血液濾過器における血液・透析液流動状態
可視化実験の解析手法に関する研究
宮坂 武寛
*A Simple Visualization Method for Analyzing Blood and Flow Patterns in Hemofilters
Takehiro MIYASAKAAbstract:
To optimize both blood and dialysate flow in hemofilters, it is first necessary to grasp how these two liquids actually flow through a filter. A simple, easy-to-monitor, two-part visualization method was developed utilizing two water-soluble blue dyes with different molecular weights: 1) methylene blue dye with the lighter molecular weight representing the dialysate flow and 2) trypan blue dye with the heavier molecular weight representing the blood flow. The two dye solutions were run through the filters in their respective areas. When the methylene blue solution was passed into the dialysate side, the blue solution diffused so much that the solution became clear by the time it reached the outlet, making the flow at the outlet difficult to observe. However, the flow at the inlet to the dialysate side was constant and clearly visible throughout the experiment. In the case of the trypan blue solution on the blood side, the blue solution flow could easily be seen at both the inlet and outlet, but the flow through the filter was not visible because of the opaqueness of the white, hair-like fiber membranes of the filter. However, the blood flow within the filter could easily be observed afterwards, once the filter was cut in half and the cross section observed. The results of the cross section showed easily recognizable, non-uniform color distribution patterns that indicate that the blood flow was heterogeneous. This simple, two-step method of observing the dialysate flow and the cross section distribution patterns of hemofilters should help provide valuable insight in which to develop filters with even, more uniform flow.
