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摂食障害生徒の学校生活とQOL

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Academic year: 2021

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(1)Title. 摂食障害生徒の学校生活とQOL. Author(s). 笹嶋, 由美; 泉, 祐子; 堂腰, 律子; 芝木, 美沙子. Citation. 北海道教育大学紀要. 自然科学編, 58(1): 43-51. Issue Date. 2007-08. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/638. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 北海道教育大学紀要(自然科学編)第58巻 第1号 JournalofHokkaidoUniversityofEducation(NaturalSciences)Vol.58,No.1. 平成19年8月 August,2007. 摂食障害生徒の学校生括とQOL 笹嶋 由美・泉 祐子・堂腰 律子・芝木美沙子. 北海道教育大学旭川枚臨床医学看護学教室. QualityofLifeandSchooILifeforJuniorHighand HighSchooIStudentsSufferingfromEatingDisorders SASAJIMAYumi,IZUMIYuko,DOHKOSHIRistukoandSHIBAKIMisako. DepartmentofClinicalScienceandNursing,Asahikawacampus,HokkaidoUniversityofEducation,AsahikawaOO7−8621. ABSTRACT Thequalityoflife(QOL)ofstudentssufEeringfromeatingdisorders(ED)isthoughttobeimpaired asaresultoftheaccompanyingmentaland/orphysicaldifficultiesthattheyfaceintheirschoollives.In. thisstudyweevaluatedtheQOLofstudentswithEDandfactorsthatinfluencedaloweredQOL.Atotal of39EDoutpatientsaged12−25years(mean18.2)whovisitedmedicalclinicswereassessed.The effectsofEDontheirQOLweremeasuredusingSF−36(Japaneseversion).TypesofED:15caseswere anorexianervosa(AN),10caseswerebulimianervosa(BN),and14caseswereANcomplicatedwith BN(AN+BN.)ThemeanageofEDonsetwas14.3years.TriggersthatgaverisetoEDincludeddiet− ing(70%),perSOnalrelationswithclassmatesand/orteachers(49%),relationshipwithmother(39%), andstudying(39%).problemsrelatingtoschoollifeincludedcommunicatingwithclassmatesand/or teachers(82%),issuesregardingthelunchbreak(59%),COldnessofclassrooms(54%),undergoinga schoolhealthexamination(44%),absenceofphysicalexercise(41%),andparticipatinginaschoolexcur−. sion(26%).TheSF−36scoresoftheEDstudentsweresignificantlylowerthanthoseforthecontrol. group.TheSF−36scoresoftheEDstudentswhohadmoreproblemsintermsofschoollifeweresignifi−. Cantlylowerthanthoseofstudentswhorespondedashavingfewerproblems.. Ⅰ はじめに 近年心身症の増加が目立ち、なかでも摂食障害 (EatingDisorders:以下ED)は、学校保健に. 教帥・友人関係・家庭環境などさまざまな問題を 抱え、彼らの学校生括におけるQualityofLife (QOL)は著しく障害されていると思われる。 また、生徒は1日の大半を学校で過ごすため、学. おける重要な健康問題の一つとなっている。ED. 校生括におけるQOL向上をはかることは、生活. 生徒は、身体症状のみならず、学業、進学・就職、. 全体のQOL向上につながると考えられる。しか. 43.

