国内における紫外線と皮膚悪性腫瘍発症との関連
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(2) . 北海道教育大学紀要 (第2部C) 第4 7巻 第1号. 平成8年8月 Au t ≦犯s ,1996. i i JournalofHo感a i doUniversi tyofEduca 4 t t l 7 on(Sec on 江C)Vo . .I ,No. 国内における紫外線と皮膚悪性腫蕩発症との関連 笹. 嶋. 由. 美. 北海道教育大学旭川枝 臨床医科学・看護学教室. Association of Sk in Cancer in Japan. th U1traviolet‐B Exposure wi. YumiSASAJ1収A inicalscienceand Nurs Depar ing, Asahikawa camー t lnentofC1 pus , Hokkaido Uni ion, Asahikawa070 ty ofEducat versi. Abstract. A serious growing heal th Problem in Western Countriesisthe ma idence of jorincreasein the 節c ignant skin tumLors due to effects ofincreasing amLounts of ul traviolet‐B 丘ght reaching the mal Barth’s surface as a resul ion ofthe ozonelayer t ofthe deP1et ‐ N無eteen rePorts Concerning stat ist icalsurveys of mLal ignantskin tumorsin JaPan were invest i ‐. f 山Creased ultraviolet-B rays dueto the deP1et ion ofthe ozone layer affected gated to determinei the trend ofthe 比にidenCe of BasaI CeU EPi ioma (BCE) Squamous Ce thel l I Carcino】ma (SCC), , Mal ignant Melanoma (NO虹) Bowen’s Disease (BD) and ACt i l l ic K 二 eratosis (AIく)in Japan‐ , Sk i面 Cancers were mLostfrequent ly seenin subjectsthe60 years age and over The mostcom mon ‐ tes werethoseexPosedto thesun. ThesefactsindicatesthatexPosureto sunl ight of occurrence si isthe majorcausat ivefactor . The trend oftotaI ColumLn ozone levelin JaPan shows no signi f icant decrease and there i s no traviolet‐B- marked increase ofthelevelof ul A1 thoughthenumberofBCE SCC ハ I KPatients hasbeen mcreasing 山 Japan,there L , , 江△△ ,BD,and A is no re lat ionship betweenincreasing skin tumLors andth ‐B- Thenumberoftumorsisl ikelytoi l ‐ l l t of an increasingly elder ly POPulat ion and of PeoP1e’s growing Concerns about Crease as a resu heal th.. Key words :. 唖 重傷, UV-B, オ ゾン層 皮膚 悪性り. 1. は. じ. め. に. 皮膚悪性腫蕩である基底細胞上皮腫 (Basa Cel IEPi l i the oma: BCB), 有 疎 細 胞 癌 Carc inoma: SCC) 悪 性 黒 色 腫 (Ma l ignant ,. (Squamous Ce l I. ’ Me lanona: M M) sease :BD) , ボー エ ン病 (Bowens Di. や, それ自体は組織学的 に悪性 度を 有 しない が, 将来癌化 しや すい癌 前駆 症 と い わ れる 日 光角 化症 i i (Ac t ni c Keratos s : AK) な どは 発症 に日 光 が強く 関与 して いる と 考 え ら れ て いる. (17).
(3) . 笹. 18. 嶋 ザ 由. 美. 4年に南極のオゾン層 減少が発見されてから, 次々 とオゾン層破壊に 気象研究所の忠鉢りの観測により198 関する観測結果が報告された. 現在では, 南極に限らず高緯度の地域においてもオ ゾン層が減少しているこ とが広く知られている. i l l t t オゾン層減少によって中波長紫外線 (u e ‐B,UV-B) の地表に届く量が増加すれ ば地球上のさま rav o ざまな動植物に有害な影響がでる. 人については生態の最外層である皮膚や目に対する 影響が考えられ, 皮 膚悪′韻腫蕩や白内障の増加が懸念されており, オゾン層の破壊は地球生命の存続に関わる重大な問題として 各国の注目するところとなっ た. ‐ NASAの報告によると平衡オゾンが1 .0%増加で皮膚 .0%増加し, UV-Bの1 .0%減少するとUV‐Bは平均2 悪性り瞳蕩が1 .0%減少すると日本の位置する中 .0%増加する とされている. さらに, この平均オゾン濃度が1 2 ) 緯度帯では皮膚悪性腫癌が0 .7~5 .0%も増加する という . 日 本 で は, 1987年 のモ ン トリ オ ー ル 議 定書 による フ ロ ン ガス の 使用 規 定の ため, ス プ レー な どに フロ ン ガ. 2年3月に一時的なオゾンの減少がみられ スが用いられなくなっ たことや, 札幌において1991年12月から199 た こ と が話 題 になる な ど, 一 般の 人々 に も関 心 が高ま っ て いる.. 今回, このオゾン層の破壊が日本において どれほど進んでいるのか, そしてそれに伴う紫外線量の変化と BCE, SCC, MM, BD, AKの5疾患の発症率との関係はどのように変化 しているのか を, 国 内ですでに 報告された皮膚悪性過重湯の統計的観察に関する文献, および気象庁のオゾン層とUV-B量のデータについて 検討し考察を行った‐. ロ. 研究対象及 び方法 日本国内で既に報告されている皮膚悪性腫蕩の統計学的検討に関する文献を対象に, 発症に紫外線が関与 して いるBCE, SCC, M M, BD, AKの 5疾 患 につ い て, 年 次別 推 移 ・ 年 齢 ・ 性 別 分 布 ・ 発 生 部 位 ・ 発 症. と緯度との関係・紫外線曝露歴について検討し, これらの疾患の発症と日本におけるオゾン層の変化との関 連について検討・考察を行っ た. 