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シューマンの「森の情景」作品82に関する演奏解釈(1)

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(1)187. シューマンの「森の情景」作品82に関する演奏解釈(1) 新山真弓キ (平成9年9月19日受理) はじめに 今回から行うシューマン作曲「森の情景」作品82に 関する演奏解釈は、先に分析したシューマン作曲「子供 の情景」作品15(注1)に引き続き、保科理論(注2)に基き、 全曲の分析を試みるものである。 一般的に「楽曲分析」とは、形式や和声、形態などを 研究することと思われがちである。また、その域で留まっ. (4)持続音- (持) (5)奏法- (柴) (6)右手- (R.H.),左手- (L.H.) 「作者の意図は大部分が音符のみでも表現できる」と いうことを証明するため、アーティキュレーションスラー 以外のすべての指示記号を楽譜から取り去った状態で、 分析を進めていくこととする(以下、楽譜を参照のこと)。. ている分析が多いように思われる。しかし、それが実際 に演奏するうえで、本当に役立っているかどうかという と必ずしも肯定できない。 この保科理論による分析法が、今までのそれと大きく. 2.分析 第1曲:森の入口 (a)-(b)-(a')-(c)-(a"). 異なる点は、 「音符本来の持っェネルギ-」に着目し、 「作曲者の創作意図の大部分を音符によって表現し得る」. (グル-ビング). という結論を導き、分析する側のすべての人が、その作. (a) (1小節). 品を同次元で理解できるということにある。. (R.H.) 1-2小節までのグループは、同リズム型より. このような研究を行うことにより、演奏家は、作曲者. 判断でき4グル-プである。併せて(L.H.)の. がその曲に託した思いを正しく理解し、さらに演奏家の. リズムも見てみると、 ♪」というリズムで(R.H.). 主張を加味し訴えていくことのできる演奏の大きなバッ. の8分音符の和音を切れ切れにならぬようにつな. クボーンとなることは間違いないと、確信するところで. いでいるOと同時に(L.H.)の符点4分音符の. ある。. エネルギーが減衰しないように(R.H.)の和音 で分割している。 (R.H.)のみのグループの重点. 1.分析方法. を考察してみると、和音も2音-減少する直前の. 音符のエネルギーのゆらぎ(緊張-弛緩)一昔のグ ループ化フレ-ズ形成を考えていくうえにおいて. 和音に×のウエイトがかかる。. まずは、重点(昔長・音高・音積)を見つける。 i. それを基に、重点を含む最小単位のグループを見つけ. 3小節2拍裏∼4小節2拍目・ 7小節2拍裏∼ 8小節2拍目のグループは、倍音を中心とする1 グループである。 5小節2拍裏∼6小節目までのグループは、内 声に注目してみると、 1拍ずつで、重点は強拍。. る(グルーピング)。 i. グループの関連性を見つけ、どこまでがひとまとまり かということからフレーズを考える(フレージング)。 以上に基づいて、最終的にディナミーク、アゴーギグ etc.を決定する。 凡例 (1)重点の三要素 音長-・△、音高-×、音積一〇 (2)グル-プ、フレーズ. (3)非和声音 筒音- (俺)、経過音- (経)、刺しゅう音- (刺)、 先取音- (先)、掛留- (掛) *兵庫教育大学(実技教育研究者指導センタ-). (L.H.)は(R.H.)に付随している。 4-8小節目までの内声部のみのグループを考 察してみると、考え方は1小節目と同様である。 (L.H.)上記も併せてまとめると、 ♪」と♪」」2種のグルー プの他は、 (R.H.)のグループに付随している。 (b) (9-17小節2拍目) (R.H.) 9小節3拍目∼13小節2拍目までは、リズム 型より判断すると、 」♪」で1グループ。それ以降 は(a)と同様である。 (L.H.) 9小節2拍裏-13小節2拍目までのBassのみ を見てみると、 JJで1グループであるが、それを 半拍早く始めている内声のグループが、 Bassエ.

