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総合的な学習の時間の指導法について

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Academic year: 2021

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総合的な学習の時間の指導法について

~学習指導要領の改訂を受けて~

Research theme “How to teach comprehensive study time”

~Review of the curriculum guideline~

大 友 照 典 Toshinori OOTOMO

Ⅰ.は じ め に

学習指導要領の改訂等に伴い、文部科学省の指 導により「総合的な学習の時間」(総称)の授業 を体育学部の教育過程内に位置付けることになっ た。そのため、指導担当者としてどのような内容 を指導すればよいか、また、指導法として学生に 何を身に付けさせれば良いかを探るためこの研究 を行った。以下にその概要を報告する。

Ⅱ.研 究 方 法

1.文献研究

学習指導要領を中心に、この分野の専門家の著 書等から、背景やねらい、指導論を学び、担当す る授業で指導すべき内容や方法について整理す る。

2.調査研究

インターネットを中心に、各地区の指導方針や 内容について調べ、その指導方法を参考にする。

Ⅲ.研 究 内 容

1.基礎研究

(1)学習指導要領における「総合的な学習の時間」

の変遷

「総合的な学習の時間」(以下「総合」と表記)

は、1999 年(平成 11 年)の改訂から、学習指導 要領に導入されている。この時の改訂は、いわゆ る「生きる力」の育成を目指しており、「総合」は、

各教科の学習で身に付けた知識・技能等を活用し て、変化する社会で生き抜く力をつけることをイ メージし、組み立てられた。

この時の改訂は、少子化高齢化が進む我が国の 未来社会を予測したものであり、 その後、 平成 14 年に改訂されることとなる教育基本法には、

21 世紀を見据えた、 我が国の教育の方向が示さ れた。「総合」は、教育の目的を達成するために 教育課程に位置付けられた重要な学びを生むため の時間なのである。

「総合」がスタートした頃は、各校で設定した テーマに基づき、学習内容を組み立てて指導する ようにしたため、前例がない、教科書がない、評 価が難しい等の理由から、指導が難しい等の声が

国士舘大学体育学部こどもスポーツ教育学科

(Faculty of Physical Education Department of Sport Education for Children, Kokushikan University)

THE ANNUAL REPORTS OF HEALTH, PHYSICAL EDUCATION AND SPORT SCIENCE

VOL.38, 107-109, 2019

報告書(体育研究所プロジェクト研究)

(2)

−108−

大友

上がり、特別活動の時間と兼ね合わせながら行わ れることが多い状況が続いた。

今回の改訂では、各教科・領域で「目指す資質・

能力」を三つ示し、学習の目標をより分かりやす くした。中でも「総合」は、各教科で身に付けた

「資質・能力」を発揮したり組み合わせたりして、

様々な課題を協力して乗り越えられるようになる ための大切な時間として、位置付けられたのであ る。

(2)児童・生徒に身に付けさせたい資質・能力の 整理

今回の学習指導要領では、すべての教科・領域・

活動で、目指す資質・能力が三つに整理されて示 されている。

① 何を理解しているか、何ができるか(生きて 働く「知識・技能」の習得)。

② 理解していること・できることをどう使うか

(未来の状況にも対応できる「思考・ 判断・

表現力等」の育成)。

③ どのように社会・世界と関わり、より良い人生 を送るか(学びを人生や社会に生かそうとす る「学びに向かう力・人間性等」の涵養)。

2.新指導要領における内容と指導方法

(1) 小・ 中・ 高等学校等、 発達の段階における 指導目標と内容

①小・中学校の目標

小・中学校ともに共通であり、以下のように示 されている。

前文は「探究的な見方・考え方を働かせ、横断 的・総合的な学習を行うことを通して、よりよく 課題を解決し、自己の生き方を考えていくための 資質・能力を次のとおり育成することを目指す。」

目標は(1)探究的な学習の過程において、課 題の解決に必要な知識及び技能を身に付け、課題 に関わる概念を形成し、探究的な学習のよさを理 解するようにする。(2)実社会や実生活の中から 問いを見いだし、自分で課題を立て、情報を集め、

