• 検索結果がありません。

高齢者の社会参加と健康長寿の関連性について/CEL【大阪ガス株式会社 エネルギー・文化研究所】

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "高齢者の社会参加と健康長寿の関連性について/CEL【大阪ガス株式会社 エネルギー・文化研究所】"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)CEL Output Par t 2. 大阪ガス㈱エネルギー・文化研究所 研究員. おん. ざ. 遠座 俊明. てみる。. 高齢者の就労・ 社会参加の状況と 団 塊世代の動向   総務省﹁労働力調査﹂によれば 歳   以上で働いている人は2015年に7 % で、こ れ は 全 労 働 力 人 口 の. 44万人、高齢者全体3392万人の ・. ・ %を占める。そのうち雇用者は. 国民所得の二十数%を占めるに至って 層に到達したためこの5年間で約1・. 458万人で、団塊の世代がこの年齢 倍に増加した。同省の﹁就業構造基. の先行きに不安を抱えている地域団体. が活動の主力となり後継者不足で活動. 結果として団塊世代の地域社会への参. 在 も 働 い て い る 人 が 多 い こ と も あ り、. ムなどが盛んに企画されたのだが、現. 参加を見込んで地域デビュープログラ. 時期があった。各地で団塊世代の社会. 踏まえながらこれからの長寿社会につ. アながら関わってきた。自らの体験も. する中間支援団体の経営にボランティ. などの市民の社会参加活動をサポート. し、またNPOやソーシャルビジネス. 歩や運動、趣味の活動などをしなくな. じりや農作業ができなくなったり、散. 震災の後、それまで日課であった庭い. 多発したことからこの言葉が定着した。. で注目され、また東日本大震災で同時. 提案したもので、介護予防重視のなか. の本来の意味が理解できるよう名称を. くなる〟というものである。リハビリ. が予測されている。急速な高齢化によ. は2060年頃まで上昇していくこと. 加し続け、少子化と相まってその比率. 2040年頃まで高齢者の絶対数は増. ニアと呼ばれる人たちが. 慮のため家事から遠ざかってしまい結. 緒に暮らすことになり、嫁に対する遠. ないとも限らない。高齢女性が嫁と一. の一部の高齢者に起こったことが起き. 発病の注意が必要である。震災後東北. な生活の変化をもたらすため生活不活. 病になるリスクが高まる。また、 歳 大 川 弥 生 医 師 が、 “disuse syndrome” を過ぎての転居は高齢者にとって大き が廃用症候群と訳されていたものをそ. テーション医学の産業技術総合研究所. 果として不活動になったという事例が. 量が大きく低下した場合も生活不活発. 後や、ひとり暮らしになることで活動. と社会参加の効用という視点で概観し. が変化する際生じやすい生活不活発病. 今回は、持続可能な社会づくりに対   し、高齢者の健康自立について、生活. いると言われている。. 第一のパターンは生活習慣病などで. の場合は3つのパターンに分類された。. ーン化できたというものである。男性. 立度と年齢の関係について大きくパタ. とに訪問面接した結果、生活の健康自. 業や役員も含めると. 本調査﹂ ︵2012年︶によれば、自営. 代. 代の方々. ・ %、女性は ・ %が働いている。. かつて団塊世代の大量定年退職をめ   ぐる2007年問題が取りざたされた. 健康自立と 社会参加の関係   健康自立度と社会参加に関し、興味   深い調査がある。全国約6000人の 歳以上の人を無作為に抽出し3年ご. 姿勢・運動、調節機能低下. 代の参加者が少なく、. 70 代の半ば. 自律神経不安定. 歳を超える. をよく目にする。内閣府﹁団塊の世代. あり、デイ・サービス事業者には、民. 歳になるまでに急激に自立度を失って. 歳で男性は. の 意 識 に 関 す る 調 査﹂ ︵2 0 1 2 年︶ ったり外出する機会が減った結果、南. 家を改造し、利用者の調理などへの参. いく約2割の人たちの群。第二のパタ. 69 70. 周囲への無関心. 