『倶舎論』
諸
釈
三世実有論批判
研究
(2)
—
仏教
時間論
—
那 須 円 照
序論 本論攷 、前稿（「『倶舎論』 諸 釈 三世実有論批判 研究(1)−仏教 時間 論−」,『 学 学研究』15［2011］所収） 続編 。前稿 本稿 扱 『倶舎論』 原典 中間 、「作用 論争」 述 、 箇所 、 、那 須［2007］（「『倶舎論』 諸注釈 作用 論争-試訳-」『 学 学研 究』11所収） 発表 。同箇所 、解説 省 、若干訂正 、那須 ［2009］（『 仏教 研究-時間・空間・涅槃-』永田文昌堂） 再録 。 前稿 序論 、三世実有論批判 翻訳研究全般 概説 、本稿 序論 、本 稿 内容 特化 、若干概説 。 、経量部 、有部 三世実有論 第一理由（教証） 批判 。 教証 、認識 対象 実在 、 対 無関心 享受 、認識論的 視点 、 批判 箇所 、存在論的 議論 行 。経量部 、過去・未来 法 存在 説 、因果関係 否定 者 対 因果関係 教示 。過去・未来 法 実在 、 、現在法 仮有 記憶・ 可能性 存在 。 、現在一瞬間 法 中 過去 要素（ ） 未 来 要素（ ） 潜在的 種子 保存 、経量部 理解 。経 量部 、過去 業 、現在 法 同 自性 持 、仮有 、特定 時 結果 与 特定 功能 存在 。 、経量部 、過 去・未来 法 常住 実在 、諸行 無常 、苦集滅道 四聖諦 真理 。過去・未来 法 自性 観点 三世 実有 常住 、有部 正統 説 作用 変化 説明 不合理 、 、常住性 変化性 矛盾 、両立 、 煩悩 集 （集） 苦 生 、道 滅 、変化 伴 動的真理 得 。経量部 、生 瞬間 滅 瞬間 同 、生 滅 自性 理論 基 、 変化 中 考 。 次 、経量部 、有部 三世実有論 第二理由（教証） 批判 。 教証 、「感官 対象 二 依存 識 生 」 理由 。有部 、過去・未来 法 実体 存在 、 所縁 、意識 生 主張 。経量部 、時間的 後 未来 諸法 、時間的 前 現在 意識 原因 、時間 過去 未来 流 理解 、 常識的 不合理 批判 。 、有部 、時間 空間的 考 、 、未来 場・現在 位置・過去 場 同時 、未来 場 、現在 位置 通 、過去 場 法 流 有部 時間論 採用 、未来 場 諸法 、 現在 位置 意識 原因 。経量部 、過去・未来 法 、「 」・「 」 、現在 法 別 形式 、仮有 種子 現在法 中 認識 。 、世親（経量部）・衆賢（有部） 、未来 法 清浄智 有 方、仏陀 認 識対象 言 。 、 場合 真意 、世親 、発現以前 仮有 諸種子 予想 認識 、衆賢 、未来 場所 現在 場所 来 以前 諸法 予想 認識 、可能 、 現在化 関 、仏 陀 。 本研究 、龍谷大学名誉教授 神子上惠生先生 御指導 下 開 研究会 成果 一部 作成 。 懇切丁寧 指導 頂 神子上先生 感謝 意 表 次 第 。 （該当箇所）AKBh:Skt.Text(A.(1):pp.112-114, Pr.:pp.299-300, ´S.:pp.811-815), AKBh:Tib.訳Text(［D.:241a5-242b1］,［P.:282a7-283b6］),
AKBh玄奘訳Text(p.105.b-c), AKBh真諦訳Text(p.258.c-p.259.a); SA:Skt.Text(A.(1):pp.102-105, W.:pp.472-475, ´S.:pp.811-815), SA:Tib.訳Text(［D.:116b6-118b7］,［P.:132a4-134b2］);
TA:Tib.訳Text(A.(4):p.110-A.(5)-A.(6):p.25,［D.:140b7-146a1］,［P.:277a5-283a3］ LA:Tib.訳Text(［D.:115b5-118a4］,［P.:145b2-148a8］)
『倶舎論』(AKBh)和訳 1.＜三世実有論 四理由批判＞ 1.1第一理由（第一教証）批判 1.1.1 （世親 批判） 、［有部 ］「［経典 ］説 」 言 、 「過去 ［法］ 未 来 ［法］ 存在 」 言 。 、以前 存在 ［法］ 過去 ［法］ 、原因 存在 ［法］ 未来 ［法］ 。 考 、［過去 法 未来 法 ］存在 言 、実体 (dravyatas)［存在 言 ］ 。1 1 吉元氏 、経典 過去・未来 有 言 、 有 、 、実体 、仮 世親 理解 、 述 。 経 、過去・未来 有 教証 、因果 否定 者 対 、世尊 説 。(吉元［1982］:p.136.2-4 参照) 李鍾徹氏 、『釈軌論』(VY) 記述 、世親 過去・未来 有為法 世俗有 認 理解 。世親 、過去 有為法 「 生 (bh¯utap¯urva)」 、未来 有為法 「 生 (bh¯avin)」 。過去・未来 法 「有 」(asti) 「実体 有 」 。(李鍾徹 ［1993］:pp.37.5-38.14, 李鍾徹［2001a］:pp.170.11-171.6,VY= 李鍾徹［2001b］:pp.195.28-196.4 参照) Cox 女史 、当該箇所 含 、世親 存在論・時間論 適切 記述 、 引用 和訳 。 Vasubandhu would also reject any distinction among activity, capability, and a factor’s intrinsic nature. For Va-subandhu, a factor’s activity(k¯aritra) constitutes its very nature, its very existence as a factor. Since factors only exist by virtue of their activity, existence can be applied only to the present moment in which the activity occurs.
Ac-（有部 反論） 、誰 次 言 。「現在 ［法］ 、 （過去 法 未来 法 ） 存在 」 。2 （世親 問） 、 存在 。 （有部 答） 過去・未来 本体 有 ［法］ (¯atman¯a)［存在 ］。 （世親 問 世親 主張） 再 、次 提示 。 ［法 ］常 存在 、 過去 ［法］・未来 ［法］ 呼 。3 故 、以前 存在 原因 、 存在 結果 ［ ］「
cordingly, a moment is defined as a factor having acquired its own nature(¯atmal¯abha), that is to say, its own activity. Production in the present moment is defined as the fact that a factor ”exists not having existed”(abh¯utv¯a bhavati), and its destruction is the fact that ”having existed, it no longer exists”(bh¯utv¯a punar na bhavati). The past is thus defined as that which existed previously(yad bh¯utap¯urvam), and the future, as that which will exist when there are appropreate causes(yat sati hetau bhavis.yati). Factors are said to exist in the past and future only in the sense that they ”were” and ”will be;” their existence is thus simply a manner of speech and does not denote actual existence. Therefore, Vasubandhu, like the Sautr¯antikas, would not admit that past or future factors themselves function as causes in the pro-duction of a subsequent or simultaneous effect. Instead, an effect arises through a process of successive dependence. An initial action conditions the arising of a subsequent factor, and so on, in serial dependence until the final condition, in dependence upon yet other conditions, functions to condition the arising of the effect; the final condition is referred to as the distinctive characteristic in the transformation of the life-stream.
