pp.140−152 15鵜養美昭・鵜養啓子(1997)『学校と臨床心理士一心育ての教育をささえる一』ミネルヴァ書房 16村山正治(1998)「臨床心理士によるスクールカウンセリング」氏原寛・村山正治編『今なぜス クールカウンセラーなのか』ミネルヴァ書房,pp.1−20 17伊藤美奈子・中村健(1998)「学校現場へのスクールカウンセラー導入についての意識調査一中学 校教師とカウンセラーを対象に一」『教育心理学研究』46,pp.121−130 18伊藤美奈子(1993,1994,1996,1999,2000)においてもスクールカウンセラーと学校教職員の連携 に関する組織研究について述べられている。 19瀬戸健一(2000)「高校の学校組織特性が教師とカウンセラーの連携に及ぼす影響」『教育心理学 研究』48,pp、215−224. 3.

(17) ラーと教師が連携しながら,学校が,主体的に援助サービスを行う校内援助チームの 構築が急務であり,既に複数の専門家が連携・協働し,生徒の援助を行っている先行. モデルとしてSSTに着目するのが第2の理由である。. 1.2 不登校支援のための援助チーム それでは,どのような生徒援助チームが研究,実践されてきたのだろうか。近年の 先行研究をもとにレビューする。生徒援助チームに関連する研究は,主に不登校研究 分野に蓄積がある。不登校生徒への生徒援助チームとしては,大きく以下の2つのタ イプがある。. 第1のタイプは,学校内の教職員の協働によるものである。これは,学校の生徒指 導主事・生徒指導下・教育相談担当教師・養護教諭などが中心となって,教職員の全 員参加による生徒援助チームを構築するものである。 第2のタイプは,教師以外の専門家・専門機関との協働によって生徒援助チームの 構築するものである。これは,スクールカウンセラー・臨床心理士・小児科医・大学 教員といった専門家や教育センター・教育委員会・大学などの専門機関との連携に よる生徒援助チームづくりである。 両者のタイプの研究に共通することは,学級担任や生徒指導主事,教育相談担当教 師,養護教諭などが一人で生徒を抱えこむのではなく,個々の教師の専門性を活用し ならがら,場合によってはスクールカウンセラーや外部専門機関との連携によりな がら,指導・援助に臨んでいる点である。すなわち,石門(1995)20が述べているよう に,「担任の教師が生徒を効果的に指導・援助することを目指す援助チーム」が基盤 になっている。. 1.2.1 教師の協働による援助チーム 代表的な教育実践・研究としては,神保(1995)21の学級担任教師・養護教諭・教頭・. 校長の連携による生徒指導体制づくり,國分・門田(1996)22の養護教諭を中心とする. 不登校児への支援モデル,名古屋市教育センター(1995)23の教育相談体制3段階モデ ルがある。. 1)神保の「不登校対応と予防」. 神保(1995)は,不登校対応と予防について,聞き取り調査をもとに,教師間の連携 について論じている。. 20石隈利紀(1995)「学校心理学と援助チーム」『指導と評価』(6,月号)図書文化社,pp.42−48. 21神保信一(1995)『不登校への対応と予防一担任教師・養護教諭・教頭・校長はどう連携するか. 一』金子書房 22國分康孝・門田美恵子(1996)『保健室からの登校一不登校児への支援モデルー』学事出版 23名古屋市教育センター(1995)『生徒指導に関する研究学校の教育相談と教育センターとの連携 の在り方一教育相談体制モデル発展のための実践を通して』. 4.