果. m. 結. 1 ) 年次別推移 ) 慶応義 塾大学医学部皮膚科 987 )3 973 1 196 9 ‐ 皮膚悪性腫蕩の統計は, 熊本大学医学部皮膚科 (1955 ‐ , ,1 5 ) ) 富山市民病院皮膚科 (197 1980 1976 1 990) , 市橋による全国18大学病院皮膚科データ ( ‐ 1 0 (197 1991)4 ‐ ‐ , , ) 8 7 ) 6 } 院皮膚 2 7 1 9 8 平塚共済病 ( 9 3 ) 1 197 4 198 8) , 横浜市立大学皮膚科 ‐ 990) , 大阪回生病院皮膚科 ( 1 1986 ‐ ‐ , 1 0 ) ) 九州大学皮膚科 (1983 1992) な どにみられる. 科 (1980 1989)9 ‐ ‐ , )における統計は 1955年から1969年までの15年間 (前期) と1973年から1987年までの15年間 ( そ拠期) 熊大3 , 38 の統計を比較したものである (表1) . 注目されることは皮膚悪性腫蕩症例総数において, 後期が前期の . 倍に激増していることである. これを疾患別にみる と, SCCでは後期には症例数はやや増加しているものの, 2 症例総数に対する割合 は3 .2%とむしろ著しく低下 している. BCBは両期 とも約24%と変化が .9%から14 incmains i tu やMMは, 前期に比して後期が著しい増加を示している. な い. しか しAK, BDな どの Carc } における1 970年1月から1991年12月までの退去22年間の統計で は, SCC, BCE, AK, BDな どの 慶 大4. 28 10 表皮系悪性腫蕩が圧倒 的に多く全症例の66 .3 .5%) , BCE ( .1%を占めている. 疾患別にみるとSCC( %) .6%) である. 発症に日光が関与する これらの疾患の年次別 .4%) , MM (6 .0%) , BD (17 , AK (10 推移をみる と, 特に近年増加している わけではない (図1) . (1 8).
(4) . 19. 国内における紫外線と皮膚悪性過重蕩発症との関連 表I. 皮膚悪性腫鰯統汁. th i Comparat ve Study on No‐of Cases wi 1 N 「 江a ] ignant eoP asms Cutaneous△ No‐ of Cases(%) (1955 ‐ 1969) 85 (32.91. Diagnosis SCC BCC Malig‐ adnexal tu U mors Caズcinoma in situ. 63 (24.5). o (0 ). 139 (14.2) 237 (24‐1) 7 ( ○.7). 36 (14.0). 259 (26.4). Malignを t melanoma 16 u ュ 5 Cutaneous sarcoma Cuta l leous malignant 35 lymphoma MetastatiC carcinoma 18 Tota1. No. oI Cases(%)‐ (1973 ‐ 1987). ( 6‐2) ( 1.9) (13.6). ( 6.9) 258 (100.0). .. 91 ( 9.3) 14 ( 1‐4) , 178 (18 1) 57 ( 5.8) 982 (100.0). 1 9 8 0. (1988). 図1. 年. 疾患別症例の占める割合の推移. )では197 981~90の後半に分け比較してい 1年から1990年までの20年間を1971~80の前半と1 富山市民病院5 る. それによると悪性腫湯が占める割合は, 前半0 .17%とやや増加がみられるが, 表皮系悪性 .12%, 後半0 腫湯は変化がみられず, 慶大と同じような傾向を示している. これを疾患別にみると, SCCは後半がやや減 少 して いる が, BCE, AKは著 しい 変 化 はな い. しか しBDは後 半急 増 して いる.. ) 0年の各5年間につき全国18大学病院皮膚科外来患者を対象に日光曝 6~199 1976~1980年と198 市橋らは6 患率について分析 している. その結 露部 (顔面, 手背, 指背) , 準曝露部およ び非曝露部の皮膚悪性腫蕩催 果, 後期5年間のBCE, AKの雁患率が前期に比し有意に増加している こと, この増加が老年人口の増 加だ けでは説明できないことを指摘している (図2) . しかし, BCEは日光曝露部だけではなく, 準曝露部お よ び非曝露部においても有意に増加している ことから, この増加の要因を紫外線以外に, 健康に関する国民の 意識の向上, 高齢化だけではなく医師の診断力の向上が考えられると述べている. )における15年間 ( ) のAKおよ びAK由来SCC, それ以外のSCC, BD, B 4 1988 197 大阪回生病院皮膚科7 ‐ C BD, BC CE等の年次別症例数によると (表2) , AKは有意の増加がみられた. しかしAK由来SCC, SC , Eはやや増加傾向を示すが, 有意の増加とは言えない. ’ t s 2年までの10年間に横浜市立大皮膚科を受診した上皮系腫蕩 (SCC, BCE, BD, Page 3年から198 197 ) 総 計 はBCEがも っ と も 多く つ い でSCC BDの 順 で ある い ず れ も 増 減 に d i sease) の 統 計 的 観 察 で は8 . , , , 関 して は目 立 っ た 傾 向 はな い.. 1 ) 10年間を通 じてや 久留米大学皮膚科の1976年から1985年までの10年間におけるBCEの統計的観察でも1 , や増加傾 向はみられるが大きな変動はない (表3) . 2 3 ) の 統 計 があ る が 経 年 的 に み て ) や 山 形 大1 ま たSCCにつ いて は1976年 か ら1985年ま で の10年 間 の 九 大1 ,. も明らかな増減傾向はみられない (図3) . ) 皮膚 980年から1989年までの10年間の平塚共済病院皮膚科における皮膚悪性腫湯の年次推移によると9 1 , 悪性腫蕩総数に対する割合は, 横浜市立大の統計と同様にBCEがもっ とも高く, ついでBD, SCC, MMで あるが, いずれも増減に著明な変化はみられない. 0 )の1983年1月から199 2年12月までの10年間の紫外線と皮膚悪性腫蕩発症 と の関連性に関する統 計 九大1 では, BCB, AK, BDが1985~1986年頃から発症数は急増 しているがその後大きな変化 はない. MMでは 増加傾向がみられる. しかし, いずれにしても年次推移に目立っ た変化はみられないが, 従来いわれている 0 0年と1986~1990年の各5年間を比較すると, 8 ように日光との関連性が示唆されている‐ 市橋も1976~198 4 ) 年代 で はBCE, AKが明 らか に増 加 して いる と述 べ て いる (図4)1 . (19).
