<論文>倉庫業に見る問題点
著者
松本 清
著者別名
Matsumoto Kiyoshi
雑誌名
経営論集
巻
19
ページ
1-24
発行年
1982-03-31
URL
http://id.nii.ac.jp/1060/00005815/
Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja倉 庫 業 に 見 る 問 題 点
松 本 清 1 2 目 次 商法の欠陥 営業の欠陥 1 1. 商 法の欠 陥 日本 におけ る倉 庫営業 (Public warehousing) の歴 史 は 相当 に旧 く, 明治4 年(1871年) の蔵 屋 敷制 の廃 止 と明治9 年(1876年) の租 税金納 制 の移 行 と に 因 り,財 貨が 自由 市場 へ流 出 す るに至 っ てそ の貯 蔵 場所 と適当 な金融 機関 の出現が 要望 さ れ る ように な った の と, 明治10 年 (1877年) 西 南之役 で新生 明治政府 の基盤 確立 かお り,各地 に物 品 の保 管兼 融資 また ぱ取引 の補助 機関 として倉 庫業 が 発生 す るに至 った の で1) 倉 庫業 の歴 史は100 年 を越え たわ け であ るが, 法的 に そ の姿 が 明確 にな るた め には新 商 法 の制定 を 待だ なけ れ ば ならな か った(明治32年, 1899 ・ 3 ・ 9)o新 商法 の立 法理 由書 は,つ ぎ のと お りに述 べてい る≒ 「既成商法其他多数 ノ商法々典 二於 テハ相当スル規定 ヲ欠鋏 スト雖モ之 ヲ 設 クル コ トハ実 際 上極 メテ必 要 ナ リ…… 我 国 二於 テ モ現今 ハ此 種。ノ営業未 夕多 力 ラス ト雖 モ漸 次 発達増 加 スル ノ傾向 アル ヲ以 テ本 案 ハ新 二本節 ヲ設 ケタ リ」 上記 の「 本節」 とは現行 の商行為 法 で の第2 節「倉 庫 営業 」 の こと であ る。 こ の立法 理 由書 で「我 国 二於 テモ 現今 ハ此 種 ノ営業 未 夕多 力ラス ト雖 そ漸次 発 達増加 ス ル ノ頬 向 アル ヲ以 テ」 とし てい る点 か ら推 察 で き る よ うに ,日 清 戦 役に勝 利 してそ の賠 償 金に より政 府 は多 年 の懸 案 であ った金本 位 制を実 現 す るまで にな った ことか ら( 明治30年,1897 ・ 10 ・ 1), 日本 の経 済力 が著し く 伸展 し てい たの であ る。2 ところ が,新 商 法 は 明治32 年 ごろ の倉 庫業 を規定 対象 にし た ま まで今 日に 及 んでい るので ,甚 だし く時 代遅 れ の内容を 有し ,業 界に多 くの不 利 不便を 崔し てい るに も拘 わ らず ,業 界か ら は改 善0 声 が少し も挙 が っ てい ない 。 第597 条 倉 庫業 者を定 義 す るに当 り「 物品 ヲ倉 庫こ 保管 スル ヲ業 トスノレ 者」 とし てい る。 一 見 異 とす る点 が ない か の よ 似こ看過 さ れて 来 てい るが , ト倉 庫 ニ」 の文 字 を必 要 とす るか否 かが問 題 にな るはず であ る こと は,次 記 のドイ ツ商 法( 第416条)とか , 中 華民 国民 法(第613条)を見 れば 判 明 す る。
ドイ ツ商 法 第416 条 Lagerhalter (倉庫営業者)ist, wer gewerbsmassig die Lagrung (貯蔵)und Aufbewahrung ( 保存)von Gutern iibernimmt.
中華 民 国民 法 第613 条 栴倉 庫営 業人 者, 謂 以受 報 酬而 為 他 人推 蔵 及保管 物 品 為営業 之 人。
上記 の2 規定 に は 日本 商法 の「 倉 庫 ニ」に 相当す る用 語 が見 当 らない。 倉回 庫 とあ れ ば, r倉 」 が穀 倉, r庫」 が武 器 庫であ るわけ であ る か ら,当 然に 建屋を 意味し な け れば な らず , 空地 で保管 す る「 野積保管 (Open yard stor-age
)」 乱 原 木 の如 く に水面 保管 」を す る営業 も商 法を 文 言解 釈 す れば ,そ の何 れ も倉 庫業 に は 入 らない ことに な る。 明治30 年 頃に は 野積 保管 も水面 保: 管 も立 法者 とし て は見 聞 す ると ころで は なか った のであ ろ う。 今 日 では石 油 の船 舶保管 さ え も行 な われ てい る のであ るか ら,「倉 庫 ニ」 の文 字 は不 要 と な る。 倉 庫 の語 の大 和 言葉 「 くら」 の語 源は 「 オ ク(置く)」 と「 ラベ 特定のヽ 場所」」の合成 語 の「 オ クラ」 に在 るか ら剔 建屋 の意 識 は殆 どない とい え る。 故 に商 法第597 条 は 「倉 庫営 業 者ト ハ他人 ノ為 二物品 ヲ 保管 スル ヲ業 ト スル 者ヲ謂 フ」 とす べ き であ っ たの であ る。 上 述す る と ころ は,重 箱 の隅 を突 くか0 よ うに 見 え る のであ るが, この点 へ の注 意が足 りない た めに 運送 途上 に在 る貨 物を仮 置 き す る場 所 と定 めていヽ る「 上 屋(Transit shed)」 との 混乱 が生 じてい る。 倉 庫 とは 保管 のた めの ク ラであ り,上屋 とは 仮置 きのた め の クラであ る とす るのを 業 界 の通 念 とし て い るので ,何 らか の トラブ ル が生 じた場 合の法的取 扱い は両 者 ともに 商 法上。 け 倉 庫業 とし て処 理 され る ことに 全 く気 付 くところが ない 。 モ のた めに倉 庫 業 の規 制は産 業 法 とし て は倉 庫業 法 の,上 屋業 の規 制 は港 湾 運 送業 法 の所 属 で あ る どし てい る。強 い て この分 割を 出現 す るに至 った の が所管 官 庁 の恣意 に因 った とい う歴 史 的事 実 であ る ことさえ も忘 れ去 っ てい る。 上 屋 が運送途
上 の貨物を仮置きするための施設であ ると言って屯 る」施設であ る事実は少し も変わるところがない。 倉庫業 に 見 る問題 点 3 「 他 人 の た め に 保 管 を す 第598 条 法定 倉 庫証 券 とし ての「 預証 券及 ヒ質 入証 券」 の発券 を倉 庫業 者 に義 務付け てい るが, のち に第627 条 で 「倉 荷証券 」 を 追 加し たた め に く明治44年,1911年), フ ラ ンス商 法に散 った預証 券 お よび質 入証 券 (Recepisseet warrant ) の2 種1 組 の複券 制 と, ド イ ツ商 法に 倣 った倉 荷 証券 (Lager-schein ) の 一 種の みと す る単 券 制と の2 制度が 法的 に は併存 す る建 前に な っ てし まったが ,現実 に は倉 荷 証券 が 制定 され るや 否や 複券 制の方 は 自滅 す る に至 ったに も拘 わらず , 立法 者は こ の点 に何 らの手 も加 え ない でい る。 単 複 併 用を し てい る のは世 界 で 日本 だけ であ る。 立 法 者が 手を 加 えな か った の は 複券 制を支 持 す る有力 な論 者が一 部 にあ った と言 わ れ てい る。 複券 制の内容 を も っと も明 ら かにし てい るの は, つ ぎの 商 法規 定(商法第'603 条第2 項)であ る。 預証 券所 持人 力未 夕質 入 ヲ為 ササ ル間 ハ預 証券 及 ヒ質 入証 券 ハ各別 二之 ヲ 譲 渡 スル コ トヲ得 ス 複券 制の倉 庫証 券 はそ の交 付 に当 って ぱ,預 証券 と質 入証 券 とが 縦 また ば こ横に連続し た 様式 で作成 さ れ る のであ る。し か も質入 に よる流 通が あ るべ き もの との建前 に な ってい るの で,上 記 のとお りに質 入 が行 なわ れな い間 はそ の連 続し た様式 を 破 る こと が でき ない ことに な ってい る のであ るん だか ら両 証 券 は, つ ぎ の過程 に より分 離し て 流通 (Circulationであって, Distribution ではない)す る。 寄 託 者は,預 証券 と質 入証券 とを 前記 のとお りに2 枚 連続 の ま まで倉 庫業 者 か ら交付 を受 げ る ので ,両 者を切 り離 す ことな く金融 業 者(以下便宜上「銀 行」と記す。)に持 参し , 譲渡 裏 書 きを 行 なっ て質権を 両 証 券 の上 に設 定し て 担 保に 供す る。 最 初 の融資 者 であ る銀 行, 即 ち第1 質 権 者 は,両証 券 の券 面に 債権 額 ・利 息 ・弁 済期を 記入し , かつ 預証 券 に 裏 書署 名をし て両 証 券を 切 離し ,第1 質 権 設定 者とな っ た原 始 寄 託 者に預 証券 を 返還 し て質入 証 券 は手 心とに留 め る (商法第606条)。 上記に より貸 付げ を 行 な った第1 質権 者 (銀行) は ,資 金補充 の必 要 が生 じ た ときに ,質 入証 券 に 譲渡 裏 書を し て他 の銀行 か ら融 資を受 け るので,融