(18) その中で,学校という場の特徴を生かすことを強調している。すなわち,教師は,常. に子どもたちにかかわり,指導を工夫できるのであるから,学校でできることを見極 め,外部との連携のバランスを適切に保つことが最も大切であり,子どもたちの人間 的経験や意思決定の指導は学級経営の中でこそできることであるとしている。また, 学校長には,不登校児をもつ学級担任の支援と教員研修を核にした学校経営を求めて いる。. さらに,不登校児の支援において養護教諭と学級担任の連携を重視し,養護教諭と 担任の連携のポイントとして以下の点をあげている。. ・子どもが保健室で書いた作文や絵等を見せて,子どもの現実の姿を具体的に担 任に伝える。. ・不登校を懸念されている子どもについては,担任教師がどのような対応を望ん でいるのか,また,担任から見て子どもの問題が何であるのかよく話し合って共 通理解を深める。. ●不登校児の保健室への登校時間や,保健室における学習状況などを,できるだけ 頻繁に担任教師に伝える。. ●欠席が続いた子どもが保健室に登校したら,担任教師に連絡し,登校した時の様 子を話す。. ●養護教諭の側から担任教師に情報を伝えるのみでなく,定期的に情報交換の場 を設けて,担任教師からの情報や意見も聞く。 不登校の援助チームに関して,「校長のリーダーシップ」「校内研修による共通理 解」「養i護教諭と学級担任の連携」を重視する視点は,中野(1995)24や富山県総合教 育センター(199825,199926)も指摘している。. 2)國分・門田の「不登校児への支援モデル」 前掲の神保(1995)が,学校経営の視点から援助チームを論じているのに対し,國分・ 門田(1996)は,養護教諭がリーダーシップをとる援助チームについて論じている。. 國分は,「対教師,対級友など日常生活に由来する諸問題の場合は,学校になじみ のある教職員が,まず協力して対処しなければプロフェッショナルと言えないのでは. 24中野省吾(1995)「中学校生徒指導神経症的登校拒否生徒が再登校した時の指導・援助の在り方 について一チームをもとにした教職員連携による取り組みの事例一」『青森県教育センター研究紀 要』,pp.64−69. 25富山県総合教育センター(1998)「一人一人が生き生きと学校生活をおくることができる人間関 係づくりに関する調査研究(第1報)不適応行動に対する学校の取り組み」『富山県総合教育セ ンター研究紀要』17,pp.77−102. 26富山県総合教育センター(1999)「一人一人が生き生きと学校生活をおくることができる人間関 係づくりに関する調査研究(第2報)不適応行動に対する学校の取り組み」『富山県総合教育セ ンター研究紀要』18,pp.79−104. 5.

(19) ないか」と指摘し,小学校の養護教諭である門田のチーム援助実践に関して,(1)カ. ウンセリング技法でいう折衷主義(マイクロケウンセリング等の選択主義に近い概 念),(2)チームワーク方式,(3)簡便法,(4)使える技法は何でも使うという4つの特徴. をあげている。. 國分・門田(1996)の不登校支援モデルは,不登校時から教室の再登校時まで4段 階から構成されている。 第1段階 「リレーションづくり」. 養護教諭が不登校児にかかわることを校長や学級担任から全職員に話しても らい協力を得る。チームのリーダーを明確化させるとともに,対象生徒の情報 を教職員から収集する。 第1段階 「保健室登校への導入」. 養護教諭と不登校児のリレーションづくりができた段階で,教職員の情報をも とにヒューマンネットワーク(友人の手紙など)を活用しながら登校を刺激す る。保健室登校時の共通理解を全職員に図る。 第皿:段階 「保健室登校」. 保健室登校の中で,勉強や現実原則(必要な決まり事など)を教えながら,学級 担任と連携を図り,ヒューマンネットワーク作り(友人の関与)をする。校内の 児童・生徒指導部会で経過を報告し,教職員の共通理解を図る。また,担任教師 のみでなく同学年の教師にも学習などでの関わりを依頼する。いじめ問題が背 後にある場合は学年会等で組織的対応に当たる。また,担任教師との関係がこ じれている場合は手紙などを用いて養護教諭が関係の修復に当たる。 第W段階 「教室への再登校」. 養護教諭は教室への再登校をすすめる。学級担任とは仲の良い友人と座席を隣 にする等の配慮事項を確認する。また,対象生徒の休み時間の観察や指導の継 続を全職員で共通理解する。 この支援モデルは,段階が進むにつれて,直接関与する教職員の数が増えていくこ とに特徴があり,養護教諭は,教職員の関係作りをすすめる役割を果たしている。ま た,組織で無理なく対応する基本条件として,以下の5点をあげている。. ・子どもたちに信頼される保健室経営 ●教職員間の人間関係 ●保護者の理解 ●専門機関との連携 ●指導の記録は毎目できるだけ詳しくとる 6.

