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消費需要の性格変化

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消費需要の性格変化

梶原禎夫

昭和48年秋の石油危概により消費者が生活必需物資の一部を買い急ぎ,企 業の買い占め,売り惜み,品不足が深刻な社会問題となっていた時,当時既 にわれわれはこれまでの高度成長経済を通じ,企業の製品差別化政策と大量 広告によって消費者が過剰に製品を受容している状態の下での買い急ぎと品 重畳であることを看取していた。

製品変更を伴わなP価格引上げに直面し,さすがの日本の消費者も企業に ょる支配から脱却し,独立した消翠行動を与るようになる−その時は,消

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費者が過剰な消費を止めるだけでなく,消費行動の基本構造が変わる−

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われわれは消費者の買い急ぎから出発している当面の問題より,むしろやが て訪れる消費者行動の反転による経済の混乱−この問題をより深刻で長期 にわたり継続するものとして取り上げようとした。

インフレ下における消費者行動の変化について,われわれは当時既に需要 流動化理論をもっていた。(昭和49年4月,京都ミネルウァ書房から需要流 動化と企業行動の書名で公刊)需要流動化とは,簡単にいうとデイスカウン タ「互耳による流通過軍会の嘩格現争の導入や有ンフーレの進行による実質所一ll一一−−r一一一一・・一一一一1−一・一一一 ̄ ̄▼ 一

得の低下などによって消費者が製品差別化,大量反復喀告,店舗差別化など

1−−l−1−・  ̄     l−、−__・

への反応を低下させ,同時に製品の実質的内容,価格,店舗の実質的供給内

___一一.一・・・・・・・・・・一一   一・   ・一・・・・・一 一一・一一、

1

容などに敏感になり,商標問と店舗間を流動し始めることをいう。l石油危機 を契機に,不幸にも日本は,インフレの下での需要流動化を検証するための 巨大な実験市場となったのであ去あらゆる犠牲を惜まず,消費者行動の反 転の時を待って全国調査を行い,調査結果について東京で発表することを昭 和48年12月初めに決定した。

甫ちに長崎大学消費者行動研究会を構成し,昭和49年1月から調査票試作 と試験調査を操り返えしながら,昭和49年7月に調査票の最終設計を終え,

(2)

8月から9月にかけて東京,名古屋,大阪などで調査を行い, 1093の有効票 を回収,その集計結果を昭和491219日に束京赤坂英町葵会館で,行政機 関,企業,調査研究機関,大学などからの出席をえて公表した。

調査結果は,需要の流動化傾向をかなり明確に示した。也翌雪は,価格に 敏感になり,製品差別化への反応を低下させ,製品の実質的内容への反応を ← 一

」強t òÒ t~ がふ特定商標や一流商標への固執を止める:/f@J1LJ互主2:2あこ乏た。

また消費者は,居舗選択の範囲を拡大し,特定底的へり国益5己主主主'一居合il を流動し始めていた。購買決定に当つての思考時間は長くなーり,一決定‑02計画 化 や 自 立 化 , つ ま り 企 業 支 配 か ら の 脱 却 が 実 現 し つ つ あ る こ と を 示 し て い

f

アメリカにおいて,消費者の商標間,居舗聞の流動化は,まず割引系小売 商による価格競争の導入,多商標の品揃え,消費者の自由な製品選択を促進 する販売方法の導入などによって引き起乙されたが,教育水準の向上は消費 者の自立性を高め,また所得の増加は消費者の購買の危険負担力を高めて,