(3) 笹嶋 由美・泉. 祐子・堂腰 律子・芝木美沙子. し、ED生徒の学校生括とQOLに関する論文は. 3.調査内容. みられない。このような背景から、ED生徒の学. 1)質問紙調査. 校生括上の問題点およびQOLを明らかにするこ. 質問項目は①発症年齢,②雁病期間,③発症の. とにより、QOL向上のための学校における必要. きっかけ,④学校生括について((i)出欠状況,(ii). な対応について検討することを目的とし、現在通. 学校生括上の苦痛・問題点,(iii)保健室利用につい. 院加療中のED患者を対象にアンケート調査を. て,(i司学校側の配慮,(Ⅴ)相談者・理解者)である。. 行っ7,〈. なお,すでに高校を修了しているものについては, 学校生括を思い出して回答してもらった。. Ⅱ 研究対象および方法. 2)QOL評価. SF−36QOL評価票を用い8つのサブスケール. 1.対 象. :①身体機能(physicalfunctioning:PF),②. 北海道内の医療機関に通院加療中で、本調査に 同意が得られた発症年齢が18歳以下のEDを対象. 日常役割機能(身体)(role−physical:RP),③. とし、39名(全例女性)から回答が得られた。対. 体の痛み(bodilypain:BP),④全体的健康観. 象平均年齢は18.2歳(12歳∼25歳)、学齢別内訳. (generalhealth:GH),⑤活力(vitality:VT),. は中学生4名(10.3%)、高校生21名(53.9%)、. ⑥社会活動機能(socialfunctioning:SF),⑦. 大学生3名(7.7%)、その他11名(28.2%)であ. 日常役割機能(精神)(role−emOtional:RE),. る。病型別内訳は、神経性無食欲症(Anorexia. ⑧心の健康(mentalhealth:MH)ごとに得点. Nervosa:以下AN)15名(38.5%),神経性過. を算出した。. 食症(BulimiaNervosa:以下BN)10名(25.6%), ANとBNの合併例(以下AN+BN)14名(35.9%). 3)統計解析. MicrosoftExcelおよびSPSSを用い,X2検定,. である(表1)。コントロール群はA市内の12歳. t検定を行った。有意水準は5%以下とした。. ∼18歳女子30名(平均年齢16.8歳)とした。. 表1 対 象 全体. Ⅱ 結 果. AN BN AN+BN. N=39(%) n=15 n=10 N=14. 1.質問紙調査. 中学年. 4 (10.3) 3. 0. 1. 高校生. 21(53.8) 9. 5. 7. 3 (7.7) 0. 2. 1. た。これを学齢別にみると,中学生時が最も多く. その他 11(28.2) 3. 3. Fi. 19名(48.7%),高校生時16名(41.0%)と90%. 大学生. AN:AnorexiaNervosa,BN:BulimiaNervosa. ①発症年齢および屏息期間 発症平均年齢は14.3±2.4歳(6∼17歳)であっ. 以上が中学から高校生時に発症していた。一方, 小学生時に発症したものも4名(10.3%)みられ. 2.方 法. 2001年8月から12月,学校生括に関する質問紙 およびSF−36QOL評価票1)を用いアンケート調. た。雁病期間は,平均44ケ月であった。 ②発症のきっかけ 「ダイエット」が27名(69.2%)と最も多く,. 査を行った。各調査用紙は主治医から対象へ配布. その病型内訳は,AN15名(55.6%),AN+BN12. され,記入後,各自返信用封筒にて直接返送,あ. 名(44.4%)であった。次いで「友人との関係」. るいは医療機関で回収後,郵送にて回収した。. 19名(48.7%),「母親との関係」および「学業」 がそれぞれ13名(33.3%)の順であった。その他,. 44.

(4) N=39 (%).

(5) 笹嶋 由美・泉 祐子・堂腰 律子・芝木美沙子. ケール平均スコアは,「身体機能:PF」83.8±. 表3 対人関係において苦痛を感じる理由 N=32 複数回答 理. 由. 名 (%). 19.8,「日常役割機能(身体):RP」39.5±29.7, 「体の痛み:BP」53.8±27.6,「全体的健康感. 1.視線が気になる. 20(62・5). 2.食行動について言われる. 19(59・4). 会生活機能:SF」42.5±26.0,「日常役割機能(精. 3.うまく話ができない. 15(46・9). 神):RF」33.3±28.5,および「心の健康:MH」. 4.対人不信感. 15(46・9). 33.4±17.1であった。全てのサブスケールにおい. 5.不安になる. 14(43・8). て対象群はコントロール群より低下しており,特. 5.相手が離れていく気がする. 11(34・4). に「身体機能:PF」を除いた7つのサブスケー. 7.わかってくれない. 11(34・4). ルにおいて有意差がみられた(p<0.05)(図2)。. 8.気持ちが沈む. 10(31・3). これを病型別にみたが,8つのサブスケールすべ. 9.体力的に疲れる. 10(31・3). てにおいて,AN,BN,AN+BNともコントロー. :GH」46.6±20.1,「活力:VT」32.3±20.2,「社. 10.干渉しすぎる. 6(18・8). ル群より低くかった。また各病型間では,各サブ. 11.思いどおりにならない. 6(18・8). スケールともほぼ同じ値を示し差はみられなかっ. 12.非難される. 5(15・6). た。. 13.心配してくれない. 2 (6.3). 雁病期間を4年で2群に分けスコアを比較する と,すべてのサブスケールにおいて4年以上群が. (i可 学校側の配慮. 学校生括を送る上で,特別に配慮されたことが. 低く,特に「日常役割機能(精神):RE」で有 意差がみられた(39.4vs8.3)(p<0.05)(図3)。. 「ある」ものは21名(53.8%)みられた。その内 容は,ほとんどが「体育の見学」(19名,90.5%) であった。その他「保健室で給食(弁当)を食べ. 2)学校生活とQOL 過去1年間で,「欠席がほとんどない」(欠席な. た」および「運動会・体育祭の部分参加」がおの. し)群と,「月1∼2回以上ある」(欠席あり)群. おの4名(19.0%)であった。. とで比較すると,すべてのサブスケールで「欠席. 保健室を利用したことがある群と,利用したこ. あり」群が低く,特に「活力:VT」(41.7vs. とがない群とで,学校側から受けた配慮の有無に. 22.2),「日常役割制限(精神):RE」(46.5vs. ついて比較すると,保健室利用者群で「配慮を受. 18.9)および「心の健康:MH」(40.4vs25.0). けたことがある」ものは17名(77.3%)であった. の3つのサブスケールにおいて有意差がみられた. が,非利用者群では4名(30.8%)と有意に少な かった(po.01)。. (p<0.05)(p<0.05)(p<0.05)(図4)。 学校生括において一人あたり平均10.5個の苦痛. や問題を持っていた。これを11個以下群と12個以 (Ⅴ)相談者・理解者. 相談したい人,理解して欲しい人については,. 上群とで比較すると,すべてのサブスケールにお いて12個以上群のスコアが低く,特に「日常役割. 「友人」(27名,69.2%)をあげたものが最も多かっ. 機能(身体):RP」(17.4vs57.6)および「社. た。次いで「母親」(24名,61.5%),「父親」(17. 会生活機能:SF」(30.6vs52.7)の2つのサ. 名,43.6%)の順であった。. ブスケールにおいて有意差がみられた(p<0.05) (p<0.05)(図5)。. 2.SF−36によるQOL評価 l)ED生徒のQOL ED生徒25名について評価した。8つのサブス. 46.

