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公益事業のブランド戦略 に関する調査研究報告書

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(1)

   

 

公益事業のブランド戦略  に関する調査研究報告書 

 

 

平 成 1 4 年 7 月  総務省  郵政研究所 

調―02−Ⅰ―01

(2)

はじめに

消費者が商品を選択、購買する際に、①認知→  ②初回購入→  ③購入後評 価→  ④反復購入→  ③購入後評価  という行動が行われるとして、決定的に 重要なのは③購入後評価の段階である。初回購入でまず、買ってみようと考え た消費者はその品質、性能、コスト等を評価し、良ければまた購入するだろう し、良くなければ購入しないだろう。つまり商品やサービスが、その品質のレ ベルで劣っていては、どんなにマーケティングに精を出そうが、ブランド力を 高めようが市場競争には勝ち残れない。

つまり個々の商品・サービスレベルでの競争力の有無が第一義的に重要であ るといえる。このレベルでの競争力の強化方法としてコスト戦略や性能強化な どいろいろな方策があるが、結果的にその商品・サービスが競合する他のそれ と比べてあまり大きな差がないところまで改良されたとする。そうなった場合、

競争優位をもたらすものとしてブランド力などがあるといえよう。

それではたとえば電気という商品にあてはめてこれを考えると、基本的に顧 客は電気を買っているのではなく、モノを冷やす冷蔵庫用や、部屋を暖めるエ アコン用や、安全に調理するためのIH調理器用などといった電気の効用を買 っているのである。さらに、送電系統で電気の品質は調整されるため、電気自 体の差別化をすることはほとんどできないといえる。そのため電力会社は顧客 ニーズをとりこんだソリューション・パッケージの充実など、付加価値を高め ることで自社の電気を購入する消費者を繋ぎとめようとしているわけだが、こ のように提供する商品・サービスの差別化が難しい業界においては、特にブラ ンド力や顧客ニーズの取り込みは競争上非常に重要な要因となると考えられる。

  従来、規模の経済性、範囲の経済性等の観点から、市場における独占的なサ ービスの供給を容認されてきた公益企業(旧公社・航空・電力・ガス・鉄道等)

も、昨今の規制緩和の流れの中で次第に競争環境に入りつつある。これらの業 界は、上述のように提供するサービスが差別化しにくく、基本的に価格競争に 陥りやすい性質を有しているといえ、今後これらの企業にとってブランド戦略 は非常に重要になってくると考えられる。今回の調査研究は、これらの競争原 理の導入がなされた公益事業において各企業のブランド戦略に対する取り組み について調査を行うことで、郵政公社化を控えた郵便事業の中長期的な経営戦 略立案における基礎資料とすることを目的とする。

総務省郵政研究所

第一経営経済研究部

(3)

公益事業のブランド戦略に関する調査研究

郵政研究所第一経営経済研究部研究官  中川  豪

[要約]

1   従来、規模の経済性、範囲の経済性等の観点から、市場における独占的な サービスの供給を容認されてきた公益企業(旧公社・航空・電力・ガス・鉄 道等)も、昨今の規制緩和の流れの中で次第に競争環境に入りつつある。こ れらの業界の各企業が提供するサービスは品質の差別化が難しく、基本的に 価格競争に陥りやすい性質を有しているといえ、今後これらの企業にとって ブランド戦略は非常に重要になってくると考えられる。

2   コーポレート・ブランド戦略とは、顧客・株主・従業員・地域社会という 企業を取り巻くそれぞれのステークホルダーに対してどのような価値を提 供するかを決定し、そうした価値提供によるステークホルダーとのコミュニ ケーションを通して企業の価値を向上させ、それぞれのステークホルダーが 企業に対して抱いているイメージや認める価値をステークホルダー間でも 相互に作用させることで、企業そのものの価値を総合的に高めていくことを 目的とする戦略であるといえる。

3   全日空では企業として一貫したメッセージをアピールすることで中長期 的に旅客の全日空に対するイメージを向上させるべきという考えのもと、平 成9年からコーポレート・ブランド戦略への取り組みを開始した。日本エア システムは航空憲法廃止に伴い、国内航空市場における他大手2社との競合 が激しくなるなかで、同社のブランド・イメージを向上させるために平成8 年からコーポレート・ブランド戦略を開始した。JTは中長期経営計画の見 直しにおいていくつか浮かび上がった問題点から、JTグループ全体の価値 を向上させるために平成11年からコーポレート・ブランド戦略に取り組み 始めた。

4    ヒアリングを実施した航空、通信、電力、ガス、旧公社企業のなかでブラ

ンド戦略への取り組みを始めているのは航空、通信、旧公社(JT)の企業

であり、競争がより激しい業界の企業がブランド戦略への取り組みを開始し

ているといえる。今後、規制緩和によって競争が激しくなると予想される業

界では価格競争に陥る可能性が高いが、価格競争は必ず消耗戦となり、企業

の体力を弱める。これを回避するために、企業はより顧客志向を強め、提供

するサービスの付加価値を高めることや、 企業のブランド価値を高め、自社に

ブランド・ロイヤリティを持つ顧客層を獲得することが重要となってくると思われる。

(4)

Investigative research on the brand strategies of public utility companies

Takeshi Nakagawa

Researcher, First Department of Management and Economic Research, Institute for Posts and Telecommunications Policy

Summary

1. Against the backdrop of regulatory relaxation in recent years, public utility companies (e.g., former public corporations, airlines, electric power companies, gas companies, and railway firms) that have conventionally been allowed to monopolize the supply of services in the market in the interest of economies of scale and scope and so forth are gradually entering a climate of competition. The services provided by enterprises in these industries are said to be inherently difficult to differentiate with respect to quality and basically prone to the outbreak of price competition. Corporate brand strategy may be expected to assume crucial importance for these companies over the coming years.

2. Corporate brand strategy is aimed at a comprehensive enhancement of the corporate value in the eyes of all of its "stakeholders," namely customers, shareholders, employees, and surrounding communities. It rests on identification of the kind of value to be delivered to each stakeholder, enhancement of the company's value through communication with stakeholders in this delivery, and the mutual influence of the image and value associated with the company on the various stakeholders.

3. All Nippon Airways Co., Ltd. embarked on approaches to corporate brand strategy in 1997 in the conviction that it had to improve its image among its customers over the medium and long terms by conveying a consistent message to them. Japan Air System Co., Ltd. launched a corporate brand strategy in 1996 in order to enhance its image as competition with the two other leading airlines in the market for domestic flight service intensified upon abolition of the Aviation Constitution.

Japan Tobacco Inc. (JT) began to deploy a corporate brand strategy in 1999 in

order to increase the value of the entire JT Group after several issues surfaced in

the review of its medium-to-long-term business plan.

(5)

4. Of the airline companies, telecommunications carriers, power companies, gas

companies, and former public corporations interviewed in this research, it was

found that approaches were being made to brand strategy by airlines, telecom

carriers, and a former public corporation (i.e., JT). This suggests that it is firms

facing intensified competition that are making such approaches. Industries where

competition is anticipated to sharpen with the progress of deregulation are liable to

fall into situations of cost competition, which inevitably turns into a war of

attrition that saps their strength. To prevent this from happening, firms will

presumably find it increasingly important to become more customer-oriented, raise

the value-added level of their services, heighten their brand value, and acquire

customers who remain loyal to their brand.