4 資 をした「他の銀行」はその質入複券に関し ては第2 質権 者となる。今日0 状態と異な り,当時 の銀行はいわゆる富豪 と栴された者が経営す るものが多 く,また今 日と異なり日本銀行から貸出しを受け ることが容易ではなかった ので,手許資 本に よる貸付業務が一般的であ った関係で,質入証 券が銀行間 で流通した のであ る。 スイスのチ ューリヒ市 の銀行街に多 く見 る私人的銀行 の資金運用状況は戦前の日本と よく似ているが,この点 は合同に合同を重ね て今日に至った日本の市銀・地銀の姿を見慣れてい る者には理解が困難とい え よう。 預証券を分割で得た原始寄託者即ち第1 質権設定 者は,すでに譲渡裏書を してあるそ の証券に より寄 託物を,営業倉庫に在庫 のままで販売するのであ るが,代金 の授受は物品代価から売手つ まり第1 質権設定 者が第1 質 権 者 (銀行)か ら受け た融資額を差引 く, つ まり肩替 りをして,不足分を現金, 手形などで支払 うとい う形式を採 るから,その寄託物 の売買代価が100 万円 であり, 銀行貸付高が80万円であったとすれば, 買手は20 万円の資金で100 万円 の品物を 入手することにな り, 取引きそのものは20万円の資金で100万 円の取引 きが行なわれたことになる。この仕組みが立法 者を 誘い,フランス 法を採用す るに至 ったわけであ る。複券 制を支持する一 部の人人が現存する 理由 もまたここに在るが,楯の一面 のみを見 てい るに過ぎないことを,つぎ に示 すことにす る。 第1 ベルギー・イタリアの複券制に他山の石を見出すことがで き るへ 両国 ともに倉 庫業は比較的に盛んであるけれど 乱 倉庫証券 は重要性を有し てしヽない。 第2 連帯債務の拘束かお る。債権者は債務弁済期が来 れば,手形法規定 の準用に より関連裏書人に対し 遡及権を行使できるから (商法第613 条,手形 法第45条)レ 預証券に裏書きをすれば連帯債務を負担することに な る の で, この証券に よる売買 で一定 の利益を収めた として 乱 その利益は確定利益と はならないか ら,商取引 としては不適当 となる。 第3 債権 者が浮動的である。債権者七あ る銀行が手許資金補充 のために 質入証券を裏書譲渡をすれば,質権の譲渡 となるから,質権設定 者が知らな い聞に第2 質権 者,第3 質権者な どが出現し,何人が自分 め真 の債権者であ るかを知 ることができない。不特定の債権 者が存在するとい うこと自体が不
倉庫業に見る問題点 5 可 解な事 柄 であ る とし なけ れば な らないし ,真 の債権 者を 探索 し てい る裡に , 寄 託物 が債務弁 済 期 の到 来 を理 由 とし て流質 され る危険 さえ もあ り, 商取引 を非常 に不安 定 に す る。 第4 債 務 者が浮 動 的 であ る。 預 証券 が流 通す る こ とは, 債 権 者 の立 場 か ら見 れば, 自己 の知 ら ない間 に第2, 第3 とい った具 合に 質 権設 定 者が 出現 し 七い るこ とに な り,相 手 とす べ き真 の債務 者を 簡単 に は知 りえ られ ない。 質 権設定 者は債 務 者 の変 更を質 権 者に通知 す る義 務を 課 す る とし て 乱 前述 のとお りに 質権 者 自体が 浮 動的 であ り うる のであ るか ら, 不 当 な 義務 とな る。 第5 増 担 保 の徴 求が 困難Tであ る。 寄 託物 の市 価が 著し く低 下し た場合 に は,債権 者は担 保 の安 定 を図 る ため に増担 保を 徴求 す る のが 常道 で あ るが, 前述 のとお りに 債 務 者が浮 動 的 であ る ので,徴 求 の真 の相 手 方 を定 め る こと が,連 帯債 務 制 の保 護か お るとし て 乱 実 務 上 は困難 であ る。 第6 倉 庫業 者の一 方 的 不利益 かお り, 公平 の理 が 否定 され てい る。 質 権 設定 者であ る預 証 券所 持人 は債 務を 弁 済す るので なけ れば 寄 託 物 を入 手す る ことが でき ない が , 商法 で は債 務弁 済に当 り倉 庫業 者を相 手 とす る ことに な ってい る (商法第608, 621条)。 こ の よ うに倉 庫業 者を 債 務弁 済 の窓 口 とし た ことは, 債務 者 と債 権 者 と の不確 定 の不 便を 解消 す る ため であ るが, この こ とは倉 庫業 者に 不 当 の負 担を 課 す こ とでし か ない。 倉 庫業 者 は回収 し た預証 券 と正規 のセ ットを なし てい る質 入 証券 を入 手 す るた め と,受 託 中 の金銭を 返還す るた め とに煩 頂 な事 務を 行 なわ なけれ ばな らない が, 質 入証 券 は流 通 有 価証券 であ るか らそ の所 在捜索 は, 極端 な場合 に は全 国 に銀 行を 捜索 す る とい うこ とに な る。 また債 務額 につ い ては一 円 も過不足 のな い 利息 計算 をす る とい う仕 事 を負 担 し なけ ればな らない。 この点だけ か ら見 て 乱 法 は銀 行 の債権保 護 のた め に の み全 力 を 挙げ てい る ことに なる。 第7 債権 者は資 金 運営 の上 で危 険を負 担 す る。 前 記 の増 担 保徴 求上 の危 険 に加え て,倉 庫業 者の破 産 の危 険 を負 担し なけ れば な らない 。 以 上に示 し た 諸欠 陥を 日本弁 護 士 会は, つ ぎの とお りに 鋭 く批 判し た意 見 を 発表 し た。 「……全 ク今 日 二於 テ ハ学 者 ノ空 論 二過 ギズ,蓋 シ 二 枚証 券 制度 が発生 シ タル仏 国 で注,France ) ニ於 テ ハ, 特 二質 入証 券 ノ流 通 転帳 ヲ計 り特別 ノ 規定 ヲ以 テ,中 央銀 行 ヲシテ質 入証 券 ニョル貸 出 ノ場 合 ニハ特 ニ ソノ日歩
6 レ △ヲ軽減 セシ ムルガ如牛人為規的定ヲ設 ケタルヲ以 テ多 少二枚証 券ノ分離 セ 十ラレタノレ活動 ノ状況 アリ得ベケソモ,吾国 二於 テ此 ノ如 者特 別規定ナキヲ 以 テ質入証券 ノ流通転損ハ全 ク空論卜曰ハザルベカラズ。従 ツテ一枚証 券 制度 ヲ採用 スルヲ相当 卜信ズ。」5) 単券 制では倉荷 証券を銀行に差し入れてし まうと,手 もとに何 も残 らない か ら,商取引を妨げ るとの一応 の批判が成 立す るけ れど 乱 この欠陥は商法 第628 条の新設 で完全に救済されてい る。同条で「内出契約」とい う進歩的 な方法が規定されてい るのであ るが,複券 制を是 としている一部の論 者は同 条に論及す るところがない。 い ま複券制関係規定が廃棄されたとすれば,多 くの規定が,つぎのと沁り に無用 となる。 第606条 質入証券の第1 裏書 の要件 第607条 預証券への債務関係記事 第608 条 倉庫営業 者の債務の受領代理 第609 条 手形法第44条に定める拒絶証 書の作成 第610条 質入証券所持大へめ競売権付与 第611条第1 項 質入証 券所持人へ の競売代金の帰属 十 第612条 競売代金不足 の場合 の処置 第613 条 証券裏書人に対する遡及権 第614条 前条の遡及権の喪失理由 第615 条 質入証券所持人の権利 の短 期時効 第621条 第608条関連事項 \ ニ第623条 質入証券所持人の供託金に対す る=権利 \ 第624条 質入証券所持人への競売代金の帰属T 以上の13ヵ条 めほか質入証券または同証券所持人 の文字は削除されること になる。 ダ 第602条 倉庫業者に とっての癌(Cancer ) の一つ となってい るの は, 商 法第602条であ る。 本条は倉荷証券 の文言性を明規するものとし て有名であ るが,その裏面を見 ると極めて公平を失する規定 となってい る。本条に よれ ば ,証 券め発行に より寄託 者の負 うべき経済的・道義的責任の一切を無条件 七倉庫業 者が肩替りしなけ ればならない 娃前になってい る。今冊なおその悪
倉 庫業 に 見 る問題点 7 弊 を 残 し て い る 「 新 潟 倉 庫 事 件 」 の 判 決 ( 昭 和11 ・2 ・12, 大 審 院 り 昭 和10 年(t) 第2194 号 ) を 見 る と , 問 答 無 用 と ば か り の 判 決 振 り で あ り, つ証 券 の 文 言 性 さ え も 否 定 し て し ま っ て い る 。 同 判 決 の 盲 点 は , 商 法 第602 条 ( 判 決 当 時 の 商 法 第362 条 ) 「 … … 其 証 券 ノ 定 ム ル 所 二 依 ル 。」 を 絶 対 視 し な が ら , 逆 に 無 視 し て も い る こ と に は 気 付 い て い な い の で あ る 。 証 券 に は 証 券 約 定 が 印 刷 し て あ る の で あ る か ら , こ の 約 定 も 「 其 証 券 ノ 定 ム ル 所 。」 の 一 部 分 を 構 成 し て い る は ず で あ る の に , 証 券 の 法 定 記 載 事 項 だ け が 「 其 証 券 ノ 定 ム ル 所 」 で あ る と 断 じ , 他 の 記 載 は 一 切 が 無 効 で あ る と し て い る 。 ま た 同 判 決 の 第2 の 盲 点 は 寄 託 者 の 詐 偽 行 為 に 全 く 触 れ て い た ト こ と で あ っ て, ぐ が で き る こ と に な っ た の で あ る 。 昭 和44 年 の 札 幌 拓 殖 倉 庫 事 件 の 寄 託 者 も 詐 偽 を 行 な っ て の 事 件 で あ っ た 。 裁 判 者 側0 盲 断 は 昭 和32 年 制 定 の 「 国 際 海 上 物 品 運 送 法 」 の , つ ぎ に 掲 げ る 第9 条 に よ っ て も 明 ら か で あ る 。 