(5) . 20. 笹 5000. 嶋. 由. 美. 表3. 1e r x eda ea前期 pos 囲e ミ 扇a r xメコ s ea後期 略 non E 逼a - r e xpos ea前期 卿 nonex〆) E 潟a s r ea後期. 4000 綬 蹟 3000. 53年 54;F. 1 :. looo. AK. BCE. SCC. Bowen. (患者数÷外来患者数×1げ). 図2. 男. 女. 計. 総外来患者数. %. 2. 6. 3 6. 8. 8 11. 3 ,613 3 ,990. 0 .22 0 .28. 15. 21. 7. 17. 3 ,917 4 ,045. 0 .54 0 .42. 3 ,805 4 ,123 3 ,837. 0 .34 0 .44 0 .36. 51年 52年. 20 00. 皮膚 悪 性 腫 蕩′鷹患率比 較 (18大 学). 年度別BCE患者頻度. 55年. I0 5. 56年. 10. 57年 58年. 59年. 5. 60年. 12. 計. 7 6. 8. 13 18. 6. 8 8. 17. 10. 14 27. 3 ,982. 0 .68. 5. 10. 3 ,939. 0 .25. 8. 20. 4 ,105. 0 .49. 8 5 3 1 9. 6 5 瀞,3. 0 0 ・4. exposed & non‐exposed area. 表2. Annum ChangesofNumberofthePat i ini i th Act entswi rtos cKe s k ー 1ud ing Sen i l i l l c inoma C e KeratOS s (AK) そ = r c , Squamous ce ’ (SCC) I Ce l I Epi l io the sease(BD) } ma (BCE) , Bowens Di , Basa , Seb。r h i K i fteen Ye r ec eratos s(Seb K)and othersTheseFi さ りs. Y留. AK. 駿. p幽肌 紬 K 繋駕f. 1 9 7 4 .7 5 7 6 7 7 7 8 7 9 8 0 8 1 8 2 8 3 8 4 8 5 郡 8 7 8 8. 5 3 5 1 ( ) 4 3 6 7 9 6 1 4 1 { ) 2 1 2 1 1 ( ) 4 4 6 0 7 5 3 ( ). 0 1 1 o 1 1 1 2 0 1 7 ・6 5 7 1 ( ) 8α). 1 4 1 o 0 3 2 2 3 2 2 7 8 8 7. o 4・ 2 1 ( ) 1 0 2 3 2 2 ・ 4 3 1 1 ( ) 4 5 4. l 4 4 2 5 3 1 1 2 1 1 ( ) 3 4 1 9 9 1 ( ). 1 4 2 1 1 1 3 1 7 1 1 4 2 8 2 4 4 2 4 1 3 3 5 4 3 5 2 6 7 1. 2 0 3 6 6 1 1 8 1 1 3 1 1 6 2 埠 1 7 5 1 8 4. 下斌紙. 4 郷( ). 4 1G ). 5 0. 3 7 2 ( ). 4 9 2 ( ). 棚. 1 4 4. 耽f 褐mAK αhq 轍. BD. 96 0年 度 65 75 85 55 25 35 45 5 15 殉教 年度別および性別症f. 図3. F i h i i卯郎 w t n 幽弧 k mmkro ‘閲 i t』 批t i h 醐‘翫飢t隅。 ft無 加 t t 触嶋w i ds k i i l 編o hq& t t o 盤肥 c tf 獅 e m n c nd o x c c 「&bKa p. 年 度別 お よ び性別 症 例 数. 10 □. 前期. 困 後期. 2. 0 札幌. 仙台. 松本. 弘前 福島. 東京. 伊勢. 狭山. 大阪. 金沢 名古屋 高槻 神戸. 図4. 広島 和歌山 松山 久留米 宮崎. 岡山. 橿原. 徳島. 宇部. 長崎. 那覇. 地域別・年代別の皮膚癌発生率. 地 域 別 basa lc l IC i 1 97 6~1 98 0 1 98 6~1 990年比較) e no a r c r 〕 【 l a発生率 (前期: , 後期:. AKについては近年増加しているとの報告が多く, 千葉大皮膚科における197 8年4月 から1 99 2年3月まで } 明らかな増加傾向がみられる (図5) 香川医大皮膚科の198 5 の15年間のAKの統計でも1 4年から1990年の ‐ , 6 ) 1984 1985年 は 5 ~ 7人 で 1986年 以 降は10人以 上 に増 加 して いる 1987年 は16人 と 7年 間 の 統 計で は1 ‐ , , ,. 特に多いが, その後は急増はみられない (図6) . (2 0).