(20) 3)名古屋市教育センターの「教育相談体制3段階モデル」 名古屋市教育センター(1995)は,学校内の教職員の連携・協力を実態分析し,教育 相談体制3段階発展モデルを示した。 第1段階 『相談体制・不明型』. ●情報交換が成立しなかったり,また,成立しても形式的な報告会のように なっている。. ・教師間の人間関係の希薄さ,つながりの弱さが感じられる。担任にまか せっきりの指導になったり,担任や学年の抱え込みにしている。 ・ 「一人の子どもはすべての教師が担任」という教師一人一人の意識改革 が必要で,人間関係の面でも組織の面でも最も多くの課題を含んだモデル である。. 第2段階 『相談体制・移行型』 ・情報交換が学年会や生徒指導部会でなされ,教師間の共通理解が多くなり, 担任・学年・生徒指導部などが連携・協力した活動がしゃすくなっている。. ・教育相談の素養のある教師の存在があり,また,それを側面から援助する 管理職の存在がある。. ●連携や協力体制は,人間関係の面でも組織の面でも,まだ初期の段階であ るため活動を促進させていく要素を含んだモデルである。 第3段階 『相談体制・機能型』. ・情報交換の場は,教育活動の様々な場をとらえて行われており,各教師の 力量に応じた援助が学校全体から得られる状況になっている。. ●教師間の信頼関係を深めようとする教育相談的な素養のある教師を中心 とした働きかけが有効に機能し,それを側面から管理職が援助できる状況 にある。. ・連携や協力体制は組織化され,既成の枠組みにとらわれることなく,柔軟 に教師への援助がなされ,教育相談体制が機能しているモデルである。 学校教育相談体制を不明型から移行型,機能型へと充実,発展させ定着・持続させ るための規定要因として次の3条件をあげ,これらが相乗効果となって連携,協力体 制が推進されると述べている。 1.教育相談的な素養のある教師の存在 2.円滑な人間関係でつながった教師集団 3.連携・協力体制組織化への管理職の援助 7.

(21) また,具体的活動として「いじめ等対策委員会」「生徒指導部会」及び「校内研修」 の機能化,相談係と管理職の連携,相談係と養護教諭の連携,教育相談室の運営の計画 化をあげている27。. 1.2.2 専門家との協働による援助チーム 学校を基盤とする援助チーム28の教育実践・研究としては,東山・薮添(1992)29の ・林(1997)30のFSCシステムアプローチ, 八並・木村(2000)31のコラボレーション ・アプローチ,二二(2000)32の多面的援助モ システマティックアプローチ,原田・府/l. デノレなどがある。. 1)東山・藪添の「システマティックアプローチ」 東山・藪添(1992)のシステマティックアプローチは,スーパーヴィジョンを用いて. 校内の教育相談プロジェクトチームを支援する援助システムである。Fig.1は,シス テマティックアプローチの組織図を示している。. スーパーヴァイザー(A). スーパーヴァイザー(B). 教育委員会. 病院・医師・民生委員・家裁調査官等. 担任・係・関係者・校長. 父兄・本人. @(学校カウンセラー). @(地域). 職員会議・関係者会議. Fig.1東山・藪添のシステマティックアプローチ. 27名古屋市教育センター(1994,1996,1997a,1997b)においても研究は継続されている。. 28地域を基礎に置く援助チームの構築として,平松(1997)の常勤の臨床心理士で構成される地域 カウンセリングセンター構想がある。 29東山紘久・藪添隆一(1992)『システマティックアプローチによる学校カウンセリングの実際』. 創元社 30原田正文・府川奇事・林秀子(1997)『スクールカウンセリング再考』朱鷺出版 31八並光俊・木村慶(2000)「組織開発による協働的生徒指導体制の構築に関する研究」兵庫教育 大学学校教育研究センター編 『学校教育学研究』12,pp.65−76 32田罵誠一(1999)『カウンセラーと教師による家庭訪問の実際一不登校・引きこもり生徒の場合一』. 心理臨床研究会. 8.