整理・分析して、まとめ・表現することができる

ようにする。(3)探究的な学習に主体的・協働的 に取り組むとともに、互いのよさを生かしながら、

積極的に社会に参画しようとする態度を養う。

②高校の目標

前分は「探究の見方・考え方を働かせ、横断的・

総合的な学習を行うことを通して、自己の在り方 生き方を考えながら、よりよく課題を発見し解決 していくための資質・能力を次のとおり育成する ことを目指す。」

目標は(1)探究の過程において、課題の発見 と解決に必要な知識及び技能を身に付け、課題に 関わる概念を形成し、探究の意義や価値を理解す るようにする。(2)実社会や実生活と自己との関 わりから問いを見いだし、自分で課題を立て、情 報を集め、整理・分析して、まとめ・表現するこ とができるようにする。(3)探究に主体的・協働 的に取り組むとともに、互いのよさを生かしなが ら、新たな価値を創造し、よりよい社会を実現し ようとする態度を養う。

(2)各校種における内容の例示とその指導方法

①小学校・中学校の内容例示

小学校の内容として示されている探究課題は、

学校の実態に応じて、例えば、国際理解、情報、

環境、福祉・健康などの現代的な諸課題に対応す る横断的・総合的な課題、地域や学校の特色に応 じた課題、生徒の興味・関心に基づく課題、職業 や自己の将来に関する課題等がある。

②高校

高校の内容として示されている探求課題は、地 域や学校の実態、生徒の特性等に応じて、例えば、

国際理解、情報、環境、福祉・健康などの現代的 な諸課題に対応する横断的・総合的な課題、地域 や学校の特色に応じた課題、生徒の興味・関心に 基づく課題、職業や自己の進路に関する課題等が ある。

3.各地区における指導事例の調査

北海道、山形県、新潟県、東京都、神奈川県、

埼玉県、兵庫県、広島県、鳥取県、山口県、大分

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総合的な学習の時間の指導法について

~学習指導要領の改訂を受けて~

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県、 計 11 都道県の教育委員会や教員研修センタ ーのホームページを調査した。

Ⅳ.まとめと考察

1.各地区の実践から学んだこと

①  学習指導要領の改訂により、「総合」 が、

新しい時代を生きるための資質・能力を伸ば すための中心的学習を担うものであるという 考えに沿ってはいるが、指導要領の内容を解 説している地区は 6地区、解説していない地 区は 5地区だった。学生に学ばせる場合、ど の地区で勤務しようと、基本的な事柄につい て理解しておくことは、必要不可欠である。

②カリキュラムマネージメントの考え方     すべての地区で、小・中・高の流れについ

て触れているが、具体的な地区もあれば、概 要だけの地区もある。学生にとっては、教育 課程全体を理解し、さらに、既習事項を関連 付けて指導計画を立てる等の、カリキュラム マネージメントは難しい内容になるため、概 要には必ず触れなければならないと考える。

そして、このようなマネージメントこそが、

「総合」の楽しさや醍醐味であり、児童・生 徒の成長が期待できることを学ばせたいと考 える。

③地区の特徴を生かした学習

    歴史・文化・産業や生活環境、自然災害へ の対応等、児童・生徒が住む地区の特徴を学 習の題材にして「総合」を組み立てているこ とが多い。ところが現在の学生は、いわゆる

「総合」の記憶が希薄であり、何を学んだか 忘れている者が多い。郷土に対する深い思い

を育てる意味でも、授業で取り扱う必要があ るだろう。

2.本学で行う授業の構想

①目標について

・学習指導要領等から「総合」の主旨や内容につ いて学び、我が国の教育の方向性を理解できる ようにする。

・具体的な指導例から指導内容や方法、評価につ いて学び、教育現場で実際に児童・生徒を指導 できるようにする。

②内容について

・学習指導要領や文科省の資料、文献等から「総 合」について理解する。

・「総合」の指導計画の作成、指導方法、評価に ついて理解する。

・指導例として各地区の実践について学ぶ。

・実際に行ってみたい授業の指導案を作成し、発 表する。

③ 評価について

・計画した学習指導に対する評価を作成し、その 内容に関して討論する。

・ 実際に 100~200 字程度の評価コメントを作成 し、発表する。

参考文献

・学習指導要領解説書(総則・総合的な学習の時間小・

中・高版)

・文科省指導資料

(小・中・高)

「今、求められる力を高め る総合的な学習の時間の展開」

・日本生活科・総合的学習教育学会発行研究冊子

・各都道府県ホームページ

・「新学習指導要領の展開、総合的な学習の時間」

田村 学氏著書 明治図書

参照

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