(1)(2)2
要旨
「流星」は「流れ星」と呼ばれる現象と同じものである。流星を電波領域の波長を使うことによって
一日中観測できるようにしたのが、電波流星観測である。この研究では明星大学天文台に設営した電波
観測装置から得られるデータを統計的に解析し、電波流星が多く流れる時間帯や季節を調べることを目
的とした。
解析の結果、電波流星が流れる時期や時間に特徴を見つけることができた。時間によって電波流星の
数が変わることに関しては、地球の自転と大気圏内に侵入してくる流星数が関係していると考えている。
(3)3
目次
1 はじめに
2 流星について
2・1 流星と流星体
2・2 流星の流れる場所
2・3 流星群
2・4 散在流星
3 電波流星について
4 流星から電波を受け取る仕組み
4・1 流星から電波を受ける方法
4・2 観測する電波について
4・3 プラズマによる反射
5 観測装置について
5・1 受信アンテナの作成
5・2 受信機
5・3 パソコンとソフトウェア
5・4 アンテナの設置
6 観測手順について
6・1 アンテナに向きの決定
6・2 受信機の感度調整
7 観測結果
7・1 電波流星の信号
7・2 火球による信号
7・3 航空機による信号
(4)4
7・4 スポラディック E 層による信号
7・5 外部からのノイズによる信号
7・6 装置内部からのノイズによる信号
8 データ解析
8・1 画像データの色替え
8・2 8 月のデータ解析
8・3 9 月のデータ解析
8・4 10 月のデータ解析
8・5 11 月のデータ解析
8・6 8~11 月のデータ解析まとめ
8・7 流星群の期間とそうでないときのエコー継続時間の比較
9 考察
9・1 流星
9・2 火球と航空機
9・3 スポラディック E 層
9・4 流星の時間分布
9・5 流星のエコー継続時間
10 今後
11 謝辞
12 参考
(5)5
1. はじめに
この研究を始めたきっかけとしては、夜空でしか見ることのできない流星が電波観測
によって 1 日中観測できる電波流星というものを知り興味を持ったからである。
研究をするにあたり明星大学天文台に設置した八木アンテナによって、8 月から 11
月までの期間で電波流星を観測した。
研究の成果として 20 時~8 時までの時間に多くの電波流星が観測できた。これには地
球の自転の方向と流星が地球に侵入しやすい方向が関係していると考えられる。
(6)6
2. 流星について
本研究の観測対象である流星について解説する。一般に流れ星とよばれている現象と
流星とは同じものであり、 彗星などとは違い天体そのものを指すものではなく、発光
現象を指すものである。
図1 デジタルカメラで撮影した流星(自宅)
(7)7
2・1 流星と流星体
流星は上層大気で起こる発光現象であるが、その発光は塵が地球大気に突入した際に
摩擦熱によって燃える事によるものと、大気成分が電離することにより発生するプラズ
マの発光とがある。流れ星として観測される多くの流星は後者のプラズマの発光を見て
いると考えられている。この流星現象の素になる塵は流星体と呼ばれ、発光現象そのも
のと、それを引き起こす物体とで区別される。流星体の正体は太陽系の公転軌道を周る
彗星がこぼした塵や、宇宙空間に浮遊する砂粒や人工衛星などの欠片である。その直径
は 10-5
(m)〜10-2(m)で、地球大気への突入速度は 10(km/s)〜70(km/s)と様々な大きさと速
度を持っている。大きく速い流星体は明るい流星となり、小さく遅い流星は暗い流星と
なる。
図2 彗星の帯と地球の公転
(8)8
2・2 流星の流れる場所
流星は上層大気 80km〜120km 付近で起こる現象で、この高度の大気は宇宙と地球の
境目とも呼ばれ、その前後で大気密度が 10-3
(kg/m3)〜10-8(kg/m3)と大きく変わる。その
ため大気圏外から突入してきたこの高度で流星体は分子同士の衝突をし、プラズマ化し
て発光する。
図3 流星の流れる位置
(9)9
2・3 流星群
ペルセウス座流星群やしし座流星群など天体ショーとして度々スポットを浴びる現
象である。太陽系の公転軌道を周る彗星がこぼした塵が起源であり、この塵の帯(ダス
トチューブ)と地球とが交差するときに、大量の流星を観測することができる。肉眼で
観測できる数は 1 時間当たり 100 個を超えることもある。
2・4 散在流星
流星群以外にも流星は一定数流れている, これは軌道上から外れた彗星の塵など宇
宙空間に浮遊している砂粒や人工衛星のかけらによるものである. 肉眼で観測できる
数は 1 時間当たり数個程度である.