(22) システマティックアプローチは,和歌山県を中心に実践されており,和歌山方式と も呼ばれている33。. この組織の中心となるのは,スーパーヴァイザーBの相談主事である。学校から, 教育センターの相談主事であるスーパーヴァイザーBに相談が持ち込まれる。来談 者は担任,養護教諭など組み合わせば様々である。相談主事は,ケースの概要を聞き ながら,学校の人材を考慮して,カウンセリング方法や担当者を決める。以後,スー パーヴァイザーとして担当者のスーパーヴィジョンを行う。 学校側は,学校での相談活動が円滑にいくように職員会議をもち,共通理解を図る。 また,:Fig.2のように,教育相談プロジェクトチームを組織し,子どもの担当者と保護. 者の担当者を決定する。相談チームのリーダーは定期的に相談記録をもってスーパー ヴァイザーを訪れる。保護者や本人の希望があれば同行する。. チーム協議(リーダー). カウンセラーA カウンセラーB .1一..... 保護者. 子ども. :Fig.2教育相談プロジェクトチーム. この方式の特徴は,実際のカウンセリング活動は,教育相談プロジェクトチームが 行い,スーパーヴァイザーが相談の効果をあげるために指導し,学校が組織をあげて 教育相談プロジェクトチームをバックアップすることである。 プロジェクトチームは,リーダーを中心に,ケース会議を行い,ケースの進展を図 る。新たな援助者をチームに加えるかもここで検討され,結果は絶えず職員会議に報 告され,学校全体の了解がとられる。個人の秘密を全体の職員へ,どの程度報告する かは,チームのリーダー,スーパーヴァイザー,管理職の責任で行われる。 ところで,スーパーヴァイザーBは多くのケースをもつことになるため,スーパー. ヴァイザーAのスーパーヴィジョンを受けたり,複数のスーパーヴァイザーBによ るグループ研修を行う。東山は,これを従来の学校システムとカウンセリングシステ ムの結合であるとしている。. 33和歌山県ではこのシステムを継続,発展させており,東山(1996)や藪添(1998)で報告されてい る。. 9.

(23) 2)原田・府川・林の「FSCシステムアプローチ」 精神科医の林,教育相談係の府川,養護i教諭の林は,家庭(family),学校(school),専. 門機関(counseling center)の連携を基盤としたFSCシステムアプローチを10年間 にわたって実践している。そして,FSCアプローチの学校現場での実践を「コーディ ネーター型」教育相談としている。コーディネーター型教育相談をFig.3に示す。. 出会い. 心の問題の. ソを考える. 支援=. ●来室(相談室・保健室) ●コンサルテーション ■学校. ●観察〔授業・HR〕 ●欠席調査. ●事例検討会. ●専門機関. ●家族. Fig.3コーディネーター型教育相談. 「コーディネーター型教育相談」では,心の問題を抱えた生徒との出会いに3つの ルートがある。第1は,生徒の教育相談室・保健室の来室であり,特に保健室の来室 を重視している。そのため,養護教諭は教育相談係に位置づけている。第2は,担任 や教科担当がホームルームや授業で生徒の問題に気づき,教育相談係に繋げるルート であり,第3は「欠席調査」である。欠席調査34によって学校全体の状況を常につか めるようにしておく。. 次に,「コーディネーター型教育相談」では,プライバシーに配慮しながら,専門家. を交えた事例検討会やコンサルテーションにより,子どもたちの支援を行う。ケース. の問題の解決は,学校と専門機関と家庭との連携によって解決するアプローチをと る。「コーディネーター型教育相談」では,チームによる支援・連携を目指すため,教. 育相談係は必ずしもカウンセリングの技法を必要とせず,学校組織をまとめる,ある いは専門機関と連携をとるといったコーディネーターとしての能力が重視される。 府川は「コーディネーター型教育相談」の特徴を以下のようにまとめている。 1.心の問題を抱えた生徒との出会いを自主来談のみに限らないため,質・量とも 多くの生徒に出会うことができる。 2.個人のカウンセリングの技術に頼らない。校内のチームワーク,専門機関や家 庭との連携による解決を目指す。 34府川(1999,2000a,2000b)において,欠席調査の具体的方法が述べられている。. 10.

(24) 3.開かれた事例検討会やコンサルテーションによって,事例への適切な対応が可 能になり,教職員集団も心の問題に対する理解を深める。それを土台に組織作 りや活動が発展していく。. 3)八並・木村の「コラボレーション・アプローチ」 八並・木村の実践は,現職教員である大学院生が学校に組織開発コンサルタントと. して介入し,不登校生徒に対する援助を行った事例である。その際使われたコラボ レーション・アプローチとは,従来の校務分掌ごとの指導・援助,学年集団ごとの指 導・援助ではなく,教職員の個々の能力を生かしながら,様々な角度から有機的・計 画的にアプローチするチーム援助である。 そのアプローチは2つのチームから構成される。第1は,学校のリーダー,ミドル リーダー(校長,教頭,教務主任,管理職,生徒指導主事,進路指導主事,養護教諭,教育. 相談係,学年主任等)から構成されるリーダーシップチームである。第2は,対象生徒 に直接指導・援助を行う学級担任,副担任,部活顧問からなるコラボレーションチーム. である。リーダーシップチームは,対象生徒に関する指導・援助方法のコーディネー ションを行う。そのコーディネーションは,コラボレーションチームの編成と関連機 関の連携を含む。一方,コラボレーションチームは,役割の固定化がなされず,生徒の 援助ニーズに合わせてスタッフ構成を変化させていく。 例えば,不登校生徒の対応においては,家庭へのひきこもり状態時や保健室登校段 階時は,学級担任,養護教諭,教育相談担当教師がコラボレーションチームとなる。不 定期な教室登校時には,養護教諭の役割を縮小し,新たに教科担任教師を加える。教 室復帰が可能になった時点で,進路指導主事を加え,社会的自立にむけての指導・援 助にシフトすることが考えられる。. /開. り ダ シツブチ ム. 圃. 第1学年主任 第2学年主任 第3学年主旺 生徒指導主事 特殊学級主任. 地. 学. の. ボランティア. 対象生徒. の大学生. 父. 養護教諭. 悟徽. ノ 家.. 益益粥.. ・ 父. 学級担任 弟の学級担f. まサ. 戸.。..シ。二品ン Fig.4コラボレーション・アプローチ. 11.

