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APPLICATION OF IONIC LIQUIDS ON MICROSCOPICOBSERVATION OF HYDRATED MATERIALS

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Academic year: 2021

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名古屋工業大学学術機関リポジトリ Nagoya Institute of Technology Repository

APPLICATION OF IONIC LIQUIDS ON MICROSCOPIC OBSERVATION OF HYDRATED MATERIALS

著者(英) Chisato Takahashi

学位名 博士(工学)

学位授与番号 13903乙第280号 学位授与年月日 2013‑03‑23

URL http://id.nii.ac.jp/1476/00003040/

(2)

タカ

同 橋

サト

博士(工学)

論博第280号、

平成25年3月23日

学位規則第4条第2項該当 論文博士

APPLICATION OF IONIC LIQUIDS ON MICROSCOPIC

OBSERVAT I ON OF HYDRATED MATERIALS

(イオン液体を用いた含水試料の電子顕微鏡観察手法の開 発とその応用)

督 幸 泰

介(名古屋大学)

論文内容の要旨

 本研究は、親水性イオン液体を用いた含水材料の電子顕微鏡観察手法の開発とその応用 にある。さらに、親水性イオン液体と水分子の相互作用に基づき、親水性イオン液体を用 いた含水材料の可視化メカニズムの解明に着手した。また、種々のイオン液体を用いてイ オン液体・モンモリロナイト複合材料を作製し、その特性評価を行った。各章は次のように

要約される。

 第1章は序論であり、材料科学分野におけるこれまでの電子顕微鏡を用いた含水材料の 評価手法について述べ、その現状における問題点から本研究の目的を示した。

 第2章では菌の培地やセラミックスのゲル化剤に用いられる寒天ゲルを材料に研究を行 った。異なる膨潤状態及び含水状態にある寒天ゲルの微細な表面構造を走査型電子顕微鏡

(FE・SEM)で観察し、その手法を最適化した。さらに、水分子と親水性イオン液体のアニオ ン(陰イオン)の相互作用に着目し、ラマン分光法を用いてイオン液体を使用した寒天ゲ ルの観察メカニズムの解明を試みた。また、イオン液体と寒天ゲル混合物中の水濃度を 15~95mol%になるよう処理した寒天ゲルをそれぞれFE・SEMで観察することで最適化条 件を探索した。寒天ゲル内の水とイオン液体が置換したゲル中のイオン液体の存在を明ら かにするため、示差走査熱量測定法を用いて水とイオン液体の挙動を測定した。さらに、

イオン液体と水の相互作用による寒天ゲルの収縮についても測定し、これらの結果から親 水性イオン液体を用いた寒天ゲルの観察メカニズムにっいて解明することができた。

 第3章ではセラミックスのより良い作製法を確立するために、湿潤状態にあるハイドロ キシアパタイト成形体の微細構造の可視化を試みた。

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イオン液体を用いた観察手法を用いることで、今まで不可能とされていたセラミックスの ゲルキャスティング法における固化プロセスを解明することに成功した。また、これまで 湿潤ゲル成形体の観察に用いられてきたX線CT装置を用いた手法と新手法による微細構 造の観察限界を比較し、有効性を検討した。

 第4章では生物材料の微細構造観察が難しいとされている市販の親水性イオン液体を用 いて、生物材料であるわかめを観察対象に微細構造の観察手法の開発を試みた。その観察 メカニズムは上記の含水ゲルとは異なっており、イオン液体処理の際に生物材料が独自に 保持する浸透圧を維持することで、微細構造が観察できることが明らかになった。

 第5章ではインターカレート挙動を示す粘土鉱物であるモンモジロナイトを材料に、親 水性イオン液体を用いてその膨潤構造をFE・SEM及び透過型電子顕微鏡(TEM)で構造評価

した。含水モンモリロナイトの観察メカニズムを解明するために、X線回折法(XRD)を用い て含水モンモリロナイト中のイオン液体と水の挙動を測定した。さらに、TEM・制限視野回 折図形(SAED)とXRDの結果を比較することで、含水モンモリロナイト中の水とイオン液 体の置換挙動を解明した。

 第6章では4種のイオン液体(アンモニウム系及びイミダゾリウム系イオン液体)を用 いてモンモリロナイト層間化合物を作製した。さらに、作製した固・液状態にある層間化合 物の結晶性膨潤構造を初めて格子レベルでTEM観察することに成功した。また、 XRDと SAEDの結果を照合することで層間化合物の構造を確認し、カチオン交換容量の結果から 層間化合物のイオン配列のモデリングを行った。層間化合物の示差熱一熱重量同時測定の 結果から熱安定性が認められ、さらにシート導電率が高いことから、透明導電性膜への応 用が考えられる。

