形容詞`big,`little,と`large,`small,の語法:
〃eCD/br囚Zzm/ごとF1qIar1asrGzzmpの用例を中心に'’
福島一人DilferenceinUsagebetweentheAdjectives`big,‘little,and`large,
`small,FocusingonExamplesin別eCM2rPhz】nA9andFhzna5rCmp
KazundoFukushima Thepurposeofthispaperistoidentifytheusageoftheadjectives `big,‘little,and‘largesmall,inthespeechof‘uneducated,.96 `unintelligent,,and‘educated,individualsinlinguisticenvironments wheretheyconcurwiththesamenounsorpronouns・Differencesin speechbetween`big,`little,andlarge,`small,havebeendescribedin somedictionariesandusagestudies・Summarizingthesedescriptions, big,anditsoppositeword.`little,areinformaLcolloquiaLjuvenile、or emotionalwhile`large,anditsoppositeword,`small,aremorefOrmaL bookish,dignifiedordescriptive・However,thesedescriptions、except thosefromHattori(1968)aretoogeneralandnotveryconcernedwith theenvironmentinwhich`big,‘little,andlarge,‘small,concurwiththe samenounsorpronouns・Hattorigivestheexamplesofnounswhich concurwithbig,.little,and`large,‘small,andshowsthedifferencesin meanmg(withoutusingtheword`speech,)butdoesnotidentifythem as‘uneducated,,.unintelligent,,or‘educated,Thispaperwillpropose andclarifythenecessityof、uneducated.‘‘unintelligent/and`educated asfactorsofspeechthroughinvestigationsofexamplesin7]/ケeCd/br Pm]、/どandF1mT?srCuInpwhichfeatureAfrican-AmericanEnglish, AmericanSoutherndialect,AmericanSoutherndialect-likeEnglishas wellasstandardEnglish・Thispaperwillalsoexaminewhetherthe difYerencesinwordfrequencybetween‘big'and‘largeareparallelto thosebetween`little,and、smalIinthesenovels. -21-1.はじめに 本稿は、無教養な(以後`uneducated,)登場人物の非標準英語と教養 ある(以後`educated')登場人物の標準英語が明確に分かれて存在する、 「語り」的な手紙文のスタイルをとる小説〃eCQ/brPmp上(以後CP)、 また、大部分非標準英語からなり、知能の低い(以後`unintelligent,) 登場人物の「語り」のスタイルをとる小説FbzT引asrQzmp(以後F1G) の用例を主に検討することにより、形容詞big,.little,に.uneducated, `unintelligent,、形容詞large,‘small,に`educated,というスピーチレ ベル'21を与える必要性を提案するものである。 まず、いくつかの辞書や語法書の代表的な記述例を参照し、‘big, `little'と`large,`smallのスピーチレベルの差異を挙げる。福島(2007b) では、‘big,‘large,について、LongmanD/bZ7bnazyofCQzzZEmpom1y EngZ/助(以後LDCE)と服部(1968)のみに「話し言葉」(以後spoken)、「書 き言葉」(以後written)の記述があるとしている。前者は、‘large,に ついて、spokenよりwrittenで使用されることが多い旨記述し、後者 は、‘big,がmostcolloquial,、‘large'が`lesscolloquial,と記述している。 それぞれの対立語にⅢlittle,、‘small,については、服部のみが.(most) colloquial`lesscolloquial,と明確に記述している。 そこで、主に標準英語の用例からなる、別eBIa/Zb/S/ML7z7bzza/cQzpzLs (以後BNC)とWordbanksの米国のもの(以後WB)を調査し(Ⅲ、‘big, とその類語`large,、little,とその類語`small,の使用頻度の比較を行い、 LDCEや服部の記述の検証を行うと共に、英米間での差異についても概 観したい。また、標準英語と対称的な位置にあるスラングについても、 グリーン(1995)(以後「スラング辞典』)やGoldin,Eetal.(1985)(以 後[hbwDza/b/)の記載量を挙げ簡単に述べる。 そして、黒人英語とアメリカ南部方言(以後「南部方言」)という非 -22-