(25) Fig.4は,説明の一例として,不登校生徒が再登校する際の2つのチームの関係を モデル化したものである35。. 4)田蔦の「多面的援助モデル」. スクールカウンセラー派遣事業開始以来,教師とスクールカウンセラーの連携の在 り方が模索されているが,田罵(1999)は,学級担任とチームを組み,不登校生徒に家 庭訪問を行っている。 田鳥(1999)は,スクールカウンセリングや学校教育相談で必要なのは,面接室から 出ていき「動きながら考える」ことであるとし,個人の心理(病理)の見立てのみで なく,学級や家族,地域等の集団の場における個人の生活,個人と個人の相互作用のあ りようを見る観点を重視する36。すなわち,「ネットワークの見立て」を行い,それに 基づき「ネットワークの活用」「場を作る,場を支える」という観点から介入を行う。 また,ネットワークとは,塾や家庭教師,メンタルフレンド,サークル,現在や過去の同. 級生,養護教諭などであり,そうしたものを「つなぐ」ことが重要であるとしている。. スクールカウンセラーの家庭訪問は,ネットワークを見立て,介入方法を考えるた めに行われるが,学校と本人のつながりを切らないために,学級担任の家庭訪問も同 時に,あるいは別の日に行われる。すなわち,スクールカウンセラーと学級担任が核 になり,援助者を増やしていくアプローチがとられている。 上記の概念を,初期介入や見立て・診断も含めて図示したものがFig.5である。こ れは,本人を取り巻く周囲のネットワーキングで支え,自助努力や工夫を引き出すこ とを目的としてモデル化されている。. 招 交 ミ. 手 葵 乙. ⇒. る更 占怨 占貫. 選 挙 違そ 葭心 謬 断. 考. ⇒. ‡ 多. 仁. 蛋. 念. 畠農果. 島. 占. に⇒. ll釜1 憂. 藷 誘. 果 嚢 法. Fig.5NW活用つきあい方モデル. 35八並光俊・永島好喜・木村慶・青井弘之(1997)「生き方教育に関する総合的研究」兵庫教育大 学生徒指導講i座編『生徒指導研究』第8号,pp.61−78 36田鳥(1999)は山本(1986)のコミュニティ心理学を基盤にしている。この他,ネットワークを活 用するアプローチとして下山,峰松,保坂,松原,林,斉藤(1991)の学生相談モデルがある。. 12.