(6) . り腫蕩発症との関連 国内における紫外線と皮膚悪性. 21. 18 16 1 4 1 2 部, n . 位 u 教 8. 外来所三 4 ( 0波以降) 1 0 0 0人に 対する ^K所三枚. 6 2 0. 0 81 8 7 87 98 2 83 8 5 86 87 88 89 90 91 92 48 年. 図5. 日光角化症の年次推移. 図6 AKの年次別推移. 7 } MMについてみると, 東北大学皮膚科 における197 0年から199 0年までの20年期の推移の報告があるが1 , 1970年 ~1975年, 1976年 ~1980年, 1981年 ~1985年, 1986年 ~1990年 の そ れ ぞ れの 症例 数 は34 31 42 40 , , ,. 例である. 1980年以前に比べて, それ以降若干増加傾向があるがそれほど顕著ではない. 新潟大学皮膚科に 2 } 年平均患者数は23名であ っ た 年を追っ ての増加 おけるMMの1976年から1985年の10年間の統計では2 ‐ . , の傾向 は明らかではなかっ た (図7) 6年から199 4年の18年間の統計を行っ . 旭川医科大学皮膚科 では197 8 ) それによると年間平均症例数は32人であっ たが 調査期間を6年ごとに区切り症例数をまと めてみ た1 . . , ると, 前期, 中期の6年間ではともに16例であるのに対し, 後期の6年間では26例と増加傾向を認め 特に , 最近の2年間のみで15例を経験している (図8) 広島大皮膚科の 9 8 2 1 年から1991年までの10年期の報告で . 1 9 ) は , 年平均5 .7人と旭川医大よりやや多い. しかし前半5年間と後半5年間を比較すると, それぞれ20例, 37例と増加傾向を示し, 1990年には1 0例と最も多く経験しており, 旭川医大と同じ傾向を示している.. 圏女 □男. tー. . . 8 5 7 77 87 98 08 18 788鱒909 283綿8 58 68 19 293斜 (年). 図7 悪性黒色腫患者の年次推移. 図8 年次別症例数. 2) 年齢別・性別分布 0 ) BCB SCC BD M M AK各 疾 患 の 5 歳 階 級 別 年 齢 分 布 お よ び 男 女 清 田 ら の 九 大の 統 計 による と1 , , , , ,. 別年次推移は, BCEは男性, 女性とも113例と全く性差がないが SCCは男性に AKは女性に多い BDお , , ‐ よ びMMは若干女性が多いが, 5疾患の発症に大きな性差はないと述べている 年令分布をみると MMが . , 40歳前半から60歳代と比較的若い年齢層に多くみられたほかは いずれも高齢者に偏りがみられる , . )BCE SCC BDは60歳代に最も 多い TADA and MIKI の また, 小清水らの横浜市立大の統計でも8 , , . 2 0 ) 197 1年から197 5年の全国44大学病院における皮膚悪性腫湯の統計によると , 男性に多くみられるのはSCC (男女比1 ) ) ‐7 .3 , BD (男女比1 .3) であるが, MMでは性差はみられない. 年齢別分布 の , BCB (男女比1 (21).