この流動化が促進されてきた。更にインフレの進行は,市場地位を達成し,

寡占的行動をとる傾向がみえていた割引系小売商にも,その草新性をよみが えらせ,再び需要流動化を促進する機会をつくってきた。

しかし,菅本においては,昭和30年代に発達し始めた割引系小売商は,消費 者の購買行動が集中している都心部またはその周辺に立地することが多く,

そのためエントリーコストが大きく,早期に割引率を低下させ,寡占的行動 に向かう傾向が生まれた。また日本では,~占企業の流通玄E宝蛙隆三二るた

並立2独禁政策が,割引系小売商の発達に合わせて充分に強化されなかったた め!ょうやく発達し始めた割引系小売商も,供給源確保のため早期に割引率 を低下させることを余儀なくされる事情もあった。いずれにせよ,日本では 割引系小売商による需要流動化はそれ程顕著には現われなかった。また,所 得の増加も製品差別化と高価格を受容させる効果をもっただけで,購買の危 険負担力を高めて,需要の流動化を促すことは少なかった。しかし;、仰年代後 半に入ってからのインフレの急速な進行,更に48年10月の石油危機を契機と

したインフレの加速は,消費者の購買行動の計画化:ア自ー立化を一挙巴進め,

(3)

需要の無差別な創造とその商標への固定に無抵抗であった消費者の購買行動 の 隣 が 基 本 町 ! 型 迎 。 一 一 一

一一一一一一一一一一一一一一一一一一一‑←ー一ー一ー一一司F一一一一戸一‑ーーーー‑ー一戸一一一一一一一一一一一一ーー一一一一‑ー一一ー一一一一一一一一一一

j このように消費者住企~O):独占的行動に強い抵抗を示すようになったが?

七かし,消費者と企業の関係はこれでいいということではない。企業が供給

1する製品やその販売方法は,必ずしも乙のように自立した消費者の評価に十 分耐えるものとはいえなし」自立した消費者の要求,つまり消資者の真の要 l

求と企業行動の聞にはへだたりだあるように思われる

乙の調査は,調査事項を若干変更しながら三カ年継続して行うものであ り,昭和508'"'"'9月には束京目黒,千葉高j丹[,横浜洋光台,名古屋,神戸 渦森台,明石舞子,福岡長住,北九州徳力などで調査を実施, 1330の有効果 を回収した。

50年調査結果では,価格に対する消費者の反応は,一流商標へ固執する者 が 衣 料 七 組 百 五U,逆に家庭電器では増加したり,商業者商標との関係

一一一一‑一一一一

では衣料と食品では有名メーカーの商標への固執が減少したとか,その内容 に 若 干 の 変 化 は あ っ て ぬ 詞 亙 可 動 維 持 さ れ て い る 。 ま た , 50年調査 では49年調査に比べ,食品と基礎衣料で庖舗をよく見回る努力を低下させて いるがiーや体加え巽専は居舗の選択主且由!C{王う傾向を維持しているo製品 に対する反応も, 50年調査でも49年調査と同様,製品の差別化された特徴よ り も 実 関 垣 必 反 応 が 追 加 は き いo9Ilc, 50年調査では,製品差別化 や広告の購買起W1Zl1果が極めて低くなっていることが明らかになっているo

ここでは,昭和49'"'"'50年調査の基礎となっている消資者行動理論をまず簡 単に紹介した後, 49年調査, 50年調査の概要を述べ,消費者行動の変化の要 因を,政府機関による同様の調査を参考にしながら改めて検討し,企業の適 応行動上の問題を吟味してみたい。

(4)

I  インフレ下における消費者行動の変化についての仮説

既に述べたように,われわれの全国調査は消費者行動や企業行動について の特定の理論を検証するのを目的としてスター卜した。検証しようとした消 費者行動理論はほぼ次の通りであるo

1.  価格競争が導入されると,消資者は価格に敏感になるだけでなく,製 品の実質的内容,居舗の実質的な供給内容などによく反応するようにな り,製品差別化,百舗差別化,イメージ広告,大量反復広告などへの反 応を低下させる。