KEY WORDS: hemofilter, blood flow, dialysate flow, flow pattern, visualization 要旨: 血液濾過器の血液や透析液の流れを最適化するためには、まず、血液や透析液が血液濾過器内をどのように流れ ているのかを把握する必要がある。そこで、簡便な可視化法として血液側、あるいは透析液側の流路に色素溶液を 流して可視化観察する方法を検討した。透析液側にメチレンブルー水溶液を流した場合、メチレンブルーが血液側 に拡散で抜けてしまい、透析液側の出口までその流れを観察することはできなかった。しかし、血液側入口付近で は透析液側の流れには偏りがあることが観察できた。また、血液側にトリパンブルー水溶液を流した場合、中空糸 膜(濾過膜)が白く直接観察することは不可能であった。しかし、トリパンブルー水溶液を血液側に流した後の血 液濾過器を切断し断面を観察したところ、血液濾過器内の位置によって色の分布があり、血液側流れに偏りがある ことを明らかにできた。色素を流すだけという簡単な手法であるが、透析液側の流れを直接観察でき、また、血液 側については切断面を観察することで流動状態を確認できるため、血液濾過器の血液側・透析液側の流動状態を改 善することに貢献できると考える。 キーワード:血液濾過器、血液、透析液、流動状態、可視化 *湘南工科大学 工学部 人間環境学科 教授
湘南工科大学紀要 第49 巻 第1号
1.はじめに
血液浄化療法とは、拡散、濾過、吸着といった物 理的・化学的な現象を利用して、血液を浄化する治 療法である1)。その対象となるのは、本来、体内の水 分と代謝産物を排泄する腎臓の機能が低下もしくは 全くなくなった場合(腎不全)、あるいはたんぱく質 の代謝や解毒作用のある肝臓が機能不全に陥った場 合(肝不全)、さらには薬物中毒などである。腎臓が 徐々に機能を失っていく慢性腎不全の場合には主に 拡散を利用した血液透析法が、腎臓が一時的に機能 を失った急性腎不全の場合には血液濾過法や血液濾 過透析法が、肝機能が低下した急性肝不全では血液 濾過法と吸着法が主に利用されている。その目的は、 代謝産物や毒物、炎症を引き起こす物質の除去に限 らず、血液の水分量を調節することにより循環動態 を安定させることも含まれる。 慢性腎不全患者の治療に用いられる血液透析法と、 急性腎不全患者の治療に用いられる血液濾過法の大 きな違いは血液と透析液の流量である。慢性腎不全 患者は安定した病態で、日常生活を送りながら週に3 回、2〜3 日分の体に蓄積した水分と老廃物を血液透 析により除去する。このとき血液流量は200 mℓ/min、 透析液流量は500 mℓ/min であり、2〜3 日分の尿を 4 時間前後で取り出す、比較的ハードな治療である。 一方、急性腎不全の場合には、集中治療室のような 緊急性も高く、患者の状態も悪い中で行われるため、 患者の循環動態に影響を及ぼしにくいように、血液 流量80〜100 mℓ/min、透析液流量は 500 mℓ/hr 程度 と透析液流量に関しては血液透析法の1/60 である。 このことから、急性期の治療法を持続緩除式血液濾 過透析法と呼ぶこともある2)。 血液濾過法で使用される血液濾過器は、中空糸型 の濾過膜を用いたものが主流である。中空糸の内径 は200〜260 µm であり、大人用の血液濾過器であれ ば全体の膜表面積が1.0 から 1.3 m2になるように長 さ15〜22 cm 程度の中空糸が 8,000〜10,000 本束ね られている。血液は中空糸内側(血液側)を流れ、 血圧と血液を流動するポンプの圧力により濾過が起 こり、濾液が外側に滲み出してくる。中空糸外側(透 析液側)に透析液を流すことにより、中空糸膜を介 して拡散により溶質を除去することも行われる。 血液は内径3 mm 程度の血液回路チューブから束 ねられた数千本の中空糸血液側に流れ込むことにな る。このチューブと中空糸をつなぐ部分をヘッダー 部と呼び、すべての中空糸に均等に血液が流れ込む ように設計されているが、実際には中空糸束の中心 部と辺縁部では血液の流れ込みは均等ではないこと が予想される。牛血液を血液濾過器の血液側に流し た場合、時間の経過とともに血液が凝固し中空糸は 閉塞してしまうが、その閉塞しやすさは中空糸の位 置によって異なり、その違いは中空糸ごとの血液線 速度の違いによると考えられる3)。また、透析液側の 流れは中空糸束を覆うジャケットと中空糸束との間 や中空糸同士の隙間を流れることになる。中空糸同 士の隙間やジャケットと中空糸との間隔は一定では なく、透析液や濾液の流れにも偏りのあることが予 想される。 血液側と透析液側の流れに関して、血液濾過器と 形状や操作法が類似した血液透析器に関しては多く の研究がある。例えば竹沢らは、透析液側に造影剤 を流し、X 線 CT により経時的に透析液側の流れを観 察し、中心部では透析液が流れにくい部分があるこ とを明らかにしている4)。しかし、前述の通り、血液 透析器と血液濾過器では血液流量と透析液流量は大 きく異なることから、血液透析器の研究結果がその まま血液濾過器に当てはまるとはいい難い。血液濾 過器に関しては、ヘッダー部の流れに着目して血液 濾過器への残血を改善しようとする研究も行われて はいる5)。また、血液濾過器血液側に造影剤を流入し てX 線撮影し、画像ピクセル強度から血流分布が不 均一であることを示した研究もある6)。しかし、血液 濾過器の血液側、透析液側の流れを検討した研究は 他にほとんど見受けられない。 そこで本研究では、血液濾過器における血液側、 透析液側の、色素を用いた簡便な可視化実験の解析 法について検討を行ったので報告する。2.実験方法