(7) . 笹. 22. 嶋 ザ 由 美. 特徴は, SCC, BCEでは40歳代から急激な増加がみられ, その後も増え続けている が, MMは比較的若い 層から徐々に増 え, 60歳代からはむしろ減少傾向がみられる (図9) .. にC. A-▲8 C C . 0 事 9. 10 事 19. 20 ‘ 29. 1 39. 事 ‘ 49 59 . 事 69. t 49 Ag eも. 玉 80~ 79. l 59. ; 69. 事 80~ 79. i dcncc ima Es sofs短ncan. . 〔 s nc t cd age ped丘(i l i l l antmc anoma cご r sandma g l ‐. k incance i i蟹r i but r sand Agcandふ o l 鴇ofs こ ×d l l i anoma antmc l ma g i ‐. 図9. 3 )の統計をみても SCCは男性に多く (それぞれ男女比1 )(図10) 麻生ら1 1 和田らの, 荒尾ら2 .55 .4 , ,1 , , ピ AKおよ びAKが発生母地のSCCについて 1 .1) , 40歳代から急に増加し, 60~70歳代に ークがみられる. } 男性に多くみられ (男女比1 0歳代で著しい増力 がみられる (図11) の庄司らの報告では7 . .4) , 60歳代, 7 , 2 ) 男女比 が9:14と女性が多く 年令分布 は16歳が最若年者で, MMに関する山本らの新潟大の統計では2 , , 1 ) やや女性に多く (男女 8 報告でも それ以降漸増し60歳代にピークがみられる. 旭川医大における広川らの , 1 9 ) 0%を占めている (図12) 比24:34) . 岩崎らの報告 でも同 , 最年少者は8歳で50歳代以上が多く全体の7 様な傾向を示し; 男女比は21:36と女性に多く, 最年少者 は13歳で60歳代が最も多く, その後漸減している ・ (図13) . 3) 部位別・性別分布 0 ) BCEは顔面を含む頭部に圧倒的に多く 四肢には少い傾向が認められる. SCCは頭 濃田らの報告では1 , , 部, 四肢など露光部に多く, 躯幹には少い傾向がみられ, 日光との関連が示唆される と述べている. BDは 露光部への偏りはみられず, MMは分布に ばらつきがみられたが男女とも足底, 足蹴に生じたものが多い. AKは露光部である頭部 (顔面) への偏りがみ られた. ) SCCでは顔面に最も多く次いで上肢と続き, BCBも顔面に最も多いが次いで躯幹となっ また小清水らは8 , ) SCCは頭部 (顔面) に多く 躯幹に ており, 松本ら, 濃田らの報告と一致している. 松本らの報告でも5 , , は少い. BCEは顔面に最も多く, 次いで頭部, 躯幹の順である. AKは顔面が最も多く, 次いで頭部で ある が, 頭部例は男性のみであっ たことは興味深い. BDは頭部が少くその他の部位ではほ ぼ均等に発生 してい 0 )と も 全く 一 致 して いる (図14) る. こ れ ら は TADA and MIKIの 報告2 .. ) でも発生 1 }や平塚共済病院における宮本らの 報告9 BCEについてみる と久留米大における畑野らの報告1. 部位は顔面に集中している. 2) (2.
(8) . . 国内における紫外線と皮膚悪性過重蕩発症との関連. 23. l 一 f o u. . [コ症回数 圏囲男性 Eヨ 女性. 鈎 ~ 四. 3 0 ~ 袈. 4 0 ~ 4 9. 5 0 ~ 5 9. 6 0 ~ 6 9. 0 ~ 7 9. ~ 8 9. ~ 9 9. ion of Pat i 図1I Age and Sex Distribut ent s ini i th Act c Ke wi ratos s (AK)lnclud麹g squa l ICarc inomafrom AK ]mous Ce. 図1O SCCの年齢別, 性別症例数. (例). 年 霧 0 , ’0 1,2 0 ‐ ‐ 2 ,30 o o ・,70 7 ‐ ‐“‘0 ‐“3 ,・ o ・ , (紙) ・“・ ‐ ‐ ‐. 図12 年齢別症例数. 図13 年齢別症例数. ー o, .. ⑤ 1が. ・ ヤ ゼ デ ÷;も. ◎. ・. ・ 5~ 9 ・ lo~19 ● 20~29 ・ 30~49. ・ 5o~ SCC (N=761 ) 図14. BCC (N=852). MM (N=238). Anatomicalsi ignant me tes ofskin cancers and mal lanoma.. 3 ) 千 葉 大 に お け る 早 川 ら の 報 告1 5 ) 荒 尾 の 報 告3 ) 庄司らの報 SCCは, 山形 大 にお ける 麻生 らの 報 告i , , ,. ) 荒尾の報告2 )にみられるように 頭部 (顔面) がほとんどを占め 以下下肢が多い また 性別部位 1 告? , , . , , 別分布をみると被髪頭部では男性 に多く, 顔面は類・外耳介・下口唇 に集中して発生しており 下眼験およ , びその周囲・上口唇な どに頻発するBCEとは異なっ ている 頬部の発生は女性 に多く 外耳介は松本 の報 . , 告にもあるように男性のみにみられ, すべて日光障害を受けやすい耳介後面上半部に発生 している 下口唇 . も日光障害の影響の強い部位である. } でも 述 べ ら れて い る が AK・AK由 来SCCで は 頭 部 と 耳 介 は男 性 優 位 同じような傾向は庄司の報告7 , , , 下腿は女性優位であり, 女性はスカートを常用するため下腿が後発部位と考えられている. )は足底がもっ とも多く ついで顔面でありそのうち7 9 MMの発生部位に関して岩崎らは1 0%が上口唇で , ) やはり手足が半数以上を占め その中でも足底 が 7 あると述べている. 東北大における加藤らの報告でも1 , , (2 3).