一般に価格競争が導入されると消費者問但担壬里庄土互主立之主ム豊旦一 主主主盤盛Iζt~3o 価格切下げに直面し,消費者はそれまでの賠買慣習を再

検 討 し , 特 定 商 標 や 一 流 商 標 へ の 固 着 を や め , 貝 昭 三 氏 型 ゆ りJ消費 者はそれまでと異なる商標の消費経験を通じ,信頼性の高い情報をえて,購 買行動を計J田弘さ埜るρ アメリカの場合でみられるように,所得の上昇も消 費者の新しい購買行動についての危険負担能力を高め,一部の消賢者の商標 間流動性を高めるo しかし,日本の場合は昭和30...40年代を通じて一般に所 得上昇により消費者は製品差別化や大量広告への反応を強め,一流商標へ固 執し,高価格を受容する方向に動いたことに注目すべきであるo このような 価格による刺激と,一部には所得上昇を通じて商標聞を流動し始めた消費者 に対しては,製品差別化,心理的広告,直接購買行動を起動するための広告 などの効果は低下するD 企業間競争は製品の技術的改善と価格競争力の強化 を中心とするダイナミックな過程として展開される傾向が現われ始める。

このような競争過程は乙れまでも,エントリーが比較的容易で多数の売手 から構成され,技術の未開拓領域も大きい生成期の産業でみられた。また,

寡占化した産業でも,製品比較,従って価格比較が容易なために価格競争の 排除ができない製品分野や比較的集中度の低いもの,とくに競争的周辺企業

(5)

をもつもので価格競争が残っている場合,また特に,アメリカで顕著にみら れるように,流通経路に割引小売商の割り込みが成功している場合などに,

類似の競争過程の展開がみられた。とくに,割引小売商が各程の商標につい て行う,短期間の特別割引による価格による刺激が消費者の商標間流動性を 高め,消費者の購買行動を計画化に導く効果は大きし"'0また,割引小売商が 導入する価格競争は,特別の庖舗イメージで消費者に高価格を受容させ,消 費者を自己の庖舗に固定させるための小売商の需要創造的サービスの効果を 低下させ,消費者の庖舗間流動性も高める口居舗聞を流動し始めた消費者は 製品の実質的内容と価格そのものへの反応を強化するD

わが国の場合は,所得上昇による製品選択の危険負担能力の拡大や,割引 小売商による価格競争の導入で需要流動化がみられるような乙とはこれまで ほとんどなく,次に述べるように,インフレという異常な条件下において需 要流動化がみられるようになった。

2.  インフレの進行は,消費者に実質所得が減少しつつあるという認識を 強め,製品の実質的内容,価格,居舗の実質的供給内容などへの消在者 の反応を強化し,製品差別化,居舗差別化,イメージ広告,大量反復広 告などへの消費者の反応を低下させるo

先に,アメリカの場合にみられたように,所得上昇がれHE:者の危険負担能 力の強化を通じて,一部の?百貨者についてはその商標間流動性を高め,購買 行動の計画化を促すことを指摘したが,また逆時?ンフレの進行は?百貨者聞 に実質所得が減少しつつあるという認識を高め,より大規税l乙,またより強 力に消費者の購買行動の計回化を直接促進し,製品差別化や広告の売上効果 を減少させる。集中皮の高い消費財産業では企業は製品差別化と広告とによ って,商標に対する消費者の執若を創造し, 1ì~~2者 l乙高価格を受容させ,イ ンフレの一つの要因をつくってきたが,やがてインフレの進行自体が, この ような製品差別化と広告による消費者操縦機HI}を破壊するようになる。企業 問には再び価格競争が展開され始め, この価格競争を通じて

m n

者の賂穴行

(6)

勤の計画化がさらに促進されるoまた,インフレの進行に伴う,消賀者の価 l乙対する反応の強化は,価格弾力性の拡大を通じて割引小売商による価格 競争の導入を促進するO 更にインフレの下では,より少ない価格引上げ幅と いう型の価格競争が導入されることに注意すべきであるO 割引小売商による 価格競争の導入は,消費者の庖舗間流動を促し,製造企業による流通支配を 困難にし,製造企業聞の価格競争の機会をさらに拡大するo

