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Ac et az ol ami de 負荷 9 9 mTc‑ HMPAO 脳 SPECT
松 田 博史 杉 山 誠 * 野 口 隆俊 * 筒井 利弘*
要 旨
脳循環予備能 を短 時 間 に評 価 す る 目的で
9 9 mTc‑
HMPAO
によるacet azol ami de
負荷前後脳血流spECT
法 を開発 した。椎骨脳底動脈循環不全疑 い の患者 に応用 した ところ,負荷 にて初 めて右小脳半 球 の血流低下が み られた。本法で は全検査時間 を約3 0
分 に抑 え る こ とが で き,薬 剤 負荷 前後 の脳 血流 像 を 1回の検査 で評価 す ることが可能 なため臨床的 有用性が高 い。は じめに
N‑i s opr opy
ト[123Ⅰ]p‑i odoamphet ami ne
(123トI MP)
や9 9 mTc‑hexamet hyト propyl eneami ne oxi me ( 9 9 mTc‑HMPAO)
による脳血流 シンチグラ フィはSPECT
装置 の普及 とともに現在盛 んに施行 され るようになった。特 に,脳血管障害例 にお ける 血行再建術 の適応決定や効果判定 には必須の検査法 とな ってい る1)2)。 この よ うな血行 再建術 の適 応 と なる脳動脈主幹部 に閉塞 を有す る症例 で は,脳血流 状態 とともに脳循環予備能 を評価 す ることが重要で ある。現在,SPECT によ り脳循環予備 を評価 す る 方法 には,脳血流 と脳血液量SPECT
を組 み合 わせ る方法3)と,acet azol ami deの投与 による脳血流の
増加程度 か ら脳血管拡張能 を推定 す る方法2)4)が報 告 され て い る。今 回 われ わ れ は,後 者 の方法 に よ る9 9 mTc‑HMPAO‑SPECT
を用 いた比較 的短 時間 で簡便 な脳循環予備能評価法 を開発 したので報告す る。症例 と方法
59
歳,男性。1989
年8
月31日 6:30
起床時,起 立 ・歩行障害 を認 め,歩行時 に右側へ偏債 したが約1
時間で軽快 した。同 日9:00
のⅩ線CT
で は著変 はみ られ ない( Fi g. 1)
。神経学 的検 索 で も来院時異 常 は認 め なか った。同年9
月6日 9 9 mTc‑HMPAO
(アマ シャム薬品) によるacet azol ami de負荷前後
脳血流SPECT
を施行 した。99 mTc一 一 HMPAO
を調 製 しその740MBq ( 20mC
i) を静 注 し,その3
分 後 よ り1回 目の投影 デー タを1 0
分 か けて収集 した。その収集 開始 と同時 に
acet azol ami de ( DI AMOX
㊨)
1 g
を緩徐 に静注 した。収集終 了直後 に,同 じ バ イアル よ り9 9 Tc‑HMPAO 740M Bq ( 2 0mC
i) を 静注 し, その3分後 よ り2回 目の投影 データ収集 を1 0
分間行 った。1回 目の9 9 mTc‑HMPAO
投与 よ り 全検査終 了 までの時間 は約30
分 で あ った。使 用 し たSPECT
装置 は,GE社製s t ar cam 400 AC/T
で あ る。1回 目の収 集 で得 られ た再 構 成 像 はacet ‑ azol ami de負荷前の脳血流像 を表 わす。 また,2
回目の収集 で得 られたそれ は,負荷前 の像 と負荷後 の 像 が合 わ さった もの とな る
。1
回 目の像 を,2
回 目 のそれ よ り減ず る ことによ り負荷後 の像 のみを抽 出 した。画像診断のポイン ト
acet azol ami de
負荷前の1
回 目のデー タ収集 よ り 得 られた再構成像,負荷後 の2
回 目のデータ収集 よ り得 られた再構成像,画像 の減算 によ り得 られた負 荷後 のみの再構 成像 の横 断断層像 をFi g. 2‑4に示
9 9 mTc‑HMPAO br ai nSPECT dur i ngt heacet azol ami det es t
Hi r os hiMat s uda,Makot oSugi yama * ,Takat os hiNoguchi
*2 ,Tos hi hi r oTs ut s ui * De pa r t me nto fNuc l e a rMe di c i ne ,Ka na z a waUni ve r s i t ySc ho olofMe di c i n e
金沢大学医学部核医学科
〒9 2 0金沢市宝町1 3‑ 1
' De pa r t me nto fRa di ol o gy,a n d8 2 De pa r t me nto fI nt e r na lMe di c i ne ,Ho ku r i kuHo s pi t a l,Ka na z a wa