治 体・町 内 会・老 人 倶 楽 部・NPO団. ∼. では、参加が最も多い社会活動は﹁趣味、 三陸町では震災前に健常だった高齢者. 加も含め、できるだけ自宅に居るよう. ーンは約7割の人たちで、. 8 65. 知的活動低下. 加は期待されたほど進んでいない。. スポーツ活動﹂で ・ %、次いで﹁自. カ月後に歩く. な生活活動ができるよう工夫している. 尿量の増加→血液量の減少 (脱水). あたりまではひとり暮らしができるぐ. 消化機能低下 a.食欲不振 b.便秘. ・ %、. 0. 起立性低血圧. 体等の役員、事務局活動﹂が. 49 静脈血栓症→肺塞栓症. 70 皮膚萎縮 (短縮). 年. ことが難しくなっていたとの報告がな. ところもある。. に限ったことではなく、骨折等で入院. 廃用性骨萎縮. 割近くが震災. さ れ て い る。生 活 不 活 発 病 の 症 状 は. %と半数以上を占める。. にか筋肉が落ちたり、股関節や肩関節. ∼. 日続けて地上に戻った際、重力に逆. 廃用性筋萎縮・筋力低下. の. ﹁祭 り な ど 地 域 行 事 を 支 援 す る 活 動﹂. 5. が ・ %などとなっている。反面、﹁社 ・. しかし団塊世代が後期高齢者︵ 歳   以 上︶に な る 2 0 25 年 頃 ま で に は、. など身体の各部を使わないことでその. 会活動には参加していない﹂が. 団塊世代の人たちの多くは再雇用や再. 部位が動かしにくくなるという、日常 行士が無重力状態での宇宙生活を. 生活でも経験することである。宇宙飛. し動かない生活をしているといつの間. 就職先から離職するものと考えられる。. 生活不活発病 ︵*︶. らって立っていることもできなくなる 生活不活発病の特徴は、普通の病気   が生物として何らかの異常が原因で生. ことはこの典型例である。. 目されている。. 化﹂であるところが大きく違う。病後. じるのに対し、その原因が﹁生活の変. 生活不活発病とは、文字通り生活の   不活発が原因、 つまり 〝動かさないから. 高齢期に健康自立度を損なっていく   要因として、最近、生活不活発病が注. 4. 52 CEL November 2016. Par t 1 / Kagajo Toshimasa Par t 2 / Onza Toshiaki. 研 究レポー ト その. 高齢者の社会参加と 健康長寿の 関連性について. り年金や医療・介護などの高齢者関係. 高齢者のための より良い生き方を 考える. いて考えていきたい。. 第一線で忙しく働く世代は、 自身の老後について考え、 準備する余裕はなかなかない。 しかし、 定年退職後の人生は長く重要な問題でもある。 いかに健康的に、 いかに社会と関わりながら 充実した老後を過ごしていけるのか︱︱ 高齢者に対するさまざまな調査結果から検証する。. はじめに 兆円を超え、わが国の. 社会保障給付費が激増しており、20. 65. いる。将来世代は今後の負担の大きさ. 13年度には. 9 3. で最も高い水準になったが、2015. 日本の高齢者︵ 歳以上︶比率は2   005年に %を超え先進諸国のなか. 11 21.   年前、宝塚で﹁高齢者問題を考え 行動する会﹂に参加して以来、デイ・. 褥瘡. に自分たちの将来への諦めさえ抱いて. 75. Chartに 1あるようにあらゆる心身機 能に関わっている。実はこれは高齢期. 26. などでの安静のとり過ぎのほか、定年. 生活不活発病(心身機能低下の例). 7. 29. うつ状態. 精神や神経の働きに 起こるもの. 5. 75. 動 け な く な る〟 〝使 わ な い か ら 使 え な. Chart 1. 1. 60. 8. 4. 3. 70 1. 65. 年には %を超えた。さらに団塊ジュ. 20. サービス事業を運営するNPOを支援. 65. 2 15. 80 13 53. 5. 60. 心肺機能低下 全身に影響するもの. 関節拘縮 体の一部に起こるもの. 大川弥生 『生活不活発病 (廃用症候群) − ICF (国際生活機能分類) の 「生活機能モデル」 で理解する』 より CEL November 2016. 53. 23. 11.