(寡占化した産業では,インフレの進行中でも,価格引上げは協定,またはプライス リーダシップなどの方法で企業聞の価格行動に協調がみられるが,小売商聞にはとのよ うな協調はしばしば欠如する。その結果,大型小売商より周辺小売商の価格引上け可日が 大きくなりがちで,価格への反応を強めている消費者は大型小売商に吸収される。本 来,割引価格政策で大規模化した大型小売商が,ある程度の市場地位を達成するとその 割引率を引き下げ,周辺小売商と協調する方向を選ぷのは,価格 ~lìj 力性がある程度小さ くなった段階においてである。インフレの進行により価格への反応が大きくなると,周 辺小売商と協調路線をとっていた大型小売商が再び、草新性を取りもどし,成長政策をと

る可能性は高い。)

3.  インフレ下において,消費者が価格に対し敏感になると,一流商標の イ メ ー ジ が 強 い 有 名 メ ー カ ー の 商 標 よ り 商 業 者 商 標 を 選 択 す る 居 が 拡 大し,商業者商標の市場地位が向上するO

一般に商業者商標は,製造企業の全国商椋が導入され,市場地位を硲立し た後に初めて存在しうるO しかも,商業者商標について消費者は全国商標の 価格から割り引かれた価格でしか受容しない。さらに,商業者向摂の促進手 段が価格であるため,製品は差別化の程度が低く,需要の商標問移動が大き いものに限られるO 商業者商標の製品内容が全国商標に比較し必ずしも劣位 にあるとは限らないが,小売商は自己の商標について大規模な需要創造機椛 をもたず,すでに市場地位を確立している全国商標との関連で初めて受容さ れるもので, し か も そ れ は 地 方 的 で し か な し わ が 国 の 場 合 特 に そ の 市 場 地 位は低かったD 最近,アメリカの場合では消資者の製品識別能力の向上によ

(7)

り商業者商標が再評価され,また所得向上により消費者の危険負担能力も拡 大され,商業者商標が購買される機会も多くなっていたが,わが国の場合は このような傾向はそれ程みられず,むしろインフレの進行により,有名メー カーの商標から商業者商標に移行する消費者が拡大する可能性が大きかっ 7o

4.  消費者は製品差別化,庖舗差別化,イメージ広告,大量反復広告への 反応を低下させる乙とによって企業支配から脱却することができるだけ でなく,更に進んで企業行動を?百貨者の其の要求に応える方向に認こ主主する 力を全体としては発揮できる

コンシューマリズムは,消費者の長期的利益の霊視へと企業のマーケティ ングの目的や性格に変草を迫っているが,企業に抵抗する消 1~者組織が企栄 の政策内容を把握する能力には限界があるし,企業とれlj13:者組織の問には戦 略水準の差も大きし可。コンシューマリズムに対する企業の反応が個別的,防 衛的でしかないのは,企業の系統的適応が遅れている乙ともあるが, コンジ ューマリズムの力の限界を示していることにも留志すべきである。政府によ る企業行動の規制もマーケティング行動を一定の限界内に止めるだけで,そ の基本的性格の転換まで要求することはできない。コンシューマリズムが目 標とするマーケティングの基本的性格の変草は, 自立性の高い消費者回の拡 大が同時に進行しなければ実現しない。

(8)

昭和49年調査の概要

インフレによる消賀者の実質所得の低下,またその低下しつつあるという 認識は,価格に対する消費者の反応を強め,購買決定の計画性を高める。賠 買決定の計画化は, 製品差別化, 大量広告, 居舗差別化への反応を低下さ せ,価格,製品の実質的内容,居自iiの品揃えとその価格などへの反応を強化 させるD 消賀者は製品の価格と実質的内容を基準に商標間および庖舗間を 流動し始め,企業による一方的支配から脱却し始めるo 昭和498月の調査 は,以上のような仮説を検証するために行ったものであるD

調査対象は,京京都(赤羽台,高島平),大阪府(束淀川団地,新北野,

吹田市津主:台, 桃山台など), 名古屋市(星ケ丘, 虹ケ丘など), 福岡市 (荒江, 烏飼など),北九州市(穴生, 荻原),長崎市(滑石),仙台市 (鶴ケ谷)の団地に居住する主婦3100名であるO 調査票は,昭和498l 日から914日までの問に直接各家庭の郵便受に宛名記入のうえ配布し, 10  月 26 日までに郵送により回収した。有効回収数は 1093,調査対象者は 4~

