2005年度の活動計画 2005年度の文学部・短期大学部の博物館学 課程は、前年度の反省を踏まえて立案され、 資格取得課程委員会博物館学課程部会で承認 された授業計画に基づき、博物館実習Ⅰ担当 教員を中心に実施した。 博物館実習Ⅰ(学内実習) 本年度の博物館実習Ⅰ(「2005年度博物館 実習Ⅰ(学内実習)授業テーマと内容」参照) は、文学部第3学年と短期大学部第2学年を 中心に、大学院生・第4学年・科目等履修生 を含む計16名を対象にし、まずはじめに「仏 教資料取扱法」(序説)と題して、「総論」か ら入り、本課程の歴史やねらい、展望などに ふれて、受講生に目的意識の明確化を促し た。また本課程の特色である「仏教文化財」 の内容を概説した。そして、受講生には「仏 教資料取扱法」(序説)の内容をふまえて、 「仏教文化財について」「受講生にとって博物 館とは」などと題するレ ポート(400字×10 枚)の提出を求めた。このレポート作成は、 これまで観覧者の立場にあった受講生を、学 芸員を目指す者として動機付けすることを目 的にしたものである。 次いで、前期には、①「仏教遺物資料Ⅰ・ Ⅱ」(仏教考古・仏教民俗)、②「古文書」(近 世・近代史料)、③「写真撮影実習」等の講 義・実習をそれぞれの担当者がおこなった。 講義では知識の習得をめざす一方、実習で は、実務として拓本、掛け軸、古文書などの 取り扱いなど を習得させた。実習に際し て は、受講生16名を3班に分けておこなった。 各授業ごとに、作成した調査カード やレポー トを必要に応じて提出させた。 夏期休暇中、夏期フ ィールド を7月31日 (日)、8月4日(木)・8日(月)の3日間で企 画し、初日に「博物館等施設見学」、2日目 に「博物館資料撮影実習」、3日目に「古文書 調査整理実習」という計画を立て、実施した (詳 細 は「博 物 館 実 習 Ⅰ(学 内 実 習)夏 期 フィールド」参照)。終了後、受講生は夏期 フィールド参加レポートを提出した。 後期、④「真宗史料」、⑤「仏教文献資料Ⅰ ~Ⅲ」では、真宗史料と東洋・日本の仏教を 中心とした文献資料の講義と実習をおこなっ た。いずれも専門的知識の習得と取り扱い技 術の習得に注意した。このほか、近年、博物 館でその利用が注目されている情報処理技術 と博物館の関係を認知させるために「博物館 とマルチメディア」では、スタジオを使用し て、講義と実習を実施した。また「博物館関 係法規の概要」を講義する時間を設けた。 最終授業時には、一年間の授業の総括と、 次年度の博物館実習Ⅱ(学外実習)にのぞむ 心構えや、博物館実習Ⅰの復習など事前学習 の必要性を説明した。 また本年も受講生が主体的にテーマをもっ て3館以上の博物館・資料館・美術館などを 見学してレポートする課題を設けた。これは 受講生各自の自覚を促すとともに、学芸員の 「現場」での様子を認識させる意図を持った ものである。 博物館実習Ⅰ・Ⅱ合同見学会 例年、博物館実習Ⅰ・Ⅱの受講生を対象と して、春秋二季の博物館合同見学会を実施し ているが、本年度は次のとおりである。 博 物 館 学 課 程
大谷大学・大谷大学短期大学部
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春季合同見学会は4月17日(日)午後1時30 分より大津市歴史博物館の企画展「 近江の 国府と郡衙 発掘された古代の役所」展を見 学し た。また秋季合同見学会は、10月15日 (土)午後1時より大谷大学博物館の特別展 「ファウスト 伝説と作品」の見学と、同展特 別講演会「舞台にみる『ファウスト』」(学習 院大学名誉教授 岩淵達治 氏)を聴講した。 それぞれ受講生は見学あるいは聴講した内容 をレポートにまとめて引率教員に提出した。 