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発達障害児に対する担任教師の態度と児童の学級適応感の関係に関する学校心理学的研究

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(1). 学校教育学研究,  , 第巻,   . 発達障害児に対する担任教師の態度と 児童の学級適応感の関係に関する学校心理学的研究 梶. 原. 由. 貴. 浅. 川. 潔. 司. (兵庫教育大学). 田. 中. 健. (鳥取市立佐治小学校). 福. 井. 紫. 帆. (兵庫教育大学) 本研究では, 担任教師の発達障害児に対する態度とその学級の児童の学級適応感の関係について検討することが主たる目 的であった。 17名の教員とその担任児童の428名が本研究に参加した。 教師の発達障害児観を測定するために, 教師用発達 障害児観測定尺度が用いられた。 また, 児童の学校適応感の測定にあたっては, 児童用学級適応感尺度が用いられた。 分析 の結果, 発達障害児観の相対的に低い教師のクラスの在籍児童は級友との関係得点が高い傾向が示された。 また, 学習にお ける積極性については, 発達障害児感得点の低い教師群の担任児童の方が, その高い教師のクラスの児童よりも, 得点が高 いことがわかった。 これらの結果について, 学校心理学の観点から, 検討が加えられた。 キーワード:発達障害. 教師の態度. 学級適応感. 学校心理学. 梶原由貴:兵庫教育大学大学院学校心理学コース・大学院生, 〒673 1494 兵庫県加東市下久米942 1     10029.

(2)        浅川潔司:兵庫教育大学大学院人間発達教育専攻・教授, 〒673 1494 兵庫県加東市下久米942 1       

(3)        田中. 健:鳥取市立佐治小学校・校長, 〒689 1316. 鳥取県鳥取市佐治町福園41. 福井紫帆:兵庫教育大学大学院学校心理学コース・大学院生, 〒673 1494 兵庫県加東市下久米942 1.

(4) . 学校教育学研究, , 第巻.    .

(5)      .    .          . . .             .    .       !   .  ! "    (#$ %&%'() * + , ) . $%/0+ 12 3+ ,4562 1. ) %(). !   (718 )+ 9 + :+ (. 1, $2 3%%9 ). ;  < (#$ %&%'() * + , ) . $%/0+ 12 3+ ,4562 1. ) %()  . .  . .  .        .   =  .       >         .       .             . ? . .     .        =        @;           .   . .      "  =    .     .   .    .     "@A   . "      =             . . .       . .         .      =.             . . . @ ;       ;        .        . .       .        =        @      .  .  =   =.     = . B .  .   . B .     ?                . . . C  . D  =    E=.    = . D      E F     = .      C E  .          .   . G   .        .   = . =.     =       "  = .     .          .    = . =.     . @ E  .      "   " =G   .     .   . =.     .    =       "  = .     .       . =. @      = . .  .  .          "  ="@ ! "H.  C      . . . G    .       G        G   "  =" !   .  CI.       J"=K .   "   .      L? G;   G!  ?   "GJ"=GMNO? L ?    CL P "=? @   @   ! "    CQ.  . . G         J     ;    ;.     GJ"=K .   "   .     L ? G ;   G!  ?   "GJ"=GMNO? L ?    C.  P "=? @   @   !   CQ.     ;       . "  G<R G;   ?  G  .  ?   "G  .  GMSL? OM ;  < CI.        J"=K .   "   .     L? G;   G!  ?   "GJ"=GMNO? L.

