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学 位 記 番 号 シス博 第

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Academic year: 2021

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(1)

氏 名 細野

ほ そ の

しげる

所 属 システムデザイン研究科ヒューマンメカトロニクスシステム学域 学 位 の 種 類 博士(工学)

学 位 記 番 号 シス博 第

61

号 学位授与の日付 平成

27

3

25

日 課程・論文の別 学位規則第4条第

1

項該当

学 位 論 文 題 名

IT

サービスにおけるライフサイクル管理方法論 論 文 審 査 委 員 主査 教 授 下村 芳樹

委員 教 授 梅田 靖(東京大学) 委員 教 授 高間 康史

委員 教 授 久保田 直行

【論文の内容の要旨】

IT産業では,ソフトウェア,ハードウェアなどIT製品が顧客システムに普及したため,

製品自体の販売から構築や保守など付随するサービスの販売比率が高まっている.近年拡 がりを見せるクラウド環境は,従来のIT製品の代替として,データセンタ上に置かれた豊富 なソフトウェア,ハードウェア,ネットワーク資源をクラウドサービスとして提供し,更 にサービスの比率を高めている.このクラウドサービスは予め検証済みのソフトウェア・

ハードウェア機能を提供するもので,

ITベンダのシステム実装や検証作業の多くを不要にす

る.この変化に伴い,

ITベンダは,これらの機能を組み合わせて,顧客にとって効用の高い Webサービスを設計し,迅速に開発・提供することが重要となった.

上記のIT産業の業態変化は,

ITベンダおよび顧客の価値の源泉が,システム(Webサービ

ス)を構成するモノの機能性や価格から,相対的にシステム全体の効用やコストへと価値 の源泉が遷移したものとして捉えられる.また,

ITベンダ内で完結できていた,システム実

装や検証作業から,効用の高いシステムの提案・設計・プロトタイプ検証・改善作業へと,

顧客との協働が重視されるものに遷移したと捉えられる.

ITベンダは,このような製品サー

ビスシステムの進展に対応した企画・設計・構築・提供の仕組みを備え,新しいビジネス モデルへ遷移させる必要がある.

以上の要請に対し,ステークホルダが協調し,系統立てて製品サービスシステムを企画・

設計・構築・提供する方法が必要とされる.しかしながら,現状,この目的にかなう方法

論が存在しない.そこで,本研究は,上記課題を解決し,

ITシステム/サービスを企画・設

計・開発・提供するまでの過程,および提供時の構造を,多様なステークホルダから成る

サービスシステムとして捉え「サービスシステムを協調開発し,提供するまでの生産方法

(2)

を開発すること」を目的とする.以下の3項目を実現するための課題と達成方法を議論し,

具体的かつ実践的な手段を提示する.

(1)上流~下流の開発工程を通じ,ステークホルダ間の共通言語となるモデリング方法 (2)

上記のモデリングで得た一連の知識をサービス生産プロセスとして蓄積し再利用す る方法

(3)上記の資産を活用し,顧客と提供者などステークホルダ間の協働を支援する協調プロ

セス

本論文は全7章で構成される.

第1章では,本論文の背景について概説し,本論文の目的ならびに位置づけを明らかにす る.

第2章では,製品サービスシステム,およびITサービスの特徴について述べ,本研究の目 的ならびに具体的な達成項目を明らかにする.サービスの捉え方を議論し,システムとし てサービスの提供構造を捉える必要性を示す.そして,あるべき製品サービスシステムの 設計と構築および移行に必要となる技術課題を明確にする.

第3章では,上流~下流まで各開発工程におけるモデリング対象を規定し,全工程を網羅 するモデリング方法を提案する.公理的設計の考え方に基づき,要件→機能→資源割当て の転写関係により,サービスモデルの連鎖としてサービス生産プロセスを網羅する.この モデリング方法は,各モデルで規定される属性間の関係を明確化し,工程間のデータ連携 を間断なく実現し得る.また,DSM(Design Structure Matrix)の拡張により,設計データ として表現や管理し難かった非機能要件も機能要件と透過的にモデルデータとして扱える ようにする.

第4章では,生産プロセスの資産化方法を示す.サービス生産プロセスの蓄積・再利用に 向けて,サービス設計モデルを間断なく連鎖させたサービスモデルチェーンと,これに基 づくマス・カスタマイゼーションを実現するため,パタン化方法を述べる.サービスモデ ルチェーンを,開発全体の作業や成果物の雛形として資産化し,別の顧客に対して同じWe

bサービスを開発する際に再利用可能にする.再利用する際,適用先の顧客層を拡げると同

時に,顧客毎に異なる要件に最小限のコストで対応できるようマス・カスタマイゼーショ ンを指向する.プロダクトラインエンジニアリングの考え方を応用し,ドメイン開発とカ スタマイズの元になるパタン開発を示す.

第5章では,製品サービスシステムの協調生産プロセスについて議論する.顧客と提供者,

および異なる役割を持った提供者内のステークホルダ間の協働作業を支援する方法を示し,

全体を効用の高いサービスシステムの生産方法として体系化する.前章までに得た資産を

活用し,顧客とITベンダ間,開発部門間,開発部門と管理部門間の協働支援,およびこれら

支援方法を定着させるプロセスを示す.サービスモデルチェーンから,必要とされるモデ

ルを動的に再構造化して提示し,顧客とITベンダ間の協働作業を支援する.また,成果物の

再利用シナリオや意図を再利用戦略ポリシーとして形式化し,開発部門間の協働を支援す

(3)

る.また,実装・実行工程での要件や制約など,多目的に適合した資産の選択と活用によ り,開発部門間の協働を支援する.また,開発者の作業量をサービスモデルと統合し,開 発部門の進捗を管理部門が比較分析・管理し易くする.以上の支援方法を開発現場で実施 させるため,アジャイル開発の進行状態を可視化する手法のSEMATを拡張し,各時点の必 要なタスクを提示し生産プロセスに規律を与える方法を示す.

第6章では,3章,4章,5章で提案した,製品サービスシステムの生産方法をITサービス の開発現場で実践し,事例評価を行うことで,その有効性について検証と考察を行う.

第7章では,本論文の結論および今後の展望を述べる.

本研究の貢献は,サービスの開発知識を蓄積・活用し,異なる役割を持つステークホル

ダが協働し,合理的にかつ効率的に製品サービスシステムを生産していく方法論を確立し

たことである.

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