5戸間隔で系統抽出する方法をとった。

調査地域別の調査対象数,有効回収数,有効回収率は次表の通りである。

調 査 地 域 1I 調 査 対 象 数 │ 有 効 回 収 数 ( 回 収 率 (96) 1000  302  30.2  800  242  30.3  500  235  47.0  500  207  41. {

150  50  33.3 

150  57 

E

11 

35.3  調査品目は, 非生鮮食品(冷凍食品, カレーノレー, 食用油),基礎衣料 (下着,ストッキング,カッターシャツ),流行衣料(ワンピース,ブラウ ス,スカート),小型家電(トースター, ミキサー,ヘアドライヤー),大 型家電(テレビ,そうじ機,せんたく機)であるo

(9)

調

1.  価格への反応の変化

(1  .1 )低価格広告への反応は強化されたか。 (Q

低価格広告を以前よりもよく見るようになった者が,以前ほど見なくなっ た者より多いのは,その差の大きい順で,非生鮮食品,基礎衣料,流行衣料 であるO 逆に,以前ほど見なくなった者が,よく見るようになった者より多 いのは,その差の大きい順で,小型家電,大型家電である。価格広告に敏感 な居が,非生鮮食品や衣料では拡大しており,家庭電器では減少しているこ とを示しているD また,よく見るようになった者と以前から見ている者の合 計は,非生鮮食品で83.5弘 基 礎 衣 料71.3弘 流 行 衣 料59.0必であるo

(1.2)低価格に反応して商標選択を変えるようになったか。 (Q2)  価格に反応して商標選択を変えるようになった者が,そうでない者より多 いのは,その差の大きいj唄で,基礎衣料,非生鮮食品,流行衣料であるo に,商標選択を変えない者が多いのは,小型家電と大型家電である。商標選 択を変えるようになった者と以前から特定商標に固執していない者を合わせ ると,流行衣料で79.096,基礎衣料で77.2劣,非生鮮食品で72.3%,小型家 電で61.4%,大型家電で53.396となるo

(1.3)低価格に反応して一流商標への固執を止めたか。 (Q3) 

低価格に反応して一流商標から離れるようになった者が,そうでない者よ り多いのは基礎衣料だけであるD しかし,一流商標への固執を止めるように なった者と以前から一流商標に固執していない者を合わせると基礎衣料で 74.1%,流行衣料73.696,非生鮮食品で63.6%となるo一方,一流商標へ固 執している者も大型家電では60.496,小型家電では49.696と多い。

(1.4)低価格に反応して商業者商標を選択するようになったか。 (D4)  以前からスーパー商標(商業者商原)の方を多く買っている者は,最も多

(10)

い基礎衣料でさえ7.5%に過ぎないが,最近スーパー商標の方を多く買うよ うになった者は,非生鮮食品で32.496,基礎衣料で29.596とスーパー商標へ の移行の新しいきざしがみられるo しかし,全体としてはスーパー商標を拒 絶している者が,大型家電で88.796,小型家電で84.396,流行衣料で74.796

と圧倒的に多く,基礎衣料や非生鮮食品でもそれぞれ61.896,59.396と過半 数を占めている。

2.  居合!i間流動の変化

(2.1)製品比較のために見回る庖舗の範囲は拡大されたか。 (Q5)  どの品目についても居舗をよく見回るようになった者が,以前ほど見回ら なくなった者より多い。以前からよく見回っていた者とよく見回るようにな った者の合計は,非生鮮食品で70.4弘 基 礎 衣 料 で70.296,流行衣料で68.9 96,小型家電で51.296,大型家電で47.996となるD しかし,なお特定居舗に 固執するものが大型家電で32.896,小型家電で28.7タム非生鮮食品で23.8%

いることにも注目すべきである。

(2.2)低価格に反応して庖舗選択を変えたか。 (Q6) 

