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「社会安全のための警察と市民の間の情報循環」の開催

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73 社会安全・警察学 第 2 号(2015 年)

【紹介】

ミニシンポジウム

「社会安全のための警察と市民の間の情報循環」の開催

平成 26(2014)年 3 月 1 日、当研究所は、ミニシンポジウム「社会安全のための警察と市民の間の情報循環」を、む すわざ館(3-A 教室)で開催した。基調講演を行ったのはエドワード・ハウリン氏(英国内務省警察活動透明化ユニッ ト上席政策アドバイザー)で、対応報告を志賀定紀氏(京都府警察京都市警察部企画課調査官)、コメントを荒井崇史氏(追 手門学院大学心理学部講師)が行ったほか、当研究所所長代理(当時)の田村正博がコメントと質疑の司会を務めた。京 都府警察及び近畿管区警察局の首脳を含む警察組織管理者のほか、自治体関係者、防犯ボランティア、メディア関係者な ど約 80 人が参加した。

ハウリン氏の基調報告では、「市民の参加による英国の警察活動-デジタル政策の全体像」と題して、英国内務省が市 民に情報を提供するプラットフォームとしてのポータルサイト「Police.uk」について、実際の画面を例に、どのようにし て市民がアクセスし知りたい情報を得ることができるのか(トップ画面⇒地区内の犯罪件数⇒より狭い地区の犯罪発生状 況(⇒捜査の現況、説明会の予定)⇒防犯アドバイス⇒担当警察官の顔写真と氏名)を説明し、活動の透明性、信頼(内 容の正確性、妥当性)、説明責任に基づくものであることと、政府のデジタルサービスにおけるデザイン原則 10 項目に基 づいていることを明らかにした。行政の必要性ではなくユーザーの必要性から始めること、誰もが使えるようにすること

(使う人には知識があるはずだということを前提としない。一番アクセスしにくい人が使えるようにする、具体的には視 覚障害者協会の人に依頼してチェックを受けている。)、ウェブサイトではなくあくまで人を対象とした「デジタルサービ ス」を構築するものであること(担当者の氏名・写真や、説明会の開催予定の表示のように、ネットだけでなく、その後 に直接人間同士が接触することができるように工夫されている。)、オープンにすることが物事を良くするという信念に 立っていることが、特に強調された。作成・運営する上の課題として、被害者のプライバシー保護(発生地点を現場地点 そのものではなく、付近の街路などで示す工夫がなされている。)、地方警察の負担増を小さなものとすることなどが挙げ られた。

志賀氏の報告では、京都府警察における被害防止のための情報発信などが説明された。荒井氏からは、心理学の面から、

情報の提供が行動につながるには提供者への信頼などの条件が必要になること、受け手の情報処理には中心ルートと周辺 ルートがあることなど、心理学的知見を取り入れることが効果的な情報発信に向けて必要になる、とのコメントがなされ た。その後、限られた時間ではあったが、活発な質疑、意見交換が行われた。

警察による情報の発信は、犯罪被害の予防や捜査に役立たせるというだけではく、警察が市民に情報を提供することを 通じて、市民の信頼を得る、さらにより市民の統制を受ける、という観点から論じられる必要があることが、全体を通じ て強く印象付けられた。

メディアからも本シンポジウムは関心をもたれ、詳細な報道も行われている(毎日新聞 2014 年 3 月 17 日オピニオン記 事)。

(文責・田村正博)

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