審 査 論 文 要 旨(日本文)
論文提出者氏名: 幕内 洋介
題 名:Soluble interleukin-6 receptor is a serum biomarker for the response of esophageal carcinoma to neoadjuvant chemoradiotherapy
(sIL-6受容体は食道癌術前化学放射線療法効果の血漿予想マーカーである)
著 者:Yosuke Makuuchi, Kazufumi Honda, Yoshiaki Osaka, Ken Kato, Takashi Kojima, Hiroyuki Daiko, Hiroyasu Igaki, Yoshinori Ito, Sumito Hoshino, Shingo Tachibana, Takafumi Watanabe, Koh Furuta, Shigeki Sekine, Tomoko Umaki, Yukio Watabe, Nami Miura, Masaya Ono, Akihiko Tsuchida, Tesshi Yamada
掲載誌:Cancer Sci. 104(8):1045-51. (2013)
【背景】
前化学放射線療法は食道癌患者の予後を改善することが示されているが、その反応はさま ざまである。従ってPCRTに反応しない患者を特定することが望ましい。
【材料と方法】
我々は 84 種類の血漿サイトカインやたんぱく質を調査し、PCRT 施行後食道切除術を施行 された 37 例の食道扁平上皮癌患者と関係を調べた。PCRT に対する病理学的奏功性は手術標 本で評価した。
【結果】
我々は可溶性IL-6 受容体(sIL6R)がPCRTへの反応が乏しかった30 例で有意に高値であ ったことを発見した(p=0.005)。多変量解析ではsIL6Rの増加が予後不良因子の一つであるこ とが判明した(ハザード比2,87;p=0.017)。病理学的CRを得られなかった患者におけるsIL6R の増加は独立コホートの34例でも再現性がよく認められた。我々はCDDP/5FU(PCT群N=100)
と DTX/CDDP/5FU(前向き PCT 群 N=21)の術前化学療法を受けた患者の血漿サンプルから
sIL6Rを測定した。そしてPCT群で7%(7/100)前向きPCT群で19%(4/21)に病理学的CR を得た。PCT群における7例と残り93例の間に明らかな有意差は認められなかった(P=0.345)。 また前向きPCT群の4例と18例でも同様であった(P=0.915)、sIL6Rは化学療法ではなく化 学放射線療法への反応を予想するものであると示される。sIL6R の値は PCT 群の予後には関 係していなかった(P=0.865)。
【結語】
血漿sIL6Rの増加している食道扁平上皮癌患者はPCRTへの反応性が乏しいと予想され、そ
れゆえ彼らを治療から除外することが考えられる。慢性炎症は治療抵抗性として関与してい る。
東 京 医 科 大 学