こうした見学会の機会は、上記の夏期フィー ルドでの施設見学と各自でおこなう年間3館 以上の見学、そして春秋二季の博物館合同見 学会と、少なくとも4回設けている。 博物館実習Ⅱ事前ガイダンス 本年度の博物館実習Ⅱ(学外実習)の参加 に先立ち、6月22日(水)16時10分より1号館 1210教室で「博物館実習Ⅱ」受講生を対象と した「事前ガ イダンス」をおこなった。概要 は次のとおりである。 基調講演「博物館の状況と展望」 京都国立博物館文化資料課 保存修理指導室長 赤尾 栄慶 氏 ガ イダンス「博物館の普及活動」 大津市歴史博物館 学芸員 山崎 和宏 氏 最初に本課程の「博物館概論」を担当して いただいている赤尾先生から、表題のテーマ について、具体的な事例をふまえてさまざま な問題を指摘された。また学外実習参加を目 前にした受講生にとって重要な心構えを具体 的にご教示いただいた。博物館をとりまく状 況として、重大な問題とされている「指定管 理者制度」について触れられた。 山崎先生からは、勤務館で担当されている 普及活動の概要を述べられ、やはり博物館を とりまく厳しい状況に触れられた。 講演後、両先生から質疑応答の時間を頂戴 し、講演内容のほか、学外実習の細かな点に まで丁寧なお答えをいただき、有意義な事前 ガ イダンスであった。 終了後、受講生には学外実習のための事前 説明をおこない終了した。 博物館実習Ⅱ(学外実習) 本年度の館務実習は、7月・8月を中心に しておこなわれた。受講生は文学部・短期大 学部・科目等履修生を含めた17名(内訳は、 文学部・大学院15名、短期大学部1名、科目 等履修生1名)であった。実習館と実習生数 は次のとおりである(「博物館学課程2005年 度」参照)。 実習終了後、受講生は各館で実習した内容 と反省点をレポートにまとめて提出した。こ の内容は、次年度の「博物館実習Ⅰ」(学内実 習)・「博物館実習Ⅱ」(学外実習)を含む本課 程の検討にとって大切な資料となる。また受 講生は別に「博物館実習Ⅱで学んだこと」と いうテーマの要旨も執筆後、提出して本年報 (「博物館実習Ⅱ(2005年度)レポートから」) に掲載しているので、参照されたい。 最後に、本年もご多忙にもかかわらず、本 学の実習生を受け入れていただき、ご指導を 賜った各館の館長および学芸員、関係職員の 皆様に厚くお礼を申し上げる。 博物館実習Ⅰ(学内実習)夏期フィールド 本年の博物館実習Ⅰの夏期フィールドは、 例年通り①「博物館等施設見学」、②「写真撮 影実習」、③「古文書調査実習」の各1日の3 日間として実施した。その後、受講生は、夏 期フィールド参加レポートを提出した。 〔夏期フィールド 〕 ○7月31日(日)午前8時30分~午後7時30分 「博物館等施設見学」 引率:宮﨑健司助教授・平野寿則専任講師 ①大阪歴史博物館 ②狭山池博物館 ③歴史館いずみさの 博 物 館 学 課 程
○8月4日(木)午前10時~午後4時 「写真撮影実習」 場所:本学響流館博物館準備室兼実習室 指導:稲城正己臨時講師・宮﨑健司助教授 ○8月8日(月)午前10時~午後4時 「古文書調査整理実習」 場所:本学響流館博物館準備室兼実習室 指導:木場明志教授・草野顕之教授 本年度は初日に「博物館等施設見学」、2 日目に「写真撮影実習」、3日目に「古文書調 査整理実習」という日程となった。またおお むね3日間集中的に実施するのが通例であっ たが、今年度は授業日程や海外研修参加者な ど に配慮し たため、分散し ての実施となっ た。 1日目の「博物館等施設見学」では大阪府 下の3館を訪問し、それぞれの概要等を懇切 に説明いただき、施設や展観を見学した。通 常立ち入ることができない、バックヤード の 見学は受講生にとって新鮮であったようであ る。2日目は「写真撮影実習」である。