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Japan Advanced Institute of Science and Technology

JAIST Repository

https://dspace.jaist.ac.jp/

Title IPネットワークに発信規制の概念を適用した輻輳制御

の研究

Author(s) 本田, 英之

Citation

Issue Date 2008‑03

Type Thesis or Dissertation Text version author

URL http://hdl.handle.net/10119/4359 Rights

Description Supervisor:日比野靖, 情報科学研究科, 修士

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IP ネットワークに発信規制の概念を適用した 輻輳制御の研究

本田 英之(0610077)

北陸先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 2008年2月7日

キーワード: IPネットワーク, 輻輳制御, 発信規制.

1. はじめに

近年, IP電話の普及などにより回線の使用率が増大したため, IPネットワークにおける 通信を円滑にし, ネットワークの性能を落とさない様にする輻輳制御がより重要となって きている.

IPネットワークにおける現在の輻輳制御の手法は, 輻輳の起こりかけたルータにおいて, 送られてきたパケットに対して棄却処理を行い,ルータ内のパケットを減少させて輻輳を 解消させる [1]. しかし, 予め予測された量を超える莫大なパケットが送られた場合には, その処理が間に合わず輻輳が起こってしまう. 特に, 社会現象により1箇所にパケットが 集中した場合に, その場所に近いノードの通信までも大きく影響を受けてしまうのは大き な問題点であると言える.

本研究では, IPネットワークにおけるネットワークにおいて輻輳を解消する事を目指す. そのための有効な方法として,あらゆる通信がIP上で行われる事を想定した上で, 従来手 法に加え, キャリアで使われている発信規制の概念をIPネットワークに適用した新しい 輻輳回避の手法を提案する. 提案手法では, 輻輳が起こりかけた際に, 特定の宛先に向か うパケットに対して規制を行う. そして規制されている宛先に向かうパケットに関しては, 送信元に近い場所でパケット棄却を行う. こうする事で, 1つのルータが処理するタスク を減少させる事が可能となる. そして, 社会現象が原因となる様な1箇所へのパケット集 中が起きた場合にも,集中とは関係の無いパケットは影響を受けずに通信を行う事が可能 となる.

本研究では,この提案手法実現のためのモデルの構築及び検証を行う.

2. 輻輳制御

[1]によると, ホストからサブネットに投げられたパケットの数が処理能力の範囲内で あれば,送信誤りで配送されない場合を除いて, 全てのパケットは送信される. しかし, 膨

Copyright c2008 by Hideyuki Honda

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大な量のパケットがサブネットに流れ込んでしまうと性能が落ちてしまう. この様な状況 を輻輳と言う.

輻輳が起きてしまうと,ネットワークにおける通信が全く働かなくなってしまうので,輻 輳制御が必要となる.

これまでに, トランスポート層ではTCP Tahoe, TCP Reno, ECNなど, ネットワーク 層ではREDなど, 様々な制御方法が提案されている.

3. 従来の輻輳制御の問題点

トランスポート層での問題点として, トランスポート層はEnd to Endでの通信である ため, 途中の経路でのネットワークの状態を知る事が出来ない点が挙げられる. そのため, 送信するセグメントのウインドウサイズや, 送信のタイミングでしか制御が出来ず, 途中 の経路で起こる輻輳に対して効果的な対処が出来ない.

ネットワーク層での輻輳制御においても,現在用いられているAQMなどの手法では,自 ノードの輻輳の情報と,隣接するノードの輻輳の情報までしか分からない点が問題と言え る. 更に, ネットワーク層では輻輳検知をキュー長を監視して行っており, 回線使用率に ついては監視していない. キューは一旦長くなり始めると指数的に増加してしまうため, キューが長くなってから輻輳制御を開始したのでは間に合わない可能性があり, 適切な制 御を行う事が難しい.

4. 発信規制の概念を用いた輻輳制御

従来の輻輳制御の問題点を解決し, 輻輳の根本的な原因を絶つ為に, キャリアのネット ワークで用いられている発信規制の概念をIPネットワークに適用した輻輳制御手法を提 案する.

提案手法では,あるノードにおいて回線使用率を宛先毎に監視し,輻輳を検知した場合, 輻輳を検知した宛先への通信に対して規制を行い, ある確率でパケットを棄却する. 回線 使用率を監視し, 規制を指示するノードは宛先に近いノードであり, 規制の通知をうけて パケットを棄却するノードは発信元に近いノードである. こうする事で発信元に近い所で の規制が可能となり, 輻輳を根本的に解決する事が可能となる. 更に, 輻輳の原因ではな い通信には規制がかからず, パケットが棄却されないので, 輻輳制御の影響を受ける事が 無い.

5. シミュレーションによる実験

提案手法の効果を検証するために, NS2に提案手法を組み込み,シミュレーションを行っ た. 比較対象として, Droptail, REDを採用する. これらは提案手法と同じネットワーク 層での輻輳制御であるため、この2つの手法を選択した. 評価方法としては, シミュレー ション後に生成されるトレースファイル, ログファイルからそれぞれの回線使用率などの データを抽出し, 比較を行う. 評価項目は,

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• TCPの通信終了時間

• パケット棄却数

とする. TCPの通信終了時間の比較から,パケット集中の原因ではない通信が受ける影響

を評価する. また, パケット棄却数の比較から, 提案手法による輻輳制御の効果を示す.

6. 結論

本研究では, IPネットワークにおいて, 社会現象などによる1つの宛先へのパケット集 中が原因となる輻輳の解決を目的とし, キャリアの発信規制の概念を適用した新たな輻輳 制御の提案を行った. その効果を検証するため, NS2によるネットワークシミュレーショ ンを行い, 従来手法との比較を行った.

シミュレーションの結果, 提案した発信規制の概念を用いた輻輳制御は, 1つの宛先にパ ケットが集中する事によって引き起こされる輻輳に対して, 他の宛先への通信に影響を及 ぼす事なく輻輳制御可能である事を示した. 更に, 回線使用率を監視する事で, キューを 監視する従来手法と比べ, 輻輳制御をより効率化する事が出来た.

参考文献

[1] Andrew S. Tanenbaum. “コンピュータネットワーク第4版”. 日経BP社, 2003.

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参照

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