(6)

《目次》

1 企業(経営)理念とブランド戦略の関係・・・・・・・・・・・・・・1 2 ブランド戦略の重要性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3

3 公益企業のブランド戦略への取り組み・・・・・・・・・・・・・・・7 3.1 全日空の取り組み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8

3.1.1 企業理念の検討・策定・・・・・・・・・・・・・・・・・8

3.1.2 全日空(ANA)ブランドの価値規定・・・・・・・・・・8

3.1.3 コーポレート・ブランド価値の周知・浸透・・・・・・・・13

3.1.4 全日空のブランド戦略に対する考え方・・・・・・・・・・14

3.1.5 グループでのブランド戦略への取り組み・・・・・・・・・15

3.2 日本エアシステムの取り組み・・・・・・・・・・・・・・・・・16

3.2.1 企業ミッション・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16

3.2.2 日本エアシステム(JAS)ブランドの価値規定・・・・・16

3.2.3 コーポレート・ブランド価値の周知・浸透・・・・・・・・18

3.2.4 日本エアシステムブランドの再構築・・・・・・・・・・・20

3.2.5 日本エアシステムのブランド戦略に対する考え方・・・・・21

3.3 JTの取り組み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23

3.3.1 企業理念、ミッションの検討・策定・・・・・・・・・・・23

3.3.2 JT企業ブランドへの取り組み・・・・・・・・・・・・・24

3.3.3 JTグループミッションの周知・浸透・・・・・・・・・・27

3.3.4 JTのブランド戦略に対する考え方・・・・・・・・・・・28

3.4 東京電力の取り組み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29

3.4.1 経営理念の検討・策定・・・・・・・・・・・・・・・・・30

3.4.2 経営理念の周知・浸透・・・・・・・・・・・・・・・・・34

3.4.3 顧客志向への取り組み・・・・・・・・・・・・・・・・・37

3.4.4 経営ビジョンの維持・管理・・・・・・・・・・・・・・・38

(7)

3.5 東京ガスの取り組み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40

3.5.1 経営理念の検討・策定・・・・・・・・・・・・・・・・・41

3.5.2 コーポレート・コミュニケーション政策の開始・・・・・・43

3.5.3 コーポレート・スローガンの策定・・・・・・・・・・・・45

3.5.4 ブランドに対する考え方・・・・・・・・・・・・・・・・45

3.6 JR東日本の取り組み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・47

3.6.1 中期経営構想の検討・策定・・・・・・・・・・・・・・・47

3.6.2 グループマネジメントの確立・・・・・・・・・・・・・・51

3.6.3 中期経営構想の周知・浸透・・・・・・・・・・・・・・・51

4 まとめ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・53

4.1  公益企業のブランド戦略への取り組み状況・・・・・・・・・・53

4.2 ブランド価値規定における外部コンサルタントの活用・・・・・55

4.3 ブランド戦略への取り組みによる効果・・・・・・・・・・・・55

4.4 顧客本位の経営へのシフト・・・・・・・・・・・・・・・・・55

4.5 郵政公社への示唆・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・58

(8)

1 企業(経営)理念とブランド戦略の関係

(9)

1 企業(経営)理念とブランド戦略の関係

  企 業 とし て の使 命 や 企業 ( 経営 ) 理念 に よ って 、 当該 企 業が ど の よう な 領域 で どの よう な 商品 ・ サー ビ ス を提 供 して い くか 、 今 後ど の よう な 価値 を 追 求し て いく か 、将 来ど の よう な 企業 を 目 指す か とい う 企業 像 ( ビジ ョ ン) が 決定 さ れ る。 つ まり 使 命や 企業 ( 経営 ) 理念 は 、 企業 が 長期 的 な進 化 を 目指 す 上で の 考え 方 の 基盤 で あり 、 ブラ ンド 戦 略の 根 幹を な す もの で ある と いえ る 。 企業 は そう し て決 定 さ れた ビ ジョ ン を達 成す る ため に 経営 戦 略 を策 定 し、 そ の中 で マ ーケ テ ィン グ 活動 や I R活 動 、社 会 貢献 活動 、 商品 P Rな ど 様 々な 取 り組 み (ア ク シ ョン プ ラン ) を通 じ て 、消 費 者・ 株 主・

従業 員 ・地 域 社会 と い う企 業 を取 り 巻く そ れ ぞれ の ステ ー クホ ル ダ ーに 価 値を 提 供し てい く 。そ う した 提 供 すべ き 価値 を 決定 す る には 、 まず 当 該企 業 が 現在 保 有し て いる 価値 、 今後 提 供し て い くべ き 価値 を 抽出 し な くて は なら な い。 ま た 抽出 さ れた そ れら の価 値 は、 企 業と し て の根 幹 をな し てい る 使 命や 企 業( 経 営) 理 念 と密 接 に結 び つい てい る 必要 が ある 。 そ れら が 互い に 整合 性 を 持つ こ とに よ り将 来 あ りた い 姿に 向 かっ てぶれずに進んでいくことが重要である。

使命・企業(経営)理念とブランド戦略の関係 使命・企業(経営)理念とブランド戦略の関係 使命・企業(経営)理念とブランド戦略の関係 使命・企業(経営)理念とブランド戦略の関係

使命・企業(経営)理念 使命・企業(経営)理念 使命・企業(経営)理念 使命・企業(経営)理念

将来的に目指す企業像(ビジョン)

将来的に目指す企業像(ビジョン)

将来的に目指す企業像(ビジョン)

将来的に目指す企業像(ビジョン)

ビジョン達成のための経営戦略策定 ビジョン達成のための経営戦略策定 ビジョン達成のための経営戦略策定 ビジョン達成のための経営戦略策定

各ステークホルダーに提供すべき価値を決定 各ステークホルダーに提供すべき価値を決定 各ステークホルダーに提供すべき価値を決定 各ステークホルダーに提供すべき価値を決定

・企業が現在保有している価値

・企業が現在保有している価値

・企業が現在保有している価値

・企業が現在保有している価値

・今後提供すべき価値   を抽出

・今後提供すべき価値   を抽出

・今後提供すべき価値   を抽出

・今後提供すべき価値   を抽出

密接に関連している

密接に関連している 密接に関連している 密接に関連している

 ○互いに整合性を持つことで、企業が目  ○互いに整合性を持つことで、企業が目 ○互いに整合性を持つことで、企業が目  ○互いに整合性を持つことで、企業が目       

   指すべき将来の企業像に向かってぶ指すべき将来の企業像に向かってぶ指すべき将来の企業像に向かってぶ指すべき将来の企業像に向かってぶ   

    

   れずに進んでいくことが重要れずに進んでいくことが重要れずに進んでいくことが重要れずに進んでいくことが重要

使命・企業(経営)理念は、企業が長期的な進化を目指す上で

使命・企業(経営)理念は、企業が長期的な進化を目指す上で

使命・企業(経営)理念は、企業が長期的な進化を目指す上で

使命・企業(経営)理念は、企業が長期的な進化を目指す上で

の考え方の基盤となる    ブランド戦略の根幹をなすもの

の考え方の基盤となる    ブランド戦略の根幹をなすもの

の考え方の基盤となる    ブランド戦略の根幹をなすもの

の考え方の基盤となる    ブランド戦略の根幹をなすもの

使命・企業(経営)理念は、企業が長期的な進化を目指す上で

使命・企業(経営)理念は、企業が長期的な進化を目指す上で

使命・企業(経営)理念は、企業が長期的な進化を目指す上で

使命・企業(経営)理念は、企業が長期的な進化を目指す上で

の考え方の基盤となる    ブランド戦略の根幹をなすもの

の考え方の基盤となる    ブランド戦略の根幹をなすもの

の考え方の基盤となる    ブランド戦略の根幹をなすもの

の考え方の基盤となる    ブランド戦略の根幹をなすもの

(10)

2 ブランド戦略の重要性

(11)

2 ブランド戦略の重要性

  競 争 戦略 論 にお け る 基本 と して ポ ジシ ョ ニ ング に よる 戦 略が あ る 。そ こ では 業 界ト ップ の 企業 は いわ ゆ る 「リ ー ダー 」 とし て の ポジ シ ョン に 即し た 戦 略を 行 うべ き とさ れて お り、 具 体的 に は ブラ ン ド展 開 、非 低 価 格戦 略 など が リー ダ ー 企業 の とる べ き戦 略と な って い る。 ト ッ プ企 業 にと っ てブ ラ ン ド力 を 活用 す る戦 略 は 有効 で ある と され ているのである。

  と こ ろで 、 これ ま で 規制 さ れて い た分 野 に おい て 事業 を 営ん で き た企 業 は独 占 的か つ安 定 的に サ ービ ス を 供給 し てき た ため 、 信 頼感 な どの 大 きな ブ ラ ンド 価 値を 保 有し てい る と考 え られ る 。 上述 の 競争 戦 略ど お り に考 え れば 、 規制 緩 和 がな さ れる ま で市 場を 独 占し て きた 企 業 は基 本 的に 規 模の 面 で はト ッ プ企 業 であ る 場 合が 多 く、 さ らに 蓄積 さ れて き たブ ラ ン ド力 が ある た め競 争 環 境下 に おい て もブ ラ ン ド力 を 活用 し た戦 略を採用することは有効であるといえよう。