「 船 荷 証 券 に 事 実 と 異 る 記 載 が さ れ た 場 合 に は , 運 送 人 は , そ の 記 載 に っ き 注 意 が 尽 さ れ た こ と を 証 明 し な け れ ば , そ の 記 載 が 事 実 と 異 る こ と を も っ て 善 意 の 船 荷 証 券 所 持 人 に 対 抗 す る こ と が で き な い 。」 同 法 は 「1924 年8 月25 日 に ブ ラ ッ セ ル で 署 名 さ れ た 船 荷 証 券 に 関 す る あ る 規 則 の 統 一 の た め0 国 際 条 約 」 を 国 内 法 化 し た も の で あ る だ 汁 に , そ の 内 容 は 極 め て 実 務 的 で あ る ○ 文 言 性 証 券 を 発 行 す る 限 り , 荷 口0 個 数 , 荷 姿 , 品 種 ・ 品 質 を 発 行 の 都 度 に 確 認 す べ き で あ る と す る の は , 常 識 と し て 一 応 是 認 で き る が , 明 治 中 期 の 状 況 と 異 り , 荷 口 の 大 き さ の 発 展 と 商 取 引 量 の 増 大 が あ る 今 日 と し て は 「 内 容 不 検 査 」 と な る の が 常 識 と な っ て い る 。 法 は 寄 託 者 に 対 し 真 実 を 申 告 す べ き 義 務 を 課 し て い な い の で あ る か ら , 寄 託 申 込 書 ど お り に 証 券 記 載 が 行 な わ れ る こ と を 以 て 倉 庫 業 者 の 責 任 限 度 と す る の が 正 し い と し な げ れ ば な ら な1 陥 ・ 商 法 で は 寄 託 者 に 対 し 寄 託 物 点 検 の 権 利 を 与 え て い る の で あ る か ら ( 商 法 第616 条 第1 項 ), 貸 出 を す る 銀 行 に 限 っ て そ の 権 利0 行 使 を 不 要 ’と す る が ご と き は , 不 公 平 こ の 上 も な い こ と で あ る 。 第605 条 商 法 第605 条 に 依 れ ば , 証 券 が 滅 失 し た 場 合 に は , そ の 所 持 人 は
8 相 当 の担 保を 提供 す るこ とに より,そ の証 券の再 交 付を請 求 す るこ とがで き る こ とに な る。 実 地 では相 当 の担 保 と引 換 えに再 発行を す る ことは な く, 株 券 喪 失 の場 合 と同 じ く除 権 判 決を 前 提 とし てい る。 株券 につい ては 「株券 ヲ 喪 失 シ タル 者ハ除 権判 決 ヲ得 ル ニ非 ザ レバ其 ノ再 発行 ヲ請 求 ス ル コ ト ヲ 得 ズ 」 と明記し てい る のであ るか ら)( 商法第230条第2 項), この規 定を設 け るに 当 って は商 法第605 条を 同時 に改 め てい なげ れば な らなか っ た のであ る。 打 保の最 も簡 易 なも のは定 期預 金証 書 であ る。 仮 にこ れを 用 い た とすれば , 旧 証 券所 持人 が新 証 券を 流通 の用 に 供 し た場 合に は,そ の証 券 が悉 皆出 庫, 業 界でい う「出 切 り」 とな る まで は担 保 は倉 庫業 者の保 持す ると ころ とな る の で ,担 保取戻 し の時 期 は不定 と なる。 また定 期預 金証 書を 銀 行に 持ち込 め ば融 資 の便 を得 ら れる のに対 し ,倉 庫業 者に 提供 すれば 融資 の利を受 け る こ とがで きない こ とを 思 えば ,商 法 第605 条 は全 くの素人 的 考 え方 でし かない。 多 くの 銀行 の担 保に つい て の。現 行規 定 に は商 法第605 条 がそ のま ま利 用さ れ てい る事実 につ い て注意 を す る必要 か お る。 第521 条 本条 は商人間 の留 置権 を 規定 し てい るが,「 ……其 債 務 者ト ノ間 二於 ケル商 行為 二因 リテ 自己 ノ占 有 二帰 シ タ ル債 務 者所 有 ノ物又 ハ有 価証券 ヲ留 置 スル コト ヲ得… …」 とす る から ,問 題 は「 債 務者所 有 ノ物又 ハ有価証 券 」 とい う点 に生ず る。 欠 陥 の第1 は,真 の所 有 者の確 認 にあ る。 この確 認 は端 的 にい えば不 可能 に近 い。 あ る人 が腕時 計を 有 し てい る ときに ,時 計店 の 領収 書を 有し てい る だ け で はそ の所 有 権 の確認 に は な らない 。 そ の時 計店 が 移転 し, し か も移 転 先 が 不 明とあ れば ,そ の領 収 書 の真 偽 は決 定 で きない。 欠 陥 の第2 は , 明治 中期 と異 な り,真 の所 有 者 と寄託 者 との分 離 が進 んで 来 てい る ことであ る。 他人 の財 貨を 自己 名 義 で寄 託 す る ことは, 問屋 が 寄託 をす る場 合, 運 送業 者が 貨物 引替 証付 き, また は船 荷証 券付 き貨物を 寄 託す る場 合 な どが著し い 例であ る。 こ れ ら の場 合に は,倉 庫業 者は 寄託 者を 債務 者 とす る のであ るか ら,債 務 者所 有 の物 で なけ れば ,留 置 で きない とあ れば , 留 置権 発動 か不 可 能にな り,発 動 のた め に は,寄 託 者が真 の所 有 者の委 任を 受 け て寄託す ると の仮 定を 設け なけ れば な らな くな り,受 寄 の 都度に そ の委 任 の存 在を証 明す る文 書を 徴求 す る ので なけ れ ば, 寄託契 約を成 立 させ るこ とが で きない。
倉庫 業に 見 る問題 点 9 第618 条 倉 庫 業 者 は 受 寄 物 出 庫 の 時 で な け れ ば , 保 管 料 お よ び 立 替 金 そ の 他 受 寄 物 に 関 す る 費 用 の 支 払 い を 請 求 す る こ と が で き な い 旨 を 規 定 し て い る か ら , い わ ゆ る 「 出 庫 計 算 」 の み を 認 め , 在 庫 中 の 計 算 , つ ま り 丁 残 高 計 算 」 を 法 的 に 否 定 し て い る 。 こ の 規 定 の 内 容 に は2 つ の 不 合 理 が あ る 。 そG 第1 は 寄 託 に つ い て 委 任 の 規 定 の 準 用 か お る こ と で ( 民 法 第665 条 ), 「 出 庫 の 時 」 と 限 定 す れ ば 寄 託 は 請 負 契 約 に 属 す る こ と に な る 。 そ の 第2 は 業 界 の 慣 行 で は 殆 ど の 場 合 に 残 高 計 算 を 採 用 し て い る 事 実 の 無 視 で あ る 。 実 地 で は 倉 庫 役 務 需 要 者 と 倉 庫 業 者 と の 取 引 関 係 は , 信 用 に 基 く 継 続 的 な 商 取 引 で あ る こ と に 注 目 し な げ れ ば な ら な い 。 ま た 出 庫 計 算 を 押 し 進 め る と , 立 替 金 の 場 合 , 荷 役 賃 の 場 合 に 倉 庫 業 者 は 運 転 資 金 に つ い て 不 当 な 立 場 に 立 だ さ れ る 。 つ ま り 出 庫 し た 部 分 に つ い て の み の 入 金 と な る か ら , 既 に 債 権 と し て 確 定 し た 立 替 金 と 入 庫 賃 そ の 他 の 荷 役 料 が 全 額 回 収 を 許 さ れ な い こ と に な る 。 明 治32 年 の 立 法 当 時 と 現 在 と で は , 既 述 し た よ う に 業 界 の 規 模 の 差 は 極 め て 異 っ て い る か ら で あ る 。 ご の 点 て 参 考 に な る の は , ド イ ツ 商 法 第420 条 第2 項 の っ ぎ の 規 定 で あ る6)。 「 前 項 二 依 リ テ 倉 庫 業 務 ノ 負 担 ス ル 金 額 ( 倉 庫 費 用Lagerkosten ) ノ 中 , 現 金 ヲ 以 テ 為 シ タ ル 立 替 金 ハ , 直 チ ュ 之 ヲ 償 還 ス ル コ ト ヲ 要 ス 。 其 ノ 他 ノ 倉 庫 費 用 ハ , 入 庫 ノ 時 ヨ リ 毎3 ヶ 月 ヲ 径 過 シ タ ル 後 , 又 ハ , 期 間 内 二 寄 託 物 ヲ 受 戻 ス ト キ ハ , 受 戻 ノ 際 二 之 ヲ 償 還 ス ル コ ト ヲ 要 ス 。 … … 」 立 替 金 の と き は 直 ち に 請 求 で き る と し た の は , 商 取 引 の 何 た る か を 充 分 に 知 う て の 規 定 で あ り , そ の 他 の 料 金 は 入 庫 の 時 点 か ら3 ヵ 月 と し て い る の も 倉 庫 業 界 の 実 情 を 尊 重 し て の 規 定 と し て 評 価 で き る 。 日 本 で も 平 均 在 庫 期 間 は 約2 ヵ 月 と な っ て い る 。 倉 庫 営 業 を 規 定 す る 商 法 第597 条 か ら 第628 条 ま で の32 ヵ 条 の 中 に は 「 混 合 保 管 (Commingling, Vermischung )」 に つ い て の 規 定 が 全 く 見 当 ら な い 。 こ の 欠 陥 を 補 う た め に 標 準 倉 庫 寄 託 約 款 ( 昭 和32 ・ 2・1 実 施 ) 第19 条 に つ ぎ の と お り の 規 定 を 設 け て い る 。 ■ ■ ■ 第1 項 当 会 社 は , 関 係 寄 託 者 の 承 諾 を 得 て , 一 つ の 倉 庫 又 は 同 一 の 保 管 場 所 若 く は 保 管 地 に お げ る 多 数 の 倉 庫 に お い て , 種 類 及 び 品 質 の 同 一 な 受 寄 物 を 混 合 保 管 す る こ と が で き る 。 第2 項 当 会 社 は ,1 人 の 寄 託 者 又 は 証 券 所 持 人 に 対 し , 他 の 寄 託 者 又 は