(2) らい元気だが、. 代後半から自立度が. 割の人たちの群である. 歳近くでも元気に自立して. 徐々に落ちていく群。そして第三のパ ターンは いる約 ︵ Chart︶ 。 2 この 割の人たちと 割 の人たちとの違いは、概ね社会参加の 有無であったと言われている。  ただこのデータだけでは健康だから 社会参加したのか、社会参加したから 健康でいられたのかの因果関係は判ら ない。しかし東京都健康長寿医療セン ター研究所﹁中年からの老化予防・総 合 的 長 期 追 跡 研 究︵TMIG L │ IS A︶ ﹂で は、仕 事・社 会 参 加 が 活 発 な ことが健康長寿の大きな促進要因にな っ て い る こ と が 示 さ れ た︵ Chart︶ 。 3 また、その後の同研究所が行った全国 3 つの自治体での高齢者の児童に対す る 読 み 聞 か せボ ラ ン テ ィ ア を 養 成 し て. それまで経験のなかった者にとって参 加のハードルが高く、人生のセカンド ステージ、サードステージへの準備は 早くから取り組む必要がある。それに は本人の意識および参加を支援する環. ることが示唆されている。. 下を抑制し健康への好影響を与えてい. 齢者の社会参加が身体・認知機能の低. 地域介入﹁武豊プロジェクト﹂でも高. 究︵AGES︶の一部である介護予防. 数設け実施された愛知老年学的評価研. りんと﹂や、地域に憩いのサロンを多. 行われた介入研究プロジェクト﹁りぷ. への影響﹂が、9番目に﹁身体の活動﹂. 分類のトップに﹁社会への参加と社会. 分 野 の 目 標 が 採 択 さ れ て い る が、目 標. 活と食品、タバコ・アルコールなど. について、感染症に対する保護や食生. 衛生政策の基礎となる最も重要な基準. 地方レベルまですべての段階での公衆. 福祉国家スウェーデンでは、国・県・. み出していただくことに苦労している。. る多くの引きこもりがちな人に一歩踏. たけとよ.  ボランティア活動等高齢者の社会参 が位置付けられている︵ Chart︶。 4. 加が、その健康自立を維持増進するの. まとめ. に有効であることは研究者の間で概ね 支持されるに至っている。  しかし課題は、引きこもっている多 数の人がいかに社会参加するようにで きるか、本人の意欲喚起と行動へのき っかけづくりである。地域でもアクテ. グループなどが取り組んでおり行政も. は、 NPOや 地 域 団 体、ボ ラ ン テ ィ ア. の場づくり・きっかけづくりについて. な理由で不活動になっていると思われ. いろいろとなされているが、さまざま. インしていく自律的態度を培っていく. いく力、生涯を通じ自分の人生をデザ. て考え、役割を見出し、それを担って. る。社会参加を含め自分の役割につい. われ、次のライフステージについて考.  働く世代は目の前の仕事や生活に追. ︱︱社会参加の 個人としての準備、 その環境づくり  . それを支援している。しかし、今後シ. ことは重要であり、これは余暇活動を. ィブな人たちによる参加の場づくりは. ニア層を形成していく中年層の、特に. 筋力 (強い). 月. としたネットアンケート調査では、. にCELで実施した3500人を対象. なっている人も多い。2015年. えることが少ない。定年自体が目的に. 視力 (落ちる). たい︵. 時︵9. 年時代と言われる。高齢期の 日のうち9∼. 。 Chart︶ 7. 社現代新書. 年間. 年分=8万時間. 生 活 不 活 発 病とは何か﹄大川 弥 生 著 、講 談. ︵*︶参考文献﹃﹁動かない﹂ と人は病む. │. 自らの実践も踏まえながら探っていき. して生き抜くため、その準備について. ライフイベントを乗り越え健康に自立. 響する。定年後の地域社会での活動は. 代の過ごし方は健康自立度に大きく影. より長い。定年後の過ごし方、特に. 時間2000時間の. で8万2125時間ある。年間総労働. 時 間︶を 自 由 時 間 と 仮 定 す る と. 人 生 は 長 い。.  人 生. が見られた︵ Chart︶。 6 格差社会の拡 大は健康面においても危惧される。. は、収 入 と 生 活 の 活 発 度 と の 間 に 関 係. 過 ぎ な か っ た︵ Chart︶ 。 5 ま た、﹁定 年後にしていること﹂を聞いた調査で. 体的に考えている人は4人にひとりに. 代で今の仕事を定年した後について具. 50 70. 仕事・社会活動 (活発). も含めた真にキャリア教育の目指すも. 12. 高齢者の健康長寿の要因. 心の準備に関する各方面での取り組み. ※矢印2本は影響力が強いもの。 …阻害要因 …促進要因. 