非生鮮食品で69.196,基礎衣料で64.796,流行衣料で58.9%,小型家電で 47.3%,大型家電で40.896の者が価格に反応して庖舗選択を変えている。こ れに,以前から特定居舗への固執を避けている者を加えると,非生鮮食品で 82.9%,基礎衣料で81.9%,流行衣料で79.7%,小型家電で63.4%,大型家 電で55.696の者が,価格に反応して庖舗聞を流動している乙とになるo かし,家庭電器では居舗選択を変えていない者も多く,特に大型家電では

41.5% の者が,小型家電でも 33.596 の者が居~J!ì選択を自由に行っていない。

3.  製 品 比 較 の 時 閣 の 変 化

(3.1)製品比較の時間は増加したか。 (Q7) 

どの品目についてみても,以前よりも時間をかけて比較する者が,以前ほ ど時間をかけて比較しない者より多い。以前ほど製品比較に時間をかけない

(11)

者は,どの品目でも5'""'6 96程度みられるに過ぎなし'10 以前よりも製品比較 に時間をかけている者に以前から時間をかけている者を加えると,流行衣料 74.596,大型家電で74.4タム基礎衣料で7l.696,小型家電で7l.0タム非生 鮮食品で69.2必になる。

4.  製品差別化への反応の変化

(4.1 )製品の実質的内容への反応は強化されたか。 (Q8) 

非生鮮食品では,製造日,添加物,容量などの製品の実質的内容に注目す るようになった者が52.296と最も多い。衣料では,材質,組織,縫製などの 製品の実質的内容に注目するようになった者が,選択の仕方は変わらない者 についで多く,基礎衣料では36.1必,流行衣料で22.096を占めるO 家庭電器 でも,製品仕様,つまり製品の実質的内容に注目するようになった者が,選 択の仕方は変わらない者に次いで多く,小型,大型とも同じ3l.896を占め D 非生鮮食品の容器の形状,基礎衣料や家庭電器のデザイン,基礎衣料と 流行衣料のメーカー名など製品差別化に対する新しい反応は殆どみられない。

(4.2)高度差別化製品に期待される反応はどうか。 (Q9) 

現在使っている製品が使えなくなったら買いたいとする者,つまり比較的 自立性が大きいとみなされる者が最も多く, 54.4必で,次に多いのが,製品 差別化への抵抗が最も大きいとみられる,貝わない,買う時は基本機能を中 心にみて買うとする者で32.896であるD 高度差別化製品に対し文持的反応が 期待できるのは,もう少し所得が増加したら買いたいとする者であるが,こ れはわずか3.5労しかいない。

5.製品広告への反応の変化

(5.1)広告への関心の程度は変化したか。 (Q10)

どの品目でも以前から関心をもっている者は以前から関心をもっていない 者より多い。以前よりも関心をもつようになった者も,以前ほと、関心をもた なくなった者より多く,広告に関心をもっ応が更に拡大したことを示してい

(12)

o し か し , 広 告 に 関 心 を も っ 者 が , 現 在 の 広 告 に 満 足 し て い る と は 限 ら な いことに注意すべきである口

以 上 の よ う に , 調 査 結 果 は , 需 要 の 流 動 化 傾 向 を か な り 明 確 に 示 し た 。 消 費 者 は , 価 格 に 敏 感 に な り , 製 品 差 別 化 へ の 反 応 を 低 下 さ せ , 製 品 の 実 質 的 内 容 へ の 反 応 を 強 め な が ら , 特 定 商 標 や 一 流 商 標 へ の 固 執 を 止 め る 方 向 に 傾 昭和49年調査単純集計結果表(調査期間昭和498'""'9月,調査対象京京,名古 屋,大阪,桔岡などの主婦3100名,有効回収数1093)

1 │非食生品鮮基衣料礎 抗行 小電 大

Q

I。告うな

よく見るようになった。 34.0  24.2  18.8  9.1  12.6  ょく に 以前からよく見ている。 49.5  47.1  40.2  18.8  22.9  なっ 以前ほどよく見なくなった。 4.1  7.0  14.0  15.2  18.4  以前から見ていない。 11.3  20.6  25.5  55.5  44.9  Q2.よまり安いな 32.4  28.2  19.4  19.0  17.8 