  こ れ まで で も企 業 は 企業 価 値を 高 める た め にマ ー ケテ ィ ング 戦 略 やI R 戦略 、 組織 改革 と いっ た 企業 課 題 につ い て取 り 組ん で き てお り 、そ れ らは 別 個 に価 値 を生 み 出し てい る 。し か し、 今 後 はそ れ らを 統 合的 に 管 理し 、 すべ て が一 元 的 にコ ー ポレ ー ト・

ブラ ン ドの 価 値に 結 び つく よ うに マ ネジ メ ン トし て いく 必 要性 が 高 まっ て きて い ると いえ る 。企 業 はコ ー ポ レー ト ・ブ ラ ンド 価 値 を高 め るた め に、 各 ス テー ク ホル ダ ーに 対し て さま ざ まな 価 値 を提 供 して い かな く て はな ら ない が 、こ こ で 企業 が 提供 す べき 価値は、企業が掲げる使命や企業(経営)理念と中長期的に整合性がとれていなくて

ポジショニングに即した戦略 ポジショニングに即した戦略 ポジショニングに即した戦略 ポジショニングに即した戦略

<差別化>

<差別化><差別化>

<差別化>

差別商品・低価格もあり得る・特 差別商品・低価格もあり得る・特差別商品・低価格もあり得る・特 差別商品・低価格もあり得る・特 徴ある広告

徴ある広告徴ある広告 徴ある広告 日通・日産・サッ

日通・日産・サッ 日通・日産・サッ 日通・日産・サッ ポロビール ポロビール ポロビール ポロビール 業界3~5

業界3~5 業界3~5 業界3~5 番手企業 番手企業 番手企業 番手企業

フォロワー

フォロワー フォロワー フォロワー

<<<

<徹底した差別化>徹底した差別化>徹底した差別化>徹底した差別化>

差別商品・ピンポイントライン・

差別商品・ピンポイントライン・差別商品・ピンポイントライン・

差別商品・ピンポイントライン・

低価格もあり得る・特徴ある広 低価格もあり得る・特徴ある広低価格もあり得る・特徴ある広 低価格もあり得る・特徴ある広 告ブランド力向上

告ブランド力向上告ブランド力向上 告ブランド力向上 バイク便・光岡自

バイク便・光岡自 バイク便・光岡自 バイク便・光岡自 動車・地ビール・

動車・地ビール・

動車・地ビール・

動車・地ビール・

アップル アップル アップル アップル 隙間狙い隙間狙い

隙間狙い隙間狙い 企   業 企   業 企   業 企   業

ニッ チャー

ニッ チャー ニッ チャー ニッ チャー

<差別化(弱いものいじめ)>

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<差別化(弱いものいじめ)>

差別商品・低価格もあり得る(シェ 差別商品・低価格もあり得る(シェ差別商品・低価格もあり得る(シェ 差別商品・低価格もあり得る(シェ ア狙い)・特徴あるマス広告 ア狙い)・特徴あるマス広告ア狙い)・特徴あるマス広告 ア狙い)・特徴あるマス広告 佐川急便・本田

佐川急便・本田 佐川急便・本田 佐川急便・本田 技研技研

技研技研 業界2番手 業界2番手 業界2番手 業界2番手 企   業 企   業 企   業 企   業

チャレン

チャレン チャレン チャレン ジ ャー ジ ャー ジ ャー ジ ャー

<<

<総合戦>総合戦>総合戦>総合戦>

ブランド展開・フルライン展開・

ブランド展開・フルライン展開・ブランド展開・フルライン展開・

ブランド展開・フルライン展開・

非低価格・マス広告 非低価格・マス広告非低価格・マス広告 非低価格・マス広告 ヤマト運輸・トヨタ・

ヤマト運輸・トヨタ・

ヤマト運輸・トヨタ・

ヤマト運輸・トヨタ・

アサヒビール・キ アサヒビール・キ アサヒビール・キ アサヒビール・キ リンビール・マイク リンビール・マイク リンビール・マイク リンビール・マイク ロソフト

ロソフト ロソフト ロソフト 業界トップ

業界トップ 業界トップ 業界トップ 企   業 企   業 企   業 企   業

リ ーダー

リ ーダー リ ーダー リ ーダー

戦  略 戦  略 戦  略 戦  略 企業例

企業例企業例 企業例 定 義

定 義定 義 定 義 ポジショニング

ポジショニングポジショニング ポジショニング

(12)

はな ら ない 。 なぜ な ら 企業 が コミ ッ トし た 価 値と は その 企 業の 考 え 方で あ り、 将 来的 なビ ジ ョン で もあ る た め、 使 命や 企 業( 経 営 )理 念 と食 い 違っ た 場 合、 企 業が 築 き上 げて き たコ ー ポレ ー ト ・ブ ラ ンド 価 値を 傷 つ ける お それ が ある し 、 さら に ステ ー クホ ルダーとの間で構築してきた関係が損なわれる可能性もあるからである。

  コ ー ポレ ー ト・ ブ ラ ンド 戦 略と は 、企 業 を 取り 巻 くそ れ ぞれ の ス テー ク ホル ダ ーに 対し て どの よ うな 価 値 を提 供 する か を決 定 し 、そ う した 価 値提 供 に よる ス テー ク ホル ダー と のコ ミ ュニ ケ ー ショ ン を通 し て企 業 の 価値 を 向上 さ せ、 そ れ ぞれ の ステ ー クホ ルダ ー が企 業 に対 し て 抱い て いる イ メー ジ や 認め る 価値 を ステ ー ク ホル ダ ー間 で も相 互に 作 用さ せ るこ と で 、企 業 その も のの 価 値 を総 合 的に 高 めて い く こと を 目的 と する 戦略であるといえる。

  上 述 のよ う に、 今 後 企業 が 競争 力 を高 め る 上で ス テー ク ホル ダ ー にど う いっ た 価値 を提 供 して い くの か 、 とい う こと を アピ ー ル する 必 要が あ るが 、 そ れぞ れ に対 し て提 供で き る価 値 はさ ま ざ まで あ り、 こ うし た 取 り組 み によ っ て各 ス テ ーク ホ ルダ ー が企 業に 対 して 抱 いた 価 値 を、 最 終的 に は企 業 の 総合 的 な価 値 向上 へ と 統合 的 に集 約 する 戦略として、コーポレート・ブランド戦略の重要性が高まってきている。

  筆者は規制緩和によって競争に直面しつつある公益企業がどのようにコーポレー

従業員 企業 顧客

地域社会 株主

信頼 信頼 信頼 信頼

信頼 信頼 信頼 信頼 信頼

信頼 信頼 信頼

期待 期待 期待 期待

期待 期待 期待 期待 信頼 信頼 信頼 信頼

貢献 貢献 貢献 貢献

共感 共感 共感 共感 事業の成長性

事業の成長性 事業の成長性

事業の成長性 技術開発の革新性 技術開発の革新性 技術開発の革新性 技術開発の革新性 多様なサービス提供 多様なサービス提供 多様なサービス提供 多様なサービス提供

○企業とそれぞれのステークホルダーとの関係(絆)が強化される=企業価値の向上

○企業とそれぞれのステークホルダーとの関係(絆)が強化される=企業価値の向上

○企業とそれぞれのステークホルダーとの関係(絆)が強化される=企業価値の向上

○企業とそれぞれのステークホルダーとの関係(絆)が強化される=企業価値の向上

○ステークホルダー同士で企業に対する価値が相互作用する=企業価値の向上

○ステークホルダー同士で企業に対する価値が相互作用する=企業価値の向上

○ステークホルダー同士で企業に対する価値が相互作用する=企業価値の向上

○ステークホルダー同士で企業に対する価値が相互作用する=企業価値の向上

○企業とそれぞれのステークホルダーとの関係(絆)が強化される=企業価値の向上

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○企業とそれぞれのステークホルダーとの関係(絆)が強化される=企業価値の向上

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○ステークホルダー同士で企業に対する価値が相互作用する=企業価値の向上

○ステークホルダー同士で企業に対する価値が相互作用する=企業価値の向上

○ステークホルダー同士で企業に対する価値が相互作用する=企業価値の向上

○ステークホルダー同士で企業に対する価値が相互作用する=企業価値の向上

社会への貢献 社会への貢献 社会への貢献 社会への貢献 雇用の確保

雇用の確保 雇用の確保

雇用の確保 社会への貢献 社会への貢献 社会への貢献 社会への貢献 シ ナジー効果

シ ナジー効果

シ ナジー効果

シ ナジー効果

(13)

