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学位授与日付: 平成

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Academic year: 2021

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(1)

学位授与番号:乙

3208

氏 名:横川 裕一

学位の種類:博士(医学)

学位授与日付: 平成

30

2

14

学位論文名:

Unique clonal relationship between T-cell acute lymphoblastic leukemia and subsequent Langerhans cell histiocytosis with TCR rearrangement and NOTCH1 mutation.

(T 細胞性急性リンパ性白血病と続発したランゲルハンス組織球症の

TCR

再構

成と

NOTCH1

遺伝子変異パターンによる細胞クローナリティーの検討)

学位論文審査委員長:教授 矢野真吾

学位論文審査委員:教授 吉田清嗣 教授 松浦知和

東京慈 恵会医科大学 電子署名者 : 東京慈恵会医科大学 DN : cn=東京慈恵会医科大学, o, ou, [email protected], c=JP 日付 : 2018.12.18 16:22:41 +09'00'

(2)

論 文 要 旨

氏 名 横川 裕一 指導教授名 井田 博幸 主論文

Unique clonal relationship between T-cell acute lymphoblastic leukemia and subsequent Langerhans cell histiocytosis with TCR rearrangement and NOTCH1

mutation.

(T 細胞性急性リンパ性白血病と続発したランゲルハンス組織球症の

TCR

構成と

NOTCH1

遺伝子変異パターンによる細胞クローナリティーの検討)

Yuichi Yokokawa , Tomohiro Taki , Yoshiaki Chinen , Satoru Kobayashi , Hisao Nagoshi , Masaharu Akiyama , Akira Morimoto , Hiroyuki Ida , Masafumi Taniwaki .

Genes, Chromosomes and Cancer. 2015 Jul; 54(7): 409-17.

要旨

ランゲルハンス組織球症(LCH)は成人、小児に発症するまれな疾患である。 白血病 や固形腫瘍が極めて稀に続発することが報告されているが、その発症機序も未だ解明さ れていない。私は

T

細胞性急性リンパ性白血病(T-ALL)に対する維持療法中に

LCH

を発症した症例について、それぞれの細胞のクローナリティー解析を行った。まず、

T-ALL

LCH

細胞に同一の

TCRγ

再構成パターンを認めたことから、ALL と続発し た

LCH

には共通の起源となる細胞が存在することが示唆された。さらに、T-ALL にお いて

NOTCH1

遺伝子エクソン

27

HD

領域に

5156T>C (I1719T)、エクソン 34

PEST

領域に

7213C>T (Q2405X)を認めたが、LCH

においてはエクソン

34

の変異のみ を有することが明らかとなった。寛解期の

T-ALL

細胞にはこれらの変異を認めなかっ た。

T-ALL

NOTCH1

変異が存在するアレルを解析したところ

3

種類のクローンを確 認することができた。 この結果から白血病細胞には染色体上の組換えなどで複数の変異 パターンが存在することが推測された。続発した

LCH

細胞は

1

つの

NOTCH1

変異を 有する

T-ALL

細胞のマイナークローンから由来すると考えるより、むしろ

TCR

再構成

と1つの

NOTCH1

変異を有する共通の造血前駆細胞から由来していると考えられた。

この結果は、古典的造血モデル“分化の最初の段階で骨髄球系・赤芽球系前駆細胞とリ

ンパ球系前駆細胞に分岐する”の考えよりも、

2008

年に提唱された新たな造血モデルで

ある“赤芽球系、T 細胞系、B 細胞系に向けて分化した後も、骨髄球系の細胞を作る能

力を保持している”とした考えを支持するものと考えられた。悪性疾患に続発した

LCH

が難治性の経過をたどる場合、遺伝子変異が関与している可能性を考慮し、早期からの

治療強度の増強、NOTCH1 シグナルを抑制する

γ

セクレターゼ阻害薬などの選択が予

後の改善につながると考えた。

(3)

論文審査の結果の要旨

横川裕一氏の学位申請論文は、主論文

1

編、参考論文

1

編よりなり、主論文 のタイトルは、 「Unique clonal relationship between T-cell acute

lymphoblastic leukemia and subsequent Langerhans cell histiocytosis with TCR rearrangement and NOTCH1 mutation (T

細胞性急性リンパ性白血病と 続発したランゲルハンス組織球症の

TCR

再構成と

NOTCH1

遺伝子変異パター ンによる細胞クローナリティーの検討)」と題するもので、2015 年に

Genes, Chromosomes & Cancer

誌に発表された。この研究は小児科学講座の井田博幸 教授の指導によるものである。以下に論文内容の要旨と審査委員会の結果を報 告する。

ランゲルハンス組織球症 (LCH) に白血病や固形腫瘍が極めて稀に続発する ことが報告されているが、その機序は未だ解明されていない。

T

細胞性急性リン パ性白血病 (T-ALL) の維持療法中に

LCH

を発症した症例において、腫瘍細胞 の遺伝学的解析を行い、LCH の細胞起源を検討した。

T-ALL

細胞と続発した

LCH

細胞は共通の

TCRγ

再構成を有し、同一の細胞

由来であることが示唆された。NOTCH1 変異の解析から

T-ALL

細胞には

3

つ のマイナークローンが存在していたことが明らかとなり、

LCH

細胞は

TCRγ

構成と

NOTCH1

変異を

1

つのみ有する

T-ALL

前駆細胞から派生したと考えら

れ、続発性

LCH

の発症機序に関する新しい知見を提唱した。また臨床経過の検 証から、本来

LCH

は予後良好な疾患であるが、本例では

NOTCH1

の発現が

LCH

の性質に変化を与え予後不良な経過を辿った可能性が示唆された。

本申請に対し平成

30

1

16

日、吉田清嗣教授、松浦知和教授ご臨席のも と公開審査会を開催した。

席上、1) ランゲルハンス組織球症から急性リンパ性白血病が発症した報告は あるのか、

2) therapy related

でランゲルハンス組織球症が発症した可能性はあ るのか、3) negative control の設定は適切であったか、4) ランゲルハンス組織 球症のブロックからどのような方法で

NOTCH1

変異を解析したのか、

5) T-ALL

細胞株の解析で

minor clone

の存在を指摘しているが

PCR

による手技的な理由 であった可能性はないのか、6) 細胞株の

minor clone

は継代されていくのか、

7)

本症例は重篤な肺高血圧を発症したがその機序は何か、など多数の質問、指

摘があった。横川氏はそれぞれに対して的確に回答した。本研究は

T-ALL

細胞

LCH

細胞の起源を追求することにより、骨髄球系-T リンパ球系共通前駆細

胞の存在を考察し、造血細胞の新たな分化モデルを裏付けたところに、従来の

報告と一線を画す新規性があった。この点を評価し、慎重審議の結果学位論文

として十分価値のあるものと認めた次第である。

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