図5 散在流星の素となるスペースデブリなど
図4 ダストチューブと公転軌道
(10)10
3. 電波流星について
2章で解説した流星は肉眼でも観測できる可視光領域の発光の流星である。これとは
別に八木アンテナと受信機などを用いて電波領域の波長で信号として観測する流星を
電波流星と呼ぶ。可視光領域で観測することのできる流星については眼視流星と呼び区
別する。
電波流星の素となる流星体は眼視流星と同じである。電波流星は電波領域の波長を観
測するので。 天候に左右されることが少なく。 また昼間でも観測できるという利点が
ある。
流星電波観測は、昔からレーダー観測として実施されていた。これは後から示す「後
方散乱」による流星電波観測である。この方法で観測するには大がかりなシステムが必
要だったが、流星の位置情報をはじめ、詳細情報を得ることができる。1980 年代に入
り、日本の鈴木和博氏が FM 放送局の電波を利用した流星電波観測を世界に発表し、こ
こから FM 放送局の電波を利用した流星電波観測がスタートした。鈴木和博氏は現在、
日本流星研究会の流星電波観測の幹事として活躍している。
1990 年代に入り、日本では、FM 放送局の増加、特にミニ FM 放送局の増加に伴って、
FM 放送局を利用した流星電波観測が困難な状況となった。ちょうどその頃、偶然にも、
流星電波観測者とアマチュア無線家が、中村卓司氏を介して交流をもち、アマチュア無
線を利用した流星電波観測の試験観測が 90 年代半ばに行われた。1990 年代終わりには、
流星電波観測の定番として確立、1998 年~2001 年のしし座流星群をきっかけに、高校
や大学、アマチュア無線家にも広まり、現在は日本でおそらく 100 地点近くが観測して
いるものと思われる。また、安価な専用受信機の発売や、Windows 用の自動観測ソフト
が開発されるなど、ここ最近の日本流星電波観測の発展はめざましいものがある。
(11)11
4. 流星から電波を受け取る仕組み
電波領域の波長で流星を観測する方法について述べる。
4・1 流星から電波を受ける方法
電波流星と呼ばれているが、 流星自身が電波を出しているわけではない。 流星を電
波で観測するためには、流星が発光する際の電離現象によるプラズマの発生を利用して
間接的に観測する。地球大気に出現したプラズマは通常その大気において透過する周波
数の電波を反射させる。そのため、流星によってできるプラズマが反射する周波数の電
波を発信すれば、反射波の有無で流星の出現を知ることができる、これは 30MHz 以下
の低周波を電離層で反射させて超距離通信を行うのと同じ原理である。
図6 電離層での反射
(12)12
4・2 観測する電波について
本研究では福井高専より発信されている 53.750MHz の電波を使用する。この周波数
帯の電波は短波、または超短波に分類されラジオ放送やアマチュア無線通信に使用さ
れ、通常 100km 程度の見通し領域内、つまり発信元から直接受信することを想定され
た通信で使われる。
図7 明星大学と福井高専の位置関係
(13)13
4・3 プラズマによる反射
受信先の明星大学は福井高専の見通し領域にはなく、当然直接その信号を受信するこ
とはない。しかし流星によって高度 100km 程度にプラズマが発生すると、一度上層大
気に上がった電波が反射させられて地上に戻ってくる。その際の受信可能領域は発信元
から 1000km 程度まで伸びると考えられる。プラズマの大きさは数 km 程度である。
プラズマは激しい熱運動や衝突によって原子から電子が剥がれイオン化した状態で
ある。プラズマ発生による電波反射の過程は、プラズマ振動数によって決まる。プラズ
マ振動数ωは、
w
=
n0
e
2
e
0
m
で与えられる。n0は電子密度、e は素電荷、ε0は真空の誘電率、 m は電子質量であ
る。このプラズマ振動数より高いか低いかで電波が反射するか決まる。つまり、電子密
度 n0が、
n
0
³ e
0
w
2
m
e
2
となる時に反射する。ε0を 8.854×10
-12
(Fm-1)、 e を 1.602×10-19(C)、 m を 9.109×
10-31(kg)として、今回使用する周波数 5.375×107(Hz)をωに代入すると、反射条件を満
たすような電子密度 n0は 8×10
11
(m-3)となる。
(14)14
図8 加工前(青)と加工後(赤)のエレメント長
5. 観測装置について
使用した観測装置について解説する。装置はアンテナ、受信機、パソコンと解析に利
用したソフトウェアからなる。
5・1 受信アンテナの作成
受信用のアンテナには短波交信用に販売さ
れている八木アンテナを改造して、流星観測