(2) 188. ネルギ-の減衰を補っていることがわかる。 13小節3拍目からは、 JJ、」7で1グループであ るが、 JJ」と同様である。. ライマックスとする典型的なジェットコースター 型であることがわかる。 これ以後の4フレーズ目では、 Sop.とBassの 巾は7小節2拍裏で最大となり、 3拍目は(R.H.). (a') (17小節3拍目∼29小節2拍目) (a) (b)と考え方は同様である。. に倍音も現れていることより、クライマックスで あることがわかる。 ※奏する時には、森の入口という題名も考慮し、. (c) (29小節2拍裏∼38小節2拍目) 29小節2拍裏∼32小節1拍目の(L.H.)と32. 期待と不安を含んだ表現をするために、 ppから 始めると良い。. 小節2拍裏からの(R.H.)のグループは、それ. (R.H.)の¥W3というリズムで重点に注目する. ぞれ倍音を中心に8分音符4つで成り立っている (とくに(R.H.)では、倍音にさらに装飾音符が. と、t> JBのように奏するとうまく表現できる。 また、この(R.H.)の和音で少しずつはずみ. 重なっている箇所もある)。. をっけながらcresc.させていく。 2小節2拍裏. その他のグループは、前述同様。. (L.H.)の借用和音は、ほんの少しdim.する程度 で、流れを止めてしまわないことに気をつける。. (a") (32小節2拍目∼45小節) 考え方は、前述同様。. 3フレーズ目からは、 Sop.とBassの両声部の 旋律をしっかり効かせ、内声部も徐々に cresc.していくと良い。. (フレージング). (a)調性から判断すると、 1-4小節2拍目までが. 6小節のdim.は(L.H.)が順次進行のため困 難であるが、 3拍目の(R.H.)の和音で治める. B dur,それ以後は徐々にF durに転調している. とうまく表現できる。その後の4拍裏のa音は、. ことと、和声進行の完結により、大きく2フレー. 4フレーズ目の旋律の始音であるのではっきり入. ズであると見てとれる。 しかし、 2小節3拍日を見てみると、VIになっ ており偽終止である。 また、それまで(L.H.)に旋律があったもの. り、 (a)最大のクライマックスの7小節3拍目 に向かって、内声でcresc.していくと良い。 繰り返しの場合は、 nt.をかけて終了した後、 1 ・ 2フレーズ目は全体的に音量を控えると変化. が、 (R.H.)に移行していることに着目すれば、. を出すことができる((b)へ進む場合はrit.の. 2フレーズと判断できる。ここでは、 (L.H.)の. 必要はない)。. 符点4分音符の減衰を(R.H.)の分割和音が補 いながら進んでいく。 また、 2小節2拍裏の借用和音の内的ゆらぎも あり、 2小節までのエネルギーは一旦治まったも. (b)調性の変化とリズム型から判断すると、 9-ll 小節がg moll、 ll-13小節がc mollで、それ 以後はdurにもどり、 Es dur-B durとなり、. のの、 3小節l拍目の(R.H.)は5度下行跳躍. リズム型も元にもどっている。以上より4フレー. し、さらに3拍目の倍音をも生み出し、再度の小. ズであることがわかる。. さな盛り上がりを見せ、やっと治まる。. 1、 2フレーズのゆらぎを見てみると、 (R.H.). そして、 3小節目からは、この曲を支配してい. のSop.のエネルギーが減少していくのをAlt.が. るJJというリズムがSop.とBassの両声部に現れ る。. 補い、 Bassのエネルギーが減少していくのをTe. 3フレーズ目では、山のリズムパターンが5小. r.が補い、さらにTer.は、両声部の減少を補って いる。. 節3拍目から解放されている。 (R.H.)と (L.H.)の旋律は10度の音巾が保たれ、 7度下. ※したがって、このフレーズはダィナミークを大. まで順次下行するが、 6小節目からはそれも解放. げさにつけず、内的ゆらぎを表現するため音量を. され、 (R.H.)は9度上まで跳躍進行し、 (L.ll). 控えつつ(L.H.)の内声に少しテヌートをかけ. はさらに順次下行する。. ながらぼかすような感じで奏すると良い。. しかし、 6小節3拍目は2分音符となっている. 3. 4フレーズはdurにもどっていることよ. ことから、勢いはここで一旦治まっていることが. り、明るい音で奏しながら、またリズム型も元に. わかる。. もどっていることを考慮し、少し軽快にしていく. したがって、 3フレーズ目は6小節1拍目をク. と良い。.