国家公務員等共済組合連合会北陸病院*放射線科,*2内科す。負荷前では脳血流像 に異常 は認 め られない。負 荷後 には右小脳半球 に矢印の ごとく集積低下が出現
し,小脳運動失調症状 と合致 した。
考 察
SPECT
にて脳循環予備能 を評価する他の方法 に は前述のごとく脳血流 と脳血液量SPECT
を施行す る方法3)が報告 されている。主幹脳動脈 の閉塞 によ核医学画像診断
Vol , 4No. 31 9 8 9 .1 2 . ‑ 8 3‑
り脳組織の潅流圧が低下すると脳血管抵抗 を減 らす べ く脳血管が拡張 し脳血液量が増大する。脳血液量 を脳血流量で除す ると血管内平均通過時間 とな り, この通過時間は酸素摂取率 と正比例することが報告 されている5)。 この酸素摂取率の上昇 は脳循環予備 能の低下 を示す。 このため脳血液量
SPECT
により 脳血液量 の増大 を検 出す ることが重要 となって く る。 しか し,脳組織の血液量 は4 ‑5mg / 1 0 0gと極
Fi g.1 XでayCT s c ans ho wsnoabn
or mal i t yi na5 9 ‑ ye a r ‑ ol dpat i e ntw it ht r a ns i e nti s c he mi c
at t a c kofc e r e be l
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めて少な く,脳表 の太い血管や静脈洞の高 い放射能 のために脳組織 の血液プールを正確 に評価す ること はしば しば困難である。
今回
ac et azol ami de負荷 による方法 は Vor s t r up
ら4),Nakagawar a
ら2)
な どによ り1 3 3 Ⅹe
や1 2 3 ト I MP
を用 い て精 力 的 に検 討 され て きた。acet‑ azol ami de
は脳組織 の炭酸脱水素酵素 を阻害 し,脳 組織のpH
を急速 に低下 させ る。 この脳組織のpH
低下 によ り脳血管が拡張 し脳血流量が増加す る と推 定 され て い る6)7)。 したが って,acet azol ami de負
荷前 と負荷後 の像 を比較す ることによ り脳循環予備 を評価す ることが可能である。今 回呈示 した症例 で は負荷後 に初 めて右小脳半球 に血 流低 下 が 出現 し た。 この ことか ら右小脳半球の循環予備能の低下が 示唆 された。血管造影 は末施行であるが同支配領域 動脈の閉塞 または高度の狭窄が疑 われた。HMPAO
によるac e t azol ami de負荷試験 は未だ
報告 されていない。HMPAOを用 い る場合,最 も 懸念 され るのは高血流域 においてHMPAO
の脳 か ら血 中への逆拡散 が大 きい ことであ る8)。 このた めac et azol ami deによる血流増加 は過小評価 され る可
能性がある。今後 はLas s e n
らの提 唱す る補正法9)
の適用 も考慮 され るべ きもの と思われ る。 この よう な欠点があるに もかかわ らず今 回HMPAO
を用い た理 由は,HMPAO‑ SPECT
で はその脳 内分布 が 静注後約2
分以内 に決定 し以後長時間保 たれ る とい う性質10)を生 か した連続撮像が可能 であ るか らで ある。 また,acet apol ami deの効果 は静注 1
0分後 ぐらいで最大 に達 し,以後3 0
分 ほ ど保 たれ る と報 告 されている11)。 このため1回目の撮像時間 を薬理 効果の最大 にな るまでの待 ち時間 に使 えるため,1
回目の撮像終了後 ただちにHMPAO
の追加量 を投 与す ることがで き全検査時間 を短縮 す ることが可能 である。画像 の減算 には頭部が全検査 中動かない ことが必 要で あ り,検査 時間 は短 けれ ば短 い ほ どよ い。今 回開発 した方法 は
ac e t azol ami de負荷 前後
の独立 した画像 を約3 0
分で得 ることがで きるた め 患者 へ の負担 も少 な く施 行 が容 易 で あ る.IMP‑
spECT
で は負荷前 と負荷後 を別の 日に施行 しなけ ればな らない。 また,13 3 Ⅹe‑SPECT
は同様 に連続 撮像が可能であ り,血流の絶対値 も得 られ るが,像 の空間分解能が悪 く, また1 3 3 Ⅹeの洗 しだ し曲線 を
秒単位でモニターす るための特殊 なSPECT装置が
必要である。今回のHMPAO‑ SPECT
連続撮像法核医学画像診 断
Vol . 4No. 31 98 9 .1 2 . ‑ 8 5‑
は通常の回転 ガ ンマカメラ
SPECT装置で施行可能
であ り,脳循環予備能 の評価法 として臨床的有用性 が極 めて高い といえる。文 献