(26) 1.3 学校心理学における援助チーム 前節で述べた援助チームは,不登校支援を中心とする生徒援助チームである。これ に対して,石隈(1999a)37は,学校心理学の心理教育的援助サービスに基づく生徒援助 チームの在り方を論じている38。 また,心理教育的援助サービスを,「学校教育において一人一人の児童生徒が学習 面,心理・社会面,進路面における課題への取り組みの過程で出会う問題状況の解決 を援助し,成長することを促進する援助体系であり,教師と学校心理学の専門家(ス クールカウンセラー)が保護者と連携して行う。また,すべての子どもを対象とする 活動から,特別な援助ニーズをもつ子どもを対象とする活動までが含まれる。」と定 義している。 この学校心理学における援助チームをもとに,スクールカウンセラーの田村(1998)39,. 高校教師の佐藤(1997)40あるいは大野(1999)41らが,援助チームの実践・研究を試み ている。. 1.3.1 SSTチームとIEPチーム 石隈(1999a)の述べる援助体系は,砂滑自身のスクールサイコロジストとしての実. 践に基づく2種類の援助チームが基盤となっており,以下のようにその2種類の援助 チームを紹介している42。. アメリカの援助チームには,子どもの援助ニーズに応じて,2通りのチーム. がある。まず,学校教育の活動としての援助チームである。この援助チー ムは,学校教育において様々な援助ニーズをもつ子どもを対象として,目々 の学校生活の中で学校としてできる援助を行っていく。援助の対象は,タ イムリーな援助を受けることができ,また予防的な援助を受けることもあ る。この援助チームはアメリカで盛んであり,よび名もSST(Student Study Team,Student Success Team,Schooi Study Team,Student Support Team)や. Teacher Assistance Teamなど多様である。特別な援助ニーズをもつ子ど も(例:授業についていけない,友達ができにくい,けんかが多い)を学級. 担任や保護者が援助する過程で,自分ひとりのカでは援助できないと判 37石隅利紀(1999a)『学校心理学 教師・スクールカウンセラー・保護者のチームによる心理教育. 的援助サービス』誠心書房 38援助チームのコーディネーションは,石町(1992,1995,1996,1998,1999a)において改変されてい る。また,今田(1998)も冷痛の援助チームについて述べている。. 39田村節子(1998)「チームで援助するための具体的方法」『月刊学校教育相談』(10月号)ほんの 森出版,PP.14−22. 40佐藤一也(1997)「学校教育相談における進路面の指導・援助一具体化・実践化へのアプローチー」 岩手県立総合教育センター編『教育研究岩手』78,pp81−86 41大野精一・佐藤;一也・田村節子・田邊昭雄・今西一仁・八並光俊(1999)「学校教育相談の効果 的進め方一連携・協働への模;索一」『高校教育展望』(2,月号)小学館,pp.98−119. 42石隅(1999a)前掲書,p278. 13.

(27) 断したとき,SSTチームが招集される。 SSTチームの構成員は,学級担任,. 保護者,スクールサイコロジスト,リソーススペシャリスト(障害児の通 級学級担任),スピーチセラピストなどである。 もう一つの援助チームは,1975年の全障害児教育法(現在は個別障害児教 育法)という法律で定められた手続きを踏んで行われるチームである。こ. の援助チームでは,障害のある子どもに対して精密なアセスメントを行 い,それを基盤としてIEP(個別教育計画)を作成するチームである。これ. はEPチームと呼ばれる。 石隈(1999a)は,2種類のチームの援助対象をFig.6に示す目本教育心理学会(1996)43の. 3種類の援助サービスに基づき,以下のように分類している。. 一次的援助サービス. すべての子ども. (入学時の対応、学習スキル、対入関係能力など’). 二次的援助サービス. 一般の子ども (登校しぶり、学習意欲の低下など’). 三次的援助サービス. 特定の子ども (不登校、いじめ、LDなど). Eヨ本孝箋ξ育’亡♪王里学会(1996). Fig.63種類の援助サービス. SSTチーム学習面,心理・社会面,進路面,健康面における問題状況で特別の配慮や援. 助を必要とする子ども,すなわち,二次的援助サービス,三次的援助サービスを 必要とする子どもたちのために,タイムリーに学内の教職員で構成されるチー ムととらえる。SSTチームは子どもの問題状況の解決を目指すチームであり, 比較的短期のプロジェクトチームである。. IEPチーム不登校や障害などからくる問題状況において,子どもを総合的に援助す ることを目指すチームとしてとらえる。学外の専門家が必要に応じて参加し, 個別の教育計画を作成し実践する。比較的長期のチームとなる。. 43日本教育心理学会(1996)「スクールサイコロジスト(学校心理学に基づくスクールカウンセラー) とは」(リーフレット). 14.