10 ‥‥‥‥ ‥ 証 券所持人 の同意なくして,混合保管した受寄物の中 から当該 寄託者又 は 証 券所持人の寄 託に係 るものと同一 数量のものを返還す ることができる。 第3 項 前項の規定は,寄託者又は証券所持人の1 人が自己 の寄託に係る 数量 の受 寄物を特定保管に転換す るときに準用する。 以上の3 項で一応 は形式ができ上っているように見え ,また業 者 亀これで 商 法規定の不備を補 ってい ると信じてい るようであ るが,倉庫寄託約款が自 己 の営業方針の宣言であることからすれば,混合保管 より生ず る事故に対処 す るための規定を設けていないことは不思議とすべきであ って,これは頭の 中 では混合保管 とい う言葉は理解しつつ,混合保管 とは事実上でい か ような ものであるかを全く気付い ていない証拠とな る。 混合保管に関する規定を法的に有しない欠陥について業界はあ まり気付い ていないが,厳密に考えると,法的には「共有」に関す る規定に より処置し なけ ればならない のであ る (民法第249−264条)。 民法の規定 で最 も不便を招 来するのは,共有物 の変更に当ってば, 他の共有者の同意を必要 とすること であ り(民法第251条), 共有者の1 人がそ の持分を揃棄した と き, または相 続人がなくて死亡し たときは,ダそ の持分が他の共有者に帰属してし まうこと である(民法第255条)。 実地では,混合保管であ ることを全 く知らない,または気付かないで混合 保管を行なってい る。 大口の貨物を受 寄していて,のちに小 口に分割した際 に は,各荷口を一見し て明らかであ る ようにすべきであ るのに,帳 簿上は別 として,現物についてはその ようにす ることがないから,明らかに混合保管 となってい るが,関係寄託者にはその旨を通知す ることもない。そ れである から,旧大口貨物の一部分に事故を生じ て 乱 そ の不利益は早 く知った者だ けが先手を打って免れるとい う不 都合を生じてい る。この場合には海上保険 で行なわれる 「共同海損(General average)」 に相当す る取扱い があって然 るべきはずであ る力気 そのことがない ので,「早い者勝ち」 的な不利益離脱 示実際に生じてト る(商法第817条)。 倉庫業界では上記の混合保管0 法的不備が気付かれていない のみでな く, つぎに示 すように運送契 約につい ての不利益 も気付かれ てい ない。 港湾運送事業 法第13条第1 項 一般港湾運送事業者は,その責に帰すべか らざる事由にょり貨物 の引渡をすることができない ときは,荷受 人の費用を
倉 庫 業 に 見 る 問 題 点 ∇IT も っ て こ れ を 倉 庫 営 業 者 に 寄 託 す る こ と が で き る 。 十 第2 項 一 般 港 湾 運 送 事 業 者 は , 前 項 の 規 定 に よ り 貨 物 を 寄 託 し た と き は , 遅 滞 な く , そ の 旨 を 荷 受 人 に 通 知 し な げ れ ば な ら な い 。 道 路 運 送 法 第17 条 第1 項 第3 条 第2 項 第4 号 又 は 第5 号 の 自 動 車 運 送 事 業 を 経 営 す る 者 ( 以 下 「 一 般 貨 物 自 動 車 運 送 事 業 者 」 と い ‰ ) は レ モ の 責 に 帰 す べ か ら ぺ る 事 由 に よ り 貨 物 の 引 渡 を す る こ と が で き な い と き は , 荷 主 の 費 用 を も っ て , こ れ を 倉 庫 営 業 者 に 寄 託 す る こ と が で き る 。 し 第2 項 一 般 貨 物 自 動 車 運 送 事 業 者 は , 第1 項 の 規 定 に よ り 貨 物 を 寄 託 し た と き は , 遅 滞 な く そ の 旨 を 荷 主 に 通 知 し な け れ ば な ら な い 。 第3 項 一 般 貨 物 自 動 車 運 送 事 業 者 は , 第1 項 の 規 定 に よ り 貨 物 を 寄 託 し た 場 合 に お い て 倉 庫 証 券 を 作 ら せ た と き は , そ の 証 券 の 交 付 を 七 つ 七 貨 物 み 引 渡 に 代 え る こ と が で き る 。 二 通 運 事 業 法 第23 条 第1 項 通 運 事 業 者 は , そ の 責 に 帰 す べ が ら ざ る 事 由 に よ り 物 品 の 引 渡 を す る こ と が で き な い と き は , 荷 主 の 費 用 を か っ て , こ れ を 倉 庫 営 業 者 に 寄 託 す る こ と が で き る 。 第2 項 通 運 事 業 者 は , 前 項 の 規 定 に よ り 物 品 を 寄 託 し た と き は , 遅 滞 なy く そ の 旨 を 荷 主 に 通 知 し な け れ ば な ら な い 。 第3 項 通 運 事 業 者 は , 第1 項 の 規 定 に よ り 物 品 を 寄 託 七 だ 場 合 に お い て 倉 庫 証 券 を 作 ら せ た と き は , そ の 証 券 の 交 付 を も っ て 物 品 の 引 渡 に ㈹ え る こ と が で き る ○ ’ ト 第4 項 通 運 事 業 者 は , 第1 項 の 費 用 の 弁 済 を 受 け る ま で , 倉 庫 証 券 を 留 置 す る こ と が で き る ○ ‘ 前 掲 の3 法 律 は , そ れ ぞ れ の 業 種 に お い て 引 渡 不 能 の 物 品 を 生 じ た と き は 。 倉 庫 営 業 者 に 寄 託 す る こ と に よ り , 商 人 の 物 品 保 管 義 務 ( 商 法 第510 条 ) を 免 れ る と す る も の で あ り , 倉 庫 営 業 者 は , 差 別 的 取 扱 を 禁 止 す る 規 定 ( 倉 庫 業 法 第10 条 ) に よ り 予 期 し な い 不 利 益 を 蒙 る 危 険 が あ る 。 一 般 港 湾 運 送 事 業 者 に し て 乱 一 般 貨 物 自 動 車 運 送 事 業 者 に し て 乱 通 運 事 業 者 に し て も 保 管 庫 を 有 す る の で な け れ ば 営 業 を 順 調 に 行 な う こ と が で き な い は ず で あ る の に , そ の 設 備 を 有 す る 必 要 が な い と す る の は , 奇 異 と し な け れ ば な ら な い よ 前 掲 ・ の 諸 規 定 は , こ れ ら3 業 者 が 他 人 の 貨 物 を 一 時 的 に 仮 置 き を す る 能 力 が な い と 認 め た た め に 作 ら れ た も の で は な い の で あ ろ う か ら , 倉 庫 営 業 者 を 踏 台 と
12 し ての過 保護 を与 えら れてい る とし なけ れば ならな い。 注20 葡 萄 ○ 旧 日本倉 庫協 会編『日本倉庫業史』, 日本倉庫業 会刊, 昭和16 年,p. 30ト 拙著『倉庫経営論』,学文 社, 昭和54 年,p.71 花和 銀吾「 くらの語 源」,『日本倉庫時報 』昭和28 ・7 ・1 号,p. 4Leopold Mayer,
Betriebs扨irtschaftslehre des Lagerhausgesch&ftes, 1927
(向井梅 次邦 訳),宝文 館, 昭和6 年, p. 239 5) 拙著『倉庫経営論』,学文社,昭和54年,p. 1936 ) 松木太郎訳『全訂独逸商法ふ 有斐閣,昭和23年版 2. 営業 の 欠陥 倉 庫業を 営 む に当 って は , 倉 庫業 法(昭和31・6・1公布,法律第121号)の定 め る と ころ に よ り運 輸大臣 の許 可を必 要 とす る (m 法第3 条, 冷蔵倉庫につい ては昭和36 ・6・7 公布, 法律第118号)。 この法 律は商 法 と同 じ く新 ・旧 に岐 れ て 今 日に至 ってい るの で,つ ぎ に旧 法 と新 法 との経 過を 示 し て み る。 旧 法 は, つ ぎ の経 過を 辿 った。 昭 和10 ・4 ・6 公 布 , 法律第41 号,倉 庫証 券 の発 券許可 制 を定 め る。 同年10 ・1施 行 昭和22 ・ 12月 公布 , 法 律第223 号 ,民 法親族 法改 正に 伴 い関 連規 定を 改正 昭和25 ・4 ・ 20公布 , 法 律第106 号 , 開業 届 出制に 改 か。 同年7 ・1施 行 当 初 発券 許 可 制か ら出 発し た のであ るが, 昭和12 年7 月27 日 の事 実上 の対 シ ナ宣 戦布告 に よ り財 貨 の 流動 に規制 が強 化 されて ,倉 荷 証券 流 通 が減少 し , 発券 許 可制 が 事実 上そ の効果 を 弱め たた め,倉 庫業 の統 制 の網 を 拡張す る こ とを 目的 とし て 届 出 制に強 化 し た わけ であ る。 新 法 は,つ ぎ の経 過を 辿 っ て今 日に 至 っ てい る。 昭和31 ・6 ・1公 布 , 法 律第121 号 , 開業 届出制を 強 化 し て開業 許可 制に改 む。 同年12 ・1施 行 昭 和36 ・6 ・7公 布 , 法 律第118 号, 冷蔵倉 庫業 に も許 可 制を 拡げ る。 同年 12 ・1 施 行 昭和37 ・9 ・15 公 布 ,法 律第160 号 ,行政 不服審 査 法 の 制定 に 関 連し て の改 正 を 行 な う。 同 年10 ・1施 行