 第γ章は総括であり、本研究の成果をまとめた。

 以上のように、本研究において電子顕微鏡による含水材料の新しい観察手法を開発する ことに成功した。観察手法としては大きく二っに区分される。一っはゲルのような含水材 料が挙げられ、もう一つは生物材料が挙げられる。これらの観察手法を用いることにより、

含水材料の微細構造評価として幅広い材料への適用が可能である。また、親水性イオン液 体を用いた観察メカニズムの解明により、水分子と親水性イオン液体の分子動力学的理解 にも貢献できると考えられ、さらに、イオン液体一モンモリロナイト層間化合物は透明導電 性膜への応用が見込まれる。

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論文審査結果の要旨

 本論文は、親水性イオン液体を用いた含水材料の電子顕微鏡観察手法の開発とその応用であり,次のよう な意義が有ると思われる。親水性イオン液体と水分子の相互作用に基づき、親水性イオン液体を用いた含水 材料の可視化メカニズムの解明を確立し、分子動力学的理解への貢献。また、種々のイオン液体を用いて複 合材料を作製し、その特性を評価することは新たな材料設計指針を構築する基盤となっている。

 第1章序論では、材料科学分野におけるこれまでの電子顕微鏡を用いた含水材料の評価手法について述 べ、その現状における問題点から本研究の目的を示された。

 第2章では菌の培地やセラミックスのゲル化剤に用いられる寒天ゲルを材料に新たな観察手法を提案し た。異なる膨潤状態及び含水状態にある寒天ゲルの微細な表面構造を走査型電子顕微鏡(FE・SEM)で観察

し、その手法を最適化している。さらに、水分子と親水性イオン液体のアニオン(陰イオン)の相互作用に 着目し、ラマン分光法を用いてイオン液体を使用した寒天ゲルの観察メカニズムの解明を試みている。また、

イオン液体と寒天ゲル混合物中の水濃度を15~95mo1%になるよう処理した寒天ゲルをそれぞれFE・SEM で観察することで最適化条件を探索した。寒天ゲル内の水とイオン液体が置換したゲル中のイオン液体の存 在を明らかにするため、示差走査熱量測定法を用いて水とイオン液体の挙動を測定した。さらに、イオン液 体と水の相互作用による寒天ゲルの収縮にっいても測定し、これらの結果から親水性イオン液体を用いた寒 天ゲルの観察メカニズムを明らかにしている。

 第3章ではセラミックスのより良い作製法を確立するために、湿潤状態にあるハイドロキシアパタイト成 形体の微細構造の可視化を試みている。イオン液体を用いた観察手法を用いることで、今まで不可能とされ ていたセラミックスのゲルキャスティング法における固化プロセスを解明することに成功している。また、

これまで湿潤ゲル成形体の観察に用いられてきたX線CT装置を用いた手法と新手法による微細構造の観察 限界を比較し、新手法の有効性を示している。

 第4章では生物材料の微細構造観察が難しいとされている市販の親水性イオン液体を用いて、生物材料で あるわかめを観察対象に新たな観察手法を提案した。その観察メカニズムは上記の含水ゲルとは異なってお

り、イオン液体処理の際に生物材料が独自に保持する浸透圧を維持することで、微細構造が観察できること

を示している。

 第5章ではインターカレート挙動を示す粘土鉱物であるモンモリロナイトを材料に、親水性イオン液体を 用いてその膨潤構造をFE・SEM及び透過型電子顕微鏡(TEM)で構造評価している。観察メカニズムを解明 するために、X線回折法(XRD)を用いて含水モンモリロナイト中のイオン液体と水の挙動を明らかにしてい る。さらに、TEM・制限視野回折図形(SAED)とXRDの結果を比較することで、含水モンモリロナイト中の 水とイオン液体の置換挙動を解明している。

第6章では4種のイオン液体(アンモニウム系及びイミダゾリウム系イオン液体)を用いてモンモリロナ イト層間化合物の作製を提案している。さらに、作製した固・液状態にある層間化合物の結晶性膨潤構造を 初めて格子レベルでTEM観察することに成功している。また、 XRI)とSAEDの結果を照合することで層 間化合物の構造を確認し、カチオン交換容量の結果から層間化合物のイオン配列を示している。層間化合物 の示差熱一熱重量同時測定の結果から熱安定性が認められ、さらにシート導電率が高いことから、透明導電 性膜への可能性を示している。

 以上のように、本研究では電子顕微鏡による含水材料の新しい観察手法を確立している。これらの観察手 法を用いることにより、含水材料の微細構造評価として幅広い材料への適用が可能であることを示してい る。また、親水性イオン液体を用いた観察メカニズムの解明により、水分子と親水性イオン液体の分子動力 学的理解にも貢献している。さらに、イオン液体・モンモリロナイト層間化合物は透明導電性膜等への新た な材料設計学の指針を示しているよって、本論文は、博士(工学)の学位論文に値すると判定した。

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