(28) また,学校教育における急務は,すべての子どもに対する一次的援助サービスから,. 一部の子どもに対する二次的援助サービス,そして特定の子どもに対する三次的援助 サービスを,教師・スクールカウンセラー・保護者が連携して援助資源を活用しなが ら実践するシステムの整備であるとしている。. それでは,前述の2種類の援助チームを援助サービスの流れの中でいかに統合して いるのであろうか。. 1.3.2 心理教育的援助サービスの流れ 石弾(1999a)は,Fig.7(p.16)に示すように,一次的援助サービスから三次的援助サー. ビスまでをステップ1からステップ皿:の順に配置したコーディネーションシステム について述べている。. 1)一次的援助サービス(ステップ1) 一次的援助サービスは,入学時のオリエンテーション,遠足,修学旅行などの学校行. 事やいじめ防止のルール作り,対人関係スキルゲームなどの学級活動,プログラムを 通してすべての子どもを対象に行われる。援助者の主体は教師であるが,スクールカ. ウンセラーも含めた「一次的援助サービス検討・企画委員会」で教育目的を見直す ことも意義あることとしている。 2)二次的援助サービス(ステップ∬) 二次的援助サービスは,学習面,心理・社:会面,進路面,健康面で本人から相談があっ. た子ども若しくは,教師・養護教諭・教育相談係・スクールカウンセラー・保護者が 問題を持ち始めたと発見した子どもが対象となる。 こうした生徒に対して,教師・養護教諭・教育相談係・スクールカウンセラー・保 護者は観察をしながら環境面の調整を行い,学年主任,教育相談係・スクールカウン セラーはコンサルテーションを行う。これらは初期援助であるが,子どもの援助が十 分進んでいないときは,援助コーディネーション委員会に事例が報告される。 援助コーディネーション委員会とは,管理職,教育相談係,養護教諭,障害児担当等か. らなり,教師,スクールカウンセラー,保護者が援助している困難な事例について検討. し,援助の方針と学校内外の援助資源の活用について助言を行う。援助コーディネー ション委員会は,提出された情報と提出者からの聞き取りに基づき,事例を検討し,二. 次的援助サービスをSSTで行うか,若しくは援助ニーズが大きい場合は,IEPチーム による三次的援助サービスを行うかを決定する。 次に,援助コーディネーション委員会の決定に基づき,対象となるSSTチームが結 成される。多くの場合,学級担任教師,スクールカウンセラー,保護者の連携が中心と なる。. 15.

(29) ステップ1 すべての子どもの援助ニーズに応える援助サービスを実施する. ステップ皿.1. ステップ。H−i. 子ど’もがスクールカウンセラー. ステップ皿一1 子どもが保護者に相談する. 子どもが教師に相談する. ・教育相談係・養護教諭に相談する スクールカウンセラー・教育相談係・ 養護教諭が特別な援助の必要な子ど もを発見する. 教師が特別な援助の必要な子どもを. 保護者が子どもの問題を発見する. 発見する. ステップ皿.2. ステップ皿一2. スクールカウンセラー・教育相談 係・養護教諭が子どもを学内で観 察する。子どもを面接する. ステップ皿一2 保護者が子どもを観察しながら 家庭での援助を工夫する. 教師が子と’もを観察しながら. 指導・援助の工夫を行う. ステップ皿.3. ステップ皿一3. 同じ学年や教科の教師, 学年主任など1こ相談する. スクールカウンセラー・教育相談係・養護 教諭・障害児教育担当などに相談する. 特別のスi㌧プ ①援助コーディネーション委員会に 事例を提出する ②援助コーディネーション委員会が 会議で事例を検討する. ステップL4 第「回のSSTチーム会議を開き子どもに関する情 報を整理し,指導・援助の工夫の方法を決める. ステップ皿.5 子どもについての情報をさらに集めながら,握助 チームの結果に基づいて指導・援助する. ステップ皿一6 フォローアッゴ会議を閉く,必要に応じて指導・援助の方法を改蕃する. ステップ十一1 IEPチーム会議で精密な心理教育的アセスメントを計画する. ステップ皿一2 王EPチーム会議で精密な心理教育的アセスメントを実施する. ステップ皿一3 IEPチーム会議で心理教育的アセスメントの結果を検討し個別 の教育計画を作成する. ステップ皿一4 個別の教育計画に基づく子ど’もの指導・援助を開始する. Fig.7心理教育的援助サービスの流れ 16.