倉庫業に見る問題点 13 昭和20 ・9 ・29 に 戦時 法 令 の全 面的 廃 止が定 め られ た のであ る が , 占領 政 策を行 な うのに倉 庫施設 を 必 要 とし てい た占 領 軍 は , 港 湾運 送業 等統 制令 (昭和16・9・16公布,勅令第860号,同年9・2O施行) の取 扱い と同 じ く旧 倉 庫業 法の廃 止 に手を 触 れ なか った の みでな く, 昭和21 ・9 ・30 に この勅 令 が廃 止 されたに も拘 わ らず 旧倉 庫 業 法 は上記 の とお りに10 ヵ 年続 い た。 幸 いに し て 昭 和27 ・4 ・28 に 日本 は独 立を 回 復 した の で, 倉 庫業 につい 七 の行政 は占 領 軍の拘束 か ら完全 に 離 脱す るに至 った のであ った。 こ こで改 めて倉 庫 業 法 の成立 沿革 を 明 らかにし て ,倉 庫業 の現 在 が この法 律を不可 欠 の もの であ る の か否 かを 考 えて みたい。 昭和10 年10 月1 日に施 行 され た旧倉 庫業 法 の制定 理 由 は, つぎ のとお りで あ った。 「倉 庫業 の経 済界 にお け る機 能 の重 要な るに鑑 み倉 庫証 券 の発行 に関し 許 可主 義を 樹立 す る と共 に 之に 伴 う監督 制 度を確 立し て 斯業 の改 善 刷新を 図 り以 て吾が産 業 の発達 に 資せ ん とす是 れ本案を 提 出す る所 以 な り。」 そし て旧 倉 庫業 法第1 条 は,つ ぎめ とお りの規 定 とな った。 「第1 条 倉 庫営業 者 ハ主務 大臣 ノ許可 ヲ受 クル ニ非 ザ レ バ預証 券 及質 入 証 券又 ハ倉 荷証 券 ヲ発行 スル ヲ得 ズ但 シ勅令 ヲ以 テ指 定 シ タル 倉 庫営業 者 ハ此 ノ限 二在 ラズ」 これを つ ぎ の新倉 庫 業 法( 昭和31・6・1公布) の関連 規定 と対比 し て みる と, 内容 の変 化 振 りが 判 明す るO 「 第1 条 こ の法 律 は,倉 庫業 の適 正な 運営及 び倉 庫証 券 の円滑 な流 通を 確保す る こ とを 目的 とす る。 第3 条 倉 庫業 を 営 も うとす る者 は,運 輸大臣 の許 可を受 け なけ ればな ら ない。 第13 条 第1 項 倉 庫 証券 は,運 輸大 臣 の許可を 受け た倉 庫業 者で なけ れば, 発行し ては な らない。 附則 ,経 過 規定 こ の法 律 の施行 の際 現に 改正 前 の附則 第6 条 第2 項 の規 定に よる届 出をし て同 条第1 項に 規定 す る倉庫業 を 営 んでい る 者は, こ の 法 律 の施 行 の 日か ら3 月以 内 に第4 条 第1 項各 号に 掲げ る事 項 を 運輸大臣 に届 け 出し た場 合 は , この法 律 の施行 の日か ら3 年 間 は,倉 庫業 者 とみな す。 そ の 者がそ の期 間内 に第3 条 の許可を 申請 し た場 合 におい て,そ の申
14 。。 請 につ い て 許可を す る唇 又 は許 可をし な い 旨 の通知 を 受 け る まで の期間 に つい て 乱 同 様とす る。」 し 。・ ニ 旧 法 と新 法 とで は非常 な差 異か お るこ と は上記 のとお りであ る。 不幸 にし て旧 法 ・新 法 の成立 経緯 につい て知 られ てい る と ころが 少 い ので ,つ ぎにそ れを 述 べて お き たい1≒ 大 正12 ・ 9 ・ 1 (1923年)に勃 発し た関 東 大震 災 に当 り鉄 筋 また は 鉄 骨 コ ン クリ ート造 りの建物 に耐震 耐火 性のあ る と とが実証 され るに及 んで倉 庫業 界 も この点 に 大 き く注意を 払 い, 庫質 革新 に向 け て一 斉 に 乗 少出 した のであ る が ,折 柄 の経 済界 の不況 で倉 庫業 者 とし て建 築 資 金に 苦し んでい た ところ , 昭 和7 年10 月1 日か ら第1 次 船 舶改 善助成 施 設 が実施 さ れ, 老 齢船 舶を解体 し て新 船を 建 造 す る場 合 に は,国 庫助成 金 が与 え られ るに 至 った の で,庫質 改 善 に国 家 的 助成 を求 め ようとす る機運 が 倉 庫業 界に盛 り上 が って来 た6 政 府当 局 右倉庫業 界 の要望 を是 とし て 海外 にお け る事 情 の調 査を 行 な った ので あ る が, 倉 庫建 設 助成 の実 例が見 当 らない のみで な く, 逆 に 倉 庫業 に対し て さ まざ まの規 制を 加 えてい る事実 かお るこ とが 見出 され , 業 界 の要望 に大 き く水 を さす こ とに なった。 昭 和6 ・9 ・18 の満 州事変 を 機 とし て 日本 は準 戦時 体 制 に 入 って 各 方面 で経 済統 制色 が濃 厚 に な って来 だ のに 刺激 さ れ,倉 庫業 者 は方 針 を 転換し て この 統 制気 運を 利 用 す る方向 に 出て ,業 界の統 制を 政 府 に 求 め るに至 った。 資材 の配 給に 有利 に な る うとし た のであ る。 倉 庫行 政 に規 制 を 加 わえ る諸外 国の 実 例を 学 び取 っ ていた政 府 は ,業 者の新し い 希望 に直 ち に対 応 し, 倉荷証 券 の発行 に 許可 制 を設 け るに至 った。 事実 , 昭和8 年末 現 在 の全国 倉 庫 業 者599 社 の うち で, 倉荷 証券 を交 付し でい な か った業 者は116 社(19%)に留 ま り,し か もそ れ らの業 者 はい ず れ も小 規模 の もので し か なか っ たの で, 発券 を 規 制す れば ,全 国業 者の81 %は何 らか の形 式 で法的 に 支 配 で きるわけ であ った。 業 法 に当 初 「倉 荷証 券 法」 の異称 が民 間 で与 え ら れ てい た のは, こ う し た 経緯 に 因 った のであ る。 発券を 許可主 義 とし た の で ,倉 庫業 界 には「 発 券業 者」 と 「非 発 券業 者」 とが存 在 す るこ とに な り,十し か も倉 庫業 法上 の倉 荷 証 券 と,商 法 上 の倉荷証 券 との2 種 が併存 す るこ とに もな っ て,倉 庫業 者 は当 然 に倉 庫証 券を 発行す る ものであ るとす る諸 外 国 の 体制 か ら離脱 してし まっ た呪
倉 庫業 に 見 る問 題点 15 戦前 (昭和12年以前) の平 常 経 済状態 の下 に在 って は, 入 庫金 額 の約35 % の貨物が 金融 また は受 渡 の 目的 で証 券化 され ,保管残 高 の約50 % の金 額の証 券 が流通し てい た と見 られ てい た が, この割合 は戦局 の進展 に伴 って変 動し た。 商工 省商 務 局編 て全 国 倉 庫業 統計表C 昭和7 ・8 年分), 同 省企業局 調査 (自昭和14年至16年上期) お よび 日本 倉庫統 制 株式 会社 調 査(昭和19年5 月以降) に より全 国お よび6 大港 都市 におけ る貨物 と証 券 とに 関す る状 況 を見 ると, 断片 的な が ら つぎ のとお りであ ったら 期 間 昭 和7 年 ( 全 国 ) ・'/ 8 年 ( 々 ) // 14年 上 期 (6 大 港 都 市 ) 々 々 下 期 ( // ) // 15年 上 期 ( // ) μ μ 下 期 ( // ) ・ 々16 年 上 期 ( 〃 )// 19年5 月 ( 倉 庫 統 制 )// // 5-9月 ( // )// 19年12 月 ( / ・ )// 20年6 月 ( 〃 ) 々 々 8 月 ( // ) 発券比率 33 %37 々31//21//31//30//27//15//9 々10//10//10 // 調査者 一 商務局 々 企業局 々 々 々 々 倉 庫 統 制 // // ( 流 通 高 ベ イ ス ) ぐ ぐ 々 々 々 々 う う ( 注) 日本 倉庫 統制 株式 会 社 は 統制会 社令 に 依り昭和19年5 月1 日に 開業 し ,昭 和20年11月30 日に業 務 を 停 止し た 国策会 社 であ る。 業 法 は 戦 時 統 制 で 倉 庫 証 券 の 発 券 許 可 を 受 け な く て も 営 業 に 特 別 の 支 障 が な く な っ て い た た め に , 非 発 券 倉 庫 業 者 の 増 加 を 来 し た こ と か ら , 改 訂 さ れ て , 開 業 届 出 制 噺 採 用 す る に 至 っ た ( 昭 和25 年 )。 届 出 制 と は い っ て 乱 届 出= 受 理 に 対 す る 政 府 の 態 度 は 極 め て 厳 し か っ た の で , 事 実 上 で は 許 可 制 に 等 し か っ た 。 許 可 制 に 近 い 開 業 届 出 制 に 対 し , 折 柄 倉 庫 業 界 は 不 況 斯 を 迎 え て 新 規 開 業 者 の 進 出 を 法 の 力 を 借 り て 阻 止 し , 既 存 の 利 益 を 守 ろ う と の 思 潮 を 高 め る に 至 り , 昭 和31 年 に 開 業 許 可 制 を 実 現 し た 。 許 可 制 と す る に 当 っ て 開 業 と 発 券 と を 区 分 し て 来 た 形 式 中 の 欠 陥 を 是 正 す べ き で あ っ た に も 拘 わ ら ず , こ の 点 に 触 れ る こ と な く て 今 日 に 及 ん で い る 。 風 潮 と し て は 許 可 制 を 更 に 一 歩 進 め て 免 許 制 と す る こ と を 求 め る 気 配 が 濃 厚 で あ る 。