2.1 対象 血液濾過器として、ポリスルホン膜を中空糸とし たヘモフィールSHG-1.0(以下 SHG、東レ(株)、 東京)およびエクセルフローAEF-10(旭化成メディ カル(株)、東京)の2 種類を用いた。各血液濾過器 の仕様を表1 に示す。 2.2 実験装置・回路・操作条件 実験には、多用途血液浄化装置TR シリーズ (JUNKENN MEDICAL(株)、東京)を使用し、 専用の血液回路により溶液の循環を行った。実験装 置・回路図を図1 に示す。操作条件は、血液ポンプ 流量80 mℓ/min、透析液ポンプ流量 500 mℓ/hr、濾液 ポンプ流量800 mℓ/hr(実際の濾過流量 300 mℓ/hr) とした。表1 各血液濾過器の仕様 図1 実験装置図 2.3 透析液側流動状態の可視化実験 透析液側には、メチレンブルー(分子量374 Da) を0.05 mmol/ℓ になるように純水に溶解した水溶液 を用いた。また、血液側には純水を用いた。各ポン プを同時に運転開始し、血液濾過器内の透析液流動 状態を60 min 観察、動画撮影した。 2.4 血液側流動状態の可視化実験 血液側には、トリパンブルー(分子量960.8 Da) を25 mg/ℓ になるように純水に溶解した水溶液を用 いた。また透析液側には純水を用いた。各ポンプを 同時に運転開始し、血液濾過器内の透析液流動状態 を30 min 観察、動画撮影した。 2.5 血液側可視化実験後のフィルタ断面観察 AEF、SHG ともに、血液側にトリパンブルー水溶 液を流した実験後、血液側から純水を2 ℓ 流し、中空 糸内部を洗浄した。その後、血液濾過器の血液側入 口近傍、中央、血液側出口近傍の3 か所で血液濾過 器を切断し、断面を観察した。
3.実験結果
3.1 透析液側流動状態の可視化結果 まず、AEF の透析液側にメチレンブルー水溶液、 血液側に純水を流した場合の、透析液側流動状態の 経時変化を図2a〜c に示す。透析液側の流体は下部 の横向きの入口から流入し、上部の横向きの出口か ら流出する。はじめ透析液側には純水が充填されて いたが、運転開始5 分後にはメチレンブルー水溶液 が下から透析液側に入り、端の太い部分(バッフル 部)に充填された。運転開始25 分後には、メチレン ブルー水溶液は中空糸の間、あるいは中空糸とジャ ケットの隙間を上側の出口に向かって流動した。し かし運転開始45 分後になっても透析液側全体がメチ レンブルー水溶液で満たされることはなかった。メ チレンブルー水溶液の流れには偏りが見られ、透析 液側の流動状態は不均一であることが分かった。 図2a AEF における運転開始 5 分後の 透析液側流動状態 図2b AEF における運転開始 25 分後の 透析液側流動状態湘南工科大学紀要 第49 巻 第1号 図2c AEF における運転開始 45 分後の 透析液側流動状態 次に、SHG における、透析液側にメチレンブルー 水溶液、血液側に純水を流した場合の、透析液側流 動状態の経時変化を図3a〜c に示す。AEF の結果と 同様に、はじめ純水が充填されていた透析液側にメ チレンブルー水溶液が流れていく様子が観察された。 SHG では運転開始 5 分後にはすでにメチレンブルー 水溶液は中空糸の間や中空糸とジャケットの隙間を 上にある出口に向かって流れ始めていた。しかし、 運転開始25 分後と 45 分後ではその状態に大きな変 化は見られず、25 分後には流れは定常状態に達して いた。SHG の場合にもメチレンブルー水溶液の流れ に偏りが見られ、透析液は透析液側を不均一に流動 していることが分かった。 図3a SHG における運転開始 5 分後の 透析液側流動状態 図3b SHG における運転開始 25 分後の 透析液側流動状態 図3c SHG における運転開始 45 分後の 透析液側流動状態 3.2 血液側流動状態の可視化結果 透析液側流動状態の可視化実験では溶質であるメ チレンブルーが透析液側から血液側に拡散してしま い、透析液側全体の流動状態を観察できなかった。 このため、血液側流動状態の可視化実験ではメチレ ンブルーよりも分子量の大きなトリパンブルーを用 いることで拡散による溶質の移動が小さくなるよう に考慮した。 まず、AEF の血液側にトリパンブルー水溶液、透 析液側に純水を流した場合の、血液側流動状態の経 時変化を図4a〜c に示す。透析液側と異なり、血液 側では運転開始5 分後には、血液側入口から流入し たトリパンブルー水溶液は血液側出口から流出して きた。さらに透析液側の純水はほとんど青くならず、 メチレンブルーの拡散による移動は少なかった。経