(3) シューマンの「森の情景」作品82に関する演奏解釈(1). しかし、このフレーズは再現部へもどるつなぎ. 189. であると見てとれる。. の役割を果していることにより、前フレーズと同. 1フレ-ズ目では、 (L.H.)の倍音を中心とし. 様にディナミ-クをっけすぎず、 17小節2柏の. た8分音符で上行するのにしたがってcresc.しな. 終了のnt.もあまりかけ過ぎないほうが良い。. がら末尾の半終止で一旦治まるが、 2オクターブ 上行してきた(L.H.)の旋律を(R.H.)でその. (a')フレーズの考え方は(a)と同様であるが、25. ままつないでいく。その上行形のエネルギーが増. 小節3拍目からは末尾のフレーズと推察でき、 5. 加したため、 (R.H.)の倍音には装飾音が発生し. フレーズで成り立っていると判断できる。. ている。. (a)と異なる点は、まず1フレーズ目におい. さらに2フレーズ目では(R.H.)の同旋律で. ては、 18小節3拍冒∼19小節2拍目までが両手. 1オクターブ上行しているが、そのエネルギーが. で8分音符の和音のかけ合いになっていることで. 大きいため、 (L.H.)のBassだけでは支えきれ. ある。これは、 (a)でのフレーズよりも活動的. ず、内声部が発生している。. で、エネルギーも大きい。そのため、 19小節1 拍目の内声に倍音も引き起こし、さらに、 2フレー ズ20小節4拍裏に借用和音まで発生させ、為終 止になっている。. 2フレーズで増大したエネルギ-は3フレーズ 目の前半で最高に達し、その後、エコー的に同リ ズム型で治めている。 ※奏する時には、 1、 2フレーズの末尾は治めす. ※したがって、 21小節1拍目もあまり終了感を. ぎず、 3フレーズ目の前半のクライマックスに向. 出しすぎず、前述同様にはっきりと3フレーズ目. かってどんどんcresc.し、最後の2小節でdim.. に入る。この際の音量は、 (a)よりも全体的に. すると良いが、それまでのエネルギーが大きいた. ディナミ-クを大きくする。. め、あまり音量を落とすことができない。したがっ て、 rit.をかけ、さらに再現部に入る前にも時間. 3フレ-ズ目の(a)と(al)の最大の違い. を要する。. は、音巾と転調である。 Es durに転調し、出だ しのSop.とBassの音程は(a)では10度に対 し、 (al)では18度から始まっており、 25小節3 拍目の音程を比較すると、 (a)では18度に対し、. (a") (a)と考え方は同様であるが、為終止の後の 発展が見られず、 1フレーズであると判断でき、 42小節以後は末尾のフレーズと見てとれる。. (a')では26度と最大になっている。 24小節では. ※奏する時も(a)(al)より力もなく、曲全体. そのことも考慮し、また、それまでのエネルギー. の末尾であるため全体的に音量も控え、ディナミ-. が増大していることにより、 Sop.を1オクターブ. クもつけ過ぎない方が良い。. の下行跳躍させて解決している。 しかし、 (L.H.)は、すぐに基本形に解決でき. とくに、 42-43小節の(R.H.)の盛り上がり は、それまでのエネルギーの残力で発生したもの. ず、順次下行形をたどりながら、 (a)より2拍. で、下行形を使ってdim.を増していくとうまく. 遅れでIに解決する。. 治まる。. ※当然のことながら(a)のフレーズよりもディ ナミークをしっかりつけると良いOこのフレーズ のエネルギーは大きいため、 25小節で治まりき らず、なかなかdim.できないエネルギーを4小 節間かかってやっと治まりを見ることができる。 よって、 5フレーズ目でBass昔の消滅やその 後の(R.H.)の音の減少を利用し、 dim.してい くと良い。 (C)同型の旋律・リズムと和声進行により判断する と、 34小節1拍目までを2フレーズと考えられ、 それ以後は、それまでの2フレーズが発展したフ レーズと考えられる. (C)のフレーズは、 (b)のエネルギーが治まっ たため、もう一度再現部-つなぐ前の盛り上がり. 最後の2小節は、消滅していくようにppでnt. すると、終了感が増す。.