(6) 摂食障害生徒の学枚生活とQOL 肝. *Pく0.05 PF:PhysicalFunctioning,RF:Role−Physical,BP:BodilyPain,GH:GeneralHealth, VT:Vitality,SF:SocialFunctioning,RE:Role−Emotional,MH:MentalHealth. 図2 ED生徒のQOL. *Pく0.05. PF:PhysicalFunctioning,RF:Role−Physical,BP:BodilyPain,GH:GeneralHealth, VT:Vitality,SF:SocialFunctioning,RE:Role−Emotional,MH:MentalHealth. 図3 脛病期間とQOL. 47.

(7) 笹嶋 由美・泉 祐子・堂腰 律子・芝木美沙子 肝. * pく0.05 PF:PhysicalFunctioning,RF:Role−Physical,BP:BodilyPain,GH:GeneralHealth VT:Vitality,SF:SocialFunctioning,RE:Role−Emotional,MH:MentalHealth. 図4 出欠状況とQOL PF. * Pく0.05 PF:PhysicalFunctioning,RF:Role−Physical,BP:BodilyPain,GH:GeneralHealth, VT:Vitality,SF:SocialFunctioning,RE:Role−Emotional,MH:MentalHealth. 図5 苦痛・問題数とQOL. 48.

(8) 摂食障害生徒の学枚生活とQOL. るかという不安,③病気のことを隠してつき合わ Ⅳ 考 察 1.発症年齢・荏病期間. なければならない」があると述べている。本調査. でも「対人関係」で苦痛を感じる理由として,6. EDの好発年齢は中学校・高校世代である2)。. 割以上のものが,「視線が気になる」や「今日は. 特にANについて井ノロらは3)は,「成長,成熟. きちんと食べてきたか,太ってよかったね」など. 過程にある体は慢性的な栄養不良によりさまざま. 「食行動について言われる」と回答した。パイ. な影響を受けると指摘している。また,渡辺は4),. プアーは,「『体重が減ってよかったね』という言. 身体的予後不良因子として雁病期間が長いことを. 葉ですら,結局それはもっとダイエットするよう. あげている。. にというメッセージやまた戻ると怖いという不安. 今回の調査でも,約半数が中学生時に発症して おり,発症平均年齢は14.3歳と10代前半であった。. をかきたてる恐れもある」と指摘している8)。 しかし一方,8割以上のED生徒にとって,一. また雁病期間も平均44ケ月と長く,摂食行動上の. 番相談したい,理解して欲しい相手は「友人」で. 問題が,その後の成人まで持ち越されることが少. あった。友人に受け入れてもらいたい気持ちとう. なくないことが示唆された。. まく順応出来ない不安とが混在していることが示 唆された。. 2.発症のきっかけ. 佐藤は,ANの発症要因として多様な生物学. 2番目に多くあげられた苦痛は,「給食(弁当)」 に関することであった。西園は9)「自分が食べて. 的,心理的,マスコミのダイエット情報の氾盲監や. いる姿は見られたくない」,「この一口が太ってし. 世間の痩せ指向など社会的ストレスや学校での友. まうのではないか」という認知のゆがみ,自己恐. 人関係,受験競争,家族関係などが複雑にからみ. 怖があると指摘している。. あい,悪循環を起こす5)と述べている。また過食. 学校側の配慮としては,医療機関との連携を密. を伴うEDにおいても,発症・危険因子としてダ. にし,無理に食べさせないようにする,周囲が不. イエットがあると報告されている6)。本調査にお. 用意に食行動について言わないように指導する,. いても,「ダイエット」をあげたものが7割を占. 昼食は無理に集団の中で食べるのではなく,保健. めたが,「友人関係」,「母親・父親との関係」,「学. 室を使用するなどの配慮が必要である。. 業」,「いじめ」などを併せ持つものがほとんどで. また,ほとんどのANおよびAN+BNにとっ. あった。対人関係,親子関係,学校間題など,さ. て,「学校内の寒さ」が苦痛としてあげられた。. まざまな要因が発症に関与しているものと推察さ. 黒川は,「やせにより脂肪と筋肉が減少し体温を. れた。. 保つ機能が低下するのと同時に甲状腺ホルモンの 低下による新陳代謝の悪化が体を温める機能を障. 3.学校生活について. 害している。」10)と述べており,特に冬季は暖房. 