(6) 発達障害児に対する担任教師の態度と児童の学級適応感の関係に関する学校心理学的研究. 問題と目的. 面でどのような対応が必要かについて教師が十分な知識. 知的な遅れがなく, 国語や算数などの学習に困難を示. を持っていないと考えられた。 登校に関しては, 過去・. す状態を という。 また, 活動中注意を持続すること. 現在に不登校であるものと休みがちであることが示され,. が困難で 話しかけられても聞いていない, 指示に従え. いじめを受けたという報告も見られた。 保護者が学校へ. ない, 課題を遂行できないというようなことを  . 望むこととして, 適切な対応のための教員の理解が挙げ. と い う ( 柘 植 ・ 渡 部 ・ 二 宮 ・ 納 富 , 2010) 。  や. られた。 しかし, これらは保護者から見た子どもの様子.  などは発達障害と呼ばれている。 発達障害は他. であり実際に子どもがどのように感じているかをとらえ. の障害と違い, 外見からは目に見えにくい障害であるた. たものではない。. め, 発見されにくい, 理解されにくいという面がある。. そこで発達障害児や特別な支援を必要とする児童の学. 特性を周囲から認めてもらいにくく, 「できるのにしよ. 級適応感に関する先行研究を取り上げる。 渡邉 (2006). うとしない, わがままな子どもたち」 と捉えられがちに. は, 学級適応感を 「児童が学級集団の中で, 級友や教師. なり, ちょっと人と変わったところがあるだけでいじめ. と良好な対人関係をもち, 集団にとって必要な外的要請. の対象になってしまうこともある (藤岡, 2007)。 また,. に応じる態度や行動をとり, 自分自身の内的な要求をも. 認められたり, ほめられたり, 感謝されるという経験を. 満たしていると感じること」 とし, 教師によって援助ニー. することが少なく, 失敗経験を繰り返すことが多い。 こ. ズが大きいととらえられた児童の学級適応感を調査し,. のことから, 自分に自信を持つことが出来なくなってし. それ以外の児童と比較検討をした。 その結果, 援助ニー. まう。 その積み重ねの結果, 不登校などを引き起こす可. ズを必要とする児童は一般児童より学級適応感が低く,. 能性もある。 他にも, 周囲の人々に受け入れられようと. 自己認知によっても, 教師や級友たちとの対人関係や学. 本来の自分を否定するような努力を積み重ねることで自. 習・集団活動についての肯定的な感情が低いことが示唆. 己否定に陥ることもある (高森, 2008)。. された。 対象児童の気になるタイプ別で比較した結果,. そこで発達障害児の学級適応について, 岩永・小田・ 川崎・土田 (1999) は, 小学校の普通学級に在籍してい. 学級適応感に違いは見られなかった。 タイプ別で学級適応感を検討するという同様の研究で. る児童の保護者に, 学校での適応についてアンケート調. 深沢・河村 (2007) の研究がある。 深沢・河村 (2007). 査を行った。 そこでは, 学習面で問題がみられたが, 学. は, 「学級の雰囲気や担任教師とのマッチングがよく,. 校へは喜んで行っていることや他の子どもと関わりがあ. 学校生活に楽しみや, 満足感を持っているという認知」. ることが示された。 学校側については, 何らかの理解を. を学級適応感と定義した。 そして, 通常学級に在籍する. 得て, 受け入れてもらっているという結果を示した。 こ. 特別支援対象児の困難領域 (学習の困難・行動の困難・. れらのことから発達障害児の学校での適応を検討した結. 学習及び行動の困難・全般的な遅れ) の違いによる学級. 果, 言語・対人関係能力や学習能力など子ども自身の能. 適応感の差異について検討した。 その結果, 行動困難群. 力だけでなく, 学校側の理解や他の子どもの受け入れな. は他の群と比較して, 学級適応感を測るために使用した. ど, 学校を構成する側の障害受容について重視する必要. 学級満足度尺度の下位尺度である承認得点で有意に低く,. 性が示され, 環境改善への働きかけが重要であると考え. 被侵害得点が有意に高かった。 このことから, 行動困難. られた。. 群の児童は周囲から認められることが少なく, いじめや. また, 松本・安藤・飯田 (2002) は ・ 児の. からかいの対象となっている可能性が高いことが示唆さ. 現状と教育的・社会的ニーズを把握するために保護者に. れた。 また, 全般的な遅れ群も承認得点が他の2群より. アンケート調査を行った。 子どもが抱える問題として,. 有意に低いことから, 周囲から認められることが少なく. 不注意・集中力の欠如, 対人関係が思わしくないという. 学級適応感が低いことが示された。 これらの結果から,. 回答が多くの共通する部分として挙げられた。 対人関係. 発達障害児は学級に自分の居場所がないと感じているの. についてはどの側面 (友人・家族・教師) で問題が生じ. ではないかと示唆された。. ているかは不明であるが, 狭い友人関係しか持てないこ. さらに, 深沢・河村 (2008) は, 特別支援非対象児の. とが示され, 豊かな友人関係を形成することに困難を有. 学級適応感についても研究を行った。 学級に在籍する特. していることを伺わせた。 教育的ケアについて教師が子. 別支援対象児を学習の困難, 行動の困難, 学習及び行動. どもの状態を理解しているかということに対しては,. の困難, 全般的な遅れに分け, 困難領域の違いによって. 「ほぼ理解している」 という回答が多く得られた。 しか. 他児童の学級適応感に差があるかを検討した。 比較検証. し, このうちの六割が特別の配慮を受けていると答えた. として特別支援対象児不在籍群も分析対象に含まれてい. ことから, 教師が子どもの状態を適切に理解していたと. る。 その結果, 行動面の困難を持つ群は行動面の困難を. しても, その子どもにあった特別の配慮に直結するわけ. 持たない群や特別支援対象児不在籍群に比べて承認得点. ではないことが示された。 これは, 実際に日常の学校場. が有意に低いことが認められた。 このことから, 学級に.

