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先端レーザーの展望

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Academic year: 2021

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高性能 LD を駆使した先端光源の進展 

巻頭言

先端レーザーの展望

鳥 塚 健 二

(産業技術総合研究所)

 本号は先端光源について,最近の高性能化等動向をまとめるとともに,応用展開への加 速を図るとの特集企画ですが,まことに時宜をえたものではないかと思います.高出力半 導体レーザー励起の固体レーザーは,大口径ファイバー等々の多様な形態でたゆみなく発 展しています.本誌の読者にはさまざまなご意見ご感想があると思いますが,筆者にはド イツをはじめとする欧州の計画的な展開は印象的で,ともすれば世界の技術と経済のダイ ナミズムに圧倒される心持ちにもなります.とはいえ,筆者のような旧世代は,学問に王 道無しとも戒められたものです.いたずらに眩惑されることなく,質のよい研究,新技術 の追求に努めたいものと思います.

 さて,わが国でも,個々に優れた技術開発や研究展開が行われていることはもちろんで す.本号では,欧州の大型プロジェクトで活躍されている研究者のご報告とともに,国内 でオリジナリティーの高い研究開発を進められている気鋭の研究者のご寄稿が集められて います.諸先生の解説と研究の志向を拝見して,レーザーの応用出口がきわめて多様であ ることをあらためて感じましたが,一方で,各出口は社会的視点を必ず伴っていて,それ が整理の拠りどころになるようです.そのひとつは,持続可能社会です. エンジンのレー ザー点火による内燃機関の効率改善 は直接的ですが,大出力レーザーの本丸である製造 産業への展開においても,省エネルギー,省資源への貢献が主たる意義になります.もう ひとつが,高齢化社会への対応でしょう.脳組織のイメージングや長波長域光を使う生体 関連の計測応用がそれにあたります.デュアルコム分光の大きな狙いは分子指紋による高 速判別ですが,これは環境センシングとともに,呼気の分析による医療的応用もいわれて います.大きくはこの

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つの方向性が,今この分野の研究をすすめる社会的意義のよう です.

 ひるがえって,光源の高性能化研究では,多様な出口への対応と骨太な技術の構築を並 行して考える必要がありそうです.現在の日本の状況では,公的資金による研究開発はま すます厳しい査定にさらされるでしょう.解決のキーは,まず研究上の「知恵」であるのは もちろんです.例えば競争的資金獲得の基になり,個別的であり,多様性を支えるもので す.しかし同時に横をつなぐ「連携」も必須であり,専門家による計画によって,例えば 異分野間をつなぐものになります.将来に向けて骨太な技術を創造していくには後者の取 り組みもないと難しく,目標を適切に定めて注力するプロジェクトはこれからも必要と思 いますし,そこでは特に,応用サイドとの連携を含めた構想力がキーになるのではと考え ています.

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