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ことばと曖昧性(災害情報伝達の場合)Language and Ambiguity (In the case of Disaster Prevention Communication)

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Academic year: 2021

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発表番号【 E28 】 Title: ことばと曖昧性(災害情報伝達の場合) Presenter: 新井恭子 東洋大学経営学部 准教授 特定非営利活動法人「防災のことば研究会」代表理事 Abstract: 地方自治体が出す避難準備情報、避難勧告、避難指示などが、住民に伝わりにくいという 事が指摘されている。本発表者は、東日本大震災の大津波警報が発表された後の避難を訴え た防災行政無線放送の音声を収集して言語学の視点から分析した結果、放送内容の文言,言 葉の表現そのものに多くの問題があることを発見した。 言語学の各部門では、意味論が言葉の形式的意味を研究し、語用論がコンテクスト(文脈) によって変化する意味の研究を行っている。本研究はこの両方の視点から言語表現の曖昧性 について明らかにし、防災行政無線放送に使用される場合の効果的な言語表現はどのような ものかを提案する。 意味論によると、曖昧性の原因は、語、句、文の3つのレベルにあるといわれている。例 えば、「大きな津波が到来する恐れがあります。」という文については、語のレベルで曖昧性 がある。「大きい」という形容詞は比較に使われる語であるから、どのくらい(程度)、何よ り大きい(比較)という点で曖昧性ある。また、「恐れ」という語は辞書には「こわがる気 持ち。恐怖。不安。」とある。しかし、避難勧告で使われている「恐れ」には、これらの意 味ではなく、「可能性」と同義語のように使われている。多義的な語を使うと文自体がより 曖昧になる。 さらに語用論の見地から見ると、一般に「メタメッセージ」と呼ばれている意味の多重性 も曖昧性に繋がる。言葉の意味は、その言葉を聞いた聞き手のコンテクスト(文脈=環境、 知識、知覚情報など)により、意味が変化する。例えば、海岸で釣りをしている人は、「大 きな津波が到来する恐れがあります。」は、「すぐに高台に逃げなさい」の意味に受け取るで あろうが、高台に住んでいる人にとっては、「その場で様子をみてください」という意味が 伝わるかもしれない。 言語表現のこのような側面を細かく捉えて曖昧性を明らかにし、効果的な避難情報伝達の ための表現方法を提案したい。 ※特定非営利活動法人「防災のことば研究会」は主に言語学の視点から災害情報伝達を研究する団体である。 URL http://www.bousainokotoba.info

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