形容詞big.]ittle,と]arge'`smallの語11上 7カFGd/bノーa"p/bとFb"でsZQノmpの用例を'''心に 標準英語のみからなる`uneducated'な黒人女性の手紙と大部分標準英 語からなる`educatedな黒人女性の手紙が明確に分かれて存在するCP と、大部分`unintelligent'な白人男性の非標準英語からなるF1Cにおけ る、big,`large,そして`little,`small'の使用頻度の比較を行う。そして `big,.large,の使用頻度の差が、それぞれの対立語の使用頻度の差と平 行するかどうかを検討する。特に、,big,とIarge,、‘little,.small,類語 同士が共起し得る環境に焦点を当て検討することにより、big,‘little, に`uneducated,`unintelligent,、`large,,small'にeducated,というスピー チレベルを提案する根拠としたい。 2.辞書・語法書 各辞書・語法書共、「大きさの大[小]」を基本的意味とし、それを中 心にスピーチレベルの差異を記述しているようである。 2.1辞書 2.11花本他編(2003)(以後Lex/is) big'は「大きさ」を表す最も口語的な語とし、対立語として`little, を挙げ、‘large’は大きさを表す亮や格式的な語とし、対立語として `small,を挙げている。そして、。little'は愛憧・愛着などの感情的色彩 を含むことが多く、‘smallは ている。 感情的色彩を含まないことが多い 、とし 212小西・南出編(2006)(以後Gどzz/tLs) big,.little,そして`large,`small,の対立語の関係を認めている。`big’ は`large'より」E1重」エlであり、,big'は親しみ・賞賛q驚きなどの感情を 帯びることが多い、一方、‘large'は客観的で無色としている。little'は -23-
しばしば小さくてかわいいという愛情・同情、時には嫌悪・軽蔑の気持 ちを含む、一方、‘small'は客観的に小さいを意味する、としている。 21.3Summers,,.(ed)(2003)(以後LDCE)
‘large,`small,については対立語の関係を記述していたが、`big,`little, については記述していなかった。`large'は`big,よりSli貝htlvmore fOrmal,でsDokenよ 2-皿ユ匹11で使用されやすく、‘little'は特にSpokeIlで
自分の妊三L・』iiLL上・回」責を意味する、としている。 LDCEには、‘big,と`little,の対立語の関係を示す記述がないことは 興味深い。この理由については、次の機会に考察したい。 22語法書 22l井上編(1960) ‘big,‘little'、large,‘small'の対立語の関係を認めている’51。「大き な犬」を例とし、陸』iエーEl壷佳では`big,を使用する、としている。`big, `large,の記述について疑問に感じる部分があるが、それについては福 島(2007b,p2)を参照されたい。little'は形式ばらない(infOrmal 語で、 `smallは が、後者I 形式ばつた(morefOrmal 語とし、前者は感情的意味を含む 後者は含まない、としている。 2.22服部(1968) それぞれの対立語の関係を認め、big,‘large,、‘little,.small'、それぞ れ双方と共起する名詞の例を挙げ、種々のスピーチレベル'6]を与えて いる(7)。概略は以下の通り。 -24-
形容詞big,Iittle,と`large,`smallの語法: meOqj,ノーPmpノセとFbZmestQjmpの用例を中心に 服部は、さらに、‘emotionalや`descriptive'なスピーチレベルの存 在により、同じ名詞を修飾する当該形容詞と並列する形容詞によっては、 それぞれに使用制限がある、としている。これについて福島(2007bp7) では、‘biggracefulwoman,を例に挙げ、large,と交換可能とし、反証 を-つ挙げている。今後検討したい。 種々のスピーチレベルを与えている服部であるが、‘uneducated,、 `umntelligent,、`educated,というスピーチレベルを与えていない。他の 辞書・語法書と同様、主に標準英語の範囲での記述であり、`uneducated,、 `educated'な登場人物の手紙が文学上の技法から明確に区別されて提 示されたり、‘unintelligent'な登場人物の語りが大部分を占めるような 場合を対象としていないことによるのであろう。 223Chalker(1990)(以後〃bmMyリイノbm/) それぞれの対立語の関係を認めているが、他の辞書や語法書と異なり、 `little,の有する‘emotional'な意味によるものか、‘small'が`big,の対 立語であると共に、large,の対立語でもある、としていることは興味 深い。‘big’は`moreinfOrmal,、‘large’は`morefOrm型,とし、‘little, `smallについては、「大きさの小さい」を表す場合、little'は話者の蛭_富L・ 蟻ビユユの意味が含まれるが、‘small'は客観的意味が含まれることが多い、 としている。 いくつかの辞書・語法害に記述されていた種々のスピーチレベル -25- b19