1)学校生活上の苦痛・問題点. に近い座席にするなどの配慮が望まれる。. 本調査結果,ED生徒の1/4以上が不登校状 態にあり,休学も2剖以上みられ,約半数が学校 に通うことが非常に困難な状態にあることが明ら. 2)学業上の苦痛・困難点. 授業に関しては,大半のANおよびAN+BN. かとなった。また,8割以上のものが,「対人関係」. 生徒にとって「体育」が苦痛であることが明らか. を苦痛としており,さらにその8割以上が,「友. となった。また,行事に関することでは,健康診. 人との関係」を苦痛と感じていた。青木は7),「友. 断,運動会・体育祭,学校祭,宿泊学習・修学旅. 人関係を困難にする要因として,①体力的・身体. 行などがあげられた。その理由として体力低下に. 的な問題,②食行動に対して相手にどうおもわれ. ょる身体的理由ばかりでなく11),健康診断で着. 49.

(9) 笹嶋 由美・泉. 替えること,宿泊学習・修学旅行で他生徒と入浴. 祐子・堂腰 律子・芝木美沙子. 養護教諭がkeypersonとなり,医療機関(主. すること,水泳授業で水着になることなど,精神. 治医),保護者,学校(担任・他教師,学校医,. 的苦痛が多くみられた。. 学校カウンセラー)と密接な連携を行い,個々に. 徳村12)は,「学校における授業や部活動,行事. 合った,適切で柔軟なケア・サポートを行う,あ. 参加の可否については,個々に応じた適切なきめ. るいは専門性を生かし,生徒を含めた周囲のもの. 細やかな学校生括管理指導が必要である」と述べ. にEDの理解と周知啓発のための指導を行うなど. ているが,これらの苦痛を取り除くための学校側. により,ED生徒の学校生括におけるQOL向上. の対応としては,体育関連授業・行事の見学・部. がはかれるものと思われる。. 分参加,健康診断を他生徒と別の日または別の場 所で行う,宿泊時の入浴は個室での入浴を配慮す る,疲労を感じている場合は学校の欠席をうなが す,など個々の状況に応じた,柔軟な対応が求め られる。. Ⅴ まとめ 1)発症平均年齢は14.3歳,雁病期間は平均44ケ 月であった。 2)発症のきっかけは,ダイエット 友人関係,. 3)ED生徒のQOL 今回の調査において,ED生徒のQOLは「身. 親子関係,学校間題など複数の要因が関連して いた。. 体機能」は障害されていないが,他の7つのサブ. 3)約5剥が不登校状態または休学であった。. スケールが著しく障害されているという特徴がみ. 4)学校生括上の苦痛・問題点は,対人関係. られた。これは,ANや過食をともなうAN患. (82%),給食(59%),校内の寒さ(54%),. 者は精神的にハイテンションで病識がなく,一見. 健康診断(44%),体育・運動会・体育祭・学. 元気に振舞う13)ことや,BN患者にみられる過. 校祭(41%),宿泊研修・修学旅行(26%)な. 活動性によるものと推察された。. どであった。. また,雁病期間4年以上のもの,学校生括上身 体的・精神的苦痛や問題を多く持っているもの, また欠席が多いものほどQOLは障害されている ことが明らかとなった。. 5)保健室を頻回に利用しているものの方が学校 側から配慮をより多く受けていた。. 6)ED生徒のQOLは身体活動以外著しく障害 されていた。雁病期間が長いもの,学校生括で 苦痛・問題を多く持っているもの,欠席が多い. 4)学校の対応. 全体の1/3は週3回以上頻回に保健室を利用. もののQOLは低くかった。. 以上の結果から,ED生徒のQOL向上のため. していたが,頻回に利用しているものの方が,学. に,養護教諭がkeypersonとなり,医療機関(主. 校側から生活上の配慮をされている場合が多く,. 治医),保護者,学校(担任・他教師,学校医,. このことは,保健室来室により,養護教諭がED. 学校カウンセラー)との連携を密にして,ケア・. 生徒の状況を正確に把握することができ,担任や. サポートを行うことが望まれる。. 他教師に対して,適切なアドバイスが可能である ことによると推察された。養護教諭は,健康診断. 票などを有効に活用し,日頃からED生徒の実態 を把握するよう努め,声掛けなどによるED生徒 との積極的なかかわりによって,担任や他教師を 含めた周囲のものに,適切なアドバイスを行うこ とができるものと思われる。. 50. Ⅵ 参考文献 1)池上直巳,下妻晃二郎,福原俊一,池田俊也編集.臨 床のためのQOLハンドブック.東京:医学書院,2001.. 2)北村陽英,藤本淳三,井上洋一他.やせを伴うEating disorderの臨床的研究−22年の216症例について.精神.