(9) . . 笹. 24. 嶋. 由. 美. 8 ) 九大1 0 )の統計においても下肢が過半数を占め その中でも足底 が最も多い 最も多い. 旭川医大1 , ,. 4 ) 緯度・紫外線と皮膚悪性腫癌の発生 0 ) 日光曝露部の皮膚癌 (SCC BCE) 発生率は 緯度が低く年間紫 TADA and M工K工による報告では2 , , , 外線量の多い九州地区が, 緯度が高く年間紫外線量の少ない北海道地区より高いことを示している. すなわ ち, 緯度に逆相関してそれらの皮膚癌発生率が高い (図15) . しかしわが国ではMMの発症頻度 と地理的関 連 はみ ら れな い と 述 べ て いる.. 3 )は 1976年から1980年まで (前期) と1 986年から1990年まで (後期) の各々5年間のBCE, SC 市橋ら2 , CおよびAKの発生率を北海道から沖縄までの年間紫外線量 が異なると予想される全国13大学の外来 患者を 0年代のいずれの5年間でもおおむね緯度に逆相関 してSCC, BC 対象に比較調査を行っ た. 1970年代と198 6) E, AKは増加傾向を示した (図1 . また, 年間紫外線量の多い地域に皮膚癌発生率が高い ことが証明され } 0 て い る2 .. ) 幼小児期 Q また, 九大におけるSCC患者に対する紫外線の曝露歴に関するアンケート調査結果によるとI , C群が仕事で日光 C たが 成人後はS 差は認められなか C群 コントロール群の間に っ の日光曝露の機会はSC , , 曝露の機会が多かっ たとの結論を得, SCC発症と日光との関連性を強く示唆している.. ー. にo 2」 ± o 3旨;ま とo b警こー ^ 苔- ℃;き さま)oo. 0 0淀 ・. の. 金. ;. 斉. 香. o00の ムー ; コ o 、. こ ・ ノ リ - ー モニU“ とー 三- o」 u- ・ o・ =・ ー 三・ 〆iぐ ー 一 -. ・. . - .... i l lc 【釣り 1 i d r c 一 酬 m l sc c i t im リ リ so c cr I c n c c 爵. 1鯛 一 一 瞬-. . 35 風 伽 り 三 吉 事 南 r 41 5 庵手 7 . . ( X Iが”婚′-) W 如・. . . . 長 号 誓言 響 き -幸 三孝 蚕 重キ ー 書. 図16 SCC発生率は北海道を除いてはおおむね 緯 度 に逆相 関 して いる。. idenceof f ferencesinthei 図15 Geographi nc c di i tes wi thout lcancers on theexposed s ski l i ng d seases apparentpreceedi .. 5 ) 国内におけるオ ゾン量と紫外線 (UV-B) 量 国内では, 気象庁による4地点 (札幌, つく ば, 鹿児島, 那覇) の観測所 があり, ドブソン分光高度計に よるオゾン全量, オゾンゾンデによるオゾン分圧の高度分布, ドブソン計の反転観測による層別オゾン量に 1年から1991年までの年平均と比較すると, ついて観測 を行っ ている. 1993年のオ ゾン全量の月平均は, 196 2 4 ) 札 幌 で-7 ‐0% である (図17) . .1%, 那 覇 で-3 .2%, 鹿 児 島で -1 .7%, つ く ば で -3. 4 } 札幌での変化 が著明で7 0年代初期に減少しその後やや増加 傾向 また, 4観測地点の長期間の分析でも2 , 993年までの10年間では, 984年から1 をみせたが, 80年代には-5 .8%/10年の減少がみら れた. さらに1 は18 0年代に明確な減少はみられない 8±3 -7 .8%/10年の減少である. 鹿児島と那覇では1970年代あるい 9 ‐ 4) (2.
(10) . 国内における紫外線と皮膚 悪性腫蕩発症との関連. 25. が, これは調査が継続的に行われなかっ たためによる. S e a-’・ Tsukuba. SapPoto. Kogoshi無さ. Naha. 燕. 4 8 8. 副 メ襲 ,菅ー~ ”。. ・. 漁. 響. o. ざ 転 き. 2 8 8. 1 1 1 ” 1 2 121』5‘T1’ 1 1 1口 1 1 口 1 1211≦‘?1’ 2 12il≦171,口=蜜 12,ー5‘Ti’. ions oftotalcolumn ozone atfourlo- 図17 Transi t i cat onsin Japan ical Note: The sol id l ines indicate nor t ・nal values; the ver ions (± ぴ) 1 ines,s ☆ h 1 tandard deviat t mo n m ; , y ean 3 9 94 valueinl ;and o, ;●, monthly mean valuesin l99 ーma1va1ues are mーonth1y 江ー eanva1uesin 1992. The mーor i 〔 l ean values f ro・n l961 to l990 〕 [ コ Lulat cu・ ve mーonthly n . ThoseofNaha,however,arecul i vemL コ 【 lean l コ Lulat onthlyl ion beganthere valuesf ro ]m l974, whentheobservat ,to l990 et eorologicaIAgency. ‐ M[adeby N【. UV‐B量の変化をみる と, UV‐Bの観測値は1993年の1月から6月までオゾン量が前年の同期間より10% 4 ) も減少した札幌の例を考慮にいれてさえ, 平年値よりも目立っ た増加はなかった2 . 緯度との関係では, 那覇, 鹿児島, つく ば, 札幌と緯度の低い順に日積算UV-Bの月平均値が大きくなっ ている. オゾン全量の減少に伴う紫外線の増加は波長が短い領域ほど明瞭であり, 日本付近においてはオゾ ン量が1%減少したときには有害紫外線が1 5~1 .6 .9%増加する. また, 緯度が高いほ ど紫外線増幅率が高 く, オゾン全量の減少による影響が大きい.. Nr . 考. 察. BCE, SCC, BDの増減に関しては, 各報告で一定していないが, MM, AKの症例 数は増加傾向がみら れ, 特にAKの増加は明らかであり80年代後半から激増している. 1 )もSCCの 患者数は増加しているが その百分率では減少がみられると報告している 減少 ま た, 荒尾 ら2 ‐ ,. の原因と してSCCは重傷熱傷および外傷による深い疲痕, 慢性放射性皮膚炎な どからしばしば発生するが, 近年これらに対する処置が改善され, 植皮など形成外科的治療によっ て早期に修復されるようになったこと がSCCに対する予防的効果を発揮していると述べている. さらに以前乳幼児の重傷熱傷の一 因でもあった囲 炉裏な どが生活 器具の改善に伴っ てほとんど姿を消したことも, SCCの相対的減少と関連があろう と述べて い る.. )は MMの発生率の増加原因として 一般人の関心度の上昇に伴う 受診率の増加 高齢化 診断 上田鮎 , , , , の向上に加え, 紫外線を短期間に大量に浴びるというライフスタイルの流行が考えられると述べている. ) AKの急増は AKの概念が比較的新しいこと および日光曝露部のSCCが増加していな また, 市橋は6 , , , (2 5).