「 、「作用」 「功能」 「 要素 固有 本質」 間 区別 拒絶 。 、 要素 作用 （ 要素） 本質、 要素 存在 構成 。諸要素 作用 力 存在 、存在 、作用 起 現在 瞬間 適合 。 、 瞬間 （ 要素）自身 本質 得 要素 、 、 （ 要素）自身 作用 定義 。現在 瞬間 生成 、 要素 「存在 存在 」 事実 定義 、 （ 要素） 消滅 、「存在 、 （ 要素） 存在 」 事実 定義 。過去 故 、以前 存在 定義 、未来 適切 諸原因 存在 定義 。諸要素 過去 未来 、 （諸要素） 「 」 「 」 意味 存在 言 。 （過去・未来 諸要素） 存在 故 、単 、言説 様式 、現実的存在 示 。 故 、 、経量部 、過去 未来 諸要素 自身、 継時的 同時的結果 生成 諸原因 機能 認 。 代 、 結果 連続 依存性 過程 生 。 最初 行為 、 引 続 要素 生起 条 件付 、 、最後 条件（縁） 到 一連 依存 、 、他 諸条件（縁） 依存 、 結果 生起 条件付 機能 。 最後 条件（縁） 、生 流 変化 決定的特徴 言 及 」(Cox［1995］:p.146.9-30 参照) 2 清水氏 述 。過去・未来 現在 「実体 存在 」(dravyato ’sti) 示 。 現在 dravya 認 。
、『倶舎論』(AKBh) 未来 過去 法 自相 (svalaks.an.a) 述 、自相 自性 (svabh¯ava) 異 、自性 過去・未来 。(清水［2006］:pp.45.1-46.8, AKBh.Pr.1st.:p.341.11-12 参照) 3 吉元氏 述 。世親 理解 、「実有」 「作用 (k¯aritra)」 有 法 。 、作用 捨 過去 作用 未来 実有 成立 。「過去・未来 自体 (¯atman) 」 主張 有部 対 、世親 「常 (nityam. ) 有 過去 未来 言 」 論難 。 吉元氏 、世親 自体 自性 有 常 有 理解 、常 、過去 未来 考 、 述 。(吉元［1987］:p.25.a.5-15 参照)
」 「 」 知 、因 果 否定 見解 否定 、世尊 、「過去 ［法］ 。未来 ［法］ 。」 説 。4 「 (asti)」 語 不変化詞(nip¯ata)5 。 例 、「灯火 以前 存在 ［法］ 「 」、後 存在 ［法］ 「 」」 言 話者 、 、「 灯火 滅 「 」 、私 滅 ［法］ 「 」 」 ［言 話者 ］ 、「過去 ［法］ 未来 ［法］ 」 ［世 尊 ］言 。6 （世親 結論） 、過去 ［法］ 未来 ［法］ ［自］性(bh¯ava) 成立 。 『倶舎論称友釈』(SA)和訳 （世親 批判） 、以前 存在 ［法］ 過去 ［法］ 、 、［過去 法 ］自相 存在 示 。原因 存在 ［法］ 未来 ［法］ 、 、［未来 法 、］今存在 、原因 存在 ［未来 法 ］確立 示 。 考 、［過去 法 未来 法 ］存在 言 、 4 橘川氏 、次 考察 。 因果 過去・未来 「有」 日常的概念 「曾」 「当」 説明 、 「実有」 否定 。 、 対 、「実有 過去 体」 「実有 未来 体」 三世実有 法体 同 、 法体 「少分」 「曾有」「当有」 、 橘川氏 断定 。(橘川 ［1991］:pp.195.a.10-196.a.3, 『順正理論』:T.29.p.626.c.6-15 参照) 李鍾徹氏 、次 考察 。 経典 「有 (asti)」 語 、有部 世親 解釈 相違 。有部 、「有 (asti)」 「実有 有 (dravyato ’sti)」 理解 、世親 「因果関係 中 有 (asti)」 理解 、 李鍾徹氏 考 。 、李鍾徹氏 、世親 有部 過去・未来 有為法実有説 対 拒否 、過去・未来 有為法 無 (na asti) 意味 。 因果撥無論 、世親 過去・現在・未来 有為法 因果 関係 保 存在 擁護 、 李鍾徹氏 考 。 、李鍾徹氏 述 。『釈軌論』(VY) 中 、「過去 業 有 (asti)」 場合、「過去 業 実体 有 」 言葉通 意味 、「過去 業 生 果報 現 存在 」 密意 有 因果関係 基 世親 ”asti” 解釈 。過去 業 「心相続 (cittasam.t¯ana) 対 果報 与 能力 (´sakti)」 、実体 。 (李鍾徹［1993］:pp.33.5-34.19,p.35.6, 李鍾徹［2001a］:pp.162.12-167.15, VY= 李鍾徹［2001b］:pp.173.16-174.13, pp.195.1-196.18 参照) 5 秋本氏・本庄氏 、「変則型 (nip¯ata)」 訳 。(秋本・本庄［1978］:p.91.b.20 参照) 6 本箇所 文法学的議論 、以下 考察 。 佐藤氏 述 。有論 主張 有部 、一向 「有 」 実体的有 主張 、世親 「当有 有」、「曾有 有」、「如有 有」（＝ 「如有 有」 筆者（那須） 詳細不明） 言 論理的観念的 「有 」 、具 体的実体的有 「現有 有」 区別 。(佐藤［1938］:pp.281.9-282.2 参照) 李鍾徹氏 彼 二 業績 考察 、李鍾徹氏 2001 年 著作 結論 引用 。 「・・・我々 経典中 ”asti” 関 世親 解釈 次 整理 。
＊言葉通 経典 解釈 、”asti” nip¯ata 。”dravyato ’sti” 意味 。
＊経典 密意 基 解釈 、”asti” 動詞 3 人称単数 得 。”n¯asti” 意味 。」 箇所 、全般的 、李鍾徹氏 意味 不明確 。
、「以前 存在 」「存在 」 、［過去 法 未来 法 存在 ］ 、実体 存在 ［ 言 ］ 。 （世親 主張） 因果 否定 見解 否定 、 、原因 否定 見解 否定 、「過去 ［法］ 」 ［世尊 ］説 、結果 否定 見解 否定 、「未来 ［法］ 」 ［世尊 説 ］。 「過去 ［法］ 」、「未来 ［法］ 」 言 場合 、「 」 語 ［使用 ］ 、「 (asti)」 語 不変化詞 。実 不変化詞 三時 ［法］ 対象 。［asti 不変化詞 ］「 」 意味 、「 」 意味 機能 。7 例 、灯火 、・・・「 」云々。例 、「灯火 以前 存在 ［法］ 「 」、 後 存在 ［法］ 「 」」 言 話者 。 、［灯火 ］実体 「 」 。 、例 、「 灯火 滅 「 」 、私 滅 ［法］ 「 」 」 言 話者 。 、「 (asti)」［ 語］ 使用 、 （灯火） 滅 、「 」 言 。 （経量部 問） 、 （灯火） 滅 、「 」 言 。 （経量部 立場 答） 確 「 」 、灯火 自性 有 性質 保持 ［法］ 、 「 」 。［ ］ 、「過去 ［法］ 未来 ［法］ 」 ［世尊 ］言 。 実体 存在性 。 （世親 結論） 、過去 ［法］ 未来 ［法］ 成立 。 、 ［過去 法 未来 法 ］ ［現在 法 ］同 性質（特徴）(laks.an.a) 持 存在 、 過去 ［法］ 未来 ［法］ 成立 、 意味 。 『倶舎論安慧釈』（TA）和訳 （世親 批判） 以前 存在 ［法］ 過去 ［法］ 、自相 有 ［法］ 存在 ［法］ 、 説 。原因 存在 ［法］ 未来 ［法］ 。 、［実 体 ］存在 考 。 考 、［過去 法 未来 法 ］存在 言 、 、［過去 法 ］以前 存在 、［未来 法 後 ］存在 、 。 （有部（衆賢）説） 師 言 。「経量部 、現在 ［法］ ［過去 未来 法 ］別 方 存在 見解(blta) 有 。 、過去 ［法］ 未来 ［法］ 存在 言 7 李鍾徹氏 、 （称友） 用 ”trik¯alavis.aya” 規定 『釈軌論』(VY) 借用 、 推測 。(李鍾徹［1993］:p.35. 脚 10, 李鍾徹［2001a］:p.167. 脚 57 参照)