とれ でつ品

てメいーたーのの いいえ。 26.9  21.0  18.4  36.2  44.6  以わ前から特な定メーカーにこだ 39.9  49.0  59.6  42.4  35.5  でも買7こかうょ っていい。

なっ Q3一流RT五安百いな

はい。 29.5  32.7  23.8  17.0  12.9  ても よなうに いいえ。 35.0  24.4  24.3  49.6  60.4  なっ なから一流品にとだわって 34.1  41.4  49.8  31.2  24.9 

1 "'0

Q4

はい。 32.4  29.5  18.8  11.3  7.5  いいえ。 59.3  61.8  74.7  84.3  88.7  品うをに多なっ目 以方前か多らスーパー独自る の製品 7.2  7.5  5.0  2.7  2.0 

の を く買ってい

Q5. よく見回るようになった。 39.3  34.4  30.2  21.5  18.9  になったカ〉。 以前からよく見回っている。 31.1  35.8  38.7  29.7  29.0  。ど 4.3  8.4  12.5  17.2  15.9  23.8  19.8  16.6  27.8  32.8  Q

6うで はい。 69.1  64.7  58.9  47.3  40.8  て 買 か 。 ら特け定の屈るだけで買う 15.9  16.2  18.5  33.5  41.5  乙 は て い 。 13.8  17.2  20.8  16.1  14.8 

(回答はすべて単一選択回答,無回答の集計値は省略している。)

(13)

きつつある。 また消費者は, 居舗選択の範闘を拡大し, 特 定 庖 舗 へ の 固 執 を 止 め , 居 舗 聞 を 流 動 し 始 め て い るD 購 買 決 定 に 当 つ て の 思 考 時 間 は 長 く な り , 決 定 の 計 画 化 や 自 立 化 , つ ま り 企 業 支 配 か ら の 脱 却 が 実 現 し つ つ あ る こ とを示している。

( 注 , 安 売 り や 特 別 割 引 な ど の 価 格 広 告 を 利 用 す る 購 買 行 動 と 高 度 差 別 化 製 品 に つ い て の 購 買 経 験 を き い た 質 問 に つ い て は , 乙 こ で は そ の 掲 載 を 省 略

している)

ι l 1 ι

W 6 m

ι h J J ι G ρ ;

kn/A

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5 1 ρ

﹂ 一

6

qLnU4nu

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A A

L 1 ι L 1

ユ ユ

3 3 2

1 5 3 質 問 │ 選 択 肢 Q7.商品の比較│以前よりも時間をかける。

には時間をかけ│

るようになった│以前から時間をかけている。

I以前ほど時間をかけていない。

以前からすぐ買っている。

[

では,価格以外

… 比 慌

J については,ど のような点ピ注 目するようにな ったか。

能宜品あ

随たい予 的'新定 機便製は

01加の買かQを性をる

容器の形状O

メーカー名。

製造年月日,添加物,容呈。

選択の仕方は以前と同じ。

用布の材質や組織,縫製。

デザイン。

メーカー名。

選択の仕方は以前と同じ。

椛造,機能,消究電力。

デザイン。

メーカー名。

選択の仕方は以前と同じ。

36.1  22.0  3.1  14.0  4.9  3.2  54.2  58.2 

31. 8 31.  0.9  0.8  11.9  10.9  52.3  53.8  貝わない。買うときは基本機能を中心にみて只う。 32.8

もう少し所得が増加したら貝いたい。 3.5 現在使っている製品が伏えなくなったら買いたい。 54.4 分らない。(注,品目別にきいていない 7.1

非生鮮食衣料(;}吉宗屯(大 防,流行)型,小型〉

36.5  28.2  24.5  35.2  40.0  31.7  8.5  12.6  17.8  19.2  18.3  23.8 

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(Q 8で 4呑自の選択肢の内容は,回答の仕方が一定せず,集計不能)

(14)