前期 授業での基礎知識の復習から、写真撮影の技 術の初歩を講義したのち、一人ひとりが、そ の都度、カメラ・照明などのセッティングし て、仏像などのレプリカの写真撮影実習をお こなった。最終日の「古文書調査実習」では、 昨年度に引き続き「山城国笠置村万屋家文 書」の調書作成と、目録作成のためのデータ ベース制作実習をおこなった 例年同様、本年の夏期フィールドも、多く の関係者の方々のご 指導とご 配慮をいただ き、無事に3日間の実習を終了することがで きた。 博物館実習Ⅱ受講生の展示実習 本年度は、昨年度に引き続き、博物館実習 Ⅱ受講生による実習生展を、大谷大学博物館 の秋季企画展「仏教の歴史とアジ アの文化 Ⅳ」にあわせて開催した。 昨年度は一つのテーマについて各班でコー ナー分担をおこなって開催したが、本年度は 各班で企画し、コン ペをおこなって一つの テーマに決定する予定であった。しかしなが ら、いずれの班も興味深いテーマ企画を立て たため、3班がそれぞれ企画した3つの展示 を実施することになった。詳細は以下の通り である。 〔実習生展〕 会期:9月6日(火)~17日(土) 会場:大谷大学博物館 内容:「『医』の歩み」(A班企画) Ⅰ本草学 Ⅱ医学 Ⅲ解剖学 『君臣図像』 『本草綱目』 『大和本草』 『医心方』 『大同類聚方』 『医方大成論』 『重訂解体新書』 『医範提綱』 『西蔵医学解剖図』 「異界のものたち」(B班企画) はじめに Ⅰ平安京を彩った怨霊・菅原道真 Ⅱ異界と通じた者・安部晴明 Ⅲ異界を制する者たち 『北野天神縁起』(複製) 『安倍晴明記』 『今昔物語集』 『古今著聞集』 『妖怪学講義』 『おばけの正体』 『日本妖怪変化史』 「よみがえる京の町」(C班企画) はじめに 博 物 館 学 課 程
Ⅰ近世地誌編纂の展開 Ⅱ巡礼記から辿る近世京都 Ⅲ絵画としての町絵図 『大明一統志』 『山城志』 『雍州府志』 『京都名所旧跡霊佛霊社巡礼覚』 『都名所図会』 『拾遺都名所図会』 『改正増補道中行程明細記』 『諸国道中旅日記』 『改正京都町絵図細見大成』 『京都地図』 (博物館実習担当 宮﨑健司) 博 物 館 学 課 程
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5年度 博物館実習Ⅰ(学内実習)授業テーマと内容
授 業 内 容 担当者 授 業 テ ー マ 日程 博物館実習Ⅰのねらいと展望(総論) 仏教文化財について 宮 﨑 健 司 仏教資料取扱法 (序説) 4/11 古文書読解実習 平 野 寿 則 復習古文書 4/18 仏教遺物資料(講義) 仏教遺物資料の取り扱い実習 宮 﨑 健 司 仏教遺物資料Ⅰ (仏教考古) 4/25 5/16 仏教民俗・民俗資料(講義) 仏教民俗・民俗資料の取り扱い実習 仏教民俗・民俗資料の取り扱い実習 豊 島 修 仏教遺物資料Ⅱ (仏教民俗) 5/23 30 6/6 近世・近代史料の種類(講義) 近世・近代史料の取り扱い実習 史料調査法 木 場 明 志 草 野 顕 之 古文書 (近世・近代史料) 6/13 20 27 フィルムの種類・機能及び撮影上の注意事項 撮影実習 宮 﨑 健 司 稲 城 正 己 写真撮影実習 7/4 夏期フィールド の事前学習 宮 﨑 健 司 夏期フィールド事前学習 7/18 博物館・美術館などの施設見学 博物館資料写真撮影実習 古文書調査実習 木 場 明 志 草 野 顕 之 宮 﨑 健 司 平 野 寿 則 稲 城 正 己 夏期フィールド 7/31 8/4 8/8 真宗史料(講義) 真宗史料(聖典・絵画)の取り扱い実習 一 楽 真 真宗史料 9/19 26 大蔵経の種類(講義) 漢訳大蔵経の取り扱い実習 采 砿 晃 仏教文献資料Ⅰ (東洋仏典) 10/10 17 漢籍・中国資料の概要 漢籍取り扱い実習 浅見直一郎 仏教文献資料Ⅱ (漢籍中心) 10/24 31 日本書誌学の基本(講義) 仏教文献資料の取り扱い実習 沙 加 戸 弘 仏教文献資料Ⅲ (日本仏典) 11/7 21 博物館における情報処理技術(講義) 松 川 節 博物館とマルチメディア 12/5 12 博物館関係法令の概要(講義) 宮 﨑 健 司 博物館関係法規 1/16 本年度の反省と博物館実習Ⅱにむけて 宮 﨑 健 司 総括 1/23博 物 館 学 課 程