(7) . 学校教育学研究, , 第巻. 在籍する対象児が行動面の困難を持つか否かによって,. うと意識的に受容的な行動を起こし, それが学級全体に. 他児童の承認感に差が生じている可能性が示唆された。. 波及したためと考えられる。 しかし, この研究では教師. これは, 行動面の困難をもつ児童が在籍した場合, 教師. の態度については明らかにはされていない。. の対応が個別の関わりに偏ってしまうため, 他児童が教. 阿部 (2006) は, 子どもは大人の振る舞いをよく見て. 師から認められていないと感じているのではないかと考. いると述べている。 学級においては, 教師が児童に対し. えられ, 特別支援対象児だけでなく, 他児童への対応を. てあたたかい関わり方をすることで他の子どもたちのモ. 考慮する必要があると述べている。. デルになり, 浸透していくと思われる。 それ以外にも教. 小学校では担任教師が学校生活のうちのほとんどの時. 師が, 学級経営を行う上でクラスの雰囲気を柔らかくす. 間を児童と共有することから学級を経営する担任教師の. ることが大切になる。 クラスの雰囲気が悪くなるのは発. 存在は大きいだろう。. 達障害を有する児童が原因ではない。 周りにいる子ども. 教師の指導態度について渡邉 (2006) は, 教師には受. たちが問題を示す場合もある。 子どもたちがお互いのい. 容的態度と要求的態度があり, 教師は両方の態度を用い. いところを見つけあうというような活動を通して友だち. て児童に接している。 援助ニーズの大きい児童の学級適. の良さに気付き, 相手の気持ちを考えることにつなげる. 応感を高めるためには受容的態度で接する必要があると. ことが大切である (阿部, 2006)。 学級づくりにおいて,. した。 しかし, 対象児童に受容的態度で接していても,. 発達障害を有する児童にみんなと同じことを強制的にさ. 対象児童が教師の受容的態度を認知していない場合があ. せるのではなく, その児童の発達に合わせた課題を設け. り, その状態で受容的態度と同等の要求的態度で接する. ることである。 それと同時に学級の他の子どもたちに対. ことは対象児童の学級適応感を低めることになるとも示. しても我慢させることを強要しないようにする。 常に子. した。 要求的態度は学校生活において必要なものである. どもたちが本音を話せる環境を作ることが必要である。. が, 対象児童が学級で適応的な学校生活を送ることが出. 発達障害を有する児童への配慮は必要だが, 特別扱いを. 来るために教師の直接的な関わりとして, より一層の受. する必要はない。 誰にでも居場所があり, 安心できる楽. 容的態度で子どもと信頼関係を築き, その上で要求的態. しい学級こそ子どもを受け止めることができる (宮本,. 度の工夫を行う必要性を示した。 他には間接的な関わり. 2003)。 阿部 (2006) は, 学校で発達障害児が落ち着い. として, 児童間の友人関係に気を配るとともに, 人権意. ている時は, その子の変化や成長だけでなく周りの環境. 識が高く意欲的で楽しい雰囲気を作っていくことが大切. との相互作用によって落ち着いた状態を作り出している. であるとした。. こともあると述べている。. また, 浅川・長谷川・古川 (2005) は,  児は. 教師の子どもの捉え方は, 子どもへの対応に大きく影. 自らと環境との関係性を自己調整していくことは容易で. 響すると柘植 (2002) はいう。 この観点からすれば, 子. はないとし, このとき, 当該児童に外的に直接働きかけ. どもへの支援を教師が楽しいと感じることが円滑な発達. られる教師は重要な役割を担うと考えた。 そこで,. 障害児の発達的支援に必要になってくるのではないかと.  児の学校適応の支援において教師の自律―統制. 考えられる。. といった志向性による指導態度にどのような影響を及ぼ. 発達障害児が持つ課題を見つけることは容易である。. すのかを検討した。 その結果,  児の学校適応を. しかし, その子の可能性を発見するために, さまざまな. 考えるとき, 統制志向の教師は罰や叱責といった方略を. 特徴を課題や問題点としてとらえてしまうような発想か. 用いやすい。 ただでさえ失敗を経験しやすく, 自己評価. ら脱却し, 見方を変えていいところとすることで, その. が下がりがちな児童に対して, 統制志向の教師は必ずし. 子自身の自信を取り戻すことにもつながると阿部. もふさわしい取り合わせとはいえないことを示唆した。. (2006) はいう。. 西 村 ・ 中 村 ・ 浅 川 (2009) は ,   お よ び 疑. 岡 (2010) は, 人はそれぞれ認知の偏りがあり, 全て.  児童の在籍する学級と在籍していない学級での. の人が自分と同じ見え方や考え方をしているわけではな. 児童の学級適応感の認知の差異を検討した結果, 教師と. いとし, 一人ひとりが違っていることが自然であり, 当. の関係, 学習意欲, クラスの人とあまり話したくないと. たり前だと述べている。 人と違う偏りがあることで違う. いうような消極的な級友関係において, 在籍群のほうが. 観点から新たな発想を生み出し, 違う表現ができる。 認. 不在籍群よりも有意に高いことが明らかになった。 学級. 知の偏りや長所を生かす環境があることで, 自信がつき,. 適応感の差異を見てみると, 教師との人間関係やそれか. 自分の才能を伸ばすことになるとしている。. ら波及すると考えられる得点が在籍群の方が高い一方で. また, 阿部 (2006) は, その子の可能性を発見し広げ. 児童相互の関係による影響が大きいと考えられる得点で. ていくためにはあたたかい眼差しで注意深く子どもを観. は不在籍群の方が高かった。 これは  児および疑. 察し, 子どもと向き合う場面で集中力を発揮することだ.  児と対面した場合, 教師はよりよい関係を築こ. とし, もっと集中力と観察力を鍛える必要があると述べ.

(8) . 発達障害児に対する担任教師の態度と児童の学級適応感の関係に関する学校心理学的研究. ている。. 固有値の減衰状況と因子負荷量, 因子の解釈の可能性を. 以上のことから, 発達障害を有する児童に対して教師. 考慮した結果, 3因子18項目が検出された (    1参. の関わりについてを検討した先行研究はみられるが, 教. 照)。 各因子の解釈について, 第1因子は 「決められた. 師が発達障害を有する児童の特性をどのようにとらえて. ことがきっちりできる。」, 「当番の仕事を手を抜かずに. いるのかという態度とその学級全体の適応感との関係を. 行う。」 などの6項目からなり 「従順さ」 と命名した。. みているような研究は希少である。 そこで, 教師へ予備. 第2因子は 「記憶力が良い。」, 「パターン化された計算. 調査をし, 教師が発達障害を有する児童の特性をどのよ. が得意である。」 などの6項目からなり 「かしこさ」 と. うに理解しているのかを測定しうる尺度の開発をまず行. 命名した。 第3因子は 「感情が豊かである。」, 「よく笑. う。 次いで, 教師の発達障害観と学級在籍児童の学級適. 顔でいる」 などの6項目からなり 「外向性」 と命名した。. 応感との関係について検討を行う。. 信頼性・妥当性の検討:本尺度の内的整合性を検討する ために尺度全体と下位尺度で   . のα係数が算出. 予備研究. された。 その結果, 全体はα=

