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「環境制御」岡山大学環境管理センター報に寄せて

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Academic year: 2021

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巻頭言

「環境制御」岡山大学環境管理センター報に寄せて

岡山大学長小坂二度見

 疾病の発生には遺伝要因と環境要因が複雑に関連し合っている。医科学者は疾病の予防 と治療方法の開発に全力を尽くしており,この2つの要因のうち遺伝要因については近年 の遺伝子組替え技術の進歩等により既に一部の疾病について要因を排除することが可能と なっている。今後も遺伝子治療は進歩を続けるであろう。一方,環境要因については摂食, 飲酒,喫煙及びストレス等個人の生活習慣が大ぎく影響するため完全な排除は困難である。 これに加えてオ’ゾン層の破壊,酸性雨,有機ハロゲン化合物による水質汚染及び窒素酸化 物による大気汚染等の生活環境の悪化による環境要因の関与する疾病は個人の生活習慣を 改善しても防げるものではない。環境汚染を防ぐ人類の努力が唯一の道である。  健康を維持するための疾病の予防には努力が必要である。一方,健康を取り戻すための 治療には技術と資金が必要である。同様のことが環境問題にも当てはまる。近年,地球環 境問題を含め環境の破壊を食い止めようとする努力が世界的規模で繰り広げられようとし ている。また,人類の出現以来環境破壊は常に進行してきた。特に産業革命以後の環境破 壊はすさまじいものがある。環境破壊は人類の生存基盤の破壊であり,その回復には莫大 な:労力と資金が必要であることは明白である。労力と資金をつぎ込むことによって回復が 可能であるとすれば,我々はその努力を惜しむべきではない。しかし,地球環境問題の中 には解決が困難な問題も多く,それらの解決のために人類の英知が求められており,新し い学問体系の構築も必要であろう。  環境汚染防止に大学の果たす役割は大きい。社会の範たる大学が環境汚染の原因となる ことは絶対にあってはならない。このことを大学人全てが認識することが必要であろう。 幸いにして岡山大学には環境管理センターが設置されており,有害廃液の無害化処理と排 :水監視,並びに環境問題についての教育,広報活動が教職員に対して活発に行われている。 環境問題が重要課題となりつつある今日,環境管理センターを中心とした岡山大学の環境 管理体制のより一層の充実が期待される。さらに,環境管理センターの業務を通してそれ を研究課題とし,新しい学問体系ともいえる「環境科学」の中のユニークな一分野となる ような活動が重要となってこよう。

一1一

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