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5年度 博物館実習Ⅱ(学外実習)
実習生名 実 習 期 間 実習館名(館長名) 林 智 春 7/5.7/18・27・30・31 彦根城博物館(石丸正運 館長) 浅 井 省 二 7/25~7/28 大阪城天守閣(中村 眞 館長) 清 水 恵 玉 川 由 佳 8/3~8/7 池田市立歴史民俗資料館(田中晋作 館長) 山下加那子 遠 藤 智 子 8/8~8/11 京都国立博物館(佐々木丞平 館長) 金 子 元 紀 林 美 和 8/9~8/12 栗東歴史民俗博物館(佐々木進 館長) 森 さ や 香 8/22~8/26 大阪歴史博物館(脇田 修 館長) 駒 井 雅 8/23~8/26 京都市歴史資料館(井上満郎 館長) 山 内 悟 司 津 組 彩 加 8/23~8/26 霊山歴史館(谷井昭雄 館長) 町 田 一 樹 寺 本 真 悠 8/23~8/27 大津市歴史博物館(松浦俊和 館長) 祐 川 恵 理 8/30~9/3 滋賀県立琵琶湖文化館(宮本忠雄 館長) 藤 井 政 彦 笠 井 豪 12/6~12/9 奈良国立博物館(湯山賢一 館長) ■学芸員資格取得者(2006/3/17付・第17期生) 〔大 学 院〕 藤井 政彦・金子 元紀 〔文 学 部〕 笠井 豪・林 美和・駒井 雅・清水 恵・玉川 由佳 林 智春・町田 一樹・森 さや香・山内 悟司・祐川 恵理 浅井 省二・津組 彩加・山下加那子 〔科目等履修生〕 遠藤 智子 (16名) ■博物館学課程単位修得者(2006/3/17付) 〔短 期 大 学 部〕 寺本 真悠 (1名)12月6日から9日までの4日間、私は奈良 国立博物館で博物館実習をさせて頂いた。講 義形式で行われたこの実習は、工芸品・彫 刻・絵画・書跡・考古の5分野を中心とし て、他の文化財修理や情報・図書館資料の整 理と公開など多岐に亘る内容であり、各担当 の学芸員の方々にご指導頂いたことは大変有 り難いことであった。この4日間を通して私 が学んだのは、資料の調査法や取扱いは当然 のことながら、何より、学芸員になるに当 たって、自らの専門分野が如何に必要である かということであった。例えば、木造の仏像 のように、品質・構造を理解していないと触 れることすらできないことからもそれが分か る。自分の専門性という土台の上に、どれだ けのことを理解し、自分のものにして積み上 げていけるか、これが非常に大切なことであ る。加えて、自分の専門性に磨きをかけてい かなければ なら ないことを痛感し た。最後 に、今回の実習でお世話になった方々に心か ら感謝したい。 大学院博士第2学年(仏教文化専攻) 藤井政彦 * * * 私は滋賀県栗東市にある県立栗東歴史民俗 博物館で実習をさせていただいた。8月の上 旬である。旧栗太郡一帯の民俗資料を豊富に 集めている博物館であり、室町期と思われる 仏像から戦後まもなくまで実際に使用されて いた農具まで幅広く収集していた。実習では そのような民俗資料の調査が主体であった。 勿論そのような経験も貴重であったが、私に とって最も印象的であったのは学芸員の方た ちである。実習中、私は資料調査を通して数 人の学芸員と交流することができた。