。」 （経量部（世親）説） 対 、現在 ［法］ 前 存在 滅 後 存在 基 、過去 ［法］ 未来 ［法］ 存在 確立 。 （過去 法 未来 法 ） 、現在 ［法］ 依存 説 。現在 ［法］ ［過去・未来 法 ］ 仮有性 、前 存在 、滅 後 存在 知 、過去 ［法］ 存在 、未来 ［法］ 存在 、 言 。 、 ［仮有 法 ］未来 ［法］ 過去 ［法］ 、常 現在 ［法］ 、 （過去 法 未来 法 ） 区別 考 8［次 ］ 言 。 以前 存在 ［法］ 過去 ［法］ 、云々。 存在 以前 存在 、後 存 在 、 故 、 、［法 ］常 存在 。 （有部説） 過去・未来 本体 有 ［法］ 存在 、 、過去・未来 自性 有 ［法］ ［存在 ］ 。 （経量部（世親）説） 、 （過去 法 未来 法） 、因果 否定 見解 否定 、 ［過 去 法 未来 法 ］ ［世尊 ］説 。過去 ［法］ 原因 、未来 ［法］ 結果 。 （因果） 見解 、因果 否定 ［見解］ 。「 」 、 原因 結果 ［言 ］。 、「存在 ［ 」［過去（因）・未来（果） 法 ］ 見解 、［ ］ （過去・未来 法） 否定 否定 、「過去 ［法］ 、未来 ［法］ 」 世尊 説 」 問 。 ［ 対 、］過去 ［法］ 未来 ［法］ 原因 結果 、確立 、因 果 否定 否定 、「過去 ［法］ 」 、 「原因 本性 ［法］（＝過去 法） 引 9特定 功能(nus pa) 基 、結果 生 」［ 言 ］。 「未来 ［法］ 」 、「 結果 本性 ［法］（＝未来 法） 引 10特定 功能 基 ［ 結果 ］生 」 言 。 （有部説） ［ 対 ］彼 （ ） 答 。「 、過去・未来 ［法］ 実体 観点 、 場合、現在 ［法］ 、過去・未来 ［法］ 。 故 、世尊 「過去 ［法］ 。未来 ［法］ 」 説明 余地 。［世尊 ］説 、原因 引 11結果 与 12功 8 秋本氏 、「敷衍 」 訳 。(秋本［1996］:p.104.8 参照) 9 秋本氏 「置 」 訳 。(秋本［1996］:p.104.23 参照) 10 秋本氏 「置 」 訳 。(秋本［1996］:p.104.25 参照) 11 秋本氏 「置 」 訳 。(秋本［1996］:p.105.1 参照) 12 秋本氏 「生 」 意訳 。(秋本［1996］:p.105.1 参照)
能 重視 考察 捉 。
（経量部 反論）
対 、 （世尊 説）13 正 考察(rnam par dpyad pa) 重視 、 故
、上座達 、［汝（有部） 説 ］認 。功能 場合、 実在物 (dngos po) 因果関係 確定 合理的 。14 、［実在物 ］ ［特定 ］功能 場合、諸実在物 自性 、 功能 。 故 、原因 結果 、［原因］ 特定 （功能） 認 。 故 、「 (asti)」 語 不変化詞 、 言 。不変
化詞 言 、動詞(brjod pa) 本性(ngo bo) 否定 。
、［不変化詞 ］三時 ［法］ 対象 知 。 、 （不変 化詞） 動詞 、 場合、 過去 ［法］ 、未来 ［法］ 、 用法 。［「 」 語 時 ］現在時 。 灯火 以前 存在 ［法］ 「 」、云々。「灯火 以前 ［「 」］」、 「消 、 ［「 」］」、「実体 「 」 、「 」」 言 。 （有部 反論） 。 生 ［灯火］ 、 消 灯火 、「以前 」、「消 、 」 言 。 場合、灯火性 灯火 前 、消 、 。 、［過去・ 未来 ］現在 ［法］ 基 。15 現在 位置(gnas skabs) 、 生 ［法］ 、過去 位置 ［法］ ［ ］「以前 ［法］」「消 、 ［法］」 。 、過失 。 同一 以前 位置 滅 、別 位置 成立 得 、以前 ［法］ 落謝 。 故 、「以前 ［法］」、「消 、 ［法］」 、実在物 自性 (rang bzhin) 言 、揺 。 （経量部 問） 「例 、滅 、云々 、滅 灯火 「 」 、 ［説］ 」 言 。 （経量部 答） 、［ 対 、］ ［ 言 ］。 場合、 、 意味 、灯火 消 「 」、 理解 。何 本当 消 言 、 故 「 」 語 全 無意味 理解 。 （世親 結論） 、 、 過去 ［法］ 存在 ［法］ 、未来 ［法］ 原因 存在 ［法］ 、 「 」 語 述 認 、 。 存在 ［法］ 、 過去 13 秋本氏 「 （効力）」 訳 。(秋本［1996］:p.105.2 参照) 14 秋本氏 「各々 実在 効力 決定 、因果 関係 結 」 訳 。全般的 筆者（那須） 解釈 異 。(秋本［1996］:p.105.3-4 参照) 15 秋本氏 、 二 文 意味不明 訳出 。筆者（那須） 語訳 直訳 。 (秋本［1996］:p.105. 脚 9 参照)
［法］ 「 」 、原因 存在 ［法］ 、 未来 ［法］ 「 」
。 同 理由 、過去 ［法］ 未来 ［法］ ［実体 ］
成立 言 。［有部 立場 ］現在 ［法］ ［法 ］ 時
、自相 持 (rang gi mtshan nyid kyis)存在 。
『倶舎論満増釈』（LA）和訳 （世親 批判） （有部 主張） 、［経典 ］説 、云々。 （世親 主張） ［世親］師 、 言 。 、以前 存在 ［法］ 過去 ［法］ 、自相 有 ［法］ 存在 説 。原因 存在 ［法］ 未来 ［法］ 。 、［実体 ］存在 考 。 考 、［過去 法 未来 法 ］存在 言 、 、［過去 法 ］ 以前 存在 、［未来 法 後 ］存在 、 。 （有部 反論） 言 。誰 ［現在 法 、 （過去 法 未来 法 ） 存在 ］ 言 。 （世親 問） ［世親］師 、 、 存在 、 言 。 （有部 答） 過去・未来 本体 有 ［法］ 存在 、 言 、 。過去・ 未来 自性 有 ［法］ ［存在 ］ 意味 。 （世親 主張）
因果(rgyu dang ’bras bu) 否定 見解 否定 、 、原因 否定 見解 否
定 、「過去 ［法］ 」 ［世尊 ］説 、結果 否定 見解 否定 、「未来 ［法］ 」 ［世尊 ］説 。 （有部 主張） 過去 ［法］ 、未来 ［法］ 、 言 。 （経量部 問） 存在 （＝ ） 何 。 （有部 答） 実体 保持 ［法］ 存在 。 （経量部（世親） 主張） 故 、「 （asti）」 語 不変化詞 、 言 。不変 化詞 言 、動詞 本性 否定 。 、［不変化詞 ］三 時 ［法］ 対象 知 。 、 （不変化詞） 動詞 、 場合、 過去 ［法］ 、未来 ［法］ 、 用法 。［「 」 語 時 ］現在時 。 灯火 以前 存在 「 」、云々。「灯火 以前 ［「 」］」、「［灯 火 ］実体 「 」 、「 」 言 。 例 、 灯火 滅 「 」 、我々 滅 「 」
、 言 人々 、「 」 語 使用 、 （灯火） 滅 「 」 。 、過去 ［法］ 未来 ［法］ 、実体性 有 ［法］ 、存在 言 。 故 、「 」 語 全 無意味 理解 。 （世親 結論） 、 、 過去 ［法］ 存在 ［法］ 、未来 ［法］ 原 因 存在 ［法］ 、 「 」 語 述 認 、 。 同 理由 、過去 ［法］ 未来 ［法］ ［実体 ］ 成立 言 。［有部 立場 ］現在 ［法］ ［法 ］ 時 、自相 持 存在 。 (解説) 世親 、有部 三世実有 教証 主張 、世親（経量部） 、過去 法・未来 法 存在 言 、以前 存在 法 過去 法 、原因 存在 法 未来 法 。 （過去・未来 法） 実体 世親 主張 。 内 明言 、世親 過去・未来 法 現在法中 種子 仮有 存在 (praj˜naptisat) 考 。TA 、安慧 、経量部説 、現在 法 、過去・未 来 法 仮有性 釈 。 有部 AKBh 、現在 法 過去・未来 法 存在 言 反 論 。世親 、有部 過去・未来 法 存在 問 。TA、LA 、有部 、過去・未来 法 過去・未来 本体(bdag nyid)（＝自性） 存在 答 。 世親 、有部 法 常住 過去 法・未来 法 区別 問 。 、現在 法 、以前 存在 原因 、 存在 結果 、 「 」 「 」 、因果 否定 見解 否定 「過去・未来 法 」 経量部 言 世親 主張 。 SA、TA、LA 、原因 否定 見解 否定 「過去 法 」 世尊 説 、結果 否定 見解 否定 「未来 法 」 世尊 説 、称友 経量部 立場 述 。 TA 、「過去 法 」 、 「原因 本性 法（＝過去 法） 引 特定 功能 基 結果 生 」 、「未来 法 」 、「結果 本性 法（＝未来 法） 引 特定 功能 基 結果 生 」 、 安慧 経量部 立場 述 。 、過去的 法 種子 心 熏習 未来的 法 可能力 。 対 TA 有部 、過去・未来 法 実体 現在 法 異 、 原因 引 結果 与 特定 功能 関 区別 反論 。 対 、経量部 立場 安慧 、実在物 特定 功能 、諸実在物 自性 功能 批判 。実際 、原因 結果 、 原因 特定 功能 。 次 世親 、文法学的 主張 。彼 「 (asti)」 語 不変化詞 言 。例 「灯火 以前 存在 法 「 」」・「後 存在 法 「 」」 言 。 場合、SA、TA、LA 、灯火 実体 。SA 、「過