little childishorjuvenileemotional
(8) (most)colloquiaL「親しみ」, large small dignifiedorintellectual (9) lesscolloquial,morefOrmal, 「きどった感じ」「よそよそしさ」,descriptive
を挙げたがその代表的なものはLDCEと服部にのみ記述されていた spoken、writtenであると思われる。BNCとWBのspoken、writtenにお ける用例数を挙げ、標準英語と対称的な位置にある、『スラング辞典』 や肋dEzwma/b'の用例数についても簡単に述べる。 3.コーパス・俗語辞典などの用例数(101 3.1BNCとWB 31.1全体の用例数 表1 全体の用例数がBNCはWBの10倍近くあり、比較することに多少の不 安は感じるが、単純に見れば'''1、‘big'とその類語`large,については、 英国では`large,の方が好まれると思われる。‘little,とその類語`small, については、英国でも米国でもIittle,の方が好まれる。また、Iittle, と‘small,の合計数で`little,の占める割合がBNCでは534%、WBでは 606%であることからすると、単純に見れば、米国の方がlittle'が好ま れるようである。 本稿は、小説の大部分が非標準英語からなり、spokenのスピーチレ ベルの英語からなるCPとF1Gの用例を検討する。従って、コーパスの用 例数についてもspokenとwrittenに分けて検討する必要がある。このこ とはまた、LDCEや服部(1968)の記述の検証をする上でも有益であろう。 -26-
b19 large little small
BNC 24,835 33,018 48,275 42,209
形容詞`bignlittle,と1arge'・small,の語法: zrreoM。rPtIbDノセとFbrT1esrGLjmpの用例を中心に aL2spokenの用例数 表2
澪=E==悪E亙三ii字E正i三F鍔
‘big,‘large,については、BNCでもWBでも、つまり、英国でも米国 でも、‘big,の用例数が多く、またそれぞれの対立語についても`little, の用例数が多かった。LDCEや服部の記述を支持する結果となった。 `big,‘large'の合計数で`big,の占める割合がBNCでは82.7%、WBで は67.1%であり、それぞれの対立語については、‘little,の占める割合は、 BNCでは77.4%、WBでは57.7%であった。 31.3writtenの用例数 表3諄暉三…:
‘big,large,については、英国では`big,の占める割合が375%と、large'の占める割合が非常に多く、一方、米国では`big,の割合が561%と、
やはり‘big,の方が多かった。表3を見た限りでは、LDCEの記述も、
服部の記述も、BNCでは支持きれるがWBでは支持されない、という結 果になった。しかし、特に、服部は、それぞれの類語が同一名詞と共起 する環境に焦点を当て、スピーチレベルを論じている。このような環境 に焦点を当てず、単にそれぞれの形容詞の用例数を挙げたコーパスとは 差異が生じることが十分予測される。福島(2007bpp3-4)では比較級`bigger,‘larger,、最上級`biggest,
-27-big large little small
BNC 5,700 1,193 7,658 2,241
WB 1,126 551 1,113 815
big large little small BNC 19,135 31,825 40,617 39,968
`largest,についても調査を行った''21。 表4spoken
零2丁至三E=|雲鴦'三三s
表5wntten==犀霊F垂看E三雲iiFI三章’
興味深いことに、WBでは、原級の場合とは異なり、spoken、written共、 比較級、最上級の場合、Iarger,‘largest,の用例数が`bigger,‘biggest’ よりも多かった。比較構造は、比較補部と比較し、比較主部の尺度の値 を述べる論理的な文であり、‘childishorjuvenile'ではない、‘dignified orintellectuarな文法構造であり、それが米語においては特に反映きれ ると思われる。今後検討したい。 32『スラング辞典」とu'70b/M'0'7b/の用例数 表6馬詞=
2冊の辞書に記載されているものは、標準英語とまったく対称的な非 標準英語('31であり、どちらかと言うとspokenである。2冊を合計して も用例数は少ないが、非標準英語では`large,よりbig'の、‘small,よ りlittle,の使用頻度が非常に高いことを予測させる。 -28-bigger larger biggest largest
BNC 729 226 336 117
WB 108 151 333 392
bigger larger biggest largest
BNC 2,606 7,122 4,194 5,518
WB 162 571 142 349
big large little small
「スラング辞典』 43 0 16 3