それに よれば、それぞれの専門分野をもって研究に たずさわっており、実に生き生きと楽しそう に自らの研究について語ってくれた。たとえ ば、一つの質問に様々な角度から指摘をして いただき、本当に学芸員としての情熱が感じ られた。そのような情熱に触れられたのがま さに貴重な体験であったように思う。 大学院修士第2学年(哲学専攻) 金子元紀 * * * 博物館には「公共性」と「採算性」という 二つの面からの評価がなされ得る。「文化財 を未来へ残す為の施設」としての側面、「来 館者を集められるアミューズ メント施設」と しての側面が有るということだ。ここ数年の 行政の方針で、今、博物館には後者の性格を 強く持つことが求められるようになってきた らしい。今回、奈良国立博物館という、日本 でも最大級の施設で実習させてもらって一番 勉強になった事は、そのように、ある意味で ターニングポイントを迎えている博物館とい う存在の未来像を、現場にたずさわる学芸員 がどのように考えているのか、その生の声を たくさん聞く事が出来た事だと思う。実習自 体は、他大学からも大勢の実習生が参加して おり、講義形式でおこなわれたが、特色ある 内容だったと言えよう。そして今回、日本の 博物館のリーダー格とも言える館で現場の声 に触れられたのは、実に有意義であった。 文学部第4学年(仏教学分野) 笠井 豪 * * * 8月9日から8月12日までの4日間、私は 博 物 館 学 課 程
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5年度博物館実習Ⅱ レポートから
栗東歴史民俗博物館で実習させていただい た。短期間ではあったが、館内・倉庫の案内 や古文書の調査カード 作成、民具の調査カー ド作成、仏像のそうじと測量など、内容は濃 いものであった。取り扱う収蔵品は小さい物 から唐すきのような大きく重たい物まであり 苦労した。全てが大切な物であるから、取り 扱いには、とても気を遣った。したがって、 この4日間は、ずっと緊張の連続であった。 4日間の実習を通して、一番感じたことは、 学芸員の方々が、とても熱心にこの仕事に取 り組んでいる姿であった。一つの質問に対し て的確に答えて くれたり、文化財に関し て 様々な知識を教えてくれた。学芸員の仕事に 責任が持てなければぜったいにできないこと だと思う。安易な気持ちでは、やっていけな い仕事だと、改めて実感した。 文学部第4学年(現代社会学分野) 林 美和 * * * 大谷大学博物館学課程博物館実習生とし て、8/23~26の4日間、京都市歴史資料館 において古文書及び美術・工芸品の取扱いを 行い、学芸員業務の一端を経験させて頂い た。実習内容としては、文書調査の基礎作業 である古文書の分類・整理といった作業が中 心であったが、取り扱った勝林院文書には、 中世文書や近世の口宣案等が含まれており、 貴重な資料に触れるという学芸員の醍醐味が 味わえ、感慨深い経験が出来たと考える。ま た、実習館が市史編纂といった調査機関とし ての活動を主としているため、私自身、学芸 員が研究員であると考える契機となった。つ まり、学芸員は調査・研究を基礎として活動 するため、まず研究者たる技能の修得が不可 欠なのである。よって、「課程としての知識 の修得」から「職業上の技能の修得」へと問 題意識を転換し、取り組みをしてゆくことが 必要だと考える。今後の課題としたい。 文学部第4学年(国史学分野) 駒井 雅 * * * 私は池田市立歴史民俗資料館で、8月3日 から7日までの5日間、実習させていただい た。実習では外国切手をエクセルへ打ち込む 目録作成作業を主として、展示替えの見学や 梱包作業の見学をさせていただいた。目録作 成はとても地道な作業で、時間と根気が必要 だと体感した。今回の実習で最も心に残った のは、館長からお聞きした話であった。