(9) 89で, 下位尺度ごとで. 教師が発達障害児の特性をどのように理解しているの. みると, 第1因子 「従順さ」 α=

(10) 87, 第2因子 「かし. かを測定するために 「発達障害観尺度」 の開発を行い検. こさ」 α=

(11) 86, 第3因子 「外向性」 α=

(12) 83の結果となっ. 討する。. た。 妥当性の検討に関しては, 項目の内容を専門家 (大 学教員1名) と検討し, 「発達障害観」 の因子を説明す. 方法. る上で妥当であると判断した。. 調査対象:公立小学校・中学校教師30名 (男性14名, 女 性16名) が予備調査に参加した。 また, 小学校・中学校 教師100名 (男性44名, 女性56名) が本調査に参加した。 調査時期:予備調査は2010年11月下旬に実施, 本調査は 2011年4月から5月上旬に実施した。 調査手続:予備調査は, 「発達障害を有する児童・生徒 について, 長所と思われることがらにはどのようなもの があると思いますか。 箇条書きで5つまでご記入くださ い。」 という問いへの回答が自由記述で求められた。 本 調査は, 大学の授業内で一斉の調査を実施された。 予備 調査の回答と発達障がいをもつ子の 「いいところ」 応援 計画 (阿部, 2006) において, 教師が発達障害を有する. 㗄⋡.  1 発達障害観の因子分析結果 (主因子法−バリマックス回転)  . ╙ ࿃ ሶ ‫ ޓ‬ᓥ 㗅 ߐ 㧔 ǩ 㧩 㧕 ᳿߼ࠄࠇߚߎߣ߇߈ߞߜࠅߢ߈ࠆ‫ޕ‬ ᒰ⇟ߩ઀੐ࠍᚻࠍᛮ߆ߕߦⴕ߁‫ޕ‬ ࠢ࡜ࠬߩ෹ߛߜߣⓏ߿߆ߦㆊߏߔߎߣ߇ߢ߈ࠆ‫ޕ‬ ᜰ␜ߒߚߎߣࠍᔘታߦ቞ࠆ‫ޕ‬ ⌀㕙⋡ߦᗧ⷗ࠍ⡞ߊߎߣ߇ߢ߈ࠆ‫ޕ‬ ⺕ߦኻߒߡ߽ᐔ╬ߦធߔࠆ‫ޕ‬ ╙ ࿃ ሶ ‫ ߐ ߎ ߒ ߆ ޓ‬㧔 ǩ 㧩 㧕 ⸥ᙘജ߇⦟޿‫ޕ‬ ࡄ࠲࡯ࡦൻߐࠇߚ⸘▚߇ᓧᗧߢ޽ࠆ‫ޕ‬ ⍮⼂߇ఝࠇߡ޿ࠆ‫ޕ‬ ‛੐ߦኻߒߡត᳞ᔃ߇޽ࠆ‫ޕ‬ ࿑Ꮏߥߤߢ⚵ߺ┙ߡߚࠅߔࠆߎߣ߇਄ᚻߢ޽ࠆ‫ޕ‬ ࿖⺆ߩ㖸⺒߇਄ᚻߢ޽ࠆ‫ޕ‬ ╙ ࿃ ሶ ‫ ޓ‬ᄖ ะ ᕈ 㧔 ǩ 㧩 㧕 ᗵᖱ߇⼾߆ߢ޽ࠆ‫ޕ‬ ࠃߊ╉㗻ߢ޿ࠆ‫ޕ‬ ᣿ࠆߊ␠੤⊛ߢ޽ࠆ‫ޕ‬ ᭉߒ޿ߎߣߪ૕ో૕ߢ⴫⃻ߔࠆ‫ޕ‬ ⴕേ⊛ߢ޽ࠆ‫ޕ‬ ࿎ߞߡ޿ࠆᤨߦ઀੐ࠍᚻવߞߡߊࠇࠆ‫ޕ‬ ࿃ሶነਈ ነਈ₸. . ౒ㅢᕈ.      .      .      .      .      .      .      .      .        .        .        .        . 児童のいいところについての発言をもとに作成された尺 度を使用した。 「発達障害を有する児童と関わって感じ た児童の特性についてあてはまる番号1つに○をつけて. ╙ ࿃ ሶ ‫ ޓ‬㓸 ࿅ ߢ ߩ ⷙ ᓞ ࡮ ᓎ ഀ 㧔 ǩ 㧩 㧕. 考察. これまでは, 教師の指導態度を測定することができる. ください」 という問いに対して, 「とてもあてはまる. 尺度はあったが, 教師が発達障害を有する児童の特性を. (4点)」, 「かなりあてはまる (3点)」, 「少しあてはま. どのようにとらえているのかを測定する尺度はみられな. る (2点)」, 「全くあてはまらない (1点)」 の4件法で 回答が求められた。 教示として, ①大学の授業とは無関 係であること, ②個人の秘密は守られること, ③回答し なくてもよいという権利があること, ④調査内容は研究 の目的にそってのみ使用されることが伝えられた。. かった。 本研究で作成された尺度は, 教師が発達障害を ╙ ࿃ ሶ ‫ ޓ‬ᢎ Ꮷ ߣ ߩ 㑐 ଥ 㧔 ǩ 㧩 㧕. 有する児童の特性をどのようにとらえているのかを測定 するには有効であると思われる。 発達障害観尺度の因子分析結果から, 「従順さ」, 「か しこさ」, 「外向性」 の3因子に分類されることが示され. ╙ ࿃ ሶ ‫ ⚖ ޓ‬෹ ߣ ߩ 㑐 ଥ 㧔 ǩ 㧩 㧕. た。 信頼性については, 尺度全体におけるα係数は

(13) 89. 結果. を示しており内的整合性において信頼性があると考えら. 尺度の開発:質問項目は自由記述の回答と発達障がいを. れる。 尺度の内容については発達障害を有する児童の特. もつ子の 「いいところ」 応援計画 (阿部, 2006) をもと. 性が含まれており, 内容的妥当性があると考えられる。. ╙ ࿃ ሶ ‫ ޓ‬ቇ ⠌ ߦ ߅ ߌ ࠆ Ⓧ ᭂ ᕈ 㧔 ǩ 㧩 㧕. に, 教員養成系大学の大学院で心理学を担当する指導教. 尺度の回答を小学校教師, 中学校教師に求めた。 中学校. 員による検討を経て整理された。 その結果, 発達障害観. 教師は生活指導の視点を持っており, 小学校教師と同じ. を測定するための40項目からなる原尺度が作成された。. ように子どもをとらえることができると考えられる。 よっ. 因子分析結果:原尺度40項目に対して, 主因子法−バリ. て, 本研究は教師発達障害観と児童の学級適応感の関係. マックス回転による因子分析を行った。 固有値1以上で. に関する研究において意義を持つと思われる。.