(11) . 26. 笹. 嶋. 由. 美. 4 ) いことな どから高齢化だけでなく, 医師の診断力向上を要因の一つ と考えられると述べている. 菊地らも , 人口の高齢化, 放射線や発癌物質の曝露の増加の外に, マスコミの啓蒙による皮膚腫蕩に対する認識の変化 }健康に関する国民の意識の向上が一般に広まり, 皮膚になんら が一端を担っていると述べており, 荒尾は3 82年老人保 3年老人福祉法, 19 かの異常が生じたときは速やかに診療を受けるようになった, そのう え, 197 健法が制定公布され, 老人が経済的に診療 施設を訪れやすくなったことなどが要因として考えられるとして い る.. BCE, SCC, MM, BD, AKの5疾患で高齢者 ほど患者数が多い理由は, 高齢者ほ ど受ける総紫外線量 } や加齢とともにDNAの修復ができない損傷や誤った修復がみられるよう になっ たためである が多 い こ と7 ) に み ら れる よう に AKの 部 位 で は sol 8 6 ) 西 本の 報告1 i las tos s の 程 度 が 高 く, 紫 are と 考 え ら れて い る2 , .. 外線照射量と強い関連がある. BCBは男女ともに顔面を含む頭部の発 生が圧倒的に多く, 次いで躯幹に多 く, 四肢には少ない. 顔面では下眼険・鼻周囲など胎生期の顔 裂線に一致する領域に集中して発 生 しやす )と いう 特 徴 がある 7 い2 .. SCCでは, 頭部, 顔面, 四肢な どに多く, 特に顔面は全体のほぼ半分を占め, なかでも頬部・外耳介・下 )上肢においては指部・手背部に好発し, 下肢では足部に多 口唇に集中して発生している. 一方, 荒尾らは3 くみられ, 上肢では性差はないが, 下肢に発生したものは男性が多いと述べている. その理由として, 日光 障害との関連よりむしろ男性は女性より下肢などの末梢部位に熱傷・外傷な ど外的刺激による障害を受けや すいため, 種々な前駆病変 (熱傷・外傷痕痕や難治性潰湯な ど) が主な発生母地となるものと思われると述 べている. AKも紫外線の受けやすい顔面が圧倒 的に多く, その中でも特に頬部に多い. 頭皮と耳介が男 性 優位, 下腿と眼陰部が女性優位である. 非髪頭部や外耳 介ではSCCの発生が女性に少く, 男性に頻 発する. これらの性差の理由として, 男性にお いては頬ひげの存在, 比較的短い頭髪, 中年以後に現われる男性型脱毛症により頭部や外耳 介上半部が直接 日光にさらさ れること, 女性においては頭髪や化粧による日光障害からの遮蔽効果な どがあげられる. また, 男性が概して戸外労働により長時間従事することも性差を生ずる要因と考えられる. 女性の下腿 が好発部位 にな っ た の は, ス カ ー トを 常用 す る た め で あ ろう.. MMでは全体の過半数を下肢が占め, そのほとんどが足底・足既に生じたものである. 男性の, しかも足 底の多い理由は, 誘因となる外傷を受けやすいからであろう と推測さ れてきた. しかし爪甲下では他の部位 2 2 ) に比べて外傷に対するメラノサイ トの感受性が高い可能性が考えられている . BD は下肢が最も多く, 次いで体幹に, 頭部が最も少ない傾向があり, 発生部位に ばらつきがみられた. BDは発症原因に日光が関与する といわれているが, 日光曝露部に好発している わけではなく他の 原因が大 半を占めると言えよう. 緯度と紫外 線との関係では, BC冠, SCC, AKの発生率は低緯度ほ ど発生率が高く, 緯度に逆相関 してい と な差 が あ る こ と, さ ら に 8 )も BCBとSCCの 発 生 率 は地 域 によ り 5 ~200人/100 る. Urbackら2 ,000 大 き ,. 0 変わると皮膚悪性i 耳 重蕩発生率が2倍異なることを示している. また, 低緯度ほ ど年間紫外線量が 緯度が10 多い. 皮膚悪性腫湯の起こりやすさは人種によって差がある が, 一般に紫外線が1%増 加する と, BCEで 9 ) 4 %, SCCで 6 %増 す と い わ れて いる2 .. 久留米大の統計で, BCEの比率が比較的大である理由として, 筑後地方 は日本でも有数の紫 外線の強い 地方にある こと, 農業地帯であるため屋外労働に従事するものが多いな どがあげられ, 紫外線との関連が大 0 } の SCCと紫外線の曝露歴に関するア ンケート調査で は, 幼少期の日光 曝露の機会 き い. ま た, 漆 田 ら1 , はSCC群, コントロール群との間に差を認めなかったが, 成人後において はSCC群に仕事で日光曝露の機会 が多いものに発症率が高かっ たとの結果を得ている. 漆田らは, ア ンケートの調査対象を高齢者に限定 した (2 6).