博物 館の現状と、現在抱えている問題点、大型観 光型博物館と地域型博物館の住み分けについ て、現場の生の声を聞くことができた。その おかげ で、業務や技術といった点だけでな く、地域型博物館が担っている役割等を自分 なりに考えることができた。また今回の実習 では、他大学の学生の実習の様子や授業につ いて、意見を交換することができた。最後に お世話になった方々に、貴重な体験をさせて いただいたことを感謝し、お礼申し 上げ た い。 文学部第4学年(日本仏教史学分野) 清水 恵 * * * 8月8日から11日までの4日間、京都国立 博物館で実習をさせていただいた。実習は、 展示替の見学に始まり、桐箱の取扱、写真撮 影、巻子・掛け軸の取扱、拓本など多岐に亘 るもので、その中で実に多くの事を学ぶこと が出来た。実際に学芸員の方からご指導いた だく中で強く感じたことは、実習と実務の違 いである。例えば拓本実習では、通常の方法 とは別に、より早く拓本を採ることの出来る 方法もお聞きした。実際に調査に行って短時 間で何枚もの拓本を採らなければならない場 合におこなうこともあるそうだ。今までは事 前に知識を多く持つことが最も重要だと思っ ていたが、今回の実習を通し、経験も同じよ うに重要であり、経験を通して知識を得るこ ともあるのだと感じた。最後に、実習期間中 博 物 館 学 課 程
お世話になった尾野先生に心から感謝し た い。 文学部第4学年(国史学分野) 玉川由佳 * * * 私は彦根城博物館にて6日間、実習させて いただいた。実習内容は「はくぶつかんへ行 こう・スペシャル」紋切り・茶の湯体験のサ ブリーダー、及び、そのための立案・資料づ くりといった準備作業である。この実習から は、茶の湯体験を通して、子供たちに何を伝 えたいのかを明確にし、必ず何か一つを伝え るということが大切であることを学んだ。そ して「伝える」ということの難しさを実感し た。また、文化財の収集・保存・展示・調査 など の業務に加えて、博物館へ来てもら う 「きっかけ」づくりや文化財を次の世代に伝 えていくことも、学芸員にとって重要な役割 の一つであることを学んだ。子供との交流を 通して、違う視点にたって物事を考えていく と、新たに見えてくるものがあるということ に気づかされた。それと同時に、先入観にと らわれてはならないということについて考え させられた。ほんの一部とはいえ、学芸員の 仕事に携わることができ、大変有意義な実習 であった。 文学部第4学年(日本仏教史学分野) 林 智春 * * * 私は大津市歴史博物館で8月23日から27日 の5日間の日程で実習をおこなった。掛け 軸・屏風・巻子の取り扱いでは、屏風を広げ るときは摩れない様に少しだけ浮かすこと 等、作業の随所に留意点があった。特に掛け 軸や巻子を平行に巻く作業が難し く、この様 な作業は積み重ねによりなれていかなければ ならないことを感じた。また館外で坂本の寺 院での現地実習もあった。その際、版木の取 り扱いでも様々な注意点があったが、学芸員 が実際に現地で文化財の調査をおこなう時と 同じ様な環境でおこなった事も重要だったと 思う。各種文化財や展示保存に関する講義の 他、収蔵庫等の見学では資料に対する様々な 配慮がみられた。一方で運営面で博物館が厳 しい現状におかれている事も知り、やはり経 営面で積極的な働きかけをしなければ維持で きない事も感じた。今回の実習では様々な知 識を得た他、学芸員には多くの要素も必要で ある事も学んだ。学芸員を目指す上で今後に 活かしていきたい。 文学部第4学年(東洋史学分野) 町田一樹 * * * 大阪歴史博物館で8月22日、24日から26日 の4日間実習に参加した。内容は博物館の普 及事業、広報の役割、展示などについて教え て頂いた。