(4) 190. 1・森の入口 二一で 去 - 「T 与 干 「lT 七 可 J. 臣 〒 i.. 蝣 m il ,dj. 等. :、 声. 頃 」. q. ・W こ こ コ .一 . ′ ,. 」 .虹 与. ff ̄(r ''T IJ∃. ー. M. [ ⊥. f j r. 「 h. v. TiT ft. I ;/. 声. 7. P. 〟 .〟. .〟.. 一== . OL!. 」. . 斤-. ← l「. Tn. 蝣 fr. l*= fi=. コ. r→. B if^^^^^^B pB 芸. .Vr. l」. r. = ここ≡巳 ≡≡蝣 サ サ蝣 蝣蝣蝣 蝣umm mm m 7 7 7 亡r 7. ▼▼ サ ォ・. l壷 云 壷 =. .[ ;. .. ま. 断. 蝣 蝣^ 蝣W M il 巳 旦 ′ し一..雫. 7. 且. .」. 面 弓. 」. .. -. T. ′ こ 叫. ′ ]. -. 書:. タ.. サ!., 1′ 一理 」 F : 荘 止. 」 L盤 l.l J. i. ^. 丁 「. 一. ′. 一K. 'r - i '. J ,. 二 盲. 百. ≡. ( 、Lニ ー .主 i . . 止 -. 」. I' I). 一 書 ユ. 「T. p - 書:. . ー. E l. :k 」 / ld). l u.. . n. F .. e : 工. L. 三 三 l 「ー. エ「. 'i. r. 』. `. 扇 「. 1. ,r. L一. 幸可. 蝣 # 蝣. k -. 車.. &. 一■ Ia. ー. k rT. ▼. # 蝣*. A.一 MM.. ■ >. J<. 蝣 &. ⊇. -iF. TL. JL _. 七萄 P 「. l ・l 7 L F. 7. * 蝣. J b i.. 7 L r. 7. n I.′. 」キ ー 」且 」 7 r I. 蝣 # ・-4 -. i ). ll ト IIII *. A. r SS a S S. ォー. < 去.. ー Ⅵーβ蝣t. ベ. 且 l÷」 L A. -. <. I. I tIQ 7-「= TM. j. It. 蝣 * 蝣蝣 *蝣. ★. " ′s :tv `. -. TV ,. ∫. St_J ̄ 1.▼ - ▼ 一 ' h .r A *4 l こ コ コ '- k. - く こ 二.. *). i. .JA lJ.. jV -. 也 一旦 .I. 且 ..

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(6) 192. 第2曲:待ち伏せる狩人. 前述同様。. (a)-(b)-(a')-(c)-(Coda). ( c ) (23-34小節) (グルーピング). 前述同様。. (a) (1-小節) (CR.H.)と(L.H.)はユニゾンになっている ので、グルーピングも同様に考えられる。. (Coda) (35-39小節) 前述同様。. 1 ・ 3小節は単音から重苦に跳躍しているグルー プで、 3拍目に×○のウェイトがかかる。 2 ・4小節では、 1-2拍目の3連音符2柏か ら成る放物線のグループで、上行するために2拍 目に×のウェイトがかかる。 3、 4拍目はそれぞ れ1拍ずつの3連音符からなるグループで、 1昔 日が最高音よりウェイト×がかかる。 5-8小節は同音同型の繰り返しより、同様に 考えられる。. (フレージング) (a)同リズム型より推察すると、 -1・2-3・ 7 - 8-10小節のそれぞれ4グルー プで1フレーズを形成している。 