に適した周波数を受信できるようにした。
ベースになっているアンテナは、
comet 社製 CA-52HB
仕様規格
周波数: 50~52MHz
利 得: 6.3dBi
半値角: 約 68°
である。とくにこのモデルでないと受信できないわけではなく、同様の周波数帯が観
測できるアンテナであればどんなものでも観測可能である。ただし観測したい周波数に
あわせて加工する必要があるので、このモデルのような簡易な2エレ八木アンテナが適
している。2エレはエレメントが2本であることを指す。
今回の研究でも、このモデルを図8のように切断した、切断する長さは、受信したい
周波数が 53.750MHz なので、その波長λ(m)は、
l
=
c
f
から 5.5818(m)とわかる。
c
(m)は光速
f 、(Hz)は周波数である。
八木アンテナの各エレメントの長さは、
リフレクタ: 0.495λ
ラジエータ: 0.473λ
であるので、反射器を 2.76(m)、導波器を 2.64(m)とした。
また作成した八木アンテナの指向性と感度をシミュレーションソフト MPCQ で計算し
た。計算結果から得られたビームパターンが図 2 である。水平方向、垂直方向ともに半
(15)15
図9 作成したアンテナのビームパターン
図 10 受信機: RX1a
値角 67.7°で、指向性の高いアンテナであることがわかる。
5・2 受信機
受信機には、
アイテック電子研究所製 HRO-RX1a
を使用した。RX1a(図 3)は、ヘテロダイン式
のラジオと同じ原理で 53.750MHz に乗せら
れた音声信号を取り出すことのできる受信機
である。
5・3 パソコンとソフトウェア
受信したシグナルは音声信号として変換されるので、受信機をスピーカーかパソコン
に接続して、シグナルを観測する、本研究ではモニター用の信号をノートパソコンのラ
イン入力端子から拾い、フリーソフト MROFFT を使ってデータを記録した。このソフ
トは 10 分ごとに時刻、周波数、電波強度の情報を 1 枚の画像ファイルにして記録する
ものである。
(16)16
図 11 明星大学 30 号館
天体ドーム横の屋上スペースに設置したアンテナ
5・4 アンテナの設置
アンテナは明星大学天文台のある、明星大学日野校 30 号館屋上に設置した。表 1 が
設置したサイトの詳細である。
図 11 は設置した 30 号館とアンテナである。パソコンと受信機は屋上から1フロア下
の観測準備室に設置した。受信機とアンテナは 5D-2V ケーブル 30m で接続した。
明星大学日野校
30 号館屋上
経度 139°24′38″
緯度 35°38′43″
標高 147m
設置した屋上高さ 20m
表 1 設置サイト詳細
(17)17
6. 観測手順について
流星からの電波を観測する手順を解説する。
6・1 アンテナの向きの決定
受信したい電波が発信されている福井高専の方向と、アンテナの指向性、それに流星
が流れる位置を考慮して、アンテナ向きを決定する必要がある。
明星大学から見て福井高専はほぼ東に位置するので(図7)、水平方向の向きは東に
向けた状態から調整をすることにした。垂直方向の二点間の距離が 300km あることか
ら、前方からの反射波の方が受信しやすいと考え、地面と水平に設置した状態から調整
をすることにした。
図 12 福井高専に水平に向けた八木アンテナ
(18)18
図 15 ゲインが低い
図 14 アッテネーターが強い
図 13 MROFFT
6・2 受信機の感度調整
受信機の電源を入れ、接続したパソコンで MROFFT を起動すると、図 13 のウィンド
ウが表示される。横軸が時間(min)、縦軸が周波数(kHz)、色強度が電波の強度を示して
いる。また指定した範囲で積分した電波強度(dB)が横軸に1目盛り当たり 10dB で表示
されている。流星が出現すると 900kHz から 1100kHz で 10dB 以上の反応を示す。図 14
はノイズが多く観測できていない状態である。図 15 は受信機のアッテネーターを当て
すぎて信号が見えていない状態である。図 13 程度の全体的に青い背景になるように調
整を行うと良い、ノイズが入る続ける場合はアンテナの向きを調整する必要がある。
(19)19
7. 観測結果
装置を設置した、2016 年 8 月から 2016 年 11 月に行った観測の一部を紹介する。
7・1 電波流星による信号
図 16-1~6 は流星による反射を観測できた時の信号である, このような信号を受けて
いるときにパソコンのスピーカーを ON にしていると, 高い音が聞こえる, この音が福
井高専から発信されている音声信号である.