ト・ ブ ラン ド 戦略 に 取 り組 ん でい る かに つ い てヒ ア リン グ (平 成 1 3年 1 2月 上 旬〜

平成14年5月中旬)を実施した。以下にその結果を紹介する。

(14)

3 公益企業のブランド戦略への取り組み

(15)

3 公益企業のブランド戦略への取り組み 航空業界企業の取り組み

  日 本 の航 空 市場 は 、 ジェ ッ ト化 ・ 大型 化 に よっ て 大量 高 速輸 送 が 進み 、 その 過 程で 航空 業 界の 再 編を 経 て 、日 本 航空 株 式会 社 、 全日 本 空輸 株 式会 社 お よび 日 本国 内 航空 株式 会 社と 東 亜航 空 株 式会 社 の合 併 によ り 誕 生し た 東亜 国 内航 空 株 式会 社 (昭 和 63 年に 社 名を 日 本エ ア シ ステ ム に変 更 )の 大 手 3社 を 中心 と した 運 営 体制 が 長く 続 いて きた 。 国内 の 航空 需 要 は順 調 に伸 び 続け て き たが 、 旅客 獲 得の た め の競 争 激化 に よっ て航 空 会社 の 経営 が 危 機的 状 態に 陥 らな い よ う、 昭 和4 7 年に 3 社 の運 営 体制 を 指示 した「 航空 企 業の 運 営 体制 に つい て 」が 運 輸 大臣 名 で通 達 され た 。これ が いわ ゆ る「 4 5− 4 7体 制 =航 空 憲 法」 と よば れ るも の で ある が 、こ れ によ り 、 日本 航 空は 国 際線 と国 内 幹線 、 全日 空 は 国内 幹 線と 国 内ロ ー カ ル線 、 東亜 国 内航 空 が 国内 ロ ーカ ル 線と 一部 国 内幹 線 をそ れ ぞ れ運 航 する よ う事 業 分 野が 定 めら れ た。 主 と して 競 合路 線 が多 数で き ない よ うに す る こと で 、定 期 航空 会 社 の保 護 育成 お よび 航 空 市場 の 発達 促 進が 図ら れ たわ け であ る が 、世 界 的に 規 制緩 和 の 流れ が 顕著 に なり 、 特 に米 国 にお け る航 空業 界 の規 制 緩和 の 進 展と そ れに 伴 う業 界 再 編な ど の影 響 によ り 、 わが 国 航空 市 場に おい て も昭 和 60 年 に 航空 憲 法が 廃 止さ れ た 。翌 年 これ を うけ て 運 輸政 策 審議 会 の最 終答 申 「今 後 の航 空 企 業の 運 営体 制 のあ り 方 につ い て」 が ださ れ 、 国際 線 の複 数 社体 制や 国 内線 ダ ブル ・ ト リプ ル トラ ッ ク化 と い った 規 制緩 和 政策 が 進 めら れ るこ と とな った 。 その 後 、航 空 市 場の 規 制緩 和 は着 々 と 進み 、 国内 大 手3 社 す べて が 国際 線 に就 航し 、 国内 幹 線路 線 で も3 社 が競 合 する 路 線 が増 え るな ど 、運 賃 面 でも あ る程 度 競争 が進 展 して き てい る こ とか ら 平成 7 年に は 幅 運賃 制 度が 導 入さ れ 、 さら に 平成 1 2年 には 航 空運 賃 が完 全 自 由化 さ れた 。 この 間 、 平成 1 0年 に スカ イ マ ーク ・ エア ラ イン ズ株 式 会社 お よび 北 海 道国 際 航空 株 式会 社 が それ ぞ れ東 京 −福 岡 路 線、 東 京− 札 幌路 線に 、 大手 3 社と 比 べ て格 段 に安 い 航空 運 賃 を掲 げ て参 入 して き た こと に より 、 国内 航空市場は急速に価格競争が激しくなってきている。

  規 制 緩和 に よっ て 競 争環 境 下に お かれ る こ とと な った 航 空大 手 3 社が 、 どの よ うに ブラ ン ド戦 略 に取 り 組 んで い るか に つい て 、 以下 に 紹介 す る。 な お 、日 本 航空 と 日本 エア シ ステ ム の統 合 に つい て 新聞 紙 上等 で 報 道が な され て いる が 、 今回 の 調査 で はそ れぞれの企業単体でのブランド戦略への取り組みについて紹介している。

(16)

3.1 全日空の取り組み 3.1.1 企業理念の検討・策定

  近 年 、会 計 制度 に グ ルー プ 連結 会 計が 導 入 され る など 、 グル ー プ 全体 で の経 営 がよ り重 視 され る よう に な って き てい る が、 全 日 空で も グル ー プ全 体 で の経 営 を統 一 的な 価値 観 のも と で行 っ て いく べ きと い う考 え が 出始 め 、企 画 室が 中 心 とな っ て社 内 の全 事業 部 門及 び 主要 な 関 連会 社 が参 加 した 検 討 委員 会 を作 り 、企 業 理 念の 再 構築 を 行っ てき た 。そ し て平 成 1 3年 の 約1 年 間を か け て「 信 頼」「安 全 」等 を キー ワ ード と した 全日 空 グル ー プ全 体 の 経営 理 念が 策 定さ れ た 。全 日 空で は すで に 平 成9 年 から ブ ラン ド戦 略 に取 り 組ん で お り、 現 在は マ ーケ テ ィ ング 室 で全 日 空の コ ー ポレ ー ト・ ブ ラン ド戦 略 が構 築 され て い るが 、 全日 空 グル ー プ 全体 の 経営 理 念策 定 に つい て は、 中 心企 業となる全日空のコーポレート・ブランド価値と整合性が保たれるよう配慮された。

3.1.2 全日空(ANA)ブランドの価値規定

○  ブランド戦略導入の契機

  全 日 空で は、こ れま でに も 創 立 30 周 年、国 際線 就 航 10周 年 とい った 節 目・節目 に おい て、お 客様 へ の様 々な 謝 恩企 画 やキ ャ ン ペー ン 等を 実 施し て き たが 、平 成 9年 に 創立 45 周年 を 迎え る に当 た り、 従 来型 の 一 過性 の 企画 と は一 線 を 画し た 、よ り 長期 間に 亘 って お 客様 に ANAらし さ を浸 透 させ てい け るよ う、 ブ ラン ドづ く り を 意 識 したプロジェクトを営業・客室・空港 3部門連携の下にスタートさせた。

ま た こ の 当 時 は 、 全 日 空 が 昭 和 6 1 年 に 国 際 線 へ 参 入 し て か ら 1 0 年 強 が 経 過 し て い た が 、 バ ブ ル 崩 壊 の 影 響 も あ っ て 、 国 際 線 ビ ジ ネ ス と し て は や や 苦 し い 状 況 が 続 い て い た 。 さ ら に 国 際 線 で 競 合 す る 海 外 の 航 空 会 社 は エ ン タ ー テ イ メ ン ト 性 や 安 い 運 賃 な ど 、 際 だ っ た 特 徴 が あ る の に 対 し 、 全 日 空 は こ れ と い っ た 売 り に なるものがない、という意見も出始めていた。

  こ う した 流 れを 受 け て営 業 ・客 室 ・空 港 3 部門 の プロ ジ ェク ト チ ーム 内 では 競 争に 際し て 企業 価 値を 高 め る必 要 があ る と認 識 す るよ う にな り、「ANA らし さ 」の 確 立を 目指して、ブランド戦略への取り組みを開始した。

(17)