クライマックスを判断する場合、 3連音符の勢 いが到達する2分音符であると考えられる。しか し、 1・3・5・7小節3拍日は両手共に重音で あることより、エネルギーは最大となり、クライ マックスであると判断できる。その勢いを治める. (b) (9-19小節). ために休符が発生している。. (R.H.)10小節では、 3拍目に重点が集中しているこ. 2-3小節のフレーズを比較してみる. とより、この1小節で1グループであると判断で. と、 4-5小節のフレーズは完全4度下で同型で. きる。. ある。したがって、音高より判断すると、後フレー. 9・11*12小節の3拍1昔日までは(a)の 1小節目と考え方は同様で、 1グループである。 11小節3拍2昔日∼4拍目の3連音符は、 (a) の2小節1-2拍目と同グループである。. ズは前フレーズはどのエネルギーはなく、応答の ような意味合いも感じられる。したがって、 4小 節を大きな1フレーズとも考えられる。 ※奏する時には、 1小節3拍目の和音に向かって. 13小節2 ・ 3柏のグループと4拍目∼14小節. cresc.はしにくいので、 2分音符はあまり弱く入. 1拍日のグループは考え方は同じであるが、後者. らず、和音は両手ともしっかり奏す。しかし、こ. では、前者の勢いが増加しているためb音まで跳. れほおさえすぎず、スタッカート気味のほうが軽. 躍し、 4分音符が8分音符に分割されている。. 快さと余韻が増す。 2小節日の3連音符はpから. 14小節2拍日∼15小節1拍目と16小節2-4 拍目のグループは2分音符を最長音とする重点の グループであり、 16小節3拍2昔日∼4拍目の 3連音符は、内声のグループで、考え方は前述同 様である。. 徐々にうねりにしたがって抜けないようにcresc. していくとうまく表現できる。 (a)の後半は少し控えたディナミークをっけ、 あっさり奏すると重複感が避けられる。 1小節目のリズムは曲の始まりのインパクトを. 15小節2拍目∼16小節1拍目では、 1拍ずつ. 強めているが、それはまるで狩人が獲物を狙って. 1グループという考え方と、 15小節1拍冒1昔. 発砲している感じさえうける。したがって、決然. 日のg音を最高音×の重点と考え、 4柏で1グルー. と奏すると良い。. プと考えることもできる。 17-18小節は、 17小節1-2拍目の和音分割. (b) (a)もそうであるが、フレーズの始まりがそ. や3-4小節の内声的な3連音符という形が現れ. の前から継続しているため、フレージングは区別. ているものの、大まかには2分音符の順次上行形. しにくい。 (b)の1フレーズ目は、 (a)と同. ととらえられ、 2拍ずつ1グループと判断できる。. 様に考えると8小節目から始まり、 9小節目で治. (L.H.) (R.H.)と考え方は同様である。. まるべきである。. 17・18・19小節では、 (R.H.)のグループが切. しかし、リズム型を考察してみると、まず、 9. れ切れにならぬようにシンコペーションのリズム. 小節目は1小節目の変形である。 1拍目の2分音. で1グループと判断できる。重点は2分音符で△。. 符は和音となり、さらに勢いを増している。その ことにより、 (LH.)に3連音符が発生し、さら. ( a ') (19-22小節). に10小節目では(R.H.)は和音で最高音へ跳躍.