聴力 (落ちる) 身体. アルブミン (高い方) 検査 20%. 境、仕組みづくりが重要である。. (個人年収別/複数回答/55歳以上). のである。今後、高齢期のさまざまな. 血圧. 19.1% 10%. 60-69歳. 入院 (過去1カ月あり). 40. 26.7% 30%. 50-59歳 40-49歳 0%. コレステロール (高い方). 18 25. 1 40%. 抑ウツ傾向 (あり). 11 80%. そしゃく力 (落ちる). 40.0%. 睡眠時間 (長い) 100%. 90. 喫煙 (吸う). 中年期(準備期). 体力. 健康度自己評価 (よい) 心理. 飲酒 (適量) 生活習慣 定年退職後のセカンドライフについて 概ねこうしたいと 考えている人の割合. 歩行速度 (速い) 60%. Chart 3. 定年退職後の セカンドライフについて. バランス能力 (高い) 70%. (年齢). 63-65 66-68 69-71 72-74 75-77 78-80 81-83 84-86 87-89. については、これからのように思われ. … 自治会・ボランティア・NPO活動 (有償ボランティア含む) … 地域のサークル・趣味の活動 … 家事・介護 … 特別なことはしていない/普通に過ごす … その他.  高齢者に対する社会的活動への参加. 食生活と食品 6.4. 54 CEL November 2016 CEL November 2016. 10 5.7. 東京都健康長寿医療センター研究所 「中年からの老化予防・ 総合的長期追跡研究 (TMIG-LISA) 」 より. 55. 身体の活動. 慢性疾患 (あり) 外的・環境的側面 ● 社会的な活動の場と 参加へのきっかけづくり. 9. 通院 (過去1カ月あり) 内的・心的側面 ● 参加への意欲喚起. 性と生殖に関する健康 12.7. 50%. 高齢期. 8. 12.3. 90%. 内的・心的側面 ● ライフ・キャリアデザイン ● レジリエンス力の強化. 感染症に対する保護. 12.3. Chart 5. 健康長寿・生涯現役に向けた 今後の活動 Chart 7. 7. 10%. 多くの人は 定年退職後の 生活について よく考えていない 外的・環境的側面 ● プロボノなどのNPO活動 ● ソーシャル・ネットワークづくり. ① 基本的&   手段的   日常生活 第一のパターン   動作に 19.0%   援助が必要. 健康増進サービス. 17.4. 6 21.0. 環境と製品 30%. 0 死亡 ①. 第二のパターン 70.1% ② 手段的   日常生活   動作に   援助が必要. 5. 40%. 23.4. ─ 全国高齢者20年の追跡調査 ─. 1 90. 秋山弘子 長寿時代の科学と社会の構想 『科学』岩波書店、 2010 より (一部加筆) 100万∼300万円未満. 7. 職場における健康 27.7. 4. 29.8%. 幼少期および青年期の環境. 41.9%. 500万円以上 300万∼500万円未満 0%. ③ 自立. 3. 36.2%. 経済的社会的必要条件. 50%. タバコ、 アルコール、 違法薬物、 ドーピングとギャンブル. 第三のパターン 10.9%. 2. 20%. 11 2.3. 70 1. 11の目標とする分類 収入の少ない人に 特別なことは していないと 答えた人が多い. 社会への参加と社会への影響. 24.8. 男性の自立度の変化パターン スウェーデンの公衆衛生政策. 定年退職後の活動状況と 収入の関係. 1. 26.1. Chart 2 Chart 4 Chart 6.

(3)

参照

関連したドキュメント

非正社員の正社員化については、 いずれの就業形態でも 「考えていない」 とする事業所が最も多い。 一 方、 「契約社員」

関係会社の投融資の評価の際には、会社は業績が悪化

ダイダン株式会社 北陸支店 野菜の必要性とおいしい食べ方 酒井工業株式会社 歯と口腔の健康について 米沢電気工事株式会社

 今日のセミナーは、人生の最終ステージまで芸術の力 でイキイキと生き抜くことができる社会をどのようにつ

 筆記試験は与えられた課題に対して、時間 内に回答 しなければなりません。時間内に答 え を出すことは働 くことと 同様です。 だから分からな い問題は後回しでもいいので

大村 その場合に、なぜ成り立たなくなったのか ということ、つまりあの図式でいうと基本的には S1 という 場

自分ではおかしいと思って も、「自分の体は汚れてい るのではないか」「ひどい ことを周りの人にしたので

会社法規部は, 如何なる会社にとっても著しい有 いうまでもなくここでいう会社法規部とは,