○  ブランド戦略の沿革

  全 日 空で は 国内 線 に おけ る 参入 ・ 運賃 規 制 緩和 に よる 競 争の 激 化 に対 応 して 、 平成 9年 4 月に 「 新中 期 経 営計 画   SPEED 21」 を策 定 し、 従 来か ら 全 日空 が 旅客 に 提供 して き た価 値 であ る「 安全 性」「 定時 性」「 利 便性 」「 快 適性 」を再 認 識し つ つ、さ らに 踏み 込 んで 「 お客 さ ま 重視 」 を実 践 し、 競 争 を勝 ち 抜い て いく こ と を宣 言 した 。 その 後社 内 でコ ー ポレ ー ト・ブ ラ ンド 戦 略に 対 す る意 識 が高 ま る中 で 、同年 1 2月 に は「 お 客さ ま 第一 主 義」 を 基 本理 念 に「ALL FOR YOU」 と いう フ レー ズ を コー ポ レー ト ・ ブラ ン ド・ ス ロー ガ ン とし て 掲げ 、 旅客 に 対 する さ まざ ま なサ ー ビ スレ ベ ルを 向 上す るこ と でコ ー ポレ ー ト ・ブ ラ ンド の 強化 を 目 指し 、 翌年 1 月か ら 企 業と し て本 格 的に ブラ ン ド戦 略 に取 り 組 むこ と を発 表 した 。 こ の「ALL FOR YOU」 への 取 り組 み の一 環と し て、 国 内・ 国 際 線で 新 しい サ ービ ス が 開始 さ れた り 、新 た に 企業 イ メー ジ ソン グの作成がなされたりしている。

全日空のブランド戦略導入の契機 全日空のブランド戦略導入の契機 全日空のブランド戦略導入の契機 全日空のブランド戦略導入の契機

当時の全日空の状況 当時の全日空の状況 当時の全日空の状況 当時の全日空の状況

旅客と接点の多い営業・客室・空港の3事業本部でプロジェクトチームが立 旅客と接点の多い営業・客室・空港の3事業本部でプロジェクトチームが立 旅客と接点の多い営業・客室・空港の3事業本部でプロジェクトチームが立 旅客と接点の多い営業・客室・空港の3事業本部でプロジェクトチームが立 ちあげられ、企業価値向上を目的とした検討が開始される(平成9年)

ちあげられ、企業価値向上を目的とした検討が開始される(平成9年)

ちあげられ、企業価値向上を目的とした検討が開始される(平成9年)

ちあげられ、企業価値向上を目的とした検討が開始される(平成9年)

旅客と接点の多い営業・客室・空港の3事業本部でプロジェクトチームが立 旅客と接点の多い営業・客室・空港の3事業本部でプロジェクトチームが立 旅客と接点の多い営業・客室・空港の3事業本部でプロジェクトチームが立 旅客と接点の多い営業・客室・空港の3事業本部でプロジェクトチームが立 ちあげられ、企業価値向上を目的とした検討が開始される(平成9年)

ちあげられ、企業価値向上を目的とした検討が開始される(平成9年)

ちあげられ、企業価値向上を目的とした検討が開始される(平成9年)

ちあげられ、企業価値向上を目的とした検討が開始される(平成9年)

○創立45周年を契機にこれまでの単純な謝恩キャンペーンでなく、ANAらしさ=ブラ 

○創立45周年を契機にこれまでの単純な謝恩キャンペーンでなく、ANAらしさ=ブラ ○創立45周年を契機にこれまでの単純な謝恩キャンペーンでなく、ANAらしさ=ブラ 

○創立45周年を契機にこれまでの単純な謝恩キャンペーンでなく、ANAらしさ=ブラ   

  

  ンドを訴求できるようなアプローチが必要であったことンドを訴求できるようなアプローチが必要であったことンドを訴求できるようなアプローチが必要であったことンドを訴求できるようなアプローチが必要であったこと

○国際線に参入して約10年が経過していたが、バブル崩壊の影響などもあり、ビジネ

○国際線に参入して約10年が経過していたが、バブル崩壊の影響などもあり、ビジネ○国際線に参入して約10年が経過していたが、バブル崩壊の影響などもあり、ビジネ

○国際線に参入して約10年が経過していたが、バブル崩壊の影響などもあり、ビジネ  

  

  スとしてはやや不振であったことスとしてはやや不振であったことスとしてはやや不振であったことスとしてはやや不振であったこと

○国際線市場で競合する海外の航空会社は、エンターテイメント性や低運賃など際だ 

○国際線市場で競合する海外の航空会社は、エンターテイメント性や低運賃など際だ ○国際線市場で競合する海外の航空会社は、エンターテイメント性や低運賃など際だ 

○国際線市場で競合する海外の航空会社は、エンターテイメント性や低運賃など際だ   

  

  った特徴があるのに対し、ANAにはこれといった売りがないった特徴があるのに対し、ANAにはこれといった売りがないった特徴があるのに対し、ANAにはこれといった売りがないった特徴があるのに対し、ANAにはこれといった売りがない

企業として 一貫したメッセージをアピールすることで、中長期的に旅客 企業として 一貫したメッセージをアピールすることで、中長期的に旅客 企業として 一貫したメッセージをアピールすることで、中長期的に旅客 企業として 一貫したメッセージをアピールすることで、中長期的に旅客 のANAに対するイメージ を向上させるべきではないか

のANAに対するイメージ を向上させるべきではないか

のANAに対するイメージ を向上させるべきではないか

のANAに対するイメージ を向上させるべきではないか

(18)

  一 方 、平成 1 0年 3 月に は、「 新 中期 経 営計 画  SPEED 21」のも とで 経 営再 建 プラ ンが 発 表さ れ 、そ の な かの 重 点施 策 のひ と つ とし て 顧客 重 視の マ ー ケテ ィ ング 強 化お よび 販 売体 制 の再 構 築 が掲 げ られ た 。も と も と全 日 空で は シー ム レ ス・ サ ービ ス (継 ぎ目 の ない サ ービ ス ) とい う 考え 方 のも と 、 予約 セ ンタ ー 職員 →   空港 職 員→   機内 での 客 室乗 務 員→   到 着空 港 での 空 港職 員 と いう 、 旅客 と 関わ る す べて の 職員 が 継続 して サ ービ ス を提 供 す るこ と で、顧 客満 足 度 の向 上 を図 っ てき た 。もし 一 部の 職 員( 部 門) の サー ビ スが 悪 け れば 、 他の 職 員( 部 門 )が い かに す ばら し い サー ビ スを 提 供し てい て も、 全 体と し て サー ビ スが 悪 いと い う こと に なっ て しま う か らで あ る。 こ のた め平 成 11 年 3月 に 、 マー ケ ティ ン グ室 内 に 、営 業 ・客 室 ・空 港 ・ 整備 等 の各 部 門の スタ ッ フか ら 構成 さ れ るサ ー ビス 企 画部 ( 現 在の プ ロダ ク ト・ サ ー ビス 推 進部 ) が6 人体制(現在は13名体制)で発足した。

  こ の サー ビ ス企 画 部 にお い て全 日 空の ブ ラ ンド 戦 略が 行 われ る こ とと な った が 、ま ず サ ー ビ ス 企 画 部 が 行 っ た の は 平 成 1 0 年 1 月 か ら 取 り 組 ん で き て い る 「ALL FOR YOU」の 実 績等 に つい ての 検 討で あ った 。サ ービ ス 企画 部 には「ALL FOR YOU」に 関わ っ た人 員 も含 ま れ てい た が、 こ の検 討 を 進め て いく な かで 「ALL FOR YOU」 と いう 言 葉だ け が一 人 歩 きし て いる の では な い か、 実 際に 旅 客が 得 る ベネ フ ィッ ト がな いの に 、コ ー ポレ ー ト ・ブ ラ ンド が 強化 さ れ るこ と など あ りえ な い 、た だ の自 己 満足 では な いか 、 とい っ た よう な 意見 が 出さ れ た 。つ ま り「ALL FOR YOU」 で は全 日 空 自身 が 価値 と 考え て い るこ と を一 方 的に 社 外 に打 ち 出し て いる だ け であ り 、本 当 の意 味で旅客との長期的な絆を構築するためには双方が価値と認めるものを全日空が提供

「「

「ALL FOR YOU」」」」への取り組みへの取り組みへの取り組みへの取り組み

◆ 規制緩和によって競争が激化するなか、全日空は「新中期経営計画(

◆ 規制緩和によって競争が激化するなか、全日空は「新中期経営計画(

◆ 規制緩和によって競争が激化するなか、全日空は「新中期経営計画(

◆ 規制緩和によって競争が激化するなか、全日空は「新中期経営計画(SPEED21))))を発表を発表を発表を発表 し、し、し、し、

    

     その中で「お客さま第一主義」を掲げるその中で「お客さま第一主義」を掲げるその中で「お客さま第一主義」を掲げるその中で「お客さま第一主義」を掲げる 従来から提供してきた価値 従来から提供してきた価値 従来から提供してきた価値