(14) . 学校教育学研究, , 第巻. (   2参照)。. 本研究 予備研究において開発された教師の発達障害観尺度を. 次に, 教師の発達障害観の得点について平均値45 53. 用いて, 教師の発達障害観と学級在籍児童の学級適応感. 点が算出された。 この数値に基づき, 46点以上の得点を. との関係について検討することが主たる目的であった。. 示した者を発達障害観水準 群 (9名), 45点以下の得 点者を発達障害観水準 群 (8名) にわりあてた。 こ. 方法. の結果をもとに, ・群の各教師の学級の平均得点と. 調査対象:鳥取県下と兵庫県下の公立小学生4年生から. .  を男女児群別に算出し, 整理したものが    3で. 6年生428名 (男子207名, 女子221名) とその担任教師. ある。 ここで, 個々の児童の示す数値を標本値としなかっ. 17名 (男性10名, 女性7名) が本研に研究協力者として. たのは, 各標本の相互作用が顕著であり, 児童それぞれ. 参加した。. を独立した標本とはみなしにくいと考えたからであった。. 要因計画:学級適応感の合計得点および各下位尺度の合.    3に基づいて, 各下位尺度及び全体尺度の得点. 計得点を従属変数とし, 性 (男子・女子), 発達障害観. について2 (性) ×2 (発達障害観水準群) の2要因分. 水準 (群・群) を独立変数とする, 2 (性) ×2 (発. 散分析を実施した。. 達障害観) の2要因分散分析を行った。. 集団での規律・役割の下位尺度において性の主効果が. 質問紙:本研究においては, 次の尺度が使用された。. − − 認められ, 女子群の平均得点 ( =26 98) が男子群 (. ①学級適応感尺度 (児童). =24 66) より有意に高くなっていた (

(15) (1 30)=11 17  01)。 しかしながら, 発達障害観の主効果や交互作用. 渡邉 (2006) の学級適応感尺度を使用する。 「集団で の規律・役割」, 「教師との関係」, 「級友との関係」, 「学. は有意ではなかった。. 習における積極性」 の4因子からなる22項目で構成され. 教師との関係の下位尺度において, いずれの主効果及. ている。 また, 22項目を追加修正して25項目とした。. び交互作用についてはともに有意ではなかった。. 「とてもそう思う (4点)」, 「かなりそう思う (3点)」,. 級友との関係の下位尺度において性で女子群の平均得. 「少しそう思う (2点)」, 「ぜんぜんそう思わない (1点)」. − − 点 ( =20 59) が男子群 ( =20 01) より高い傾向 (

(16). の4件法により回答が求められた。. (1 30)=149 06  10) がみられた。 また, 発達障害観. ②発達障害観測定尺度 (教師). − − で 群 ( =20 60)>群 ( =20 03) において得点が. 予備研究で開発された梶原 (2011) の発達障害観尺度. 高い傾向 (

(17) (1 30)=145 21  10) がみられたが, 交. を使用する。 「従順さ」, 「かしこさ」, 「外向性」 の3因. ╙ ࿃ ሶ ‫ ޓ‬ᓥ 㗅 ߐ 㧔 ǩ 㧩 㧕. 互作用は有意ではなかった。. 子からなる18項目で構成されている。 「とてもあてはま. 学習における積極性の下位尺度においては有意な性の. る (4点)」, 「かなりあてはまる (3点)」, 「少しあては. − 主効果が認められ, 男子群の平均得点 ( =11 09) が女 ╙ ࿃ ሶ ‫ ߐ ߎ ߒ ߆ ޓ‬㧔 ǩ 㧩 㧕. まる (2点)」, 「全くあてはまらない (1点)」 の4件法. − 子 群 ( =10 70) よ り 有 意 に 高 か っ た (

(18) (1 30). により回答が求められた。. =13931 78  01)。 また, 発達障害観にも有意な主効. 手続き:児童については集団場面において一斉に質問紙. − 果╙が れ (