去 法 」・「未来 法 」 場合、「 (asti)」 三時 法 対象 不変化詞 、「 」・「 」 意味 機能 。TA、LA 、「 (asti)」 不変化詞 呼 、 動詞 本性 否定 。動 詞 「 (asti)」 語 現在時 使用 。TA 、有部 「以前 法」「消 、 法」 、落謝 未来・過去 位置 区別 主張 。 、未来 法・過去 法 実在物 自性 言 。 以上「 」・「 」 「過去 法」・「未来 法」 存在 場合、 内 明言 、可能力 種子 状態 現在法 仮有 存在 経量部（世親） 主張 。特定 功能 種子 。SA、TA、LA、 参照 AKBh 世親 、法 同 性質＝自性 存在 、過去・未来 法 独自 存在性 結論 。法 自性 不変 、過去 自性・未来 自性・現在 自性 区別 。経量部 現在 自性(svabh¯ava)以外 作用(k¯aritra)＝位置 (avasth¯a)16 様態(bh¯ava) 認 。作用 自性 関係性 論 矛盾 生 。 AKBh 1.1.2. （有部 主張） 場合、 派（ 髻外道) 遊行者 関 、世尊 「業 過 去 、尽 、滅 、失 、変化 、 （業） 」 説 。彼 （ 派 遊行者 ） 、 業 認 。 17 （世親 反論） 、 ［ 経典］ 、 （ 業） 相続(sam. tati) 中 置 結果 与 功能 密意 、［世尊 、過去 法（＝業） ］説 。 、自性 伴 存在 過去 ［業］ 成立 。18 必 、［過去・未来 法 実在 ］ 、 通 ［知 ］ 『勝義空性経』 世尊 ［次 ］説 。 「眼 生 、［眼 ］ 来 、消滅 、 集積 16 世友 作用 位置 交換可能 三世 区別 概念 捉 。 17 秋本氏・本庄氏 、 引用経典 関 文献学的情報 与 。(秋本・本庄［1978］:pp.101-102. ［三］ 参照) 本庄氏 、 引用経典 関 文献学的情報 、 載 紹介 。本検討箇所 、科段 教証一 対 批判 部分 、本引用経典 、本庄氏 、「過去 業 存在 。存在 果報 被 」 主旨 、理証二 方向 合致 。(本庄［1982］:p.51.26-28,p.52.2,pp.54.26-57.24 参照) 18 吉元氏 、本箇所 世親 思想 洞察 記述 引用 紹介 。 「世親 弁解 、経典 過去 業 有 説 、 自性 有 意味 、現在 心 相続 中 、過去 業 引 未来 果 与 功能 、密意 、現在 何 影 響 及 過去 業 仮 有 言 。 与果 功能 、後 経部 種子 概念 。 、世親 経部 加担 意図 認 」(吉元［1982］:p.141.14-17 参照)
。 故 、比丘達 、眼 、前 存在 、今存在 、存在 終 滅 19」 。 、 、未来 眼 存在 、「［眼 ］前 存在 、今存在 」 言 。20 （有部 主張 世親 反論） 「現在時 意味 ［asti 使 ］、［眼 ］前 存在 、今存在 」 言 、［ 正 ］ 。時 存在物(bh¯ava)（＝法） 別 ［法］ 。 、［眼 ］自体(sv¯atman) 場合［asti 語 用 ］、［眼 ］ 前 存在 、今存在 、 言 、未来 眼 存在 成立 。 SA （有部 主張） 、以前 存在 ［法］ 過去 ［法］ 、 場合、 派 （ 髻外道） 云々。 派 遊行者 、「聖 因縁譚 、 仏陀 説 経典」 ・ （雑阿含） 、「目 連尊者 殺 賢者 言 、殺 」 説 。21 対 、経典 、次 誦 。「無間［業］(¯anantarya) 行 派 遊行者 、過去 業 、 、 言 人々 」云々。 彼 派 遊行者 、 業［ ］無間［業］ 認 。次 言 。彼 、 業 認 。 、［ 過去 業 ］実体 、 ［ ］ 業 、彼 、過去 業 、誤 理解 人々 。世尊 、「 （過去 業） 彼 （ 派 遊行者 ） 誤 理解 過去 業 自性 」、云々 ［説 ］。22 故 、「過去 ［法］ 自性 持 (svabh¯avena)存在 」云々 ［有部 主張 ］。 19 秋本氏・本庄氏 、「・・・ 」 訳 。(秋本・本庄［1978］:p.92.b.2 参照) 20 秋本氏・本庄氏 、 引用経典 関 文献学的情報 与 。(秋本・本庄［1978］:p.102. ［四］参照) 加藤精神氏 、『法蘊足論』 『勝義空性経』 本箇所 類似 言及 挙 。 Katsura 氏 、『成実論』 『勝義空性経』 本箇所 引用 指摘 。 本庄氏 、『 』(SN) 『勝義空性経』 本箇所 類似 言及 挙 。 (加藤精［1933］:p.210.1-4,『法蘊足論』:T.26.p.480.c.18-22, Katsura［1978］:p.(25).7-15,『成実論』:T.32.p.255.b.1, 本庄［1987］:p.(88).20-28, SN:第十七章第十八偈参照) 21 秋本氏 、「・・・「目連尊者 殺 ［言 対 、］非難 ［ 遊行者 ］ 、殺 ［云々］ 言 」 ［説 ］」 訳 。 本庄氏・小谷氏 、「・・・「聖者大目連 殺 」 言 、［世尊 ］非難 髻外道 「［聖 者大目連 ］殺 」 ［言 ］」 訳 。 (秋本［1991］:p.90.21-23, 本庄・小谷［2007］:p.132.13-14 参照) 22 秋本氏 、「 本性 彼 誤 見解 「過去 行為 」 世尊 ［説 ］」 訳 。 本庄氏・小谷氏 、「 自性 関 誤認 、 過去 業 存在 云々 世尊 ［説 ］ 」 訳 。 (秋本［1991］:p.90.28-29, 本庄・小谷［2007］:pp.132.18-133.1 参照)
（世親 反論） 、 経典 、 業 、 過去 ［業］ 密意 (abhisam. dh¯aya)、［世尊 ］ ［過去 ］業 説 。 （有部 問） 。 （世親 答） （ 業） 置 、［ ］ 業 相続 中 置 ［ ］留 、結果 与 功能 密意 ［世尊 過去 法（＝業） ］説 、 、 意図 （＝密意 ）説 、 。 （有部 問） ［ ］ 理解 。 （世親 答） ［ 対 ］答 。 、自性 伴 (svena bh¯avena)存在 過 去 ［業］ 成立 、 。 、自相 伴 存在 ［ ］現在 特徴（相(laks.an.a)） 持 存在 過去 業 、成立 。現在 ［業］ 成立 意図 。 （ 業） ［ 相続 中 ］置 ［結果 与 功能 ］、 云々 言 場合、過去 業 成立 。 必 、［過去・未来 法 実在 ］ 、 通 ［知 ］ 、未来 ［法］ 過去 ［法］ 実体 存在 言 、 。 （有部 主張） 現在時 意味 、云々 、現在 自性 伴 、［眼 ］前 存在 、今存在 、 意味 。 （世親 反論） ［ 正 ］ 。時 存在物（＝法）(bh¯ava) 別 ［法］ 。［同 様 ］ 正 。現在時 、存在物［ ］眼 名 ［法］ 、別 ［法］ 。［現在時 存在物 ］別 実体 、 意味 。現在時 、存在物 他 。 、 、［現在 ］時 自体 (sv¯atmani) 場合、 現在 ［法］（眼＝存在物） 、前 存在 、存在 。23 、「 （存在物＝法） 時 、言葉 依 所 」＜AK.1,7c＞ 言 。 、眼 自体 場合、眼 、前 存在 、今存在 、 言 、 未来 眼 存在 成立 。 23 有部 、時 (世） 自体（＝本質的属性） 未来・現在・過去 名称 異 互 同一 、 属 眼（＝存在物） 、前 存在 、後 存在 時的区別 、 経量部 批判 。 舟橋氏 、「 経部［世親］ 過未无体説 立場 立 、有部 三世実有説 非難 。従 世 体 有為法 見 、有部独特 考 方 、経部 認 、 仏 教一般 通 考 方 。「時」 実体 認 、有為法 変遷 上 仮 「時」 施設 、 仏教 「時」 基本的 考 」 説明 。(舟橋［1972］:p.329. (4) 参照)
TA （有部 主張） 場合、・・・世尊 、云々。 、経典 、「舎利弗 、 人々 、「捨 、尽 、滅 、失 、変化 業、 存在 」 述 言葉 、 （過去 業） 自性(rang bzhin) 、24無知 愚 明瞭 善 者 、 、 派（ 髻外道） 遊行者(kun tu rgyu)達 者 、軽率 、 思慮 、言 」云々 説 。 （経量部 問） 。 （有部 答） 「 （舎利弗） 、業 過 去 、尽 、滅 、失 、変化 、 （業） 」 説 、彼 （ 派 遊行者 ） 、 業 認 。彼 業 認 、 異熟 恐 、滅 ［業］ 実体 (rdzas su)存在 認 。 故 、世尊 、［過去 業 ］存在 示 、「 （過去 法 未来 法） 」 説 。 、［世尊 ］教示 無意味 。以上 、 経典 意味 説明 。 （世親 反論） ［ ］師 、別 仕方 ［業 滅 、業 置 結果 与 功能 ］教示 、 ［ 経典］ 、云々 言 。 中 、 、 身体 25 相続 属 。 置 、 、 業 置 、［ ］生 出 、 。 （有部 問） 、何 。 （世親 答） 結果 与 功能 。 、 業 、特定 結果 有 相続 生 功 能 作 。 故 、世尊 、 業 滅 、 （業） 置 結果 与 功能 教示 、「 （過去 業） 」 説 。 、 、 、過去 ［法］ ［自性 伴 ］存在 教示 、 。
自性 伴 (rang gi ngo bo kho nar)存在 、云々 、 業 自相 伴 (rang gi mtshan nyid kyis)存在 、現在 ［業］ 、過去 ［業］