形容詞`big,.little,とIargewsmallの語法: neCbバク1-円α、/bとFbI丁'BsrQ1mpの用例を中心に 4.DPと戸Dにおける用例数 4.1CPと凡ヲの英語のスピーチレベル 4.LlCP いくつかの大きなテーマについて、‘uneducatedな黒人女性Celieが 綴った手紙の内容を`educated'な黒人女性Nettieが異なった視点で映し 出し、その信瀝性を高めることをAliceWalkerが意図した小説と言われ ている(!'IoCelieの手紙は、終始相手に語る口調で、神宛てのものでさ え身内のような調子で、すべて黒人英語、あるいは南部方言という非標 準英語からなる。一方Nettieの手紙は、3通目までは僅かだが非標準英 語が見られるが、Celieからの返事が期待できないと思った4通目から は、すべて標準英語からなるl1ii1oCelieとNettieの手紙のスピーチレベ ルは、概略次の通りと思われる。 4.1.2F1G 大部分、知能指数70以下という‘unintelligenfな白人男`性Forrestの とつとつとした「語り」のスタイルをとっている。Forrestの英語はす べて南部方言的な非標準英語である。「南部方言的」としたのは、米国 人Eric氏''61から次の評価を得たことによる。 Hisspeechpeculiaritiesarentasoutherndialect,butrathersimilar tothewaysmallchildrendon,tspeakperfectly・Remember,Forrest Gumpwassupposedtobementallyretarded -29- Celie infOrmal,「親しみ」spoken,mostcolloquiaL 非標準英語,uneducated Nettie fOrmal,「あらたまった感じ」,spoken,lesscolloquial, 標準英語,educated
Eric氏の評価は、本稿で提案する`unintelligent'というスピーチレベ ルを支持するものであるが、南部方言ということをまったく否定して いる。(1)(2)の例を見ると、この評価に疑問を感じる。用例の後 の数字はテキストの頁である。テキストは、GroomWinston(1994) F1Qzr司esrGLzznpLondon:BlackSwanである。 (1)Wehasgottobuyussomemeshwireannetsanalittlerowboad ansomethintofeedthesrimpwiletheygrowin,antheywillbeother thingstoo-FGl73 (2)Itwaslateintheafternoon,anBigSamtoleacoupleofthem naturewomentoshowuswhereweisgonnastay-FG132 [音声面] 表音綴り(phOneticspelling)が見られる。できるだけ登場人物の発 音通りに綴るという作家の工夫である''71が、南部方言を特徴づけるも のがある。これらの中には視覚方言とも思えるものがある。(1)にお いては〔d〕の消失で、‘and,が`an,、〔、〕の消失で、‘something,が `somethin,、〔h〕の消失でwhile,がWile'と綴られている。また、`there, が`they,と綴られていることについては、藤井(1984,p33)では、視 覚方言とも思えるが、むしろ、南部方言の-大特徴である`r-less'の発 音を写実的に表したものと見るべき、としている。(2)においては、〔d〕 の消失で‘told,が‘tole,と綴られている。(1)の`shrimp,が`srimp, と綴られている例については、藤井も豊永も音声交代の例として挙げて いない。南部方言によるものか`unintelligent'によるものか今後検討し たい。 -30-
形容詞`big.`little.と1argemsmallの語法: 7beCb/brPm]、/bとFbzr声rGtjmpの用例を中心に [文法面] (1)においては、標準英語なら`havegotto…'であるが、hasgotto…, が使用されている。いわゆる‘has,の全人称用法で、動詞語尾`-s,Les, の全人称用法と平行する。また、標準英語なら`buysomemeshwire’ であり、不要な、いわゆる再帰代名詞的与格の‘us,が使用されている。 (2)においては、標準英語ならWeare'であるが、Weis'となり、い わゆる`is,の全人称用法が使用されている。 以上のような南部方言に見られる特性がF1G全体のForrestの「語り」 に存在する。 4.2DPと尺ヲの全体の用例数Ⅲ淵’ 表7 CPもF1Cも「語り」のスタイルであり、spokenと言える。3.12の表 2と比較されたい。 主に標準英語の用例からなるBNCやWBと比較して、‘big,little'の使 用頻度が極めて高い。特にF1Cでは格段に高い。明らかな差異が見られる。 CPでは、‘uneducated'なCelieの手紙と‘educated'なNettieの手紙が 明確に分かれて存在する''9'。 表8 -31-
big large little small
CP 106 12 191 10
FU 181 2 172 1
bi9 large little small
Celie 95 0 170 2