(7) シューマンの「森の情景」作品82に関する演奏解釈(l). し、 (L.H.)はそれを3連音符の下行形で支えな がらェネルギーをさらに増大させ、 3拍目では音 巾が3オクターブと最大になっている。したがっ. 193. (a') (a')では(a)とは異なり、それまでの(b) の影響を受けエネルギーが増大している。 その詳細を推察してみると、 19小節1拍目で. て、 10小節日までを1フレーズとみるべきであ. は(LJl)がオクターブの重音になり、 (R.H.). ろう。. は和音で2分音符を分割している。さらに、和音. ll-12小節は同音同型で繰り返し、 1つのフ レーズ形成を見せている。 13-14・15-16小節目は、 (R.H.)と(L.H.) が転回対位法で、和声進行も2小節ずつ完結して いることにより2フレーズと判断できる。 (R.H.)の13・(L.H.)の15小節日のスキップ. は借用和音に変化している。その後も、休符や2 分音符で滞まらず、 3連音符や和音で分割されて いる(フレ-ズの考えかたは、 (a)と同様)O ※奏する時には、 cresc.してきたクライマックス を19小節1-2柏にもっていき、後は(a)と 同様に考えれば良いが、 (C)には決然と入る。. のリズムは、前フレーズの勢いがあまって現れた 初めてのリズムで、それを3連音符の上行形によ. (c) 27-30・31-34小節は同音同型より2フレー. り、さらにエネルギーを増大させている。そのこ. ズであると判断できる。 23-25小節は和声進行. とにより、すぐに治まりきれない14・16小節1. の完結も見られず、 24小節目も前述と同様に発. 拍目は、それまでの勢いがあまって4度跳躍し、. 展している途中であると見てとれるが、後フレー. その同型を2拍目にもう一度伴いながら同和音に. ズが4小節ずつ1フレーズとなっているので、 1. 至りやっと解決を見せる。. フレーズととるべきであろう。したがって、 (C). この2フレーズは、 Bdur-gmollに転調 し、旋律も(R.H.)-(L.H.)-移行し、両手の音. は3フレーズから成立している。 23小節1拍目にやっと両手共に2分音符が現. 巾も減少していることより、 2フレーズ目のディ. れ束の間の落着きを見せるが、これは9小節1拍. ナミークも控えるべきであろう。. 目以来である。したがって、 (b) - (al) -. 17-19小節のフレーズは、 Bassのa音の持続. (C)ときているが、 (a')自体が(b)の末尾. 音で支えながら、 (R.H.)の2分音符のSop.が19. であるとも考えられ、 (C)のはじめで、一旦治. 小節1拍目まで内声の3連音符でエネルギーを溜. まっているように見える。しかし、 (R.H.)と. めながら順次上行形をたどっていることより、つ. (L.H.)のユニゾン型が再現し、再び1小節目の. なぎ的役割が大きい。. リズムの変化型が現れている。. ※奏する時には、 8小節目のcresc.をあまりしす. 25小節目まで3度ずつ上行しながら、同リズ. ぎず、 9小節1拍目も1小節日のようなインパク. ム型でエネルギーを増大させ、 (b)の10小節目. トではなく、 3拍目の8分音符もアクセントをっ. のリズムの変形が25小節目で現れ、それをもう. けず、 10小節1-2抱でcresc.していき、クライ. 1度26小節日でダメ押ししている。. マックスにもっていく。. ディナミークの考え方は(b)と同様であるが、. 11ォ12小節のdim.はあまりしすぎず次フレー. この4小節問のエネルギーの増加は、ついに27. ズへつないだほうが良いが、 12小節3-4拍日. 小節1拍目でこの曲全体を通して頂点に達してい. のdim.は多めに表現したほうが、 13小節日がp. る.そのエネルギーがあまりに大きいため、 4小. で始め易い。 (R.H.)のスキップのリズムと(L.H.). 節問で治まりきれず、繰り返しをすることにより. の3連音符の上行形を使って、どんどんcrese.す. やっと沈まりを見せる。. ると良い。その時、 (R.H.)はスタッカート気味. ※奏する時には、 23小節目はpから始めず、 mf. に、 (L.H.)は1拍日にアクセントをっけるとう. くらいからどんどんcresc.していき、 27小節1拍. まく表現できる。この時のペダルは1拍ずつ踏ま. 目にもっていく。その時、その直前の(L.H.)の. ず、この1小節をかけて、だんだん深く踏み込ん. 3連音符は単音のため抜けていかないようにしっ. でいくと効果的である。. かり奏する。. 15-16小節では、少し控えめなディナミーク に留め、次フレーズは、一旦ppからcresc.を開 始したほうが、さらに(a')への導入の期待感. 2拍日からは、新たにcresc.を始めるためにp から入り、 29小節1拍目を目指すと良い。 31小節からの繰り返しのフレーズは、同音同. が増す。とくに、 Sop.の旋律はマルカ-ト気味に. 型であるが、ディナミークをあまり控えず、. 奏し、内声も控えすぎず奏する。. (Coda)に入る前の(R.H.)の内声部でdim.し て治める程度で十分であろう。.