(19) (1 30)=2284 21  05) , 群 ( ࿃ ሶみ ‫ ޓ‬ᄖら ะᕈ㧔 ǩ 㧩 㧕. を配布し, 教師については個別に質問紙を配布して調査. − =10 98)>群 ( =10 82) であることがわかった。 し. は実施された。 児童・教師に対する教示として, ①この. かしながら, 交互作用は有意ではなかった。. 調査は学校の成績 (仕事) とは無関係であること, ②個.  2 学級適応感の因子分析の結果 (主因子法−バリマックス回転). 人の秘密は守られること, ③回答しなくてもよいという 権利があること, ④調査内容は研究の目的にそってのみ 使用されることが伝えられた。 調査時期は, 2011年6月 から7月であった。. 結果 学級適応感尺度について主因子法―バリマックス回転 による因子分析を行った。 複数の因子に高い負荷量を示 した1項目を削除し, その固有値の減衰状況と解釈可能 性から解釈可能な4因子が抽出された。 信頼性係数は全 体尺度でα= 92で下位尺度別にみると, 第1因子 「集 団での規律・役割」 はα= 89, 第2因子 「教師との関 係」 はα= 86, 第3因子 「級友との関係」 はα= 79, 第4因子 「学習における積極性」 はα= 82であった. 㗄⋡. . ╙ ࿃ ሶ ‫ ޓ‬㓸 ࿅ ߢ ߩ ⷙ ᓞ ࡮ ᓎ ഀ 㧔 ǩ 㧩 㧕 ࠊߚߒߪ‫ߩࠬ࡜ࠢޔ‬ᵴേߦ޿ߞߒࠂ߁ߌࠎ߼޿ขࠅ⚵ࠎߢ޿ࠆ‫ޕ‬  ࠊߚߒߪ‫ߣੱߩࡊ࡯࡞ࠣޔ‬දജߒߡቇ⠌ࠍߒߡ޿ࠆ‫ޕ‬  ࠊߚߒߪ‫ߣੱߩࡊ࡯࡞ࠣޔ‬දജߒߡᵴേࠍߒߡ޿ࠆ‫ޕ‬  ࠊߚߒߪ‫ࠍࠅ߹߈߿࡞࡯࡞ߩࠬ࡜ࠢޔ‬቞ߞߡⴕേߒߡ޿ࠆ‫ޕ‬  ࠊߚߒߪ‫ⴕߩࠬ࡜ࠢޔ‬੐߿ᵴേߦ޿ߞߒࠂ߁ߌࠎ߼޿ขࠅ⚵ࠎߢ޿ࠆ‫ޕ‬  ࠊߚߒߪ‫ޔ‬ᒰ⇟߿ଥߥߤ⥄ಽߩ઀੐ࠍߒߞ߆ࠅ߿ߞߡ޿ࠆ‫ޕ‬  ࠊߚߒߪ‫ޔ‬᝼ᬺਛ‫ޔ‬వ↢߿෹ߛߜߩ⹤ࠍߒߞ߆ࠅ⡞޿ߡ޿ࠆ‫ޕ‬  ࠊߚߒߪ‫ⴕߢߥࠎߺߩࠬ࡜ࠢޔ‬േߔࠆߣ߈‫⥄ޔ‬ಽߩ㗅⇟ࠍ቞ߞߡ޿ࠆ‫ޕ‬  ╙ ࿃ ሶ ‫ ޓ‬ᢎ Ꮷ ߣ ߩ 㑐 ଥ 㧔 ǩ 㧩 㧕 ࠊߚߒߪ‫ޔ‬వ↢ߦ⹤ߒ߆ߌࠄࠇࠆߣ߁ࠇߒ޿‫ޕ‬  ࠊߚߒߪ‫ޔ‬వ↢ߣㆆࠎߛࠅ⹤ࠍߒߚࠅߒߡ޿ࠆߣᭉߒ޿‫ޕ‬  ࠊߚߒߪ‫ޔ‬వ↢߆ࠄ઀੐ࠍߚߩ߹ࠇࠆߣ‫ޕ޿ߒࠇ߁ޔ‬  వ↢ߪ‫ߩߒߚࠊޔ‬᳇ᜬߜࠍࠊ߆ߞߡߊࠇࠆߣᕁ߁‫ޕ‬  వ↢ߪ‫ߦ߁ࠃࠆ߆ࠊߊࠃޔ‬ᢎ߃ߡߊࠇࠆߣᕁ߁‫ޕ‬  వ↢ߪ‫ࠍߣߎߩߒߚࠊޔ‬᳇ߦ߆ߌߡ޿ࠆߣᕁ߁‫ޕ‬  ╙ ࿃ ሶ ‫ ⚖ ޓ‬෹ ߣ ߩ 㑐 ଥ 㧔 ǩ 㧩 㧕 ࠢ࡜ࠬߩਛߦߪ‫޿޿ޔ‬෹ߛߜ߇޿ߞ߬޿޿ࠆ‫ޕ‬  ࠊߚߒߪ‫ߩࠬ࡜ࠢޔ‬෹ߛߜߣ޿ߞߒࠂߦᵴേߔࠆߩߪᭉߒ޿‫ޕ‬  ࠊߚߒߪ‫ߣੱߩࠬ࡜ࠢޔ‬ખࠃߊߒߡ޿ࠆ‫ޕ‬  ࠊߚߒߪ‫߽ߟ޿ޔ‬ભߺᤨ㑆ߥߤߦ‫ߩࠬ࡜ࠢޔ‬෹ߛߜߣ޿ߞߒࠂߦㆆࠎߢ޿ࠆ‫ޕ‬  ࠊߚߒߪ‫ޔ‬෹ߛߜߦ߼ߋ߹ࠇߡ޿ࠆ‫ޕ‬  ࠊߚߒߪ‫ߦࠂߒߞ޿ߢߥࠎߺߩࠬ࡜ࠢޔ‬ᵴേߔࠆࠃࠅ߽‫ޔ‬  ‫ߢੱ৻ޓ‬ᅢ߈ߥߎߣࠍߒߡ޿ࠆᣇ߇ᭉߒ޿‫ޕ‬㧖 ╙ ࿃ ሶ ‫ ޓ‬ቇ ⠌ ߦ ߅ ߌ ࠆ Ⓧ ᭂ ᕈ 㧔 ǩ 㧩 㧕 ࠊߚߒߪ‫ޔ‬᝼ᬺਛߦ⾰໧߇ߢ߈ࠆ‫ޕ‬  ࠊߚߒߪ‫ߩࠬ࡜ࠢޔ‬ਛߢ⥄ಽߩᕁߞߚߎߣ߇޿߃ࠆ‫ޕ‬  ࠊߚߒߪ‫ޔ‬᝼ᬺਛ‫ޕࠆ޿ߡߒ⴫⊒ߢࠎߔߔޔ‬  ࠊߚߒߪ‫ޔ‬వ↢ߦ‫ࠍߣߎ޿ߥࠄ߆ࠊޔ‬⡞ߊߎߣ߇ߢ߈ࠆ‫ޕ‬  ࿃ሶነਈ  ነਈ₸  㧖㗄⋡ߪㅒォ㗄⋡ 㧖㧖㗄⋡ߪ೥㒰. . . . ౒ㅢᕈ.        .        .        .        .      .      .      .      .     .     .     .     . . . . .      .      .      .      .

