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全胃幽門輪温存膵頭十二指腸切除術の術後消化管機能に関する検討 : 特に術後胃酸分泌能および消化管ホルモン分泌について

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Academic year: 2021

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全文

(1)

114 氏名(生年月日) 本 籍

学位の種類

学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件

学位論文題目

論文審査委員

(24) シゲ マツ キヨウ スケ

重松恭祐(昭和3

医学博士 唯心950号

昭和63年6月17日

学位規則第5条第2項該当(博士の学位論文提出者) 全胃幽門輪温存膵頭十二指腸切除術の術後消化管機能に関する検討 一特に術後胃酸分泌能および消化管ホルモン分泌について一 (主査)教授 羽生富士夫 (副査)教授 武田 佳彦,教授 今井 康晴

論 文 内 容 の 要 旨

目的 膵頭十二指腸切除術(以下PD)は,1935年Whipple 以来50年余を経たが,術後吻合部潰瘍或いは空腸潰瘍 を懸念して広範に正常胃を犠牲にする術式として定義 してきた.しかし,1977年Traverso&Longmireが 全胃幽門輪温存PDを提唱した.教室でも1984年以来 本術式を導入している.そこで著者は,従来の胃切除 を伴うPDと本術式との術後の消化管機能を比較検討 し,本術式の妥当性と適応を明らかにする事を目的と した. 対象および方法 1984年6月から1986年12月までに教室で行われた全 胃幽門輪温存PD 21例のうち術後消化管機能について 検索できた10例(全胃温存群)と同時期になされた従 来の胃切除を伴うPD 7例(胃切除群)とを対象とし て,術後の胃酸分泌能,消化管ホルモン(ガストリン, セクレチン)分泌動態,血液生化学的検査,体重の推 移,肝の脂肪変性の程度を検討した. 結果 1)術後の胃酸分泌能は全胃温存群で術前とほぼ同 程度に保たれているが,胃切除群ではほとんど消失し ていた.2)ガストリン分泌については,全胃温存群で 食事負荷により著明な反応を示したが,胃切除群では 反応は全くみられず全体に低値を示した.セクレチン 分泌は,全胃温存群で食事負荷後120分のtime lagを おいて著明な反応を示したが,胃切除群ではほとんど 反応はみられなかった.3)血液生化学的検査において は,両群間に有意差はなく正常範囲内に干れていた. 4)術後の体重推移については,全日温存群で胃切除群 に比べ有意に回復が早かった.5)術後の肝の脂肪変性 の程度は,僅かながら全胃温存群の方が軽度であった. 考察 従来より懸念されていた吻合部潰瘍については,術 後の胃酸濃度はほぼ術前と同程度に保たれており,適 応を充分に検討すれぽ回避できるものと考えられた. 消化管ホルモン分泌動態については,検討の結果胃幽 門温存により食後のガストリン分泌は良好に行われ, それについで多少のtime lagはあるものの十二指腸 および上部空腸からのセクレチン分泌も充分行われて いると考えられた.術後の栄養状態は,血液生化学的 に問題なく,体重回復においては非常に良好な成績が 得られた. 結語 全胃幽門輪温存PDにおける術後機能については現 在のところほぼ満足すべき成績が得られており,主と して良性疾患に対してPDを行う場合に有効な術式と 考えられた. 1004一

(2)

115

論 文 審 査 の 要 旨

本論文は,全胃幽門輪温存膵頭十二指腸切除術の術後消化管機能について,従来の胃切除を伴う膵頭十二指 腸切除術のそれと対比検討し,胃酸分泌能,消化管ホルモン動態,栄養状態ともに全胃幽門輪温存膵頭十二指 腸切除術が優れていること,また懸念された術後吻合部潰瘍の発生に関しては,適応を選択すれば回避できる ことを臨床例において明らかにしたもので,学術上価値あるものである. 主論文公表誌 全胃幽門輪温存膵頭十二指腸切除術の術後消化管機 能に関する検討一特に術後胃酸分泌能および消化 管ホルモン分泌について一 膵臓(日本膵臓学会機関誌)第3巻 第1号 11~18頁(昭和63年3月25日発行) 副論文公表誌 1)肝内結石症における肝切除の意義 胆と膵5(12)1641~1647(1984) 2)胆嚢癌の拡大手術 肝胆膵 10(4)585~592(1985) 3)胆管への逸脱により胆管閉塞をぎたした早期の ポリープ状胆嚢癌の1例 胆と膵7(4)441~445(1986)

4)Celiac Axis Compression Syndromeの1治験

治療学 18(4)130~132(1987) 5)総胆管拡張のみられない膵胆管合流異常症に合 併した早期の胆嚢癌の1例 胆と膵8(1!)1607~1610(1987) 一1005一

参照

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