Celieの手紙とNettieの手紙とでは、Nettieの手紙の占める割合が小説 全体の27%であることを考慮しても、‘big,とlarge,、そして、‘little, と`small,の間に明確な使用頻度の差が見られるようである。`big,`large, について、Nettieの手紙では、‘big'を使用していた11例のうち7例が `large,と交換可能であった20'。また`large,の12例のうち11例が`big, と交換可能であった。つまり、双方交換可能な18例のうち、‘large,の 占める割合は61%であり、spokenであるにもかかわらず、この割合は BNCのwrittenの割合に近いものである。一方、Celieの手紙では、‘big, の95例中80例がlarge,と交換可能であるにもかかわらず一貫して`big, を使用していた。例えば、Gセzzmsによれば、「大きき」を言う時、‘big’ は重き・かさに、‘large'は単に大きさ・広さに重点がある、とされて いるが、‘uneducated,で非標準的なスピーチレベルでは、必ずしもこの ような使い分けはせず、すべて`big,を使用すると思われる。また、服 部のlarge'についての`descriptive,というスピーチレベルも、ほとん どが`big'で充当されると思われる。 福島(2007b)はCPにおいて、‘uneducated’であるCelieの手紙と `educated'であるNettieの手紙の間に明確な使用頻度の差異が見られ ることから、‘big,に`uneducated,、large,に`educated,というスピー チレベルを提案した。表7、表8により、全体の用例数についてCPの CelieのものとF1Gのものとを比較すると類似していることに気付く。さ らに、`big,`large'の使用頻度の差異が、それぞれの対立語little,`small, の使用頻度のものと平行していることに気付く。 以下、CPのCelieの手紙の用例(以後CP-Celie)とECの用例について、 類語と交換可能な環境に焦点を当てて検討する。 -32-
形容詞`biglittle.と1arge.`smalIの譜i蝉 】nbeClロバdj-PUIp/bとノb/7FSrGLKmpの用例を111心に 4.3CP-Celieと几ヲの類語同士が交換可能な用例数 交換可能な用例数を検討することにより、big,Iittle,の有する `uneducated,‘unintelligent,というスピーチレベルがより明確になると 思える。 表9 福島(2007b)同様、BNCで検索し、用例が少ないか存在しない場 合、交換可能かどうかをBamfOrd教授にチェックを依頼した。今回も BamfOrd教授が黒人英語、南部方言などの表音綴り、あるいは標準英 語の視覚方言の名詞や形容詞と共起している‘big,little’は、large, `small,と交換不能と評価したことは興味深い'221。 431large,と交換可能な`big,の用例数 ‘big,がlarge,と交換可能な場合の主要な意味は、「(大きさ・規模 などが)大きい」であろう。次のような場合は、交換不能として用例 数に加えなかった。CPのテキストは、Walker,Alice(1985)肋eCb/br PtzIpbNewYork:PocketBooksを使用した。用例の後の数字はテキス トの頁である。 [名詞などとの結びつきが強いか固定しているもの] `abigape,-FG80「大馬鹿者」‘abigass,-FG65「大馬鹿者」,‘abig Bozo,-FG50「でかぶつ」bigadevilas…,-CP229「…のような大悪 党」,‘givemeabighug,-CP225,.bigmoney'一CPll2,.abigoaf, -FG196「大とんま」,‘greatbig,-FG72 -33-
big large little small
CPLCelie 80 0 78 1
[表音綴り、あるいは視覚方言の名詞、形容詞と共起あるいは並列して いるもの]※(=)は筆者によるものである。 `bidness(=business)isgettingsobig'一FG221,`abigcaudron (=caldron)'一FGl40,`abigstrongfeller1W=fellow)'一FGl90,`abig ole(=old)tree,-FG6qaskinnybigtoof(=tooth)man,-CPll2 4.3.LlCP-Celie 80例存在した。個々の用例については、福島(2007bpp6-7)を参照 されたい。 431.2F1C 94例存在した。最初の数字は頁である。 l22ape(→thing),80auditorium,71bag231bag89balloon,l93blob l40boat,l2boy,l89breakfast,210breakfast,214breakfElstJ07bus, 224cigar,80cityhall,211column,39crowd,78crowd92crowd,l11 demonstration,27desk,22dog33draingate,227earrings,l04electric fan,55explosion,67eyes,102eyes,l29eyes,130eyes,l98fencel98 field,l24glob39grin,140grin,23guy,71guy,130guy,190guy,201 guy,211guy,53hat,77heart,l40hoedownl941ake,2121aundry machine801awn,l971eaves,l37man,l27market,l93mask,218meal, l85mob「大群」73mouthl64mouth,68needle,11net「網」59net 「網」,lOnoose,l2oaktree,l5oaktree,197object「物」,24officell7 orangutang33outboardmotor,91parade215ponds,27purse,l47 reception,89river,l98road,ll6rooml40shacks,l58sign(以下すべ て「看板」),l85sign,l98sign37smile,86smile,92smile,l72snout, l43splash30stack,40stack,l31stones,lO4storm,l36strawhat,20 -34-