［現在 業 別 ］存在 成立 。 故 、 ［過去 ］業 間接的 認 、以前 ［法］ ［今実在 ］ 。 必 、［過去・未来 法 実在 ］ 、 通 ［知 ］、 、世尊 、明確 、「過去・未来 ［法］ 」 説 、 経典（『勝 24 秋本氏 、本箇所 一部 意味不明 訳出 。筆者（那須） 語訳 直訳 。(秋本 ［1996］:p.106. 脚 14 参照) 25 秋本氏 、「 行為 内在化 」 訳 。筆者（那須） las lus 訂正 理解 。(秋本 ［1996］:p.106.16 参照)
義空性経』） 意味 、 （過去・未来 法 ） 、 構想 、 知 。 （有部 主張） 現在時 意味 ［asti 使 ］、 、現在時 意味 ［asti 使 ］、現在 存在物（＝眼）(dngos po) 前 存在 、今存在 、 意味 。 （世親 反論） ［ 正 ］ 。時 存在物（＝法）(dngos po) 別 ［法］ 。 現在時 眼等 別 ［法］ 存在 言 。 （有部 反論） 、 （時） 本体 ［眼 ］26前 存在 、存在 。 （経量部（世親） 答） ［現在時 ］ （眼等 存在物） 別 ［法］ 。 場合、「 （存在物＝法） 、時 、言葉 依 所 」＜AK.1,7c＞ 言 。 未来 眼 存在 成立 、 、 ［眼 ］自体 有 (rang gi bdag nyid) 前 存在 今存在 、 場合、27眼 前 存在 今存 在 。 故 、未来 眼 成立 。 （有部（衆賢説）） 師 言 。「 等 、決 否定 、過去 ［法］・未 来 ［法］ 言 、 経典 了義 」。 （経量部 反論） 了義 別 仕方 考 不合理 。「 」 、 説 、人的 、諸々 経典等 、［ ］存在性
否定 、「 （ ） 存在 」 説 諸経典 不了義(drang ba’i don)
合理的 。同様 、「父母 殺 」云々 、不了義 合理的 。他 個所 、無間業 者 、無間 28地獄 生 説 、 （父母 殺 ） 。自己（有部） 明 、 「過去・未来 ［法］ 」 言 、 、 ［経典］ 、同様 、明 否定 知 、「過去・未来 ［法］ 」 成立 経典 不了義 。 （有部 反論） 対 言 。 、別 仕方 過去・未来 ［法］ 実在性(dngos po nyid) 成立 。 （経量部 答） 過去・未来 （行） 実在(dngos po) 生 。苦 集（苦 原因） 真理 実在 、［苦 ］滅 ［苦 滅 至 ］道 同様 ［ ］、四 真
理 、［苦 ］遍知(yongs su shes pa) ［苦 原因 ］断(spangs pa) ［苦 滅 ］直証(mngon du bya ba) ［苦 滅 至 道 ］修習(bsgom pa) 不合理 。
26 秋本氏 、「 （眼） 本性 ［時間］ 」 訳 。(秋本［1996］:p.107.9 参照) 27 秋本氏 、「現在［ 眼］ 」 訳 。(秋本［1996］:p.107.13 参照)
（四 真理（苦・集・滅・道）） 存在 、果 住 人々 ［果 ］悟入 (zugs pa)人々 。 、言葉通 意味(sgra ji bzhin pa’i don) 考察 過去・未
来 （行） 成立 諸経典 、教説全体 矛盾 。 故 、 経 典 不了義 、了義 決定 。 、『勝義空性経』 、過去・未来 ［法］ 実体 観点 存在 否定 。「眼 、前 存在 、今存在 、存在 終 滅 」 。 故 、上座 （有部） 成立 ［過去・未来 法 実在 ］言 ［今 『勝 義空性経』 言明 ］無関係 、本書 増大 恐 、否定 詳細 ［説 ］ 。 （ 者 反論） 人々 次 「眼 火 自性 日輪 生 、 同 （日輪） 中 解消 。同様 他 知 。未来時 眼 現在時 生 、現 在［時］ 過去［時］ 生 。 故 、甲 乙 実在 考 、甲
存在 （乙） 自性 (rang bzhin las)、眼 生 、 同 （甲） 中
解消 」 言 。 （経量部 答） 否定 「眼 生 ［眼 ］ 来 、消滅 、 集積 (sogs pa) 」 ［言 ］。自己 見解 示 、「 故 、 比丘 、眼 、前 存在 、今存在 、存在 終 滅 」 ［言 ］。 得 自性 捨 、 、 経典 意味 確立 。 （有部（衆賢）説） 師 言 。他［ 経典］ 説 「前 存在 今存在 」 、前 存在 、 所 集 ［ ］自己 因 縁 生 、 意味 。 人々 身体 内部（表面）29 原因 認 、 故 、原因 「前 存在 」 説 。 （身体 内部（表面）） 原因 別 、 （眼） 生 言 。「前 存在 今存在 」 、以前 到達 位置(gnas skabs) 到達 意味 。「存在 終 滅 」 、以前 同様 、「結果 引 作 用」 位置 到達 考 、 言 。 （経量部 答） 経典 内容 、説示全体 内容 矛盾 、 、論理 矛盾 、認 。 者 「「存在 終 、 存在 」 言 、 意 味（過去 ） 知 」 言 、 不合理 。 場合、 実在物 存在 ［ ］自性(rang bzhin) 成立 、 、得 自性 捨 滅 認 、 故 、 （「存在 終 滅 」 ）言 。 LA （有部 主張） 場合・・・世尊 、云々。 、経典 、「舎利弗 、 人々 、「過 去 、尽 、滅 、失 、変化 業、 存在 」 述 言葉 、 29 秋本氏 、「［結果 眼 対 、眼 含 ］身体全体・・・」 訳 。(秋本［1996］:p.108.24 参照)
（過去 業） 自性 、無知 愚 明瞭 善 者 、 、 派（ 髻外道） 遊行者達 者 、軽率 、 思慮 、言 」云々 説 。 （経量部 問） 。 （有部 答） 「 （舎利弗） 、業 過 去 、尽 、滅 、失 、変化 、 （業） 」 説 、彼 （ 派 遊行者 ） 、 業 認 。彼等 業 認 、 異熟 恐 、滅 ［業］ 実体 存在 認 。 故 、世尊 、［過去 業 ］存在 示 、「 （過去 法 未来 法） 」 説 。 、［世尊 ］教示 無意味 。以上 、 、 経典 意味 説明 。 （世親 反論） ［ ］師 、別 仕方 ［業 滅 、業 置 結果 与 功能 ］教示 、 ［ 経典］ 、云々 言 。 、 、経典 、 。 相続 中 、 、 身体 相続 属 。 置 、 、 業 置 、［ ］生 出 、 。 （有部 問） 、何 。 （世親 答） 結果 与 功能 。 、 業 、特定 結果 有 相続 生 功 能 作 。 故 、世尊 、 業 滅 、 （業） 置 (kun tu drangs pa)結果 与 功能 教示 、「 （過去 業） 」 説 。 、 、 、過去 ［法］ ［自性 伴 ］存在 教示 、 。
自性 持 (rang gi ngo bo kho nar)存在 、云々 、 業 自相 伴 (rang gi mtshan nyid kyis)存在 、現在 ［業］ 、過去 ［業］
［現在 業 別 ］存在 成立 。 故 、 ［過去 ］業 間接的 認 、以前 ［業］ ［今実在 ］ 。 必 、［過去・未来 法 実在 ］ 、 通 ［知 ］、 、世尊 、明確 、「過去・未来 ［法］ 」 説 、 経典（『勝 義空性経』） 意味 、 （過去・未来 法 ） 、 知 。 （有部 主張） 現在時 意味 ［asti 使 ］、 、現在時 意味 ［asti 使 ］、現在 存在物(dngos po)（＝眼） 前 存在 、今存在 、 意味 。 （世親 反論） ［ 正 ］ 。時 存在物(dngos po)（＝法） 別 ［法］ 。現 在時 、存在物(dngos po)［ ］眼等 名 ［法］ 別 ［法］
言 。［時 存在物 ］別 実体 、 意味 。現在 時 、存在物(dngos po) 他 。 （有部 反論） 故 、 現在 ［法］（眼＝存在物） 自体 有 ［法］ 前 存在 、存在 。 （経量部（世親） 答） 場合、「 （存在物＝法） 、時 、言葉 依 所 」＜AK.1,7c＞ 言 。 未来 眼 存在 成立 、 、 ［眼 ］自体 有 ［法］ 前 存在 今存在 、 場合、眼 前 存在 今存在 。 故 、未来 眼 成立 。 (解説) 有部 AKBh 問 。過去・未来 法 、 世尊 「過 去 、尽 、滅 、 失 、変化 業 」 、過去 業 存在性 否定 派 説 、 。SA 、有部 過去 法 自性 存在 主張 。 世親 反論 。世尊 経典 密意 。 業 相続 置 、結果 与 功能 密意 、過去 法（業） 説 。SA、TA、LA 、 過去 業 現在 特徴（＝自相） 持 存在 、過去独自 業 成立 、 解釈 。世親 場合 、過去 業 、有部 過去世 実在 、現在 相続 蓄 仮有 (praj˜naptisat)潜在的 種子(b¯ıja) 存在 、 主張 。 世親 、有部 、「現在時 意味 「 (asti)」 使 、［過去 法 存在 、現在 法 ］眼 前 存在 今［現在 法 ］存在 」 主張 対 、 否定 。世親 、時 存在物（＝法） 同一 、存在物 世親 現在 存在 。SA、TA、LA 、現在時 現在 眼（＝現在 存在物） 同一 、世親 現在有体過未無体論 支持 。自体(sv¯atman)＝自性 (svabh¯ava) 眼 場合、 自体(sv¯atman) 現在 法 、未来 眼 存在 。 、SA、TA、LA 、「 （存在物＝法） 、時 、言葉 依 所 」 『倶舎論頌』(AK. 1,7c) 偈 挙 。 場合、法＝時＝言依 、時 法 性質 表 増語（名称） 過 『婆沙論』以来 有部 伝統 。世親 立場 受 、現在時 現在 法 同一 、法 方 重点 置 。 、言依 法 本質 名称 対象 内容 表 。 TA 安慧 詳細 論 展開 。経量部 、「過去・未来 法 」 説 、 経典 否定 、不了義 。 、過去・未 来 法 実在 、 常住 、諸行 無常 得 四聖諦「苦・ 集（＝苦 原因）・滅（＝苦 滅）・道（＝苦 滅 至 道）」 真理 、「苦 遍知・苦 原因 断・苦 滅 直証・苦 滅 至 道 修習」 得 。四聖諦 、果 住 人 果 悟入 人 。 、過去・未来法実有説 、不了義 教説全 体 矛盾 、 安慧 、経量部 立場 主張 。