昭和50年調査の概要

2回全国調査である昭和50年調査では,昭和49年調査の価格,製品,広 告,居舗に対する消究者の反応についての質問の主要部分を,i目立者反応の 変化をきくための質問の型から,現状をより詳しく知るためのものに置き換 えて継承した他,新たに製品修正についての要望をきく方法で製品への今後 予期される反応をきく質問,広告や製品差別化による賠貝行動の起動効果を 知るための質問,広告に対する意見をきく質問など,製品や広告への反応を きく質問を追加した。更に昭和49年調査で明らかにされた消賀者行動の特徴 が維持されるための条件の一つが分ると考えられる, n~J買行動 l乙対する賠買 者自身の評価をきく質問を追加した他,全く新たに,環境汚染や資源節約と の関係で消資者がその購買行動を変えようとしている程度をきくための質問 を追加したo

調査対象は,千葉市(高洲,幸町),京京都(世田谷区池尻,目黒区京山), 

横浜市(南区永田町,磯子区洋光台),川崎市(幸区河原町,川崎区大島町), 

名古屋市(北区上飯田・尾上・中丸,西区又穂,中村区稲葉地・向島) ,神 戸市(東灘区渦森台・住吉市子が原・住吉荒神山,垂水多間台・南多聞台・

狩口台) , 北九州市(小倉南区徳力) , 福岡市(東区香椎, 南区長住) ,  長崎市(本原, i良之平,新戸町,小ケ倉,深堀)の団地に居住する主婦また は家事担当者4100名である口調査票は,昭和508l日から925日ま での聞に直接各家庭の郵便受に宛名記入のうえ配布し, 105日までに郵送 により回収した。調査対象者は, 4'"'" 5戸間隔で系統抽出する方法をとった口 調査地域別の,調査対象数,有効回収数,有効回収率は次表の通りである。

調 11調査対象数│有効回収数│回収率 千葉,束京,横浜, )11

1700  539  31.7(%) 

屋,神 1400  456  32.5  北 九 州 , 福 岡 , 長 崎 1000  334  33.4  合計(地域不明1)  32.4 

(15)

調査品目は,非生鮮食品(カレールー, 醤油, 半調理食品),基礎衣料 (下着,ストッキング,カッターシャツ),流行衣料(ワンピース,ブラウ ス,スカート) ,小型家電(トースター, ミキサー,へアドライヤー) ,大 型家電(テレビ,冷蔵犀,エアコン)合成洗剤他(合成洗剤,シャンプー,

はみがき)であるD

調 :;;.r;:  1.  価格への反応

(1.1 )低価格広告への反応 (Q

低価格広告をよく見る者が多いのは,非生鮮食品の59.296,合成洗剤の 52.1%である白衣料では,よく見る者はこれより少なく,時々見る者の方が 基礎衣料で45.596,流行衣料で45.6%と多くなるo家庭電器でも,時々見る 者がよく見る者より多く,またほとんど見ない者が,小型家電の55.096,大 型家電の47.396とそれぞれ最も多くなるD 低価格広告をよく見る者と時々見 る者を合せた,低価格広告に反応する者は,非生鮮食品で88.796,合成洗剤 で82.8%,基礎衣料で77.4タム流行衣料で75.696,大型家電で52.196,小型 家電で44.2労になるD

家庭電器で低価格広告へ注目する者が他の品目に比べ少なく,またその注 目度が低いのは,購買照度が低いことと製品内容の吟味が困難で低価格商標 への移行が危険を伴うためであるo

49年調査では,質問「最近,安売りや特別割引などの価格広告を以前より も注意して見るようになりましたか」に対し,回答選択肢は「①よく見る ようになった。②以前からよく見ている口③以前ほど見なくなったo④以前 から見ていないoJとなっている。ここで「以前ほど見なくなった」への回 答者の中には,時々見る者とほとんど見ない者が含まれており,また「よく 見るようになった」や「以前からよく見ている」の回答者の中には,よく見 ている者だけでなく時々見る者も含まれていると考えられる。従って, 49 と50年の調査結果の直接の比較は困難であるが,しかし49年調査で非生鮮食

参照

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