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科学の発展と環境科学 : ナノマテリアルを理解す るために

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科学の発展と環境科学 : ナノマテリアルを理解す るために

著者名(日) 柏田 祥策

雑誌名 工業技術 : 東洋大学工業技術研究所報告

号 33

ページ 24‑27

発行年 2011

URL http://id.nii.ac.jp/1060/00002079/

Creative Commons : 表示 ‑ 非営利 ‑ 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by‑nc‑nd/3.0/deed.ja

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  科学の発展と環境科学 ナノマテリアルを理解するために

柏田 祥策*

         1.はじめに

 人類の経済活動は,産業革命以降著しく発展してきた.

そして発展の陰には,化学物質の生理活性の発見と,た ゆまぬ研究開発の歴史があった.無機化学から続いて発 展してきた有機化学の研究成果によって食糧生産高が飛 躍的に増加した結果,世界人口が爆発的に増えた.しか し,科学研究の日の当たる「成功の歴史」ばかりが人口 に槍灸されるが,日陰の歴史にこそ我々は刮目・沈考し て次世代に禍根を残さないように行動すべきと考える.

ナノマテリアルは,多機能かつ省エネルギーな「夢の物 質」として,また日本経済にとっては経済活性化へのカ

ンフル剤として大きく期待されている.本稿は,平成22 年7月29日に東洋大学工業技術研究所で行った講演「ナ ノマテリアルのための環境科学研究〜ナノマテリアルを 理解するために〜」のダイジェストである.

   2.化学物質と生理活性と環境影響の話  毒性学または薬理学に従事している者ならば誰しも知 っていなければならない有名な言葉がある.「全ての物 質は有毒である.毒でないものは何もない」.これは,

現在のスイスに生まれた医化学者Paracelsus(1493−1541)

が残した言葉で,現在で言う「用量一反応作用」を表現 している.彼はさらに「適切な用量が毒と薬を区別する」

とも述べている.一般に我々が服用している市販薬の外 箱にも「用量用法を守って正しくお使い下さい」と書か れているように,過剰摂取は体に悪影響を示す.そして

「過ぎたるは及ばざるが如し」の言葉にあるように,

我々もまたなんとなくそれに気がついている(図1).

 薬を多量摂取すると毒作用を示すことについて異論を 挟む人はほとんどいないと思われるが,環境が化学物質 を汚染する場合はその評価は非常に難しいといわれてい る.それは,化学物質は生物体に直接作用するのであっ て,環境や生態系には間接的に作用するからである.環 境における生物群集構成体である生態系の中では,生物 は「喰う一喰われる」の関係を主体として,お互いに影 響し合って生活している.すなわち,ある生物が化学物 質によって絶滅したとしても,その生態学的地位は他の 生物に取って代わるだけの話で生態系全体としては ソ

レナリニ 平衡を保つことができる.ここで, ソレナ リニ というのが問題で,これが健全であるのか否かが

重要となってくるのであるが,そこの評価が大変困難な 問題とされている.化学物質の生態系への影響は,個体 レベルで発現するのであるが,この影響が個体群,群集,

生態系レベルへと伝搬して行くにつれて,そのスピード と影響の度合いは見かけのうえで小さくなっていくL).

罹病   ︸      ●

被曝露生物の健康状態

一 ● 一 ■ 一 一 一  一 一一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一  ● 一 一 一 一 一 一  一 一 一

治癒不可能

一●一一一一一一

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治癒可能

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一 一 ・ ・ . ● . 一 ●

@ストレス

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@健 康

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      l      l      ● zメオスタシス 1代償作用1非代償作用死亡      1            .    !    1

生理学的状態・汚染物質濃度

図1.薬剤の過剰摂取あるいは化学汚染による生体影響

 化学物質の生態系への影響を学問として研究する分野 を生態毒性学というが,この用語の初出は1969年と最近 であり,まだまだ歴史の浅い学問である.私は,人間活 動が地球生態系の変遷に与える影響に強い興味をもつた めに生態毒性学に関する研究を続けているが,これがな かなか奥深いのでたまに途方に暮れるときがある.

 まず,生態毒性学とは生態学と毒性学からなる造語で

「生態系および生物に対する毒性影響に関する学問分野」

である.キーワードをいくつか挙げると,環境汚染・生 物濃縮・生殖毒性・医農薬・毒性・生態系改変・生物多 様性などがある.生態学についてはよく耳にする言葉で あるので今更解説は不要と思われる.そこで毒性学につ いてだけ簡単に述べると「生きている生物または生存シ ステムにおける化学物質の有害作用効果を研究する」学 問分野で,とくに医薬学・生理学・生化学・化学・遺伝 学・数学・物理学などの境界領域融合研究とされる.そ の研究成果は,化学物質の社会安全性評価およびリスク 評価に貢献する.毒性学の歴史を見ると,人類は有史以 前から毒物を狩猟,戦争,暗殺などで用いてきた.最古 の記録としては紀元前1500年前の毒人参,トリカブト,

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柏田祥策

アヘン,重金属などに関する記述や,紀元前400年前の 治療における毒物の投与と過剰摂取に関する記述が知ら れている.毒物の「用量一反応作用」に関する概念はヨ ーロッパ中世時代には既に常識とさえなっており,「ロ ミオとジュリエット(1590年初版)」に出てくる「効用 48時間の睡眠薬」の部分は,さらに進んで薬効の経時変 化に関するものである.一方,日本では1804年に華岡青 州が世界で最初の全身麻酔薬「通仙散」を開発して外科 手術に用いている.この開発に係る人体実験の部分は妻 および実母の献身的犠牲という非常なものであった.