従来から提供してきた価値 新たに提供していく価値新たに提供していく価値新たに提供していく価値新たに提供していく価値 安全性

安全性 安全性 安全性 利便性利便性

利便性利便性 快適性快適性快適性快適性 定時性 定時性 定時性 定時性

お客さま第一主義 お客さま第一主義 お客さま第一主義 お客さま第一主義

新しい全日空をア ピール=ANAブランドづくりへの取り組み 新しい全日空をア ピール=ANAブランドづくりへの取り組み 新しい全日空をア ピール=ANAブランドづくりへの取り組み

新しい全日空をア ピール=ANAブランドづくりへの取り組み

(平成10年1月開始)(平成10年1月開始)(平成10年1月開始)(平成10年1月開始)

(コーポレートブランドスローガン:「

(コーポレートブランドスローガン:「(コーポレートブランドスローガン:「

(コーポレートブランドスローガン:「ALL FOR YOU」)」)」)」)

AN Aブランドづくり AN Aブランドづくり AN Aブランドづくり AN Aブランドづくり の 概要 の 概要 の 概要 の 概要

1. 「「「お客さま 第一主 義」をお客さまが 接 する様々 な場 面で「一貫 して」「統一感を 持っお客さま 第一主 義」をお客さまが 接 する様々 な場 面で「一貫 して」「統一感を 持っお客さま 第一主 義」をお客さまが 接 する様々 な場 面で「一貫 して」「統一感を 持っお客さま 第一主 義」をお客さまが 接 する様々 な場 面で「一貫 して」「統一感を 持っ て」 メッセージを伝 える

て」 メッセージを伝 える て」 メッセージを伝 える て」 メッセージを伝 える

2. 「お客さま 第一主 義」を全日空 のト ータル・サ ービ スの 視点か ら、サ ービ スフロント「お客さま 第一主 義」を全日空 のト ータル・サ ービ スの 視点か ら、サ ービ スフロント「お客さま 第一主 義」を全日空 のト ータル・サ ービ スの 視点か ら、サ ービ スフロント「お客さま 第一主 義」を全日空 のト ータル・サ ービ スの 視点か ら、サ ービ スフロント に立つ スタッフの相互 作用、 協力、協 働作業 によ って拡張・深化 させる に立つ スタッフの相互 作用、 協力、協 働作業 によ って拡張・深化 させる に立つ スタッフの相互 作用、 協力、協 働作業 によ って拡張・深化 させる に立つ スタッフの相互 作用、 協力、協 働作業 によ って拡張・深化 させる 3. 「お客さま 第一主 義」の実践 によ って 、全日 空の提 供 する商品・サ ービ スが「お客「お客さま 第一主 義」の実践 によ って 、全日 空の提 供 する商品・サ ービ スが「お客「お客さま 第一主 義」の実践 によ って 、全日 空の提 供 する商品・サ ービ スが「お客「お客さま 第一主 義」の実践 によ って 、全日 空の提 供 する商品・サ ービ スが「お客

さ まの笑 顔を」作りだし 、お客さま が「全日空を 選 んでい ただく動 機」を明確 にする さ まの笑 顔を」作りだし 、お客さま が「全日空を 選 んでい ただく動 機」を明確 にする さ まの笑 顔を」作りだし 、お客さま が「全日空を 選 んでい ただく動 機」を明確 にする さ まの笑 顔を」作りだし 、お客さま が「全日空を 選 んでい ただく動 機」を明確 にする

(19)

し、 か つそ れ が旅 客 に 受け 入 れら れ なく て は なら な いの で はな い か 、と 考 えた の であ る。

  た だ し、 社 外向 け に は「ALL FOR YOU」 の取 り 組み は あま り 具 体的 な 成果 を 生み 出さ な かっ た かも し れ ない が 、社 内 向け に は一 定の 効 果が あ った と い う結 論 にな っ た。

とい う のは 、「ALL FOR YOU」の かけ 声 の も とで ほ とん ど の社 員 が お客 さ ま第 一 主義 を強く意識するようになってきていたからである。

  こ の よう な 検討 を 経 て、 サ ービ ス 企画 部 で はマ ー ケテ ィ ング 戦 略 の一 環 とし て まず 競争 力 強化 に つな が る プロ ダ クト ・ ブラ ン ド の強 化 が急 務 であ る と 判断 し た。 本 当に 旅客 が 必要 と して い る もの を 提供 す るこ と が 旅客 と 全日 空 との 信 頼 関係 を 構築 し 、結 果的 に コー ポ レー ト ・ ブラ ン ドの 価 値向 上 に つな が ると 考 えた の で ある 。 そこ で 旅客 のセ グ メン テ ーシ ョ ン を行 い 、い ろ いろ な カ テゴ リ ーに お ける 旅 客 がそ れ ぞれ ど うい うサ ー ビス ・ 商品 を 望 んで い るの か を調 査 し 、ま た 同時 に どの よ う なサ ー ビス ・ 商品 を提 供 でき る のか に つ いて 検 討し た 。こ う し て平 成 11 年 3月 の サ ービ ス 企画 部 発足 以来 プ ロダ ク ト・ ブ ラ ンド 強 化を 中 心と し た 競争 力 強化 を 図っ て き たが 、 約半 年 ほど たっ た ころ 、 社外 の コ ンサ ル ティ ン グ会 社 か らプ ロ ダク ト ・ブ ラ ン ドだ け でな く 、コ ーポ レ ート ・ ブラ ン ド も強 化 する と いう ト ー タル な 見方 が 必要 な の では な いか 、 とい う提 案 があ っ た。 こ の 提案 を 受け て サー ビ ス 企画 部 にお い ても 、 コ ーポ レ ート ・ ブラ ンド の 強化 も 含め た グ ラン ド デザ イ ンの も と でブ ラ ンド 戦 略に 取 り 組む べ きで あ ると 考えるようになった。

「「

ALL FOR YOU」

」」 」 の の の 見直し の 見直し 見直し 見直し

(反省点)

(反省点)

(反省点)

(反省点)

 ○「 ○「

 ○「 ○「ALL FOR YOU」」」」の言葉だけが一人歩きしているのではないか?の言葉だけが一人歩きしているのではないか?の言葉だけが一人歩きしているのではないか?の言葉だけが一人歩きしているのではないか?

 ○単なる自己満足ではないか?

 ○単なる自己満足ではないか?

 ○単なる自己満足ではないか?

 ○単なる自己満足ではないか?

 ○旅客が得ることのできる具体的なベネフィットが明確にされていないので、旅客とANAと   ○旅客が得ることのできる具体的なベネフィットが明確にされていないので、旅客とANAと   ○旅客が得ることのできる具体的なベネフィットが明確にされていないので、旅客とANAと   ○旅客が得ることのできる具体的なベネフィットが明確にされていないので、旅客とANAと    

     

   の間に長期的な絆が構築されていないの間に長期的な絆が構築されていないの間に長期的な絆が構築されていないの間に長期的な絆が構築されていない

◆ マーケティング重視の観点から販売体制の再構築がなされ、マーケティ 

◆ マーケティング重視の観点から販売体制の再構築がなされ、マーケティ 

◆ マーケティング重視の観点から販売体制の再構築がなされ、マーケティ 

◆ マーケティング重視の観点から販売体制の再構築がなされ、マーケティ  ング ング

ング ング 室内にサービス企画部が発足(平成11年3月)。このサービス企画   室内にサービス企画部が発足(平成11年3月)。このサービス企画   室内にサービス企画部が発足(平成11年3月)。このサービス企画   室内にサービス企画部が発足(平成11年3月)。このサービス企画   部で、「 部で、「

部で、「 部で、「

ALL FOR YOU」

」」 」 の の の の実績について見直しがな 実績について見直しがな 実績について見直しがな された。 実績について見直しがな された。 された。 された。

旅客が何を求めているか、ANAが何を提供できるかを洗い出し、直接的な 旅客が何を求めているか、ANAが何を提供できるかを洗い出し、直接的な旅客が何を求めているか、ANAが何を提供できるかを洗い出し、直接的な 旅客が何を求めているか、ANAが何を提供できるかを洗い出し、直接的な 競争力強化策としてプロダクト・ブランドの強化を優先。半年ほどたって、