図 16-1 図 16-2
図 16-3 図 16-4
図 16-5 図 16-6
(20)20
7・2 火球による信号
図 17-1~6 は火球、つまり大きな流星と思われる流星による反射を観測した時の信号
である、長いものだと数分信号を反射し続ける。
図 17-1 図 17-2
図 17-3 図 17-4
図 17-5 図 17-6
(21)21
7・3 航空機による信号
図 18-1~2 は航空機による反射を観測していると思われる信号である。
図 18-1 図 18-2
7・4 スポラディック E 層による信号
図 19-1~3 は太陽活動によってスポラディック E 層が発生している時の信号である。
スポラディック E 層が発生している間は流星の信号は埋もれてしまうので観測するこ
とができない。スポラディック E 層は電離圏 E 領域の狭い高度領域に突発的に現れる電子密
度の濃い領域で高い周波数の電波まで反射して混信障害を起こすことがある。夏季に多く出現
する。
図 19-1 図 19-2
図 18-3
(22)22
7・5 外部からのノイズによる帯状の信号
断続的に強く幅の広い周波数のノイズが入っている, このような信号は外部からの,
無線などの短波通信との混線だと考えられる(図 20-1,20-2)
図 20-1 図 20-2
7・6 装置内部からのノイズによる紐状の信号
周波数が時間変化するノイズが入っている, こうような信号はパソコンのバックグ
ラウンドでソフトウェアが動いているために入るものだと考えられる(図 21-1,21-2)
図 21-1 図 21-2
(23)23
8. データ解析
得られた PNG ファイルのデータを自分の目で確認し、流星の数を数えエクセルにまと
めた。
8・1 画像データの色替え
本来処理されて得られるデータは、赤・緑・青の三色で構成されている。この色は
電波の強度を示しており、赤>緑>青の順である。流星一つの範囲が見にくいため、緑
の要素を0にして画像処理を行った。図 22 が処理前、図 23 が処理後である。
図 22 図 23
(24)24
8・2 8 月のデータ解析
8 月分のデータから得られた流星数のグラフ、表を紹介する。
図 24 8 月の流星数グラフ
図 25 8 月の流星の時間分布
表2 8 月の日ごとの合計
(25)25
8・3 9 月データ解析
9 月分のデータから得られた流星数のグラフや表を紹介する。
図 26 9 月の流星数グラフ
図 27 9 月の流星の時間分布
表3 9 月日ごとの合計
(26)26
8・4 10 月データ解析
10 月分のデータから得られた流星数のグラフや表を紹介する。
図 28 10 月流星数グラフ
図 29 10 月の流星の時間分布
表 4 10 月日ごとの合計
(27)27
8・5 11 月のデータ解析
11 月分のデータから得られた流星数のグラフや表を紹介する。
図 30 11 月流星数
図 31 11 月の流星の時間分布
表5 11 月日ごとの合計
(28)28
8・6 8 月~11 月の解析まとめ
8 月~11 月の解析データを日別の流星数のグラフと時間別の平均流星数のグラフ
を作成してみる
図 32 日別の流星数
図 33 時間別平均流星数
(29)29
8・7 流星群の期間とそうでないときのエコー継続時間の比較
8 月 9 日~16 日のペルセウス座流星群が来ている期間と 9 月 7 日~14 日の流星群
の来ていない期間の流星のエコー継続時間を比較してみる
表6 8月 9 日~16 日の流星のエコー継続時間
表7 9 月 7 日~14 日の流星のエコー継続時間
表8 10 月 1 日~8 日の流星のエコー継続時間
表9 11 月 11 日~18 日の流星のエコー継続時間
(30)30
9. 考察
観測することができた流星と火球について、また航空機とスポラディック E 層につい