TA 、 人々 主張 。眼 火 自性(rang bzhin) 日輪 生 、 同 日輪 中 解消 。未来時 眼 現在時 生 、現在時 過去時 生 。 有部 説 同様 、 人々 、甲 存在 乙 自性(rang bzhin) 、眼 生 、 同 甲 解消 言 。世親 人々 説 否定 「眼 生 来 、消滅 集積 」・「眼 前 存在 、今存在 、 存在 終 再 滅 」 経典 挙 安慧 解釈 。生 眼 自
性(rang bzhin) 得 、滅 眼 自性(rang bzhin) 捨 解釈 。
衆賢 反論 。経典 説 「前 存在 今存在 」 、法 以前 到達 位置(gnas skabs)（現在世） 到達 意味 、「存在 終 滅 」 、 法 「結果 引 作用」 位置(gnas skabs)（過去世） 到達 意味 、 衆賢 考 。 経量部 、 対 、「存在 終 滅 」 、現在法 得 自性(rang bzhin) 捨 滅 意味 、 反論 。 世親 場合 、無 有 生 得 、前 法 後 法 、潜在的、種子論的 考 。 AKBh 1.2.第二理由（第二教証）批判 （世親 主張） 「二 依存 識 生 」 言 、 考察 。 （世親 問） 意 諸法 依存 、意識 生 、意 （意識） 生 原因 、 、諸法 ［意識 生 原因 ］ 、 諸法 所縁 。 SA （世親 問） ［諸法 ］所縁 、 。「 」 語 、［諸法 ］［意識 ］生 ［原因］ 排除 。諸法 、 （諸法） 形象 ［意識 ］生 ［諸法 ］所縁 意味 。 TA （世親 主張） 、云々。眼識等 対象 現在 ［法］ 、依 （＝感官） 同様 所縁 ［眼識等 ］生 、意識 説明 。 （世親 問） 現在 意 （意識） 原因 存在 、［意識 ］生 原因 、 、諸法 ［意識 生 原因 ］ 。 、過去・ 未来 ［法］ 実体 存在 成立 。 、過去・未来 ［法］ 実体 存在 、 所縁 ［意］識 生 、実体 ［意識 ］生 認 。 、実体 、所縁 。［ ］［意識 ］生 原因 。 、過去・未来 ［法］ 実体 観点 存在 、所縁 実体 矛盾 。 LA
（世親 主張） 、云々。眼識等 対象 現在 ［法］ 、依 （＝感官） 同様 所縁 ［眼識等 ］生 、意識 説明 。 （世親 問） 現在 意 （意識） 原因 存在 、［意識 ］生 原因 、 諸法 ［意識 生 原因 ］ 。 （解説） 世親 AKBh 、「二 （根＝感官・境＝対象） 依存 識 生 」 教証 考 察 言 。 TA、LA 、眼識等 前五識 現在 対象・現在 感官 持 、過去・未来 法(dharma) 存在 証明 関 、意識 場合 、 解説 。 世親 AKBh 、意 諸法(dharma) 依存 意識 生 、意 意識 生 原因 、諸法 意識 生 原因 、諸法 所縁 、 問 。 TA、LA 、過去・未来 法 実体 存在 、 所縁 、意識 生 有部説 述 。 SA 、諸法 所縁 、諸法 形象 意識 生 、 経量部 有形象知識論 述 。 TA 、過去・未来 法 、実体 存在 、所縁 実体 矛盾 、経量部的立場 、所縁 過去・未来 実体 法 得 、 主張 。 結局、経量部 時間 、現在刹那 連続 流 捉 、前現在刹那 識（＝意根） 原因 、後現在刹那 意識 生 主張 。有部 立場 、所縁 、意識 同時因果関係 、認識対象 認識主観 関係 、意識 生因 、世 親 考 。 AKBh 1.2.1. （世親 答） 、 、諸法 ［意識 ］生 原因 、千劫 生 、 、［生 ］ 未来 ［法］ 、 今現在 ［意］識 生 。 、涅槃 生起 矛盾 、［認識 ］生 認 。30 SA （世親 答） 千劫 ・・・未来 、 、未来 ［法］ 、近 ［法］ ［意識 ］生 ［縁］ 30 秋本氏・本庄氏 、「 、涅槃 生起 消滅 、［認識 ］生 ［原因］ ［ 、実際 涅槃 認識 生 。 、観念 意識 生 原因 ］。」 訳 。筆者（那須） nirodh¯aj virodh¯aj 訂正 理解 。 語訳・玄奘訳・真諦訳 筆者（那須） 解釈 支持 。 本庄氏・小谷氏 、同様 箇所 、秋本氏 、「 涅槃 一切 活動 止滅 」 訳 。 (秋本・本庄［1978］:pp.92.b.18-92.a.2, 本庄・小谷［2007］:p.118.17 参照)
不合理 。 長時間 生 ［未来 法］ 。 、前 時間 結果 原因 後 時間 起 不合理 。 、涅槃 、 、実 、滅 涅槃 輪 活動 対立 、認識 生 趣旨 。31 TA （世親 答） 千劫 生 ［ ］、 、未来 ［法］ 、近 ［法］ ［意識 ］生 縁 認 、 、極 遠 離 ［法］ 、 意味 。結果 先 、原因 後 考 理 合 。 LA （世親 答） 、諸法 ［意識 ］生 原因 言 、 場合、千劫 生 ［ ］、 、未来 ［法］ 、近 ［法］ ［意識 ］生 縁 認 、 、極 遠 離 ［法］ 、 意味 。結果 先 、原因 後 考 理 合 。 （解説） 世親 、諸法 意識 生 原因 、千劫 生 生 未 来 法 今現在 意識 生 、 有部 批判 。SA、TA、LA 、結果（現在世 意識） 先 、原因（未来世 諸法） 後 不合理 、 解説 。有部 空間的時間論 、経量部 現在世 連続 時間論 差異 帰 結 批判 。SA 参照 、世親 AKBh 、滅 涅槃 生起 矛盾 、輪 活動 対立 、認識（＝識） 生 、 言 。涅槃 原因 無為法 。 AKBh 1.2.2. （世親 答） 、諸法 所縁 、我々 、「過去・未来 ［法］ 所縁 」 言 。32 （有部 問）33 31 秋本氏 、「 、涅槃 。実 、涅槃 消滅 認識 生 。輪 活動 消滅 、 意図 」 訳 。筆者（那須） nirodh¯ad virodh¯ad 訂正 訳 。 語訳 筆者（那須） 解釈 支持 。(秋本［1991］:p.91.25-26 参照) 本庄氏・小谷氏 、「 涅槃 、涅槃 、識 滅 、輪 活動 背反 、［識 ］ 生 、 意図 」 訳 。小谷氏 、 語訳 根拠 vij˜n¯ana-nirodhanam. 推測 訳 、筆者（那須） 、 ´Sastri 本 従 直訳 。他 筆者（那須） 小谷氏 同 様 訳 。(本庄・小谷［2007］:p.134.9-10,p.146. (79) 参照) 32 李鍾徹氏 、次 解釈 。 「・・・意識 関係 側面 、過去・未来 有為法 意識 生起 必須条件 (janaka) 認 識対象 (¯alambana) 、意識 生起 対 何 積極的働 「単 認識対象」(¯alambanam¯atra) 過 」(李鍾徹［2001a］:p.178.8-11 参照) 33 科段分 、 箇所 第二教証批判 当 、加藤純章氏 、第一理証批判 箇所 解釈 。
、［過去・未来 法 ］存在 、 ［過去・未来 法 ］所縁 。 （世親 反論） 対 、今 言 。 （現在 法） 所縁 存在 、［過去・未 来 法 所縁 ］存在 。34 （有部 問） （過去・未来 法） 所縁 。 （世親 答） ［過去 法 所縁 ］「 」、［未来 法 所縁 ］「 」 。35 （世親 答（続）） 、過去 物質 感受 思 出 、誰 「 」 見 。 （有部 問） 。 （世親 答） ［過去 物質 感受 ］「 」 ［見 ］。実 、 現在 物質 知覚 、 、 過去 ［物質］ 思 出 。36 、未来 ［法］ 現在 ［法］ 、諸仏 。37 、 、 （過去・未来 法） 38 （＝現在 法 ） 、［ （過去・未来 法） ］現在 ［法］ 。 、［過去・未来 法 、 （＝現在 法 ）］ 、非存在 所 縁 成立 。39 (加藤純［1989］:p.287.2 参照) 34 秋本氏・本庄氏 、「 ［過去・未来 ］ 対象 、 ［対象］ 」 訳 。(秋本・本庄［1978］:p.93.a.8-9 参照) 35 李鍾徹氏 1993 年 論文 、 箇所 b¯ıja（種子）説 関係 。