(8) 194. (L.H.)の3連音符の同型を37小節目から(R.H.). (Coda)和声進行の完結より、 5小節で1フレーズであ ると見てとれる。. で受け継ぎ、 38小節の下行形でエネルギーは増. (C)の末尾は放り出され、和音に跳躍して治. 大し、最後の和音で華々しく締めくくっている。. まっているが、もはや、力はあまり残っていない。. ※ 35*36小節はあまりディナミークをっけず、. 36小節目は35小節目を繰り返しているが、さ. 37小節目から徐々にcresc.し最後の和音もどっし. らに減少している。しかし。 35・36小節の. 2・待ち伏せる狩人 A. .土 ヰ. ⊥. ;. ,- ≡. コ Fl. h. ▲. 昔. I.. X. `. 4. ! ・.ォ '- コ K BSL 2 (d ) 、-. . h ウ-一 蝣B M ■ K .■ /K 1M. d :手. 一 .. - I '珂. r1 .. 写 ;. -. 1 ・ r -f. 叶 dJ. .- I. -一 -. ,. l. Jr 一 壷 二. ,v. -一 r-ォ ォw ,t * :i. <* -_ '# ・. 戸A S d. i. *. TV. ,J 2 J` 2 7 * u m '* サ i^ h :∩ UT 票. ォ. - -r一一 l. t). J l. t. 一. & S. Iー. J r 蛸. . エl. X.. Iq 一 戸一 一 -. P :. ヤ人. †. 日. 野. K. -. .. <. lL ft. 蝣uS SIK ^ ^^^w MIIII ≡ ≡ ≡ ≡≡ ≡ ≡≡≡ ≡≡ ≡ 三 三 stir p sT P*> 事 ▼ 叶 締 I蝣ァ 議j J m ム 7 = = ==> ツ去 〕h 広 口 I^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ M B M B M ^ ^ ^ B B b i l S ′ - - l- r tm ^ m * m m ^ こ Jl 萱 華 萱 ] I- = l . 一一 ▲ ^ 蝣│M M ^ i H k j^ 2 B H H U fl │ ^ ^ ^ r s H │ ^ ^ u s ''H *" 2 a 3 H 2 ! U fl iH r萱. .I. I. . ft. *}. I. rf l. 耳. ". 」IJ. 丁 ニ ±. V. L. 艦 I). = 」 百一 一. 一 一 一 一 一一2コ コx. 杯. 事:. ⊥ ±. ・. 1-. 」♭j. d. ll亡 苛. =. T T.. .ー. = ゝ. t. . 【. ..【 l- I一 ー-J ** *- 一..J. 一一■一. v. m. w. - I w. V ▼ ̄. m. 一. T. J. L. 章 jF,. *. I. 'I. 一. ∼. I耳. d : TV. :-. .は -. 王. =J│l>-_-^= = - ,.-. *. ' nr^. ^^ x. -4 聖 ㌃. く. - ■一 ■■L ..一 .♭象... ^ t j z l T l = 巳 … 蝣a n cu M こ U 一 三 ′適 l ミ ". _ ' it一一. ー J.ー J. ▲ E. シ ー」 rm. 糾. 墓 = 墓 蝣 蝣ォ ォ 蝣 l.・ ..・...-. 一 ∴一 二「. 酎. L 」 J. -蝣 .--=. o n. ォ. 」嶺 「 嗣 声前 「軒. 1. ,-I 、 1* 4 - 1制 軍 票. †・ ォ. A. 長. 一.