(20) 発達障害児に対する担任教師の態度と児童の学級適応感の関係に関する学校心理学的研究.  3. 性別・発達障害観水準群別の学級適応感得点の 平均値および  . ⊒㆐㓚ኂⷰ᳓Ḱ⟲ N ᕈ 㓸࿅ߢߩⷙᓞ࡮ᓎഀ ᢎᏧߣߩ㑐ଥ ⚖෹ߣߩ㑐ଥ ቇ⠌ߦ߅ߌࠆⓍᭂᕈ. L⟲ 8 ↵ሶ 24.62 㧔2.13㧕 18.19 㧔1.83㧕 20.34 (1.14) 11.17 㧔1.12㧕. ᅚሶ 27.65 㧔1.78㧕 19.00 㧔2.36㧕 20.87 㧔1.35㧕 10.78 㧔1.73㧕. H⟲ 9 ↵ሶ 24.69 㧔2.26㧕 17.29 㧔1.68㧕 19.73 㧔0.71㧕 11.01 㧔1.05㧕. ᅚሶ 26.37 㧔1.99㧕 18.61 㧔2.41㧕 20.35 㧔1.55㧕 10.63 㧔1.46㧕. ਄Ბ㧦ᐔဋ୯ ਅᲑ㧦(S.D.). . すると, 他児童からは関わりが偏っているように見え平 等感を得られない。 このことから, クラスの友達から受 容されにくい可能性が示唆されよう。 「学習における積極性」 においては, 女子群よりも男 子群の得点が有意に高く, 男子のほうが学習に対してよ り積極的であることが明らかになった。 これは, 布施・ 小平・安藤 (2006), 小平・布施・安藤 (2009) の先行 研究と同じ結果であった。 藤生 (1991) は, 挙手行動と 自己効力との結びつきが強いと示唆した。 そして, 男子 は学年が上がっても自己効力 (ある行動が自分にできる. 考察. か) があまり変化しないのに対し, 女子は学年が上がる. 学級適応感尺度の下位尺度ごとにみると, 「集団での. につれ自己効力が低下し, 挙手について積極的でないこ. 規律・役割」 においては, 男子群よりも女子群の得点が. とを示した。 また, 布施・小平・安藤 (2006), 小平・. 有意に高く, 女子のほうが男子よりもクラスでの学習や. 布施・安藤 (2009) の先行研究では授業に積極的である. 活動を通してクラスとしてのまとまりを意識していると. 行動として, 挙手のほかに傾聴や宿題という行動も挙げ. いえる。 塩見・庄田 (2004) は, 女子は親和性を求める. ており, 女子は授業をしっかり聞き, 宿題を行うという. 傾向にあるため, 他者と関わる行動をとることが上手で. 結果を示した。 「学習における積極性」 では発表や授業. あると述べた。 山岸 (1998) は, 女子は他者との関係を. 中での発言という項目から構成されているため, 男子の. 重視し, 自己主張をするより相手に合わせるようになる. 方が女子より積極的であるという結果が出たのではない. 傾向があると示した。 つまり, 女子はクラスの活動や行. かと考えられる。. 事などを通して, クラスの関係を円滑に図るような行動 をとっていると考えられる。 「級友との関係」 について, 男子群より女子群の得点. また, 発達障害観 群より 群の得点が有意に高く, 教師が発達障害を有する子どもの特性を肯定的に見てい るクラスのほうが学習における積極性が低いことが明ら. が高い傾向がみられ, 女子の方がクラスの友達との関係. かになった。 教師の態度が児童に与える影響について,. が強い可能性が示唆された。 石田 (2002) は, 男子はサッ. 児童の学業成績とピグマリオン効果の関係についてなさ. カーなどの外での遊びを通して集団を形成していくのに. れた研究に古城・天根・相川 (1982) の研究では, 児童・. 対し, 女子はクラスの中でおしゃべりなどの遊びを通し. 生徒の学業成績や学級内行動が教師の期待する方向で成. て, いくつかの独立した集団を形成していくことを示し. 就するという結果が報告されている。 浜名・蘭・古城. た。 有倉・乾 (2007) は, 友人関係について女子のほう. (1988) は, 教師がある児童・生徒に対して好意的ある. が男子よりクラス内で友人関係を形成していると示唆し. いは否定的な態度を形成し, それが児童・生徒に伝達さ. た。 これより, クラスにおける級友との関係について男. れると, 好意的態度を持たれた児童・生徒は学力や自己. 子は集団遊びを通してクラス外での友人関係があること. 概念, 学校への満足感を高めることになり, 拒否的態度. が考えられ, 女子はおしゃべりが多いことから, 男子よ. ではそれらを低めることになるとした。 学級においては,. りもクラス内での友人との関係が親密と言えるのではな. 児童・生徒の内面的問題を重視する教師の学級の方が,. いだろうか。 また, 教師の発達障害観水準において . 教師と児童・生徒の人間関係もよく, 児童・生徒同士の. 群より 群の方が高い学級適応感得点を示す傾向がみ. まとまりもあり, 学級へも適応的であることを示した。. られ, 群のほうが級友との関係が強い可能性が示唆さ. このことから教師の態度が児童・生徒個人だけでなく,. れた。 織田・牧 (2010) は, 教師は子どもに平等に接す. 学級全体にも影響していることが考えられる。. ることが大切だという。 そして, 栗原・長谷川・藪岸・. そこで, 浜名・松本 (1993) は, 教師が学級の児童に. 植谷 (2004) は, 軽度発達障害を有すると思われる子ど. 対し, 受容的・共感的な態度をもって指導行動を意図的. もへの集団での指導について教師へのアンケート調査の. に増加させれば, 操作児童による教師や級友との関係,. 結果から, 対象児童以外の他の児童へ十分な目を向けな. 学習への意欲など, 学級適応感が肯定的な方向に変化す. ければ, 支援を行ってもうまくいかないことを示唆して. ることを示した。 しかし, 特定児童以外の児童へは教師. いる。 さらに, 場合によっては学級の他の児童の批判的・. の指導行動が学級適応に影響を及ぼすことはなかった。. 拒絶的な態度に対象児童が気づき, 受容的な態度を示す. 深沢・河村 (2008) は, 特別支援非対象児の学級適応感. 教師との関係のみが強化される可能性を示した。 以上の. について行なった研究では, 教師の関わりが対象児に偏っ. ことから 群の級友との関係が 群より低いのは, 教. てしまうため非対象児は教師からの承認感が低いことを. 師が発達障害を有する児童に対して手厚く接していると. 示した。.