競争力強化策としてプロダクト・ブランドの強化を優先。半年ほどたって、競争力強化策としてプロダクト・ブランドの強化を優先。半年ほどたって、

競争力強化策としてプロダクト・ブランドの強化を優先。半年ほどたって、

トータルなコーポレート・ブランド強化の必要性を認識し、両方を含めたブラ トータルなコーポレート・ブランド強化の必要性を認識し、両方を含めたブラトータルなコーポレート・ブランド強化の必要性を認識し、両方を含めたブラ トータルなコーポレート・ブランド強化の必要性を認識し、両方を含めたブラ ンド戦略への取り組みを開始

ンド戦略への取り組みを開始ンド戦略への取り組みを開始 ンド戦略への取り組みを開始

(実績)(実績)

(実績)(実績)

 ○「

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 ○「

 ○「ALL FOR YOU」」」」のかけ声のもと、ほとんどの社員がお客さま第一主義を強く意識する のかけ声のもと、ほとんどの社員がお客さま第一主義を強く意識する のかけ声のもと、ほとんどの社員がお客さま第一主義を強く意識する のかけ声のもと、ほとんどの社員がお客さま第一主義を強く意識する      

     ようになってきたようになってきたようになってきたようになってきた

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○ ブランド価値規定

  プ ロ ダク ト ・ブ ラ ン ド戦 略 とそ れ を包 含 し たコ ー ポレ ー ト・ ブ ラ ンド 戦 略へ の 取り 組み と して 最 初に 行 っ たの は 、全 日 空( A N A) ブ ラン ド の価 値 規 定作 業 であ っ た。

なぜ な ら今 後 全日 空 の ブラ ン ド戦 略 に取 り 組 み始 め るに あ たっ て 、 コー ポ レー ト ・ブ ラン ド の基 本 とな る コ ンセ プ トが 必 要で あ り 、そ の 中身 を 抽出 し な くて は なら な いと 考え た から で ある 。 こ の作 業 では 社 外の コ ン サル テ ィン グ 会社 を 通 じて あ らゆ る 側面 から 情 報収 集 が行 わ れ た。 自 社の 強 み・ 弱 み 、こ れ から ど の分 野 に 集中 的 に経 営 資源 を投 入 すべ き か、 過 去 から の 実績 の 推移 、 ト ップ イ ンタ ビ ュー 、 C I・ V Iの マ ネジ メン ト 、航 空 業界 に お ける 他 社と の 比較 、 社 内外 の 全日 空 に対 す る イメ ー ジ、 企 業広 告で 過 去か ら 統一 性 ・ 一貫 性 のあ る メッ セ ー ジを 発 して き てい た か 、と い った よ うな 項目について調査・分析が実施されたのである。

  こ の 調査 に よっ て 、 全日 空 が従 来 から 持 っ てお り 、今 後 も維 持 し 続け る べき 価 値と して 「 親し み やす さ 」「 信頼 」「 安 心」 と い った キー ワ ード が 抽出 さ れ た。 ま た全 日 空 は国 内 航空 市 場を 中 心 とし て 一定 の 実績 を 残 して き てい る もの の 、 競争 の 激化 な ど企 業を 取 り巻 く 環境 が 激 変す る なか で 従来 ど お りの 経 営で は 生き 残 っ てい け ない と いう 結論 に 至り 、 進歩 的 に 生ま れ 変わ る 必要 が あ ると の 考え か ら、 今 後 全日 空 が実 現 して いく べ き価 値 とし て 「 顧客 志 向の 徹 底」「商 品 ・サ ー ビス 開 発に お け る積 極 性の 向 上」

が抽 出 され た 。さ ら に この 調 査で は 他の 航 空 会社 と の比 較 から 、 他 社が 持 って い て全 日空 が 持っ て いな い 価 値・ イ メー ジ など も 抽 出さ れ たが 、 すで に 他 社が 保 有し て いる 価値 ・ イメ ー ジを 後 追 いで 実 現す る こと が 全 日空 ブ ラン ド にと っ て よい か どう か につ いて は 社内 で 議論 が あ り、 結 果的 に は他 社 と より 差 別化 が 図れ る 方 向で 全 日空 の 新し い価値規定が行われた。

全日空ブランドの価値規定 全日空ブランドの価値規定全日空ブランドの価値規定 全日空ブランドの価値規定

全日空ブランドが提供していく価値 全日空ブランドが提供していく価値 全日空ブランドが提供していく価値 全日空ブランドが提供していく価値

従来から持っており、今後も維持し続けるべき価値 従来から持っており、今後も維持し続けるべき価値 従来から持っており、今後も維持し続けるべき価値 従来から持っており、今後も維持し続けるべき価値

「「

「安心」 「信頼」 「親しみやすさ」安心」 「信頼」 「親しみやすさ」安心」 「信頼」 「親しみやすさ」安心」 「信頼」 「親しみやすさ」

競争を勝ち抜くため、今後提供していくべき価値 競争を勝ち抜くため、今後提供していくべき価値 競争を勝ち抜くため、今後提供していくべき価値 競争を勝ち抜くため、今後提供していくべき価値

「顧客志向の徹底」 

「顧客志向の徹底」 「顧客志向の徹底」 

「顧客志向の徹底」 

「商品・サービス開発における積極性の向上」

「商品・サービス開発における積極性の向上」「商品・サービス開発における積極性の向上」

「商品・サービス開発における積極性の向上」

※ 社内外の調査から他社にあって、全日空にない価値やイメージも

※ 社内外の調査から他社にあって、全日空にない価値やイメージも

※ 社内外の調査から他社にあって、全日空にない価値やイメージも

※ 社内外の調査から他社にあって、全日空にない価値やイメージも   

     

   抽出されたが、他社の後追いをするよりもむしろ差別化をより 強く 抽出されたが、他社の後追いをするよりもむしろ差別化をより 強く 抽出されたが、他社の後追いをするよりもむしろ差別化をより 強く 抽出されたが、他社の後追いをするよりもむしろ差別化をより 強く   

     

   打ち出せる方向性での価値規定を実施した 打ち出せる方向性での価値規定を実施した 打ち出せる方向性での価値規定を実施した 打ち出せる方向性での価値規定を実施した

(21)

価 値 規定 の 作 業 で は、サ ー ビス 企 画 部 の 中で ブ ラ ンド 戦 略 を 専 門に 担 当 する 人 間 が 5 人 体 制 で あ た り 、 最 終 的 な 価 値 規 定 ま で に 約 3 ヶ 月 を 要 し た 。 外 部 コ ン サ ル 会 社 を 活 用 し た の は 、 当 時 は ま だ ブ ラ ン ド 構 築 に 関 す る ノ ウ ハ ウ が 社 内 に 蓄 積 さ れ て い な か っ た と い う こ と 、 及 び 全 日 空 と い う 企 業 が 持 つ 価 値 や ト ッ プ イ ン タ ビ ュ ー で 得 ら れ る 情 報 に つ い て は 、 社 内 の 目 で 見 る よ り も 外 部 の 目 で 客 観 的 に 調 査 した方が偏りのない情報が得られると考えたからである。

3.1.3 コーポレート・ブランド価値の周知・浸透

○  社内向けの取り組み

  こ う して 抽 出さ れ た 今後 全 日空 が 提供 し て いく 価 値お よ び企 業 価 値を 高 める た めに 、 どの よ うに ブ ラン ド 戦 略に 取 り組 ん でい く か につ い て、 社 内へ の 周 知活 動 が開 始 され た。周 知方 法 とし て は イン ト ラネ ッ ト、担 当 者の 全 国行 脚(2 回)、ブラ ン ド専 門 機関 誌の 発 行、 社 内報 な ど があ る 。全 国 行脚 で は 、ブ ラ ンド 戦 略の 担 当 者2 名 が約 3 ヶ月 をか け て全 国 の拠 点 と なっ て いる 空 港を プ レ ゼン テ ーシ ョ ンし て 回 り、 全 日空 の ブラ ンド 戦 略と 今 後全 日 空 ブラ ン ドが 提 供し て い くべ き 価値 に つい て の 周知 を 行っ た 。こ の周 知 活動 で は、 主 に 拠点 空 港の フ ロン ト ラ イン ( 旅客 と 直接 コ ミ ュニ ケ ーシ ョ ンを する職種)のスタッフがとりわけ重点的な対象とされた。 