16 そ こ で許可 制 な り,免 許 制な りの論 拠 を 考 えて みたい 。 こ うし た制度を 求 め るに至 った根 底に は倉 庫業 と関 連 の深 い 「港 湾 運送 事業 法(昭和26・5・29 公布,法律第161号)」 と「道 路 運送 法(昭和26・6 ・1 公布,法律第183号)」のい ず れ もが 免許 制を採 ってい る ことへ の バ ラン ス保 持 があ る と考 え られ るが, バ ラン スを 持 ち 出す考 え方 に間違 い があ る と言 うべ きであ る。 港 湾 といい, 道 路 とい い , と もに国 費 または地 方 公共 団 体に よ り修築 また は建設 され るも の であ って, 社会資 本的 財産 であ るのに 対 し ,倉 庫 は社 会資 本に よるもめ で は ない か らニ同一 に論 ず べ きで はない 。 …………こ の開業 許可 制に は倉 庫業 の経 済的 性 質に つい ての認 識 が全 く欠け てい る こ とが 知 りえ られ る。 そ の許 可 者が運 輸 大臣 であ る か らであ る。 倉庫業 に は 甚 だし い局 地 性 かお る ことが故 意に 不問 に付 せ られ てい る, とい うのは東 京 都 にい か に整 った倉 庫が建 て られ て 乱 横浜 市 か らは 貨物 が東 京へ は流 出し ない か ら であ る。名 古屋 市と 四 日市 市, 大阪 市 と神戸 市 との関 係 につい て も 同 様 であ る。 局 地 性が強い か らに は, 中央 に 行政 力を 集 め る のは不適当 であ って ,許 可権 は地 方 の知事 に付与 す る のが相 当 なはず であ る。 そ うなれば全 国 を一 元 化 してい る保管 料率 や荷 役 料 率 のあ る こ とも妥当 で はない。 現在 の 料率 は,主 要 都市(甲地区) のそ れを100 とし た ときに は, 中 級 都市 (乙地区) のそ れを92 とし ,そ れ以 外 の地域 (丙地区) のそ れ は乙 地区 の00% つ ま り甲地 区 の84.64 とさ れてい る ので , 甲 地区 の料率 が決 まれば , 乙地区 と丙 地区 のそ れ は自動的 に決 まるか ら,甲 ・乙 ・ 丙 の差 はあ って 乱 実 地で は全 国一 本 化 が行 なわれ てい るに 等し い。 だ か ら地 区 に相 応し い料 率 が生 ま れ る余 地 が全 くない。 この点 て参 考に な るのが フ ラ ンス の実 例であ る。 フラ ン ス とい えば中央 集権 制 の厳し い ことで 有 名 であ るけれ ど 乱 倉 庫行政 は地 方 の知 事 に委 ね られてい る。 同国 では商 工 会 議所 の勢 力 が大 きい ので ,開業 許 可 は商 工会 議所 が左 右し ,知 事 は商 工 会議所 の判断 を 全面 的に 容認 してい る。 商 工会 議所 は本 来的 に「 商人 の拠 城 」 であ るはず であ るか ら,知事 が商 工 会 議所 の判断を そ の まま受 げ 容 れ る のは, 日本 流に 言 え ぼ完全 な 「民 主主 義 」 とい うことにな る。 フ ラン スで料 率 の全 図一 元化 な るも のがない のは倉 庫 業 の局地 性が理解 さ れてい るため であ る とい え る。 既 述 の とお りに 日本 では開業 評可 制 と 発券 許可 制 とが 併立し てい て, こ の 点 に関 し て業 界 は特別 の関心 を払 う てい ない が , この併 立 が国際 的に 日本 の
倉 庫 業 に 見 る 問 題 点 17 倉 庫 業 の 地 位 を 低 め て い る こ と に 注 意 し な け れ ば な ら な い 。 倉 庫 業 界 は 現 在 次 記 の と お り の 国 際 的 団 体 を 有 し て お り , 日 本 力 業 界 は そ の い ず れ に も 加 盟 を し て い る 。
。 1 The International Federation of Public Warehousing Asso- ciations,
( 仏 語 名 称 ,F &deration Internationale des Associations d
’Entrep6ts Publics ), 1973 年 成 立 , 本 部 所 在 地 は 加 盟 国 交 替 制 − m4 キ ■ 』● 4 A ● 。● 〃 − 〃 ● ・ 4-- マ 噛 ・ 八八4 2 lne international Association ot Ketrigeratea w aretiouses, is りi
年 成 立 , 本 部 所 在 地 は 米 国 首 都Washington 市 上 記 の 国 際 機 関 に は , 日 本 倉 庫 協 会 と 日 本 冷 蔵 倉 庫 協 会 が 加 盟 し て い る が そ の た め に 開 業 許 可 制 と 発 券 許 可 制 の 併 立 を 建 前 と す る こ と が 端 な く も 日 本 の 倉 庫 業 界 の 地 位 に 対 し 大 き い 誤 解 を 招 い て い る の で あ る 。 倉 庫 証 券 の 発 行: は 倉 庫 業 者 の 社 会 的 存 在 の 根 拠 を な す と す る の が 外 国 の 見 方 で あ る か ら , 日 本 商 法 第598 条 ( 発 券 義 務 ) が 早 く 明 治 期 に 設 け ら れ た こ と も 合 点 で き る 。 に も 拘 わ ら ず , 倉 庫 業 法 の 制 定 で 当 然 視 さ れ て い る 発 券 の 自 由 が 否 定 さ れ て い る の で あ る か ら , 外 国 か ら 見 れ ば , 日 本 の 倉 庫 業 者 の 道 徳 的 レ ベ ル が 非 常 に 低 い た め に 発 券 許 可 制 を 必 要 と す る の で あ ろ う と い う こ と に な る 。 発 券 の で き な い 倉 庫 業 者 の 存 在 は 外 国 で は 考 え ら れ な い こ と で あ る 。 証 券 制 度 に 次 い で の 欠 陥 は 保 管 料 率 の 策 定 方 法 で あ る 。 現 行 制 度 は 古 い 歴 史 を 有 し て い て , 従 量 保 管 料 と 従 価 保 管 料 と を 合 算 す る と の 建 前 に な っ て い る 。 理 論 的 に そ の よ う に な っ た の で は な く , 全 く の 歴 史 的 産 物 に 過 ぎ な い の で あ る 。 寄 託 物 を 火 災 保 険 に 付 す る こ と は 商 人 と し て 当 然 の こ と で あ る が , 日 本 で は 倉 庫 業 者 が 寄 託 者 の た め に 付 保 事 務 を 取 り 扱 い , 保 険 料 を 保 管 料 の 原 価 に 含 め る こ と が 行 な わ れ て い る の で , 営 業 規 則 と も い う べ き 標 準 倉 庫 寄 託 約 款 ( 昭 和35 ・2 ・ 1 実 施 ) に 次 記 の 規 定 か お る 。 第32 条 第1 項 当 会 社 は , 反 対 の 意 思 表 示 が な い 限 り , 寄 託 者 又 は 証 券 所 持 人 の た め に , 受 寄 物 を 当 会 社 が 適 当 と す る 保 険 者 の 火 災 保 険 に 付 け る 。 た だ し , 他 の 倉 庫 業 者 に 再 寄 託 し た 受 寄 物 に つ い て は , そ の 再 寄 託 を 受 け た 倉 庫 業 者 が そ の 適 当 と す る 保 険 者 の 火 災 保 険 に 付 け る も の と す る 。 何 条 第2 項 受 寄 物 の 火 災 保 険 に 関 す る 事 項 は , す べ て 当 会 社 ( 再 寄 託 を し た 受 寄 物 に つ い て は , そ の 再 寄 託 を 受 け た 倉 庫 業 者 を い う 。 以 下 第34 条 ま で 同 貳 ) と 保 険 者 と の 特 約 に よ る 。
