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○虫本 栄子,豊田 康夫,小林 琢也

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演題10.実験的咬合干渉付与による障害感を伴う噛み     しめ時の脳電位マッピングと超高磁場MR     画像(第一報)

○虫本 栄子,豊田 康夫,小林 琢也

 林英司,高間木祐一,田中久敏

 井上  敬*,小川  彰*

岩手医科大学歯学部歯科補綴学第一講座 岩手医科大学医学部脳神経外科学講座*

 PETによる大脳血流量の観測から,咀噌に伴って 脳の広範な領域のニューロン活動が上昇し

(Momose),口腔感覚情報は脳幹から大脳皮質にまで 達し,高次脳・神経活動に影響を与えるとの報告

(Kaada)がある。演者らは,実験的咬合干渉付与によ る障害感は上位中枢で認知され,この脳電位は干渉部 位に関連して大脳半球で局在することなどを脳波学的

に報告してきた。

 本研究では,この局在脳波が3Tesla f MRIで検出 できるか,また,検出された画像は脳波の局在と関連 するかどうかを検討した。

 実験の主旨と用いる超高磁場MRIに関して十分に 説明し,同意の得られた,顎口腔系に異常のない有歯 顎者6名を被検者とした。

 咬合干渉を付与して障害感を惹起(条件1)し,条 件1に上または下顎スプリントを装着して咬合調整 し,干渉効果をマスキングした条件2および3を実験 的に設定し,コントロールを含め,順序をランダムに 最大噛みしめを行わせ,国際10−20法による脳波

(SYNAFIT 5500)および3Tesla f MRI(SIGNA HOR−

lzoNT Lx vH/i 3 T)を記録した。なお,両側咬筋およ

び側頭筋後部の筋電図と咬合接触面積と咬合力(プレ スケール)もあわせて記録した。

1.咬合干渉付与によって干渉側の咬合接触面積およ び咀噌筋平均電位は有意に減少し,スプリントの装着

によって回復した。

2.脳波含有率は,α波は干渉付与後に減少傾向を示 し,β波は干渉付与後に有意に増大した。また,脳波 出現の局在は明確ではなかった。

3.3Tesla f MRI所見には個人差を認めたが,干渉 付与の条件下で付与側に一致して賦活領域を認める例 があり,脳波出現の局在ともよく関連していた。

 以上から,3Tesla f MRIは,口腔の障害感や情動 ストレスなどの高次脳機能をとらえ得ることがわかっ たが,脳波やその局在との関連に関しては今後の課題

となった。(本研究は岩手医科大学・超高磁場MRI研 究施設(HFMRI)によった。)

演題11.閉塞型睡眠時無呼吸症候群患者に対し気道拡     大用口腔内装置を適用した症例

○佐藤 和朗,久保田宗次,三浦 廣行

 櫻井  滋*,井上 洋西*

岩手医科大学歯学部歯科矯正学講座 岩手医科大学医学部内科学第三講座*

 閉塞型睡眠時無呼吸症候群 (obstructive sleep apnea syndrome:OSAS)では,狭小化している咽頭 腔に舌根部が沈下して気道の閉塞を招くことが多い。

そのため咽頭腔の閉塞を防止して,上気道の空気抵抗 を減少させることが睡眠時の呼吸障害の解消にっなが

る。

 演者らはOSASと診断された男性患者にっいて,

気道拡大用口腔内装置(sleep spUnt)を適用する機会 を得た。

 初診時年齢56歳男性,身長169cm,体重83.5kg,肥満 度を表すBody Mass Indexは,29.2であった。家族か ら,激しい軒と睡眠時の無呼吸を指摘されていた。咳 噺時に意識を消失することが一日に数回あり,本学第 三内科の呼吸集中治療部に入院した。睡眠ポリグラフ 検査によりOSASと診断され,夜間はnCPAPを使用

している。第三内科からの依頼でsleep splintの作製 のたあ当科を受診した。顔面形態は上顎前突を呈し,

著しい下顎の後退感が認められた。Sleep splintは,

下顎安静位から約3.5mm挙上し, overjet約2mmの前方

位で作製した。

 初診時とsleep splint装着時の側面頭部X線規格 写真から咽頭腔の前後径を比較したところ,sleep splint装着に伴い中咽頭腔および下咽頭腔で明らかな 拡大が認められた。また睡眠ポリグラフ検査を行った

ところ,sleep splint使用時の値は, nasal CPAP使用

時と同程度まで改善した。

 本症例においては,sleep splintの装着によって下 顎骨が前下方に移動し,それに伴って舌根と軟口蓋iが 前進し,中咽頭腔,下咽頭腔の閉塞が防止された。ま

た無呼吸回数,無呼吸指数が減少し,呼吸障害が改善

されたと考えられた。以上のことから,OSAS患者に

対するsleep splintの適用は歯科サイドから積極的に

支援できる一手段と思われた。

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