形容詞.big.`little,とIargensmallの語法: 2,1)eCoルノーPtzz】、ノヒ』とノアbzY1esrGumpの用例を中心に table,78tomato,31tower,60tree,214tree55trucks,l90type「タイ プの人」l90type「タイプの人」l83you「体が大きい」 432‘big,と交換可能なlarge,の用例数 4.3.2.lCPLCelie large,の用例はl例も存在しなかった。 4.3.2.2JnG Iarge'の用例は(3)のl例しか存在しなかった。 ※(=)及びアンダーラインは筆肴によるものである。 (3)…butwhenllookedinthecloset,they(=there)isjussmallpots, an(=and)certainlynotlar貝eenoughtocookastewfOrtwohundrit (=hundred)meninthecompany-FG51
興味深いことに、‘unintelligent'なForrestでも、‘smallを使用すると
同一文中では対立語のlarge,を使用している。‘small,と`large'が対
立語の関係であることを示す有力な根拠となろう。 433‘small,と交換可能なIittle,の用例数 .little'が`small,と交換可能な場合の主要な意味は、「(大きさ・規模 などが)小きい」「幼い」「重要でない」であろう。 次のような場合は、交換不能として用例数には加えなかった。 [名詞などとの結びつきが強いか固定しているもの]`littlebitty'一FG84「ちっちゃい」littlebrothers'一CPl2「弟たち」`a
littlesistef-CPlO6「妹」 -35-[形容詞十little+名詞の型で愛情・嫌悪・同情などの感情を表すもの'2Ⅲ] aweaklittleboy'一CP49「弱虫」,‘hisfEltlittleeyes'一CP66「腫れあ がった眼」,`anicelittleguy,-FG20「親切な奴」,`anastylittlesmile,- FG93「意地悪そうな薄笑い」 [表音綴り、あるいは視覚方言の名詞、形容詞と共起、あるいは並列し ているもの] `thelittlefeller(=fellow),-FG92「その幼い子」,‘thelittleole(=old) man,-FGl86,`alittlesrimp(=shrimp)bidness(=business)'一FGl64 4.3.3.lCP-Celie 78例存在した。最初の数字は頁である。 l56animaL47bag98bible,151bit,251bit,290bit,58box,105boy, 105boy,l33boy,s,l25burp81button,85button,l52button,90 buttons,lO9children(→ones),41cut「切り傷」,69farm,218farming 219figures「模様」l4flowers,l85flowers,291frog「置き物」,lO5girL lO6girLlO6girl,lO6girl,106girl,108girl,82girls,187girls,66he(以 下3例、「体が小さい」),81he,231he,255He「幼い」35house260 house,274house,154kitchen,210knock,lO91augh,77man,259man 54mouse61pieces,72porch,63pot「ふくらみ」50room,54room67 room,ll6room,l30room,205room,204scrub,75shifts「ワンピース」, 82shiver,82shiver,77shoes,92slits90smile,215some「置き物」,270 something「子供」208spark,l4stars,lO8storeroom,204surprises「小 さな思いがけない贈り物」78tables,78tables,63things「事柄」290 things(→ones)「事柄」53veins,41voicelO3voice(→it),116walk「歩 道」l85wildflowers,204wildHowers’210Woman,293Woman -36-
形容詞.big,`little,とIarge“small,の語法: Z/(7PCb/brPt"]ロノヒ〕とjbノ泥srQmpの用例を111`し、に 43.3.2F1G lOO例存在した。 lO8alley,l61apartment,l63apartment,72bagl21bag,121ball,37 band(以下「音楽バンド」),43ban。