大阪歴史博物館は3年前に新し く オープンし、今もなお試行錯誤しながら「市 民参加」の展示を目指し ているということ だ。実習は講義を中心におこなわれ、一つの 館の現状から広報の実態、今後の目標などを 教えて頂き、深く考えることができた。博物 館において一番大変なのは「利用者と学芸員 の意識の差」であった。利用者が望むことを 博物館は完全に実現はできず、館の目的が必 ずしも利用者に伝わるとも限らない。そうし た中で、「できることから」「小さなことか ら」、利用者に歩み寄る館の姿勢は印象的で あった。こうした取り組みは、今後の博物館 において、大変重要なことであると感じた。 今日、博物館は、利用者の減少をはじめ様々 な問題をかかえており、厳しい現状に置かれ ているが、まだ展示のあり方・工夫などを通 じて、変わっていける可能性は充分にあると 思う。 文学部第4学年(日本仏教史学分野) 森さや香 * * * 私は8月23日から26日までの4日間、霊山 歴史館で実習をさせていただいた。実習内容 博 物 館 学 課 程
は、講義、ビデオ鑑賞、掛け軸・刀剣の取り 扱い実習であった。霊山歴史館の広報につい ての講義では、現代人の博物館離れを防ぐた めに、デジタル メディアの使用による宣伝や 子供向けの歴史体験教室など、様々な工夫を しておられることを知った。掛け軸・刀剣の 取り扱い実習では、刀剣の手入れなど、博物 館実習Ⅰでは行うことができなかった実習を させていただき、非常に貴重な体験となっ た。私は、今回の実習で、歴史や文化財を後 世にしっかり伝えていくことが学芸員の責務 であるということを学ぶことができた。最後 に、お世話になった霊山歴史館の方々に心か ら御礼申し上げたい。 文学部第4学年(国史学分野) 山内悟司 * * * 私は8月30日から9月3日までの5日間、 滋賀県立琵琶湖文化館で学外実習を受けさせ て頂いた。レプリカではなく、本物の重要文 化財に触れ、実際にその調書を作成したこと や、大谷大学にはあまり所蔵されていない絵 画・工芸資料を間近で目にし、その取り扱い を学べたことは、本当に勉強になった。ま た、9月1日・2日の両日に行われた園城寺 勧学院聖教調査では、典籍の撮影の基礎を学 びながら、作業に従事した。その後、国宝の 金堂の屋根に登らせて頂けたことは、私の一 生の思い出になるであろう。学芸員の方、園 城寺の責任者の方、そして宮大工の方々の貴 重な講義や体験談を通して、私は改めて「文 化財に接する者の心構え」を確認し、人間と しても一回り大きく成長することができた。 実習の成果を今後に多く、生かしてゆきたい。 文学部第4学年(国史学分野) 祐川恵理 * * * 平成17年7月25日から28日の4日間、学外 実習へ行くことができた。場所は大阪のラン ドマークとなっている大阪城天守閣。私は、 その中で働く学芸員の数に衝撃を受けた。な んと4人なのだ。関西のテレビ番組を見てい れば月に一度はその姿を目にするであろう大 阪城天守閣。また、国内・海外から、観光で 訪れる来館者の数が非常に多いこの施設にお いて、展示・構成・解説を考え、出版物の作 成をおこない、寄せられる疑問や質問に対 応・回答するなど、館の仕事の中心となる学 芸員が4人なのである。しかも、その4人の 学芸員で約2ヶ月毎に展示替えをおこない、 講座などの学習会を開いたり、大阪城を中心 とする催しには、ブースを出して参加するな どの活動もおこなっている。また文化財の管 理や資料の管理もしなくてはならない。今回 の学外実習を通して学芸員の仕事の社会的役 割、その重要性を実感することができた。 文学部第4学年(国文学分野) 浅井省二 * * * 私は8月23日から26日までの4日間、霊山 歴史館で実習させていただいた。