(30) 3)三次的援助サービス(ステップ皿). SSTチームの二次的援助サービスを行っても,子どもの改善が見られなかったり, 悪化したりして三次的援助サービスが必要だと判断される場合,学外の関連機関との 連携も含めたIEPチームが結成される。 IEPチームでは,「精密な心理教育的アセス メント」を行い,個別の教育計画(IEP)を作り,子どもの援助を行う44。. この教育援助モデルは,子どもと子どもを取り巻く環境との「適合」を促進し,適合 する過程で子どもの成長と環境の改善を目指している。また,援助チームでの子ども の自助資源(子どもの問題状況における対処能力)と環境の援助資源を活かしながら 援助を行うアプローチを,学校教育におけるコミュニティ・アプローチ45であると述 べている。. 1.3.3 生徒援助チームの実践. 石隅(1999),田村(1998)らは,SSTを基盤とした援助チーム会議の実践を以下に示. す4段階を経て行っている。また,「援助チーム会議は,異なる専門性や役割をもつ ものが,それぞれの専門性や役割に基づき,特定の援助対象の問題状況と援助の実状 について検討し,今後の援助の在り方について話し合うプロセス(作戦会議)である。 すなわち,この援助チームのプロセスは相互コンサルテーションである。」と述べて いる。. 1)ステップ1=パートナーとしての協力関係作り 構成員の自己紹介から始まり,会議の目的の確認を行う。構成員は,自己紹介に おいて対象の子どもとの関係にふれ,子どもの言ったことで興味をもったこと, 子どもを観察して感心したことを簡単に話す。構成員はTable 1(p.18)に示さ. れる書式の自助資源の欄(A)に自己紹介時に引き出された情報を記入する。 2)ステップ2:問題状況の具体的な定義及び仮の目標設定 学級担任,保護者から,子どもに関して「心配であるところ」「困っているとこ. ろ」を出し,Table1の援助が必要なところの欄(B)に記入する。問題状況の定 義は具体的である方がよい。次に,仮の目標を設定する。目標の妥当性はチー ムで議論する。. 44篠原(1998)は,アメリカのIEP作成には,異種の分野の専門家が集められるが,イギリスは,各学 校に配置される特別な教育的ニーズ調整者(Special Educational Needs Coordinator,教職年数が 長く,人物,識見とも優れた教師が指名される)と担任教師が連携し,場合によって外部の専門家. の力を得てIEPは作成されるため,イギリスのIEPの方が目本には適用しやすいのではないかと 述べている。 45山本(1986),山本・原・箕口・久田(1995)において述べられている。. 17.

(31) Table 1石隈・田村式援助チームシート 実施日 次回予定:. 年 月 日() 年 月 日(). 時分∼時分 第回 時分∼時分 第回. 出席者名( 児童生徒名. 年 組 番 氏名. ). 学習面. 心理・社会面. 進路面. 健康面. (学習状況). (情緒面). (得意なことや趣味). (健康状況). (学習意欲). (人間関係). (将来の夢や計画). (身体面での. (学習スキルや学習. (ストレス対処法). (進路希望)など. 訴え)など. スタイル)など. など. A 児童生徒の自助 資源,環璋(学 心. 校,家庭,地域. 理. など)の援助資. 教. 源. 育. B. 的 ア. 援助が必要な. セ. ところ. ス メ. ン ト. C 今まで行った,. 直行っている. 援助とその結果. これからの援助 で何を行うのか 援. だれが行うのか 助. いっから. いつまで行うか. 緊急連絡先. 18.

Table 2 WCPSS実験校のSST運営状況
Table 7 W⊂PSS 1997−98年度のストラテジーと評価 ストラテジー 勧告数 評価回答率(%) 良い  好ましい 劣 る (1)学級基盤(classroom−based) 授業改革(Modf五ed血S孟rUC亡fon) 1145 42 42 16 柔軟なグルーピング(Flexfble Groupfng) 1015 42 41 17 保護者関与(Paren亡a1血volvemenの 1098 45 30 24 環境の修正(Modf五θd Em必o皿menの 919 39 41 21 積極的な学習方
Table 8 WCPSS 1998−99年度のストラテジーと評価 ストラテジー 勧告数 実施数 良い 評価回答率(%)口好ましい@          劣 る (1)学級基盤(classroom−based) 積極的な学習方略(Ac孟fve Learηfng) 1549 1401 38 48 14 アセスメント(Assessme煎翫raLegfe5) 1057 956 41 46 13 識別教授(Dj漉renむiated jnstrucむjoη) 1685 1457 40 48 12 環境の修正(Modfβ
Table 13インシデント・プロセス方式 活動項目(時間) 活動 (1)進め方の説  明,事例の提  示と黙読    (5分) 記録用紙を配布し,指導者が目的と時間配分,進め方を説明する。参加者は,インシデント(事例の一部分を記したもの)を黙読し,情報収集に必要な内容をメモする。   ●時間設定は人数等に応じて工夫する。 (2)情報の収集  本人及び問題行動理解のために参加者は事例提供者に質問する。質問は一人ずつ一問一答形式とし,時    (30分)  間の許す限り何回でも行う。事例提供者は聞かれたことの
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