,75band97band,225beads,81 bench,lOlbit,l18bit137bit,l52bit,214boat,63box,92boy,92boy, 92boy,234boy,234boy,234boy,234boy,235boy237boy,ll2bunch, 119bus,201button,215cabin,lO4capl48cart,l53cart,l58cart, l58cart,l85cart,lO7cigarette,83College,210Counter,174creekl58 dolly,233dolly-wagon,l32entranceway,l67eye,21fOotbalL71gook, 72gook54gooks,85guy,98guy,l43guy,179guy,236guy,ll5guys, 40hammer,l15hammer,72hanneti251,57hooches,175house,l44hut, 111(以下「幼い」の意味),321,791,181knot,l281ake,l85man,71 market,l63mattress,72net「網」O8pallet,l24partition,215piece, 72place,95place,72pond,65rain,81roomll8rooms,l73rowboat, 217rowboat,229rowboat,215shack,215shack230shop238sidecars, l27skirts,60slope,96steps「階段」,87sticks,42stoWl60tavern,l63 tavern,l2things「小物」20town,l63towns,l31village,lOOwave, l47wave231wheels 434.little,と交換可能な`small,の用例数 4.341CP-Celie ‘small'の用例は(4)の1例しか存在しなかった。 (4)Herealfatandtall,looklikeabigyellowbear・Mrsmall likehisdaddy-CP58 前の文は兄について語っている。「兄と比較してMr・ が小さく、 父親と同様だ」という厳密な客観的な文と言える。(5)のように同一 -37-
文中ではないが、前の文に`big,が存在するのに交換可能な`little,を使 用しなかったことが興味深い。 4.3.4.2F1G (5)…butwhenIlookedinthecloset,theyisjustsmaUpots,an certainlynotlargeenoughtocookastewfOrtwohundritmeninthe company-FG51 全体の用例数もこの’例のみであり、程度構造(広義の「比較構造」) の厳密な客観的な文と言える。‘unintelligent'なForrestでも‘small,を 使用している。これはCPLCelieの場合も共通している。このことは、表 4のWBの比較級・最上級の`larger,‘largest,がbigger,‘biggest,より 用例数が多かったことと関連してくると思われる。今後詳しく検討した い。 5.おわりに 共に「語り」のスタイルをとるCPとF1Gの`big,‘large'そして`little, `smallの全体の用例数は、CPでは106,12そして'91,10であり、F1C では181,2そして'72,1であった。これらの用例数は、主に標準英 語からなるBNC-spokenやWBspokenのものと比較して著しい差があり、 `big,`little'の占める割合が極めて多い。 また、CPの、すべて非標準英語からなる`uneducated'なCelieの手紙 と大部分標準英語からなる`educatedなNettieの手紙の`big,‘large,そ して`little,`small,の全体の用例数は、前者では95、Oそして170,2で あり、後者では11,12そして21,8であった。 そして、各対立語同士が交換可能な環境に着目しても、Celieと Nettieの間には明確な差異が見られた。また、CPLCelieと、大部分が -38-
文教大学言語と文化第20号 と呼ぶ。‘big,の対立語がlittle,、.large'の対立語が`small,であ ることは語彙論的にも定着しているようである。 双方共、SCN(ShogakukanCorpusNetwork)による。(参照 2007-07-26) 「対語」としている。 服部は「意義特徴」としている。 情報源は少なく、主にMr・Mosherと〃eAme正疋anCMege D/bnDzzazyである。 6歳と4歳の子供の例を挙げ、小さい子供は`big'little,をもっぱ ら使用し、少し大きくなるとlarge,`small,を使用するようになる、 としている。 `childishorjuvenile,の対立語の意味で使用している。 コーパスでの検索に際しては、それぞれ形容詞に品詞設定した。 本稿では単に用例数を比較し推論を立てている。今後、統計学上 の手法を取り入れ検討したい。 SCNによる。(参照2006-11-11) 福島(2005,p382)参照。 中野(2003) 視覚方言もない、まったくの標準英語綴りである。 長野格氏より情報を得た。 類似したものに視覚方言(eyedialect)がある。藤井(1984)や 豊永(1998)によれば、視覚方言は、‘says,を`sez,と綴るなど して標準発音そのものを写実的に表し、読者に話者が無学で非標 準英語的な印象を与えるものである。福島(2007b)の`toof,`toofS’ は正しくは「表音綴り」である。ここで訂正する。 ノ71Cの中に頻出するBigSamという固有名詞は用例数に加えていな (4) 111 567 くく1 (8) (9) (10) (11) 111111 234567 111111 く11くくく (18) -40-