李鍾徹氏 、『倶舎論』(AKBh) b¯ıja 説 有部 「過去・未来実有説」 対論者 、『釈軌論』(VY) b¯ıja 説 「因果撥無論」者 対論者 、 断言 。李鍾徹［2001a］ 詳 検討 。(李鍾徹［1993］:pp.38.15-39.24, 李鍾徹［2001a］:pp.171.7-172.11, VY= 李鍾徹［2001b］:p.195.4-8 参照)
36 本庄氏・小谷氏 、「 現在 色 如 、 ［以前 ］知覚 過去［ 色］ 思 起
」 訳 。本庄氏 anubh¯utam. at¯ıtam. 掛 理解 、筆者（那須） 秋本氏・本庄 氏 1978 年 論文 従 、anubh¯utam. vartam¯anam. r¯upam 述語 理解 。(本庄・小谷［2007］:p.119.5-6, 秋本・本庄［1978］:p.93.a.13-15 参照) 37 秋本氏・本庄氏 、Pradhan 校訂本 従 、「・・・認識 (buddhi) 」 訳 。 加藤純章氏 、同様 、「・・・認識 (buddhi) 捉 」 訳 。 本庄氏・小谷氏 、「・・・観念 捉 」 訳 。 (秋本・本庄［1978］:p.93.a.16, 加藤純［1989］:p.287.10, 本庄・小谷［2007］:p.119.7 参照) 、筆者（那須） 語訳・真諦訳 解釈 従 、 「諸仏 (buddhair)」 訂正 理解 。 李鍾徹氏 、「思考作用 (buddhy¯a) 」 読 従 、解説 展開 。(李鍾徹 ［1993］:p.45.3-24, 李鍾徹［2001a］:p.177.3-20 参照) 38 秋本氏・本庄氏 、「 ［未来 ］ ・・・」 訳 。(秋本・本庄［1978］:p.93.a.16-17 参照) 39 吉元氏 、経部・世親 無 所縁 立場 、潜在的 随眠 (anu´saya) 種子 (b¯ıja) 認 初 得 理論 、 理解 。(吉元［1982］:p.151.7-8 参照)
SA （世親 答） 「 」、「 」 、現在 位置(avasth¯a) 物質 ［所縁 ］「 」、「 」 ［物質 ］所縁 意味 。 （有部 問） （過去・未来 物質） 所縁 、存在 、 知 。 （世親 答（続）） 対 答 。 、過去 物質 感受 思 出 、誰 「 」 見 。 （有部 問） 。 （世親 答） 眼識 知覚 、40 物質（色・形） 見 、 、感受 知覚 、 ［過去 法 ］「 」 思 出 。 実 、 、云々 、［ ］師 増益 原因 言 。現在 物質 、「 」［法］ 「 」［法］ 把握 意味 。 、［ （過去・未来 法） ］ 、［ ］現在 ［法］ ［ ］、 （過去・未来 法） 現在 ［法］ 。 、 （過去・未来 法） （＝現在 法 ） 、非存在 所縁 成立 。現在 ［物質］ 、［過去・未来 ］物質 、非存 在 、 、 思 出 。 TA （有部 問） 、［過去・未来 法 ］存在 、 ［過去・未来 法 ］所縁 。 （経量部 答） ［意識 ］生 未来 ［法］ 実体 観点 ［存在 ］認 。 （有部 問） 。 （経量部 答） 所縁 ［言明 ］、［過去・未来 法 ］存在 述 、所縁 実体 、 不合理 。過去・未来 物質 （実在 物質） 、過去・未来 物質 ［現在 実在 ］［物質］ 存在 。 （世親 反論） 対 、今［ 言 。 （現在 法） ］所縁 存在 、云々。 我々 、 （過去・未来 法） 所縁 言 、［所縁 ］通 ［ 言 ］。 40 秋本氏 、「眼識 直接知覚 」 訳 。本庄氏・小谷氏 、同様 「眼識 知覚作用 」 訳 。(秋本［1991］:p.91.32, 本庄・小谷［2007］:p.134.14 参照)
（有部 問） 。 （経量部 答） 方 実体 観点 考 通 ［言 ］。 （世親 答） 「 」 、過去 ［法］ 所縁 ［ ］。 （過去 法） 存在 。 「 」 、未来 ［法］ 所縁 ［ ］。 （未来 法） 、 存在 。 場合、 、「 、 （過去・未来 法） 認識 」 言 、 「 」、「 」 所縁 、［過去・未来 法 ］存在 。 （世親 答（続）） 故 、［ ］過去 物質 感受 、云々 説 。 （世親 答） 実 、 現在 物質［等］ 知覚 、 、眼 、耳 鼻 舌 身体 識 ［知覚 ］、41 、［ ］過去 ［物質等］ 思 出 。［ ］ 同 ［所縁］ 増益 42 別 （所縁） 知覚 、 同 （所縁） 、過去 本体 有 法 、「 」 把握 。 ［ ］知覚 ［法］ 等 思 出 。 ［ ］ 諸仏 、43 、 場合 妨 知識 有 、相互 44 」 。 、過去・未来 （＝現在 法 ） 、知覚 、現在 ［法］ 。過去 ［法］ 未来 ［法］ 現在 ［法］ 区別 。 ［過去・未来 法 、 （＝現在 法 ）］ 、知覚 、「 」 存在 、得 物質 自性(rang bzhin) 捨 、過去 未来 物質 存在 、 場合、非存在 所縁 成立 。 41 秋本氏 、「 、 現在 色形 眼、［音声 ］耳、［香 ］鼻、［味 ］舌、［触 ］身体 ［眼識 身識 至 ］諸認識 経験 」 訳 。筆者（那須） 若干解釈 異 。(秋本［1997］:p.103.10-12 参照) 42 秋本氏 、「集積 」 訳 。(秋本［1997］:p.103.13 参照) 43 秋本氏 、「認識（予想） 把握 」 訳 、脚 11 、「 「諸仏」 解 文脈的必然 性 誤訳 」 述 、安慧釈 語訳 決 誤訳 思 。 直後 文 合 、「諸仏」 解 文脈的必然性 充分 。 写本 校訂 真意 明 待 。(秋本［1997］:p.103.16 参照) 44 秋本氏 、「一方（知識） 他方（未来 ） 」 訳 、 意味 、「相互 」 適当 。 、諸仏同士 相互 認識 合 唯仏与仏 智見 。覚 諸仏 一切 諸仏 領域 。 、安慧 『倶舎論』(AKBh) 文脈 、現在 多仏 認 。(秋 本［1997］:p.103.17 参照)
（有部（衆賢説）） 師 言 。実体 仮 、対象 知識 、対象 持 。 、非存在 「二 （実体 仮 ）」 ［仏 ］説 。 故 、［非存在 二 （実体 仮 ） ］45不合理 説 。 過去 ［法］ 未来 ［法］ 所縁 、両者 意識 生 原因 ［ ］。 意［感官］ 、［意識 ］依 所 本性(ngo bo) 、46法 所縁 本性 。依 所47 存在 、［意識 ］生 不合理 、所縁 存在 、［意識 生 不合理 ］。［原因 存在 ］結果 存在 。 「 法 、 場合 、所縁 、 場合 、 ［識］ 生 」 言明 用 無意味 。 認識対象 茂 対 、世間 認識手段 全 清浄智 、 知覚 記憶 、時 確定 。 （知覚） 、 、知覚 未来 ［法］ 対象 有 。［未来 法 ］清浄智 有 方 対象 。 （経量部 反論） （現在 法） 別 形式 、過去 ［法］ 未来 ［法］ ［意識 ］所縁 。別 形式 、 （過去・未来 法） 存在 、前 存在 、滅 存在 、構想 存在 。 （過去・未来 法） 本性(ngo bo) 、実在 依 存 構想 。壺等 。 故 、［構想 ］二 （実体 仮 ） 中 包摂 成立 。 故 、過去 ［法］ 未来 ［法］ 所縁 、 不合理 。48 、未来 法 現在 ［意］識 意 同様 生 認 、 場 合、士用［果］ 、未来 把握 ［増上］果 与 。49［意］識 、 生 、50未来 法 増上果 妥当 、士用［果］ 。増上果 、「有為法 増上果 、前 存在 ［法］以外 有為法 」 説 。士用果 原因 前 生 認 。 故 、未来 法 現
在 ［意］識 生 、自己 定説 破壊 (rang gi grub pa’i mtha’ la gnod
pa) 、生 ［法］ 、生 ［法］ 合理的 。 45 秋本氏 、「［非存在 対象 ］」 訳 。(秋本［1997］:p.104.4 参照) 46 秋本氏 、「意 感官 本性 」 訳 。(秋本［1997］:p.104.6 参照) 47 秋本氏 、「感官」 訳 。(秋本［1997］:p.104.6 参照) 48 秋本氏 、「 、過去・未来 対象 （過去・未来 実在 ） 無関係 」 訳 。(秋本［1997］:p.104.19-20 参照) 49 秋本氏 、「・・・ 把握（＝経験） 未来 ［観念］ 士用果 ［結果 引 、現在 意識 ］結果 引 」 訳 。(秋本 ［1997］:p.104.22-24 参照) 50 秋本氏 、「 、［意］識 生 ［原因］ 」 訳 。(秋本［1997］:p.104.25 参照)