(12) . 国内における紫外線と皮膚悪性三腫蕩発症との関連. 27. ことがなんらかの影響を及ぼしているかもしれないが, 日光がSCC形成の促進に関与している可能性を示唆 4 ) 幼少期 している. しかし, 幼少期の強い日焼けが高齢時の皮膚悪性腫蕩発症を早める という報告もあり1 , , と考えられる 成人期の どちらにおいても紫外線量の蓄積によって皮膚悪性り瞳癌が発生する . 一方, 我国においてはMM発生率と紫外線との関係はあまりはっきりせず, MMとの地理的な相互関係は 明確でない‐ 気象庁の報告から, もわが国上空のオ ゾン全量の減少はわずかであり, UV‐B量も変動がみられな かっ た ことから, 日本においてオ ゾン層の破壊による紫外線の影響はほとんどない と考えられる. また年次別推移 において, SCC, BCE, AKは増加傾向にある ものの, 大きな変化はみられないとの報告が多く, 最近問題 になっているオゾン層の破壊に伴う皮膚悪性り瞳蕩の増加とは考えにくい‐ 0 }もオゾン層破壊が近年のことであることと 皮膚悪性腫蕩の発 生には数十年間を要する と考えら 武部3 , ぽ 重湯の増大がオゾン層破壊と関連している とは言えないと述べている. そし れることから日本人の皮膚悪性り て, その一つ の支持資料として, 広島, 長崎の被爆者で, 皮膚癌発生がようやく40年以上を経て, 非被爆者 より増大する傾向が見出さ れてきたことを指摘 している. r UV‐Bの地表面への到達量は約2%増加するともいわれ, オ ゾン層と また, 1%のオゾン量が滅少すれば UV-B量には密接な関係 があるが, 今回, わが国のUV-B量に変化がみられなかっ たのは日本上空の全体の オゾン全量に変動がなったためと考えられる. V. 結. 語. 日本におけるオゾン層の破壊と皮膚悪性腫癌 (BCE, SCC, MM, AK, BD) 発生増加 について, 検討 した. 世界的にオゾン層の破壊が問題視されているが, 中緯度の日本では影響 が少ない. また, わが国のU V‐B量の観測は歴史が浅くデータも不十分ではあるが, 目立っ た変化はみられないという. わ が国で はBCE, SCC, AKの 発 症 に は明 ら かに 紫 外 線 が関 係 ある が, M M, BDにっ て は 明 確 で は な い‐. 年次推移では増加傾向を示しているが, その増加はオゾン層の破壊による紫外線の影響とは考えにくく, む の高齢化, 健康に関する国民意識の向上, 医師の診断力の向上など, さま しろライフスタイルの変化, 患者・ ざまな要素が原因となっ ている と思われる.. [参考文献] 9 8 9 1) 川平浩二, 牧野行雄:オゾン消失, 読売新聞社.1 2 2 3 991 2) 伊藤朋 之 : オ ゾン層 をめ ぐる最 近の話題‐ 気象Vol ‐ ‐35 N0 ‐1 . p30 ,1 287 1 291 3) 荒尾龍喜 : 皮膚悪性り瞳蕩 の今日, 日皮 会誌98(13) ‐ . p1 , 1988. 0 3 ( 3 ) 3 4 6 9 9 3 2年間の皮膚悪性腫蕩の統計, 日皮会誌1 1 7 4 1 7 4) 菊地新ほか:慶大皮膚科における過去2 ‐ ,1 ,1 4 1 ) 8 4 7 1 8 5 0 9 9 2 5) 松本鎖一ほか:富山市民病院皮膚科における皮膚悪性腫蕩, 皮膚臨床3 ( 3 ‐ ,1 ,p1 3 79 6) 市橋正光 : 日 光と皮膚癌, 臨皮47 ‐ , p7 , 1993 6 56 90 2 5 ) 7) 庄司昭伸ほか:日光角化症 (老人性角化症を含む) の疫学, 特にその急増, 皮膚3 ( ‐ , 19 ,646. 1 ) 2 3 1 2 1 9 8 8) 小清水溝ほか:横浜市立大学皮膚科における年間の上皮系腫場の統計的観察, 皮膚臨床2 6 ( 1 9 4 ‐ ,1 ,1 9年) の皮膚悪性腫蕩の臨床統計, 皮膚臨床3 0年間 ( 0~8 3 ( 5 ) 6 5 9) 宮本秀明ほか:平塚共済病院皮膚科における最近1 1 9 8 - , p6 671 91 , 19. ぼ 重湯発症との関連性に関する統計的検討, 西日皮膚5 2 1 0 4 4 5 ) 1 0 8 3 9 9 6 ( 0 ) 瀬田学ほか:紫外線と皮膚悪性り ‐ ,1 ,pl 9 6 3 3 6 8 7 ( 4 ) 8 9 0年間における基底細胞上皮腫の統計的観察, 皮膚臨床2 1 1 ) 畑野武嗣ほか:最近1 ‐ .p3 ,1 65 4) 58 7 1 2) 和 田恭子 ほか : 最近10年間にお ける 有縁細胞癌 の統計的観 察, 西日皮膚51( ‐ , 1989 , p7. (27).
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