(9) シューマンの「森の情景」作品82に関する演奏解釈(1). 195. り奏すると良い。しかし、重すぎず、スタッカーおわリに トで奏すると、軽快さを保ちながら終了できる。今回は、紙面の都合により2曲にとどめた。次回は、 またこの時、 rit.ぜず一挙にもっていくほうが、第3曲からの分析を試みる所存である0 曲のイメージをそこなわない。. A I&. .. K. .. . *. ー I). 榊■ ▼. ォ, I一一 - . 「:. f. t. JL 1 │. * け. さ. *. ;. J. 1 -顧. lさ さ ま ま U. 軒. IL」. 妄. h l. を ニ. 苧. 蝣」. Jr. W. ,. 芦. .雪. rat . (サ;. FJ= -.= U ;. 「 画 箇. 1 ← 「-t. ^ ォJ. E l& l. .. .... 菱. ≡. 鞍. w- -. I'. Ⅰ. (Sf>- (.q ー. w --. IM W. -llIT 圭. it" 醒. <*i>4. ォTォ^ H ^. 亘. ^. '. I. 9 P rT. ド ▲ r【 sss rォ .?ど. 111- 妻 I.. 丁絹. i 1. . ▼. T ^. 号. 耳ー. T t r. P tf 7. I. :l「. }¥. ft. ′. .- ̄ " ^. T. I 6*1-. ^^ 蝣蝣B B m. liニ. .. <. r -n. wJ T. i. tIr A. け 一書. r tr. rO. 7. 1. .さ. け. .r. 蝣 m- ,r*サ,こ 昌 P 1 r. 喝; = コ. r h一一. 一 撃. Jl 昌1 F I .こ rさまI. .. こ 7. 7. を ; こ と コ. r. d. l盲と. ド. 且虹 rb t. _<. ・ ..■... .. d -. 満. 」. I亡. ... 六. r h一. l;. -. -iITil」. サ -r-:呂. B irJ. サ・". 3. l-.i..一. さ. -. K. ....tJD一. ▲一. I.  ̄ <. 雪 -,. i. J ill. - m U-*-. ` .. Y u j- I. l. A. ユ. bJ^ m&M .≡ヨ. ^ 華. Jt. 昆. 旦. 虹. 頂 三訂. さ ■ V .. ▲. ー 蝣C/. Tl. a r-. + 」 ,.1. ,. I. ,. ,. ` wm * ifc k 蝣. 「. 且. ^dJL -. ・). l^. 11. ブ ヨ,. ど= 芦 "r T fe表. ..L咽 撃一⊥■ 三. I. 「. ■ ◆申. t " -1^ 【. L. ^醋. く 「. 」. ▲. l. - lナ て V ...■■. tI.

(10) 196. 注 1.抽稿「シューマンの子供の情景、作品15に関する 演奏解釈(1)」 『兵庫教育大学研究紀要』第15巻第 2分冊、 1995年 「シューマンの子供の情景、作品15に関する演 奏解釈(2)」 『兵庫教育大学研究紀要』第16巻第2 分冊、 1996年 「シューマンの子供の情景、作品15に関する演 奏解釈(3)」 『兵庫教育大学研究紀要』第17巻第2 分冊、 1997年 2.保科洋著「音楽における表現の基礎について」 『教材の研究と指導』全日本学校音楽研究会 1988年9月. 参考文献 1.保科洋・田畑八郎共著『和声応用の楽しみ』 音楽之友社、 1985年3月 2.池内友次郎・長谷川良夫・石桁真礼生他共著間口声・ 理論と実習I』音楽之友社、 1964年4月 3.池内友次郎・長谷川良夫・石桁真礼生他共著『和声・ 理論と実習Ⅱ』音楽之友社、 1965年5月 4.池内友次郎・長谷川良夫・石桁真礼生他共著『和声・ 理論と実習Ⅲ』音楽之友社、 1966年7月 5.長谷川良夫著『対位法』音楽之友社、 1955年6月. 参考楽譜 1.ウィーン原典版:音楽之友社 2. A.コルト版:Editions Salabert. 3. G.へンレ版. 4.全音楽譜出版社.

(11) シューマンの「森の情景」作品82に関する演奏解釈(1). 197. On Interpreting Waldszenen " Op.82 by Schumann -Emtritt, Jager auf der Lauer. Mayumi Niiyama. In order to play a piace of music to perfection, we need to properly nuderstand the piece in advance within some good framework. There are, however, not vert many works on constructing theories of music analysis. This paper shwos how effectively one of such theories works to understand Schumann's. "Waldszenen " Op.82, employing a mathod designed by Hoshina (1988), and claims that correct analysis is the first step to any good performance..

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参照

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