てその信号の強度変化、周波数の幅と継続時間に注目して考察する。
9・1 流星
解析結果からペルセウス流星群の時期が活発で、その期間で一日に 150〜300 個程度、
その他の流星群の時期や通常の期間でも一日に 100 個前後の流星を観測できたことが
わかった。
9・2 火球と航空機
一見して見間違いそうな、火球と航空機の信号の違いについて考察する。航空機の航
空高度は 10km 程度で機体の全長は 50m だとすると、観測視野に航空機が入ると 100km
では 500m の物体が現れたのと同じ状態になる。この大きさは流星が作るプラズマと似
ている。そのため電波観測で得られたデータでも似たような形に見えている。しかし、
流星が作るプラズマと違い、航空機は時速 700km/s 以上で飛んでいるため、突然現れる
プラズマとは信号の強度の違いがある。図 17 の火球よる信号は、急激に強い信号が入
り、その後に弱くなっている。これは発生したプラズマが徐々に消えていくためである。
航空機の場合は、図 18 の信号のように、信号強度のピークが中間辺りにある、これは
航空機が移動しているため、だんだんと反射条件の良い状態になり、その後また遠ざか
っていくためである。またドップラーシフトによる周波数の変化も見られる。
9・3 スポラディック E 層
図 16 のようなスポラディック E 層は一度発生すると、長い時には 1 時間以上発生し
続ける。昼間に発生することからも太陽活動によるものだということが理解できる。こ
のスポラディック E 層に着目して、今回の装置で太陽活動を観測して研究することもで
きる。
9・4 流星の時間分布
分布のグラフを見ると明け方に流星数が多く、夕方は流星数が少なくなるという傾向
が見受けられる。これは流星物資がランダムに動いている中を地球の進行方向が明け方
の方向で、流星物質との衝突の可能性が高まるためだと考えられる。
(31)31
9・5 流星のエコーの継続時間
表 6,7,8,9 を見てわかるように 11 秒以上継続するエコーの数に大きな差がある。
このことから活発に活動が見られた流星群の時期の電波流星はエコー時間の長いもの
が増えることがわかった、つまり散在流星として普段流れている流星は電波で観測する
と短いエコーのものであるということになる。
9・6 エコー時間から考える電波流星の性質
2章で紹介したように、流星群に含まれる流星は彗星由来のものであり、散在流星は
宇宙空間に浮遊している流星体が素になっている。
観測結果から彗星由来の流星体による電波流星はエコー時間が長い、また宇宙空間に
浮遊している流星体が落ちてくる場合はエコー時間が短いということになる。これは地
球大気への突入速度の違いよるためだと考えることができる。
10. 今後
この研究は、機器のトラブルや福井高専からの電波が受信できなくなるということが
ない限りは続けられるものなので、まだデータを取っていない冬や春の流星の傾向を調
べることで年間を通して考察できることがあると感じた。また眼視観測のデータと比較
することにより眼視流星と電波流星の違う点、同じ点が考察できると考えている。
(32)32
11. 謝辞
本研究を進めるにあたり、多くの方々にお世話になりましたことに感謝申し上げま
す。ゼミでは小野寺幸子先生、井上一先生、日比野由美さんに多くのアドバイスをいた
だきました。また研究に対して多くのサポートをしてくださった津田裕也さんに感謝申
し上げます。同研究室の皆さんにもアドバイスを頂きましたことをここにお礼申し上げ
ます。
(33)33
12. 参考
• 流星電波観測国際プロジェクト
http://www.amro-net.jp/hro_index.htm
• 流星と流星群 長沢 工 著
• Swc 宇宙天気情報センター
http://swc.nict.go.jp/radio/index.php