時的な変化を観察したところ、実験開始5 分後、15 分後、30 分後で大きな違いは見られず、実験開始 5 分後には流動状態は定常状態になっていたと予想さ れる。また、中空糸は不透明なポリスルホン製であ るため、内部の流動状態の違いは観察できなかった。 次に、SHG における、血液側にトリパンブルー水 溶液、透析液側に純水を流した場合の、血液側流動 状態の経時変化を図5a〜c に示す。SHG においても AEF 同様に、運転開始 5 分後にはトリパンブルー水 溶液は血液側出口から流出しており、透析液側への 拡散移動はほとんど観察されなかった。この状況は 実験開始後30 分でも変化はなく、実験開始後 5 分で 既にトリパンブルー水溶液の流動現象は定常状態に 達していたと予想される。SHG においても中空糸内 部の様子は観察できなかった。 図4a AEF における運転開始 5 分後の 血液側流動状態 図4b AEF における運転開始 15 分後の 血液側流動状態 図4c AEF における運転開始 30 分後の 血液側流動状態 図5a SHG における運転開始 5 分後の 血液側流動状態 以上のことから、AEF、SHG どちらにおいても、 血液側にトリパンブルー水溶液を流すことによって、 血液側での中空糸毎の流動状態の違いを観察するこ とは不可能であることが分かった。 3.3 血液側可視化実験後のフィルタ断面観察 血液側にトリパンブルー水溶液を流した場合、ポ リスルホン製である中空糸壁が不透明であるため、 血液濾過器外側から血液側の流動状態を観察するこ とは不可能であった。このため、血液側にトリパン ブルー水溶液を流した後の血液濾過器を血液側入口 近傍、中央、血液側出口近傍の三か所で切断し、そ の断面を観察した。
湘南工科大学紀要 第49 巻 第1号 図5b SHG における運転開始 15 分後の 血液側流動状態 図5c SHG における運転開始 30 分後の 血液液側流動状態 AEF の断面を図 6a〜c に示す。血液側入口近傍で は中心部で比較的色が薄く、辺縁部で色が濃くなっ ていた。中央部の断面では、全体的に白く、トリパ ンブルーの吸着は少なかった。一部青く観察される 部分は中空糸同士の隙間である。また、血液側出口 近傍の断面では、入口同様、中心部の色が薄く、辺 縁部で色が濃く吸着量が大きいこと観察された。 次にSHG の断面を図 7a〜c に示す。AEF での結 果と同様、血液側入口近傍と出口近傍では中心部で は色が薄くトリパンブルーの吸着量が少なく、辺縁 部では色が濃くトリパンブルーの吸着量が多くなっ ていた。中央部断面では中心部でも青い部分がみら れたり、辺縁部でも色の薄い部分がみられたりとト リパンブルーの吸着部位にばらつきが見られた。 a b c 図6 AEF の断面(a: 血液側入口近傍、 b: 中央、c: 血液側出口近傍) a b c 図7 SHG の断面(a: 血液側入口近傍、 b: 中央、c: 血液側出口近傍)
4.考察
4.1 透析液側流動状態の可視化 AEF、SHG どちらの場合にもメチレンブルー水溶 液は、はじめにバッフル部に充填され、それから出 口方向へと向かって流動した。バッフル部は側面か ら入ってくる透析液側の流れを血液濾過器内へとで きるだけ均一に流入するように考えられて設けられ ている。どちらの血液濾過器でも、透析液側の入口 近傍の流動状態は可視化できたが、メチレンブルー が出口まで流れることはなく、全体の流動状態は可 視化できなかった。透析液側の流速は500 mℓ/hr つ まり8.33 mℓ/min であり、血液側の流速 80 mℓ/min に比較して1/10 ほどである。さらに、血液側の流れ と透析液側の流れは向流である。このため、メチレ ンブルー水溶液のメチレンブルーは、透析液側から 血液側の純水へと速やかに拡散して血液濾過器から 排出されてしまったために、透析液側全体の流れを 可視化できなかったと考える。臨床に近い条件と考 え、目的とする透析液側だけではなく血液側も純水 を流動させたが、溶質の拡散が生じないように、血 液側にロウを充填するといった工夫をする必要があ ることが分かった。 