18 同条 第3 項 当 会社 は ,寄 託 者又 は証 券所 持 人に告知 し ない で, 保険 者を 変 更す るこ とがで き る。 日本 の倉 庫業 界 の付 保条 項 は ,フ ランス の倉 庫証券 付 貨物を 除い ては一 種く 独特 の慣行 であ る。 付保 関 係 の営業 規 則 の他国 の例を , つ ぎ に示 し て みる。 1 ハ ンブ ル ク倉 庫寄 託約 款(1956 ・ 11月版) 第21 条 倉 庫 営業 者 は, 別 段 の合意 がない 限 り,い か かる 種類 の保険 も引受 け ない。 倉 庫営業 者は。。 保険 に付し うる損 害に対 し ては 責 任を負 わない。 そ の損 害が 自己 の使 用 人 の過失 に より生 じ た とき 乱 責 任を 負 わ ない。 2 米国 倉 庫協 会標 準寄 託約 款(1964・5・25採決) 第11 条6 項 倉 庫業 者 は, 原因 の何 た るを 問 わず, 滅 失 また は毀 損 に対し 貨物を 保 険 につけ ない 。 上記 の2 例か ら)見 て 明ら かな よ うに , 付保 手続 き と費用 と は寄 託 者の負 担 に なっ てい るか ら,保険 者の 選定 は 寄 託 者と し て大 きい 関心 事 とな る のみで な く,保険 料率 の関 係か ら寄 託 者は倉 庫業 者の運 営す る倉 庫 の庫 質に も関心 を 払 わなけ れば な らない こ とに なる。 だ か ら,問 題 は単 に 付保 手 続 き と費用 と の二 件 に留 まらず ,倉 庫業 者 は庫質 の向上 に よっ て も競 争を し なけ れば なノ らな くな る。 こ の事 は営 業 倉 庫一 般 の庫 質向 上を 促す こ とで もあ るか ら日本 全体 とし て考え なけ れば な ら ない。 日本 では既 述 め とお りに , 保管 料 算 出に当 り,従 価率 保管 料 と従量 率 保管丿 料 とを 合算す る方 法を用 い て来 た の で,従 量 率保管 料だ けを 用い る諸 外 国 と 著し い・対照 を 呈し てい る。 これ は付 保事 務を 倉 庫業 者が 寄託 者のた めに 引受 げ るに至 った か らであ る。 こ の慣 行 が始 まった のは 明治24 年 (1891年) であ っ た4)。 そ れ までは保険 料は 「別 途 之 ヲ中受 ク」 とす る ものであ っ た。 火 災 保険 料に充当 す るた めに従 価 保管 料 率 な る ものが生 まれ ,今 日に至 っ てい る わけ であ るが, 明浜初 期 には , 貨主 は 日本 に進 出し てい た外 国 保険 会社 との 付 保契約 締 結を文 字 どお りに毛 嫌いし ,倉 庫業 者に 依頼 す るに至 って, 前記 のご と く今 日の慣行を 生 んだ わけ であ った。 従 っ て保険 会社 と荷 主 とが直 接 に 付 保契 約を 結 ぶ のを 当然 とし てい る諸国 で は倉 庫業 者 は関 係を 有し ない の は容易 に 理解 でき る。- 従 価率 保管 料 と従量 率 保管 料 と の併存 が 合理 的 懲あ る ために は √前 者か ら の収 入額 が支払 保険 料 と見 合 う場 合だ げ であ る が,そ の ように な る こと は殆 どな く,従 価 率保管 料収 入 の方 が従 量 率保 管 料収入を 上 回 る のが常 であ った‥
倉庫業に見る問題点 19 こ とか ら, 倉庫業 界で の保管 料 割戻 し な り, 割引 きな りの 「源 資」を生 む にj 至 った のみ でな く,寄 託 者 とし て も実 質上 の割戻 し , また は割引 きを 実 現す るのに 寄託 中込 価額を 引 き下げ る戦 術 に 出 る ように もなった。 い ま仮 に次記 の とお りとし て,保 管 料 率 の値 上げ が行 な わ れた とし た場 合 ノに,寄 託 者 とし て値上げ に対応 し て の寄 託 価 額引下げ 率を計 算 してみ る。 寄 託 価額 A 円 ,従 価率a% とし て, 従 価保管 料 V 円, 従量保管 料J 円 従 価 保管 料 と従量 保管料 との比 を50 % ず つ とす れば ,V 円 =s 円 合 算 保管 料 D 円=V 十5, つ ま りp 円 =^ α十S 改 訂 料率 の値上 率を 従価 ・従 量 と もに 同一 とし てb%( 以 下 単に &とす る) 値 上げ 前 の保管 料p 円 ト 荷 主 が行 な う寄託 価 額 の引下げ に よる新 保管 料D' 円 寄 託 者 とし てはD 円 =D' 円 を成 立 させ よ うとす る のであ るか ら, つ ぎ の よ うな算 式 が生 ず る。 寄託 者 の新 寄託 中 込をB 円 とす る。 D =Aa 十S D 「=召α( 十酌 十s(l 十分 ヨA(l-x)(l 十b')a 十5(1 十的 故 に : Aa 十s =B 猷:1十&) 十く1 十ろ)=^(1 一x')a{:1十的 十s(l 十的 =Aa(l 十b) −A αx( 十&) 手5(1 十 み)
∴Aax(l 十 酌 =A 衣:1十&) 十衣1 十b) −Aa −s =Aab 十功 A αb 十功 (Aa 十s)& Db λ; ̄ − − − −A α (l 十 み ) Aa(:1 十 的 A 衣:1 十 的 換言すれば。 保管料値上 り分 十 x = 値上げ された従価保管料 寄託 者は上記代数式を活用すれば,充分に対抗できることになる。 現在,倉庫業 界では年間に売上高としての保管料算出高がどれほ どあるか につい ては計算されたことがない。貨物動向につい ては,運輸省港湾局倉庫 課編「倉庫統計月報」が長い歴史を以て発行されてい るにも拘わらず,肝腎 の稼高が全国的に全く把握 も調査もされずにいる。 筆者の個人的な推 計に過 ぎない が,つぎ のようになる(単位:億円)。
20 業 種 別 昭和51年 昭和52年 昭和53年 昭和54年 普 通 倉 庫 業 冷 蔵 倉 庫 業 水面木材倉庫業 3,734 880 24 4,066 970 25 4,471 1,180 25 4,534 1,360 27 合 計 4,634 5,061 5,676 5,921 この表は,前記の「倉 庫統計月報」に基づき,保管役務生産量を 貨物品目 ごとにトソ数で算出し,そ の品 目別 の代表的と思われる貨物の1 に /・1 期丿 当 りの保管料率をそれぞれ乗じたものであ る。普通倉庫業だけについ ての保 管料 の推計高は,つぎ のとお りになる6)。 昭和30 年// 35// 40// 45// 50 ].30億 円 314 609 1,392 3,376 昭和51年 2 3 4 5 5 5 3,734億 円4.0664,4714.534 上記の表 の金額は推 計に過ぎないが,割戻 または割引を全然し てい ない も のとし て算出し てい るから,実績はこれらの数字を相当 に下回ることになろ う。 もし全国平均 の割戻と割引との合計が15%であ るとしてみれば,昭和54 暦年では約681 億円に も達す ることになることを業界は反 省すべきであろ う。 保管料を年間出庫高 (金額表示) で割れば, 営業倉庫を利用し た場合の保 管のための流通経費率が求められる。 昭和54暦年ではこの経費率は1.93ガ と なっているが,業 界ではこうした比率さえも把握してい ない のが実際であ る。 倉庫役務の実需要者である荷主 はその取扱い貨物につい ての経費に対し て相 当 に細心であ るはずであ るから,役務供給者であ る倉庫業 者も流通経費率の 大小には需要者以上に細心でなければならない。米国倉庫協会(AWA ,シカ
ゴ市所在, 1891 ・ 10 (15 創立)が倉庫役務販売のための標 語 とし でPAY asYou USE." を用いてい ることは他山の石とするに足り よう。 倉庫業を利用
すれば,個々 の荷 口につい ての料金が独立的に明らかになるので “As YouUSE" となるからである。
倉庫役務販売者の側に立って保管経費率を 明らかにす ることは,役務販売 戦術として重要なことに属するはず であ るが,今 日のところ必ずし も明らか
21 倉庫業 に 見 る問 題 点 ソ当 り保 経 費 率 ( %) ト 管 平 均 在 庫 期 間 ( 月) 4.36 5.87 2.44 2.31 0,91 2.07 1.66 5.49 1.47 0.95 9.04 3.09 1.23 2.02 1.33 2.25 1.00 28 32 97 15 2 0 ソ /期 保管料 (円)-235.6166.1191.8441.1578.6992.7302.8204.5565.8195.0 卜 り1 当 品 目 40 穀 品 品 物 こ 品 鉱 作 者 産 ︱ 産 産 用 農 旨 だ 他 月 米 麦 雑 豆 畜 水 油 葉 其 鉄12 3 4 5 6 7 8910 ユ1 非 鉄 金 属12 金 属 製 品13 電 気 機 械14 其 他 機 概15 板 ガ ラ ス ・ 同 製 品16 其 他 窯 業 品17 石 油 製 品18 化 学 薬 品19 イヒ 学 肥 料20 染 ・ 顔 ・ 塗 料 468.7 915.4 653.4 1,021.7 454.0 544.2 478.4 516.8 167.8 933.6 1.42 1.90 1.65 1.40 2.22 1.53 0.75 1.29 1.98 1.57 0.65 3.19 1.40 1.93 4.34 5.54 2.76 1.32 2.93 1.48 21 合 成 樹 脂22 其 他 化 学 工 業 品23 紙 及 び ゛ ル プ24 化 学 繊 維 糸25 其 他 糸26 化 学 繊 維 織 物27 其 他 織 物28 缶 詰 ・ 瓶 詰29 砂 糖30 飲 料 607.2 549.4 478.4 482.9 748.3 998.6 1,033.9 525.1 457.9 458.7 1.67 1.38 1.48 1.79 2.29 2.28 2.34 2.03 1.64 1.28 2.16 0.01 2.01 1.32 1.07 3.15 1.78 1.72 1.50 1.24 31 其 他 食 料 工 業 品32 織 物 製 品33 其 他 日 用 品 582,0 682.0 869.4 1.42 2.25 2.04 1.46 1.54 3,71
22 34 5 6 7 8 93 3 3 3 3 40 ゴ ム 製 品 其 他 製 造 工 業 品天 木 非 然 ゴ ム 金 属 鉱
動 植物 性 肥 飼
雑