(10) 摂食障害生徒の学枚生活とQOL 医学1985;27:107−116. 3)井ノロ美香子,堀 尚明,福島裕之.思春期やせ症 診療のための基礎知識.厚生労働科学研究(子ども家 庭総合研究事業)思春期やせ症と思春期の不健康やせ の実態把握および対策に関する研究班編.思春期やせ 症の診断と治療ガイド.東京:文光堂,2006:18−30. 4)渡辺久子.思春期やせ症の成人期に向けた心理的サ ポート.厚生労働科学研究(子ども家庭総合研究事業). 思春期やせ症と思春期の不健康やせの実態把握および 対策に関する研究班編.思春期やせ症の診断と治療ガ イド.東京:文光堂,2006:90−97. 5)佐藤明弘.発症要因と発症機序.厚生労働科学研究(子 ども家庭総合研究事業)思春期やせ症と思春期の不健 康やせの実態把捉および対策に関する研究班編.思春 期やせ症の診断と治療ガイド.東京:文光堂,2006: 11−12.. 6)FairburnCG,WelchSL,DollH,DaviesBA,0’Con− nor ME.Risk factors for bulimia nervosa:A. COmmunity−basedcase−COntrOIstudy.ArchGen Psychiatry1997;54:509−517. 7)青木紀久代.拒食と過食一心の問題へのアプローチ ー.東京:サイエンス社,1996;90−89. 8)メアリー・パイファー.痩せと肥満の心理 摂食障 害へのアプローチ.東京:川島書店,2000;117−151. 9)西園 文.摂食障害のチーム医療∼精神科医療・栄. 養指導・看護・スポーツクリニックによる“からだづ くり”∼.東京:女子栄養大学出版部,1999;11−67. 10)黒川順夫.過食・拒食 親子関係ストレス症候群. 東京:双葉社,1997;138−146. 11)北村陽英.養護教諭による高校生の摂食障害の実態 調査.学校保健研究1999;41:191−197. 12)徳村光昭.回復期の学校生括管理.厚生労働科学研 究(子ども家庭総合研究事業)思春期やせ症と思春期 の不健康やせの実態把捉および対「策に関する研究班編. 思春期やせ症の診断と治療ガイド.東京:文光堂,2006 :4650.. 13)荏明順.入院治療および通院在宅治療中の学校と医 療機関の協力.厚生労働科学研究(子ども家庭総合研 究事業)思春期やせ症と思春期の不健康やせの実態把 据および対策に関する研究斑編.思春期やせ症の診断 と治療ガイド.東京:文光堂,2006:42−45.. (笹嶋 由美 旭川校教授). (泉 祐子 札幌市立上野幌小学校養護教諭) (堂腰 律子 北海道立千歳高等学校養護教諭) (芝木美沙子 旭川校准教授). 51.

(11)

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