た だ し 、 全 国 行 脚の 周 知 活 動 で ブ ラ ン ド戦 略 に つ い て の プ レ ゼン テ ー シ ョ ン を 聞い た社 員 のす べ てが 、 全 日空 と して 提 供す る ブ ラン ド 価値 が どの よ う に自 分 自身 の 業務 と関 わ り合 う かに つ い てす ぐ に理 解 でき た わ けで は ない 。とい う のは 、全 日 空で は 個々 の業 務 は各 事 業所 で い ろい ろ な工 夫 がな さ れ るな ど の取 り 組み が 行 われ て おり 、 そう した 末 端の 業 務ま で を 全体 的 なブ ラ ンド 戦 略 のも と で細 か く指 示 し たわ け では な いか らで あ る。 し かし 全 日 空で は 、ブ ラ ンド 戦 略 とは 全 日空 が 提供 す べ き価 値 につ い てす べて の 社員 が 正し く 認 識し 、 そう し た価 値 に 基づ い て個 々 の業 務 が 実施 さ れる こ とで コー ポ レー ト ・ブ ラ ン ド価 値 が向 上 する と い うこ と を社 員 が理 解 す るこ と が最 重 要で あると考え、社内でのブランド戦略のアピールが繰り返し行われている。

一 方 で 、 現 在 ブ ラン ド 戦 略 に 取 り 組 ん でい る マ ー ケ テ ィ ン グ 室で は 、 全 日 空 ブ ラン ドが 提 供す べ き価 値 と して 掲 げて い るも の が マー ケ ティ ン グ室 か ら 一方 的 に示 さ れた 価値 で ある 限 り、 全 社 員に 本 当の 意 味で 共 有 され る のは 難 しい と も 考え て いる 。 とい うの は 、価 値 とは 双 方 向の コ ミュ ニ ケー シ ョ ンを 通 じて 納 得さ れ て 初め て 意味 の ある もの だ から で ある 。 そ のた め 、全 日 空ブ ラ ン ドの 持 つ価 値 、全 日 空 のブ ラ ンド 戦 略に つい て すべ て の社 員 が まず 興 味を 持 つと こ ろ から 始 まり 、 それ に つ いて 社 員同 士 で話 し合 う 機会 が 増え る な ど、 社 内的 な 大き な ム ーブ メ ント を 創り 出 し てい く こと で 全日 空ブランドの価値およびブランド戦略が社員に正しく共有され、浸透していくと考え

(22)

ている。

○  社外向けの取り組み

  コ ー ポレ ー ト・ ブ ラ ンド 戦 略の 社 外的 な ア ピー ル とし て は、 現 段 階で は まだ 本 格的 な実 施 には 至 って い な い。 し かし プ ロダ ク ト ・サ ー ビス 推 進部 で は マー ケ ティ ン グ戦 略の 一 環と し て、 顧 客 のニ ー ズを 取 り込 み 、 新し い 商品 ・ サー ビ ス を開 発 して 積 極的 に打 ち 出す な ど、 プ ロ ダク ト ・ブ ラ ンド 戦 略 とし て の取 り 組み は 始 めて い る。 こ の新 商品 ・ サー ビ スの 開 発 につ い ては 、 プロ ダ ク ト・ サ ービ ス 推進 部 が コー ポ レー ト ・ブ ラン ド 戦略 に も携 わ っ てい る こと か ら、 常 に コー ポ レー ト ・ブ ラ ン ドに 基 づい た プロ ダクト・ブランドの構築という考え方が定着している。

  た だ コー ポ レー ト ・ ブラ ン ドの 形 成に 、 企 業広 告 とい っ た社 外 的 なア ピ ール が 非常 に重 要 であ る こと も 認 識し て おり 、 最終 的 な 目標 で ある 「 旅客 か ら の選 択 」を 勝 ち取 るた め には 、 ①商 品 ・ サー ビ ス戦 略 と② イ メ ージ 戦 略の 両 方が 大 事 であ る と考 え てい る。 現 在全 日 空が 行 っ てい る 広告 等 につ い て は、 競 争が 激 しく な っ てく る なか で 運賃 を中 心 とし た 商品 ・ サ ービ ス に関 わ る広 告 な どが 多 くな っ てき て い るが 、 こう い った 広告 は 企業 イ メー ジ ア ップ を 目的 と した 広 告 と大 き く性 格 が異 な る 。し か し全 日 空で は第 一 義的 に 目的 の 異 なる 広 告で あ って も 基 本的 に は全 日 空ブ ラ ン ドを 基 盤と し て一 体感 を 持っ た 広告 と な るよ う 配慮 し てい か な けれ ば いけ な いと 考 え てい る 。そ う いっ たブ ラ ンド を 育て て い くと い う考 え 方に よ る と、 長 期的 に 一貫 し た メッ セ ージ 性 を持 つ広告が今後ますます重要になってくると考えられる。

3.1.4  全日空のブランド戦略に対する考え方

  全 日 空で は 、コ ー ポ レー ト ・ブ ラ ンド が 持 つ価 値 は常 に 一貫 性 を 持っ て 維持 し 続け られ る べき も ので あ り 、経 営 者の 交 替な ど で ころ こ ろ変 わ るも の で はい け ない と 考え てい る 。そ し て全 社 員 が全 日 空ブ ラ ンド の 価 値を 共 有す る こと で そ の価 値 は長 期 的に ぶれ る こと な く保 た れ 、さ ら に基 盤 とな る 考 え方 が 全社 員 に浸 透 す るこ と によ っ て非 常に強い組織の形成につながるとしている。

  航 空 憲法 の もと で 国 際線 ・ 国内 線 、国 内 幹 線と 国 内ロ ー カル 路 線 とい う よう に 国内 大手 3 社の 事 業領 域 の 棲み 分 けが な され て き た経 緯 およ び 、従 来 か ら国 内 線で は 一定 の実 績 を積 み 重ね て き てい る こと に より 、 も とも と 全日 空 では 競 争 とい う 観点 か らの 自社 の 強み ・ 弱み 、 他 社と の 違い 等 につ い て それ ほ ど強 く 意識 す る こと が なか っ た。

しか し 国際 線 ビジ ネ ス の不 振 や国 内 航空 市 場 の規 制 緩和 に よっ て 競 争が 激 化し て いる なか で、「顧 客 第一 主 義 」を 理念 と した「ALL FOR YOU」の ブ ラン ド 戦略 へ の取 り 組 みを 開 始し た こと で 、 社員 の 顧客 重 視の 姿 勢 が改 善 した 。 さら に、「ALL FOR YOU」

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での 取 り組 み の欠 点 を 見直 し 、直 接 的な 競 争 力強 化 を目 的 とし た プ ロダ ク ト・ ブ ラ ンド 強 化と 、 それ ら を 包含 し た統 一 的な コ ー ポレ ー ト・ ブ ラン ド 戦 略に 取 り組 ん でき たこ と で、 ど のよ う に 他社 と の違 い をア ピ ー ルし て いく か 、と い っ たこ と を多 く の社 員が 意 識す る よう に な って き てい る 。競 争 環境 がま す ます 厳 しく な っ てく る 状況 下 で、

全日 空 も競 争 に勝 ち 残 って い かな く ては な ら ない が 、そ う した 競 争 力を 下 支え す るの がコ ー ポレ ー ト・ ブ ラ ンド で あり 、 その 基 盤 とな る のが 人 材で あ る 。全 日 空が ブ ラン ド戦 略 に取 り 組ん で き た実 績 とし て 現在 挙 げ られ る のは 、 社員 の モ チベ ー ショ ン が高 まってきていることだといえる。

3.1.5  グループでのブランド戦略への取り組み

  全 日 空の コ ーポ レ ー ト・ ブ ラン ド 戦略 に つ いて は プロ ダ クト ・ サ ービ ス 推進 部 が行 って い るが 、 ロゴ の 管 理に つ いて は 従来 か ら 宣伝 部 が一 元 的に 行 っ てき て いる 。 宣伝 部で は 広告 を 実施 す る 際、 ど のよ う にロ ゴ を 使用 す るか に つい て の 検討 を 行う た めで ある が 、コ ー ポレ ー ト ・ブ ラ ンド 戦 略と の 整 合性 と いう 観 点か ら 、 ロゴ 管 理や 運 用に 関する全日空グループ全体での統一的なマニュアル作成なども現在検討している。

参照

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