［過去・未来 法 ］51所縁 認 場合、定説 矛盾 。 法 （原因） 、 、 （結果） 妥当 否定 、［ ］原因 本性(ngo bo) 否定 。 、過去・未来 ［法］ 別様 所縁 、別様 存在性 有 場合、［ ］現在 ［法］ 。「 」 「 」 全 。 故 、［過 去・未来 法 関 現在 法 ］別 形式 、知識 生 認 。 LA （有部 答） 、［過去・未来 法 ］存在 、 ［過去・未来 法 ］所縁 。 （経量部 答） ［意識 ］生 ［法］ 、未来 ［法］ 実体 ［存在 ］認 。 （有部 問） 。 （経量部 答） 所縁 ［ 言明 ］、［過去・未来 法 ］存在 述 、所縁 実体 、 不合理 、 （世親 反論） 対 、今、云々。我々 、 （過去・未来 法） 所縁 通 。 （有部 問） 。 （経量部 答） 実体 観点 考 通 言 。 （世親 答） 「 」 、過去 ［法］ 所縁 ［ ］。 （過去 法） 存在 。 「 」 、未来 ［法］ 所縁 ［ ］。 （未来 法） 、 存在 。 「 」、「 」 （過去・未来 法） 所縁 存在 、 知 。 （世親 答（続）） 故 、［ ］過去 物質 、云々 説 。 （世親 答） 眼識 知覚 ［法］ 識 、 物質 知 、感受 知覚 、 「 」 思 出 、眼 耳 鼻 舌 身体 諸識 、物質等 現在 ［法］ 知覚 、 、［ ］過去 ［物質等］ 思 出 、 、 同 （所縁） 対 増益 原因 説 。 （所縁） 知 覚 、 同 （所縁） 、過去 本体(bdag nyid) 有 ［法］ 、「 」 把握 。［ ］知覚 ［法］ 等 思 出 。 51 秋本氏 、「［未来 観念 認識 ］」 訳 。(秋本［1997］:p.105.7 参照)
［ ］未来 ［法］ ［現在 法 ］ 、云々 、［ ］ 、諸 仏 。 場合 妨 知識 自在 、 （甲） 、 （乙） 「 」 、現在 。 、過去・未来 ［法］ 、知覚 ［ ］「 」 、 、 現在 ［法］ 、過去・未来 ［法］ ［ ］ 。［ ］現在 ［法］ 区別 。 知覚 、「 」 、 場合、自性 捨 、得 、過去 未来 本性 、非存在 所縁 成立 。 （解説） 世親 、 立場 諸法 所縁 、過去・未来 法 所縁 言 。有部 AKBh 、経量部 過去・未来 法 存在 所縁 問 。TA、LA 、経量部 、意識 生 未来 法 実体 。過去・未来 法 所縁 実体 、 経量部 主張 。 世親 、現在 法 所縁 存在 、過去・未来 法 所縁 存在 主張 。TA、LA 、 過去・未来 法 実体 言 。 世親 、過去 法 「 」、未来 法 「 」 所縁 存在 主張 。実体 存在 。SA 、現在 位置(avasth¯a) 物質 所縁 「 」、「 」 物質 所縁 。経量部 位 置 現在 連続 。 世親 、過去 物質 感受 思 出 、誰 「 」 見 、 説明 。 世親 、 現在 法 知覚 、過去 法 思 出 、未来 法 現在 法 、諸仏 、 説 。TA、LA 、過去 法 増益 知覚 「 」 思 出 。未来 法 、諸仏 無碍 智 仏 仏 相互 「 」 認識 。仏 、未来 法 仏 世界 。過去 法 凡夫 思 出 、未来 法 仏 認識対象 明白 。本研究 他 箇所 、経量部 未来 法 現在法内 種子 予想 対 象 解釈 、 諸種子 未来 実現 、仏陀 知 。 、今後 研究課題 。 世親 、過去・未来 法 現在 法 、過去・未来 法 現在 法 言 。 、過去・未来 法 現在 法 、非存在 所縁 言 。以 上 、世親 過去・未来 非存在 所縁 考 、非存在 、 全 無 、現在 法中 種子 仮有 存在 所縁 考 。 TA 、 、有部（衆賢） 経量部 対論 。衆賢 、対象 実体 仮 知識 、対象 言 。 、非存在 実体 仮 仏 説 衆賢 言 。有部（衆賢） 、過去・未来 法 実体 認識 。 、衆賢 意感官（＝意根） 意識 依 所 、法 所縁 、両 者 意識 生 原因 主張 。 、未来 清浄智 有 方（＝仏陀）
対象 言 。 TA 、安慧 経量部 立場 反論 紹介 。経量部 、現在 法 別 形式 、過 去・未来 法 意識 所縁 、 反論 。過去・未来 法 実在 依存 構想 。 構想 実体 仮 二 中 包摂 。 、経量部 反論 。未来 法 現在 意識 意 同様 生 認 。 未来 法 、士用果 増上果 持 。「有為法 増上果 、前 存在 以外 有為法 」 定義 、未来 法 、経量部 時間論 、 現在 刹那 意識（増上果） 後 来 、意識 原因 得 。士用果 原因 前 生 、未来 法 現在 法（士用果） 原因 。過去・未来 法 、「 」・「 」 、現在 法 別 形式 、仮有 種子 現在法 中 認識 。 AKBh 1.2.3. （有部 主張 世親 批判） 、 （過去・未来 ） （現在 ） 散乱 言 、 。散乱 把握 。52 （世親 批判） 、 、 物質 53［過去・未来 ］極微 分解 、 場合、諸極微 恒常 、 、 場合、極微 集積 分解 。 、「決 何（物質） 生起 消滅 」 （邪命者） 説 受 入 。54「眼 生 、 来 」 云々 経典 捨 。55 （世親 主張） 極微 集積 感受等 、 散乱性 。 、 （感受 ） 以前 52 梶山氏 、最初 「 」(tad) 「過去 未来 」 表 、「未来 」 表 、 明白 。 梶山氏 述 。「 未来 極微 散乱 、時間 順序 雑然 、過去 時間的 、集合 仕方 定形 、 区別 有部 、 有部 散乱 極微 集合 区別 、 、未来 極微 時間的順序 一定 、 成 立 。有部 主張 、過去・未来 両者 極微 散乱 、 、 過去 記憶 、未来 、 区別 無 」 有部 過去・未来 両方 散乱 、両方把握 世親 批判 、有部 、過去 現在 残映 定形 過去 落謝 残 、記憶 認識 主張 、 筆者（那須） 考 。(梶山［1997］:pp.116-117. (27) 参照) 53 本庄氏・小谷氏 、「 （過去・未来 色） 、 ［現在 ］色 同一 」 訳 。(本庄・小谷［2007］:p.119.11-12 参照) 54 秋本氏・本庄氏 、「・・・ 頼 」 訳 。 本庄氏・小谷氏 、「・・・ 」 訳 。両者 、¯alambito 採用 。筆者 (那須) parigr.h¯ıto 採用 。 (秋本・本庄［1978］:p.93.b.8, 本庄・小谷［2007］:p.119.14 参照) 55 秋本氏・本庄氏 、「・・・無視 」 訳 。秋本氏 、apaviddham. 採用 。筆者（那須） ap¯astam. 採用 。 (秋本・本庄［1978］:p.93.b.9 参照)
生 知覚 ［法］ 思 出 。56 、 、 （感受 ） 、全 ［現 在 法 ］通 存在 、恒常 。 、［現在 法 ］存在 、存在 所縁 成立 。 SA （有部 主張 世親 批判） 、 （過去・未来 ） （現在 ） 散乱 、 、 、現 在 同 、散乱 、 、過去・未来 。 。 散乱 把握 。 合理的 。散乱 把握 。 物質 、以前 散乱 、今散乱 、 （散乱 物質） 把握 。 （世親 批判） 、 、 云々。 、 、［ ］物質 、現在 位置 固 、57過去 位置 未来 位置 、極微 分解 。 故 、現在 把握 。 場合、諸極微 、同 位置 、58恒常 。 同 （諸極微） 、未来 現在 過去 。 、 場合、極微 集積 分解 。 、「決 何（物質） 生 起 消滅 」 、 人々（邪命者）［ ］異端者(p¯as.an.d.in) 説 受 入 。 、 認 ［以下 ］経典 捨 。「比丘 、 眼 生 、 来 。消滅 、 集積 。故 比丘 、眼 前 存在 今存在 、存在 終 消滅 」 ［説 ］。 、 、 経典 捨 、［ 経典 ］矛盾 59 。 、眼 、自己 本 性 持 生 、「 来 」 句 退 。 「滅 集積 」 句 退 。過去時 、 （眼） 諸極微 、散乱 、集積 60 認 。 （世親 主張） 極微 集積 、 。感受等、極微 本体 、 散乱性 。物 質的 、集積性 散乱性 、 、非物質的 [法] 。 、 （感受等） 以前 生 知覚 ［法］ 思 出 、 、 現 在 本質(r¯upa) ［法］ 61思 出 。 、 、 （感受等） 、現在 ［法］ 、全 通 存在 、恒常 。 、 、 （現在 56 秋本氏・本庄氏 、「［過去 場合］ ［感受 ］ 、［現在］生 経験 、思 出 」 訳 。(秋本・本庄［1978］:p.93.b.11-12 参照) 57 本庄氏・小谷氏 、「 （過去・未来 色） 、 ［現在 色］ 同一 云々 、 、現在 段階 団塊 色 」 訳 。(本庄・小谷［2007］:p.135.7-8 参照) 58 秋本氏 、「 位置 」 訳 。(秋本［1991］:p.92.16-17 参照) 59 本庄氏・小谷氏 、「拒 」 訳 。(本庄・小谷［2007］:p.135.16 参照) 60 秋本氏 、「散乱 集 」 訳 。本庄氏・小谷氏 、「散乱 集積 」 訳 。(秋本［1991］:p.92.26, 本庄・小谷［2007］:p.136.1 参照) 61 本庄氏・小谷氏 、「 ［ 現在］ 如 」 訳 。(本庄・小谷［2007］:p.136.7 参照)