(21) . 学校教育学研究,

(22) , 第 巻. このことから教師が肯定的な発達障害観を有していて も, 対象児童へは伝達されるかもしれないが, 他の児童 へはなかなか伝わらず, 教師から自分たちのことを認め られていないのではないかと感じるために発達障害観水 準 群の児童の学習に対する意欲が低下するのではな いかと考えられる。 以上のことより, 教師の発達障害観と学級適応感の関 係については学習における積極性と級友との関係に関し て教師から児童に対して影響があることやその可能性が 示された。 学級づくりについて検討した宮本 (2003) は 他の児童に我慢をさせない学級づくりを心掛けていると 述べているように, 発達障害を有する児童だけでなく他 の児童への配慮も必要であることが考えられる。 しかし, 教師の発達障害観が指導態度に現れているのかが今回は 明らかにされていない。 また, 今回の調査ではクラスに 発達障害を有する児童が在籍していたのか明らかにされ ていないこともあり, この点を今後さらに検討する必要 があるだろう。. 引用文献 阿部利彦 (2006). 発達障がいをもつ子の 「いいところ」 応援計画 ぶどう社 浅川潔司・長谷川剛・古川雅文 (2005).  児の小 学校適応に関する学校心理学的研究 兵庫教育大学研 究紀要, 26, 23−27 藤生英行 (1991). 挙手と自己効力, 結果予期, 結果価 値との関連性についての検討 教育心理学研究, 39, 1, 92−101. 藤岡 宏 (2007). 自閉症の特性理解と支援 [ に学びながら] ぶどう社 深沢和彦・河村茂雄 (2007). 通常学級に在籍する特別 支援対象児童の学級適応について―困難領域の違いに よる検討から― 日本教育心理学会総会発表論文集, 49, 515. 深沢和彦・河村茂雄 (2008). 特別支援対象児が在籍す る学級における非対象児の学級適応感―困難領域の違 いによる比較から― 日本教育心理学会総会発表論文 集, 50, 621. 布施光代・小平英志・安藤史高 (2006). 児童の積極的 授業参加行動の検討―動機づけとの関連および学年・ 性差による差異― 教育心理学研究, 54, 4, 534− 545. 浜名外喜男・蘭 千壽・古城和敬 (1988). 教師が変わ れば子どもも変わる 望ましいピグマリオン教育のポ イント 北大路書房 浜名外喜男・松本昌弘 (1993). 学級における教師行動 の変化が児童の学級適応に与える影響 実験社会心理 学研究, 33, 101−110. 石田靖彦 (2002). 面接法を用いた集団構造の把握―ソ シオメトリック・データとの比較による信頼性・妥当 性の検討― 愛知教育大学研究報告, 51, 93−100. 岩永竜一郎・小田みちえ・川崎千里・土田玲子 (1999). 発達障害児の小学校普通学級適応状況の考察―発達指. 数および障害児受容環境の観点から― 小児保健研究, 58, 3, 405−410. 小平英志・布施光代・安藤史高 (2009). 児童の積極的 授業参加に関する研究 (7) 積極的授業参加行動の学 年差, 性差 日本教育心理学会総会発表論文集, 51, 566. 古城和敬・天根哲治・相川 充 (1982). 教師期待が学 業成績の原因帰属に及ぼす影響 教育心理学研究, 30, 91−99. 高森明・木下千紗子・南雲明彦・高橋今日子・片岡麻実・ 橙山 緑・鈴木大知・アハメッド敦子 (2008). 私た ち, 発達障害と生きています―出会い, そして再生へ ぶどう社 栗原輝雄・長谷川哲也・藪岸加寿子・植谷幸子 (2004). 軽度発達障害があると思われる子どもに対する集団の 中での指導について―津市立教育研究所主催の研修会 に参加した教師へのアンケート調査から― 三重大学 教育実践総合センター紀要, 24, 21−28. 松本敏治・安藤房治・飯田かおり (2002). 青森県にお ける  等児童・生徒の教育的・社会的ニーズ 弘前大学教育学部紀要, 87, 187−196. 宮本郷子 (2003). 第5章“育ちそびれている子どもた ち”に発達の土台を豊かに―通常学級に在籍する障害 児の教育実践 清水貞夫・青木道忠・品川文雄 (2003). 通常学校の障害児教育― 「特別支援教育」 時代の実践 と課題を問う かもがわ出版. 89−104. 西村 淳・中村勝代・浅川潔司 (2009). 児童の学級適 応に関する学校心理学的研究 日本教育心理学会総会 発表論文集, 51, 318. 岡南 (2010). 天才と発達障害 映像思考のガウディと 相貌失認のルイス・キャロル 講談社 織田明日樹・牧 郁子 (2010). 教師平等感・受容性・ 要求性が児童の学級適応に与える影響 日本教育心理 学会総会発表論文集, 52, 409. 塩見邦雄・庄田明子 (2004). 児童のアサーションと学 校ストレスの関係についての研究―新しい 「児童版ア サーション測定尺度」 を用いて― 兵庫教育大学研究 紀要, 24, 59−73. 柘植雅義 (2002). 学習障害 ( ) 中公新書 柘植雅義・渡部匡隆・二宮信一・納富恵子 (2010). は じめての特別支援教育―教職を目指す大学生のために 有斐閣 渡邉千絵 (2006). 担任により援助ニーズが大きいとと らえられた児童の学級適応に関する研究 兵庫教育大 学修士論文 (未公刊). 山岸明子 (1998). 小・中学生における対人交渉方略の 発達及び適応感との関連―性差を中心に― 教育心理 学研究, 46, 163−172. 有倉巳幸・乾 丈太 (2007). 児童・生徒の友人関係の 排他性に関する研究 鹿児島大学教育学部研究紀要, 教育学編, 58, 101−107. (2011.8.31受稿, 2011.11.28受理).

(23)

参照

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