平 均 材 物 料 品 770.2 948.5 733.4 237.6 372.8 309.4 928.0 A'7Q ri-ri LJ . \^ 1.33 1.85 1.91 2.07 2.46 1.71 1.78 1.83 1.57 3.22 1.72 5.48 3.42 2.43 3.18 1.93 ( 注a) ト ソ/期 当り保 管 料 の税価 率分り トソ価は ,昭 和54年6 月価 額で,「 倉庫 統 計月報 の そ の月 号に 依る。 ( 注b ) 「40 品 目」は ,前 記 月報 で用い でい る分類 であ る。 ( 注c ) 保 管 経 費 率=年 間推計 保管 料 ÷年 間出 庫高( 金額 表示 ) で ない の で,筆 者 の推 計 に過 ぎない 憾 みがあ るが ,昭和54 暦 年 の普通 倉 庫業 につ い て,つ ぎ に示 し て みたい7)。 十 既 述 のとお りに倉 庫業 者は受寄 物 の火災 保険 に つい て は, 商 法第647 条に 定 め る第三 者保険 を 重要 視し てい るのに反 し, 自己 の経 営に つい ての保険 に は建 物の火災 保険 し か注 目す ると ころ が ない 。 普 通 倉庫 業 者 は年 間に(昭和54 暦年),147,727 千 トソを受 寄 し ,146,064 干 トソを 引 渡 し てい るか ら,合 計293,791 干 トソ もの貨 物を 「取 扱 っ て」 い る。 そ し て年 間 を通 じ て22,315 千 トソ もの貨 物を 在 庫さ せ てい るの であ るか ら, こ の間 に受 渡し の ミスに因 る賠 償額 も相当 に生 じてい なけ れば な らない に も拘 わ らず , こ の損 害に関 し ては一 切を 自家 保険(Self-insurance)に付 し てい て , カ バ ーす る方 法を採 っ てい ない。 自社 め 職員 の 善管 能力を完 全 無比 とす る意気 込 み は大 い に評 価し な け れば な らない が ,善管 能力 の完 全 性が 現実 には存 在 す る と の考え 方 は, 倉 庫保 管 企業 の立場 に 立 っ てみれば ,経 営 者能力 に疑 念 が生 ず る。 自家保 険 に代 え て企業 で発生 す る危険 を 付保 す るに は 責任 保 険 (LiabilityInsurance ; Haftpflichtversicherung; Assurance de responsabilite)の 制度を利 用 す るこ とであ る。 責 任 保険 は 日本 では 昭和32 ・12 ・24 に東 京 海上 火災 が売 出し ,倉 庫業 界 と連絡 を つけ ようとし た のであ るが ,全 国的 に 統一 し て業 界 が用 い てい るつぎ の標準 倉 庫寄託 約款 第38 条第1 項 「寄 託 者又 は証 券所 持人 に対 し て当 会社 が賠 償 の責 任を 負 う損 害 は,当 会 社又 は 使用 人 の故 意又 は重 大 な過 失 に よって生 じた 場 合に限 る。」 が ネ ッ クとなっ て今 日に 至 る も実現倉庫業に。見る問題点 23 し ない でい る。 この約 条を 見 る と,軽過 失に は責 任を 負 わ ない の であ るか ら, 約 款自体 が 付合契 約(Contrat d'adhesion)であ る とし て 乱 倉 庫業 者の一 方 的 利益 の主張 に失 し て公平 を欠 い てい る。
倉 庫業 界が 責任 保険 の制 度を 初め て利用 した の はAWA (米国倉庫協会)で, 戦 後に英 国 倉 庫 協 会 (NAPWK, National Association of Public WarehouseKeepers,
ロンドン市所在)が米国 に次い で採用し た。 米 国 で は州に よって倉 庫 業 開業 に当 り一 定 の供 託 金を 要求し てい るも のか お る が ,そ れは荷 主 に対 す る損害賠 償を 完 済 させ る ことを 目的 とし てい る。 故 に 米 国 では責 任 保険 の付 保契 約 高を広 告 に 明示 し てい る倉 庫業 者があ る。 責 任保険 が 倉 庫業 界 で行 な われ る ように なれば ,対 荷主 との ト ラブ ルの多 くが即 決 され るであ ろ うし , また倉 庫業 界 の従業 員 の従業 態 度 に 明朗 さが現 われ る ことで もあ る うと思 われ る。 現行 倉庫 寄託 約款 に は 倉 庫業 者 の賠 償額 は火災 保険 金 額 (つまり寄託中込金額) を 限度 と す る旨を 示し てい るが (約款 第42条但書), 従 価保管 料 の制度を 廃止 すれ ば,海 運業 者の船 荷証 券 の約款 に 見 られ る ように トソ当 りの賠 償 額を定 め る ことも で き るので ,対 荷主 関係 の 処 理を機 械的 に処 理 す る こ とが可能に な る。 普 通 合庫業 界 での受 寄 物 の平 均 トン当 り価額 は ,昭 和54 年 につい ては164 千 円 であ った 。 寄 託価 額 は寄託 者 の付保 中込 額 であ るべ きであ るが ,従 価 保管料 率 制を 用い てい る現 在で は, 寄 託 者は保管 料 を 節約 し よ うとし て市 価 の70% ぐ らい に 寄 託中込 を し てい る か ら, 前記 の164 千 円 の実際 市価 は234 千 円 とな る。故 に賠 償額を ト ソ当 り24 万 円 に定 め ると,問 題 は特別 の歪 み もな く片 付 く とい えそ うであ るが,実 際 間 題 とし て は不公平 を 生 じ よ うか ら, 寄 託申込 書 に付 保 価額を 明記 させ る よ うにすれば よい。 そ の場 合24 万 円を基 準 とし, これを 超 え る部分 に つい て保 管 料 の割増し とす る こ とに なろ うが ,そ の実 例 は,つ ぎ のご と く米 国で見受 廿 る ことが で き る。 米 国倉庫 協 会の 普通 倉 庫 標準寄 託約 款 (1964年採決) 第11 条C 項 寄 託 者 は, 損害 は… … 白レを 限 度 とす る こと,ただ し ,そ の 損 害に対 す る責 任額を 契 約 締結時 に第1 条 に定 め る ところに より貨物 の一 部 または全 部 につ き増 額 し うること, そ の場 合 に は正規 の月額 保管 料に 月 間… … ドルの 追 加があ る こ とを 約諾す る。 こ の米 国 の例 よ りも船荷 証 券のそ れに近 い の は, 上ド イ ツの ハ ンブル ク倉 庫
24 会 社 の 約 款 第17 条 第5 項 であ っ て , ト ン 当 り400 マ ル ク と し , 支 払 最 高 限 度 額 を5,000 マ ル ク と定 め てい る。 (1981 年9 月16 日) 注D 幻 拙著『倉庫経営論』,学文 社, 昭和54 年,p. 74. 米国 の統一 倉庫荷証 券法(1906 年 成文)第1 条 倉荷証 券は, すべての倉庫営業 者 に よって発行さ れるこ とがで きる。(拙著 『倉荷証 券要 論』, 学文社,昭和43 .p. 157。 ドイ ツ商法第424 条 倉庫営業 者 が, 裏書 二依リテ譲渡 シ得ル倉庫証券 ヲ発 行 シ クル場合 二於 テ,倉 庫営業 者 が寄託物 ヲ引受 ケクトキハ,其 ノ証 券二依 り寄託 物 ヲ受取 ルコトヲ得 ベキ者 二対 スル倉庫証 券ノ引渡ハ, 寄託物 ノ上 二行 使スル権 利 ノ取得 二付 キ,寄託物 ノ引渡 ト同一 ノ効カ ヲ有 ス。(松 木太郎訳『全訂独逸商 法 』,有斐閣,昭和23 年,p. 102) 3) 倉庫経済研究会編『回顧八 箇年 』,同会 刊, 昭和22 年, p.125一6 . 本書は当時 としてのGHQ の目を 憚って刊行さ れた ものであ る。4 ) 旧東京倉庫(現,三菱 倉庫) と旧明治火災 保除 会社 との間で 付保 特約が成立し た のを最 初 とす る(旧 日本倉 庫協会編『 日本 倉庫業史 ふ 日本倉 庫業会 刊, 昭和 16年,p.462.5 』 拙文「 倉庫業 の保管料 の推計一 昭和54 年分」,東 洋大学 経営研究所『経営論集』 第17 号, 昭和55 年12 月刊, p. 88.6 ) 運輸省港湾 局倉庫課は, 昭和56 年9 月10 日を 調査票提 出期限 として倉 庫業経営 状況 調査に乗 り出すこ とに した。調査は全 国の普通倉庫・冷蔵 倉庫業全 社を対象 に実施す るもので,全社対象 はこれ まで 例が ない 。 日刊「 日本海事新聞 」昭和56 ・8 ・31 )。 同新聞 記事に依 れば, 対象 企業は普通 倉庫業 者は2,495 社, 冷蔵 倉庫業 者 は 1,314 社で, 各社 の55年度 ( または最近時) の事業年 度におけ る経営 状況を 詳細 に調べ るとい うのであ るが,「 取扱高」 とし て入出庫高を 掲げ てい て, 月末在庫 高 の年間累計を除い てい るのは大きい手落 ちであ るとしなけ れば ならない。保管 役務生産 量とい うものに 関心を失っ てい るか らに 他な らない 。7 ) 拙文,「 倉庫業 の保管 料の推計一 昭和54 年 分」, 東 洋大 学経営 研究所 『 経営論 集』第17 号, 昭和55 年12 月刊, p.100.8 ) 年 末現在貨物現在高 業 種 別 藻 皿 普 冷 水 ( 干 ト ソ ) ( 々 ) ( 千立米) 昭和52 年末-21, 068. 41,663.61,771.3 ( 注) 「 倉庫 統計 月報 」, 各 年末 号 昭和53 年末-21,441.61,768.91, 737.1 昭和54 年末 23, 105. 2 1,820.3 1,853.7