実習内容 は、霊山歴史館に ついてのビ デ オ鑑賞や広 報・会計についての講義、梱包や文化財の取 り扱い実習であった。博物館の広報について の講義では、館の運営に関する仕組みを学ん だ。大学で受講した博物館経営・情報論を具 体的に体験することができ、さらに理解が深 まったと思う。また、博物館運営が厳しい状 況の中、博物館ボランティアが今後大きく期 待されていることを知った。博物館は知的財 産を後世に伝えてい くことが目的であり、 様々な可能性を考えていくことの必要性を学 んだ。資料の取り扱い実習では、文化財に対 する歴史の重さを感じ取り扱うことを考える 機会となった。私は、今回の実習で多くのこ とを深く学ぶことができた。この経験を今後 につなげていきたいと思う。 文学部第4学年(国際文化学分野) 津組彩加 * * * 博 物 館 学 課 程
私は京都国立博物館で実習させていただい た。実習内容は、幅広く色々な事を体験・実 習・見学・学習 させていただいた。その中 で、文化財の調査及び記録として資料保存に 大変有用な一眼レフカメラについての講義と 実習は大変勉強になった。学習後の本館写場 での撮影見学において、私自身も文化財を撮 る側の視点でもって観察することが出来たか らである。ひとつの資料に、写真を撮る側と 文化財をどう見せたいかという見せる側の両 面の視点を味わうことができたのは、本当に 貴重な体験であったと思う。また、実習中特 に感動したのは、博物館のバックヤードで、 実際に中心となって仕事をされる学芸員の 方々の熱意である。とくに指導担当の尾野先 生からは、学芸員のめざすべき研究意欲やあ るべき姿をご自身でもって示されているよう に感じた。最後に指導してくださった尾野先 生や館の方々に心から感謝し、御礼申し上げ たい。 文学部第4学年(国際文化学分野) 山下加那子 * * * 京都国立博物館での博物館実習で私は、学 芸員の仕事を尾野先生のもと、4日間学ばせ て頂いた。実習中、私は普段見ることのでき ない展示会場の裏側や、展示替えの様子、展 示品の貸し借りの様子等を見せてもらい、本 当に勉強になった。実習中に一番感じたこと は、文化財を第一に考えているということ だ。収蔵庫・展示室は勿論のこと、文化財が 移動する通路には全て気が配られており、万 一の事故もないように注意が払われていた。 文化財など、今に伝わるものを未来にそのま ま伝えることも、博物館の大事な仕事なのだ と実感させられた。また、尾野先生のお話し から、物事の原理を理解することの大切さも 学んだ。学芸員には、柔軟性も必要だそう で、臨機応変に対応することが求められるそ うだ。この4日間お世話になった尾野先生を はじめ、博物館の方々には本当に感謝してい る。この実習で学んだことを忘れずに、この 経験を今後に活かしていきたい。 科目等履修生 遠藤智子 * * * 8月23日から5日間、大津市歴史博物館に て実習をさせていただいた。館長の講義から 始まり、実践と講義を交えながらの実習を経 験することができた。実習内容は、大津市歴 史博物館ができるまでの過程を中心とした講 義をはじめ、掛け軸・屏風・巻物の取り扱い や、次回の企画展の設営などをおこなった。 また館外実習では寺院に行って、寺院に所蔵 される版木の拓本・調査をするなど、多種多 様な実習であった。大学で学んだ知識だけで は通用しない面も多々あり、知識・体力・柔 軟性が、学芸員に求められているのだと改め て知ることができた。この実習において最も 学んだことは、文化財に「愛情」を持つとい うことが学芸員にとって必要不可欠だという ことだ。学芸員としての意識の大切さを実感 でき、充実した5日間だった。この貴重な体 験をさせていただいた館の方々に心から感謝 している。 短期大学部第2学年(文化学科) 寺本真悠 博 物 館 学 課 程