しかし、どちらの血液濾過器でも透析液側入口近 傍のメチレンブルー水溶液の流れには偏りが見られ、 透析液の流れが均一ではないことが分かった。これ は、束ねられた中空糸の間隔は一定ではなく、また 中空糸とジャケットとの間隔も一定ではないため、 間隔の広い部分は比較的流れやすく、流れに偏りが 生じたと考えられる。このように流れに偏りが生じ た場合、血液濾過器全体が十分に機能を発揮してい ないことが予想される。血液濾過器の形状は血液透 析器とほとんど同じであるが、血液浄化療法におけ る透析器や濾過器の研究は、患者数も使用本数も圧 倒的に多い血液透析器に関するものが主流であり、 血液透析療法の治療条件において効果的な形状にな っている。血液透析療法では透析液流量は一般的に 500 mℓ/min であり、緩除式血液濾過透析法の透析液 流量はその1/60 の 8.33 mℓ/min しかない。このため、 血液透析器としては最適な形状であっても、血液濾 過器としては最適な形状ではないことが予想される。 今後、血液濾過器に特化した形状を検討する必要が あると考えられる。 4.2 血液側流動状態の可視化 中空糸ごとに血液側の線速度は異なることが予想 される3)ため、血液側の流動状態を可視化したいと考 え、本実験を立案したが、AEF、SHG どちらの血液 濾過器の場合にも、血液側に流したトリパンブルー 水溶液の流れは可視化できなかった。SHG、AEF と もに中空糸膜の素材はポリスルホンで中空糸壁が白 く、膜厚はSHG で 40 µm、AEF で 45 µm とほとん ど同じであるが、中空糸内部を流れるトリパンブル ー水溶液を可視化するには厚かったためと考える。 4.3 血液側流動状態可視化実験後のフィルタ断面観 察 中空糸内部を流れるトリパンブルー水溶液の様子 を外部から観察できなかったことから、実験後の血 液濾過器を切断した結果が図6、7 である。SHG、 AEF ともに血液側入口近傍と出口近傍の断面で、ト リパンブルーによる染色は中心部では薄く辺縁部で は濃くなった。これは中心部では線速度が大きく流 れがスムーズであるために吸着量が少なく、逆に辺 縁部では中空糸にメチレンブルー水溶液が流れ込み にくく線速度が低かったことにより吸着量が増加し たと考えられる。また、中央部分の断面では、中心 部でも色の濃い部分があったり辺縁部でも色が薄い 部分が合ったりと、入口・出口での傾向とは異なっ た。これは、4.1 節でも示した通り透析液側の流れに 偏りがあることから、中空糸の位置により拡散や濾 過の起こりやすさが異なり、トリパンブルーの吸着 量に差ができたと考えられる。 以上のように血液側に関しては、直接的に流動状 態を可視化することは不可能であったが、断面観察 により可視化することが可能であった。5.結論
メチレンブルー水溶液で透析液側の流れを可視化 することは可能であるが、メチレンブルーが拡散に より血液側に移動してしまい、透析液側入口付近の み観察が可能であった。透析液側では中空糸間や中 空糸とジャケットの間で比較的隙間の広い部分で透 析液は流れやすいことが分かった。 血液側では、中空糸壁が厚く中空糸内部を流れる トリパンブルー水溶液を観察することは不可能であ った。しかし、血液濾過器を切断し、断面観察を行 うことにより、中空糸内部の流動状態を間接的に可 視化することが可能であり、中空糸の位置により線 速度に差があることが示唆された。 参考文献 1) 池田一美, 血液浄化法, 救急・集中治療, 20, 1·2 (2008), 91. 2) 山下芳久, 急性血液浄化療法の定義・原理・種類湘南工科大学紀要 第49 巻 第1号
と用語解説, 臨床透析, 26, 10 (2010), 1287. 3) 宮坂武寛, 上村沙矢香, 華岡里奈, 三井康平, 久
高勝也, 佐伯里詩, 井上晃司, 村上泰右, 日本急 性血液浄化学会雑誌, 5, 1 (2014), 66.
4) Shingo Takesawa, Makoto Terasawa, Masahiro Sakagami, Takuzou Kobayashi, Hideo Hidai, Kiyotaka Sakai, ASAIO J., 34, 3 (1988), 794. 5) 中島秀和, 松本宏, 小澤英俊, 菅谷博之, 松本忠 之, 牧尾健司, 三軒久義, 人工臓器, 28, 2 (1999), 200. 6) 嘉松翔, 山香修, 新山修平, 森田敏夫, 中村篤男, 鍋田雅和, 福田理史, 兵藤啓一郎, 木嶋涼二, 杉 原学, 高須修, 山下典雄, 坂本照夫, 日本急性血 液浄化学会雑誌, 4, 1 (2013) , 43.