`unintelligent'なForrestの「語り」からなるF1Gとの各類語間と対立 語間では用例数に驚くほどの類似が見られる。CPLCelieとF1Cの`big, Iarge,そしてlittle,‘small'の用例数は、前者が80、Oそして78,1、 後者が94,1そして'00,1である。両者共、`big,Iittle,と`large,`small, の用例数がほとんど平行しており、big,.little,の用例数が`large,.smaⅡ のそれを著しく上回っていた。これは、`big,とlittle,、`large,と‘small, の対立語の関係を実証するものの-つであると思われる。 BNCやWBでは各対立語が交換可能な環境に着目していないが、今 後そのような調査を行ったとしても、CPLCelieやF1Cとの用例数の差が 著しいことが予測できる。‘big,little,にUneducated,‘unintelligent, large,。small'に.educated,というスピーチレベルを提案することが可 能と思われる。 本稿執筆にあたり、文教大学JulianBamfOrd氏、元文教大学長野格氏、 文教大学CaryDuval氏に貴重な情報をいただいたことに感謝したい。 圧 (1)本稿は福島(2007b)をもとにし、さらにFbzrぅesrGLzmpの用例も 加え、‘big…large'だけでなくlittle,‘small'についても検討する。 2007年9月22日に早稲田大学で開催された日本実用英語学会第32 回年次大会において発表した「big,‘large,とlittle,.small,:対 立関係に着目して」に加筆修正を行ったものである。 (2)本稿では語の使用域やスピーチレベル、また服部(1968)の「意 義特徴」を「スピーチレベル」と一括する。 (3)一般的に「反対語」や「対語」と呼ばれるが本稿では、「対立語」 -39-
形容詞`big'1ittle,と`large。`smallの語法: 7Y7eCM〕rPmpノセと/7b/Y1esrGZjmPの用例をI|]心に い○ 全頁の約73%カヨCelieの手紙である。 個別な用例については、福島(2007b,pp5-6)を参照されたい。 F1C全体では2例存在していた(表7参照)が、1例は知能が普通 以上と思われる`educatedなJennyの数少ない会話文の中のもの である。表9ではJennyの1例は加えていない。 今後、複数のネイティブにチェックを依頼したい。 `feller'は標準口語の視覚方言と思える。little,‘feUer'との結びつ きは強い。 Lex/Sc曲ノヒノSLDCE川mMlyリイノbm/の`little'見出し参照。名詞 が「物」を表す時、「小さいながら[ささやかながら]」の意味を 併せもつようである。 `small,と交換可能という評価を得たことは興味深い。「小さな(手) 網[たも]」の意味で、〔d〕が消失した形容詞型名詞‘hall,と名 詞`net'で、一つの意味単位を構成している。中心語が標準綴り でありさえすれば交換可能であるのか、今後、複数のネイティブ チェックも受け検討したい。 111 901 122 くくI (22) (23) (24) (25) 参考文献 Biber,Detal(2003)『コーパス言語学』齊藤俊雄他訳、東京:南雲堂 Chalker,S・(1990)E/Zgl/ilhGmmmarリイノbm/ayリイノ、]ZSurrey:Nelson・ Dalgish,Gerard,M・etaL(eds)(1997).肌bsterbD/とt/bzza〃of Amez7mnE'ZgZ/isZLNewYork:RandomHouse 藤井健三(1984)『アメリカ南部方言の語法』東京:三修社 福島一人(2005)「〃eCb/brPtzz刀だの技法」「情報研究』第33号、茅ケ -41-
崎:文教大学情報学部 (2007a)「定義されたコロケーションとその有用'性」『情報研 究』第36号、茅ケ崎:文教大学情報学部 (2007b)「big,と`large,のスピーチレベルの差異:乃e Cq/brPtzm/色を中心に」『日本実用英語学会論叢』第13号、東京: 日本実用英語学会 Goldin,Hyman,E・etal(1985).、/bt/bnazyofAmez7bmZ肋QbwDza/b/ LnZg1o.(repr.)東京:名著普及会 グリーン,ジョナサン(1995)「現代スラング辞典」島村宣男・村山和行訳、 東京:太陽社 花本金吾他編(2003)『旺文社レクシス英和辞典』東京:旺文社 服部四郎(1968)「英語基礎語彙の研究』東京:三省堂 市川繁治郎他編(1995)「新編英和活用大辞典』東京:研究社 井上義昌編(1960)『英米語用法辞典』東京:開拓社 小西友七・安井稔他編(1994)『小学館ランダムハウス英和大辞典」第2版、 東京:小学館 小西友七・南出康世編(2006)『ジーニアス英和辞典』第4版、東京: 大修館 増田秀夫他編(1997)「現代英語学入門』東京:吾妻書房 松田徳一郎他編(1999)『リーダーズ英和辞典」第2版、東京:研究社 McConnel1,J(1993)肋d巴zMmdlirZg的e6M℃dSYZ7応s・東京:金星堂 中野京子(2003)「ZI7eCQ/brPtzm/とにおける四つの宛名」『九州英文学 研究』20号、福岡:日本英文学会九州支部 柴田省三(1975)「語彙論』英語学大系7、東京:大修館 Sinclair,JetaL(ed)(1987)CM/nsCo〃"d〃91/ShLangzノagB D/bZb'imaI2y.r【edLondonandGlasgow:Collins. -42-
形容詞`big,little,と`large,.small,の語法: mecb/bノーPtzJpノセとFbIy声rGnmpの用例を中,し、に ,.(ed)(2003).LozzgmanD/bZrbzzazayofCQnrexzzpomzy Summers,,.(ed)(2003).LozzgmanD/bZnza〃ofCQz E)ZgZ/白ZL4lhedHarlow:PearsonEducation、 竹林滋他編(2002)『新英和大辞典」第六版、東京:研究社 豊永彰(1998)『アメリカの文学方言』東京:金星堂 -43-