 化学物質の開発と利用については産業革命から20世紀 にかけて急速に展開して,「化学物質=文明の利器二良 いモノ」,という概念が成り立ちつつあったが,化膿性 疾患の特効薬スルファニルアミドが急性腎臓病を引き起

こす副作用(米国,1930年代),農薬による環境汚染影 響(米国,1940年代),サリドマイド薬害(日本・西独,

1960年代)が明らかになるなど,化学物質の毒(副)作 用が社会問題化するようになった.また農薬による環境 汚染問題は,Rachel Carson著のSilent Spring(米国,

1962年出版)でさらに世界的影響を与える事態となった.

    3.期待されていた化学物質の話

 化学物質は生活に「便利さ」あるいは「快適さ」を提 供するという期待が前提として存在するのが常である が,逆に深刻な副作用がある場合は,期待が大きい分だ け失望が大きくなる.

 DDTという有機塩素化合物がある.1873年に合成さ れた後はしばらく忘れ去られていたが,1939年にミュー ラー博士によって殺虫活性を持つことが発見されて以 来,衛生害虫の駆除に大きな効果を与え,人類の保健衛 生の向上に大きく貢献した化学物質である.そのために ミューラー博士は1948年,合成化学物質の殺虫効果の発 見でノーベル生理・医学賞を受賞している.しかし1950 年以降,DDTに雌性ホルモン様活性,神経毒性,生殖 毒性,免疫毒性,発ガン性,生物濃縮性,環境残留性な

どが次々と判明していったが,ノーベル賞の威力は大き く,遅ればせながら1971年にようやく農薬登録が失効さ

れた.

 DDTは農業害虫,衛生害虫などの駆除に絶大な効果 を発揮したので,その宣伝文句には DDT is good for

me!(DDTはすばらしい1) や Protects Your Children(DDTで病気を媒介する害虫から子供達を守ろ

う) などと書かれ,積極的な使用が行われていた(図2).

しかし,DDTが猛禽類に10万倍以上にまで濃縮される

こと,環境中では分解されて無毒化されることがないこ となどが明らかになるにつれて先進国では使用が禁止さ れている2}.しかし,マラリアを媒介する蚊の駆除では,

蚊の薬剤抵抗性の獲得がDDTに対してのみ低いことか ら,マラリアが発生する熱帯地域では使用が継続されて

いる.

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図2.期待されていたDDT

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       4.農薬の安全性の話

 化学物質の環境生態系への安全性を考慮するときの重 要なパラメータとして生物濃縮係数がある.DDTの生 物濃縮係数は数万から最大で10万以上という非常に高い 値であるが,これは有機塩素農薬にほぼ共通な傾向であ る.一方で有機リン農薬の生物濃縮係数は数十から最大 で千程度で有機塩素農薬よりも格段に低い2).これは環 境安全性が相対的に高いことを示している.残念ながら,

現在も「農薬=猛毒」という一般的評価は変わっていな いようであるが,初期の有機リン農薬であるパラチオン といった毒性の高い農薬による副作用あるいは自殺とい った印象があまりにも強烈であったためであろうし,マ スコミによる印象操作も原因であると考えている.現在 の農薬は非常に科学的で,緻密に計算された化学構造と 害虫には効くが人にはほぼ無害という高い選択性を持 つ.さらに法的にも非常に厳しい制限を受けている最も 発達した化学物質と言える.

 ところで,人類が農業を初めて1万年と言われている.

農業は常に病害虫との戦いの中にあり,つい最近まで人 類は非常に原始的な手法でのみ農産物を生み出してい た.本邦では大蔵永常が1826年(文政九年)に著した

「除蛙録」には害虫駆除の方法が紹介されている.その 中では害虫の駆除方法として主に松明を用いて夜に虫を 集めて殺す方法,油(鯨油,菜種油など)を撒いてそこ に虫を落として窒息死させる方法などが有効な方法とし

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て記述されている(図3).このような方法は江戸時代末 期まで一般的に行われたようである.明治時代では除虫 菊・石油・ヒ素・硫酸銅・石灰硫黄混合剤などが殺虫剤 あるいは殺菌剤として用いられるようになった.大正時 代では硫酸ニコチン,ヒ酸塩,マシン油,硫酸銅・石灰 混合剤(ボルドー液)などが用いられるようになり,と

くにコクゾウムシ防除にクロルピクリンが使用された.

大正時代になり,ようやく科学的根拠に基づいた手法が 採用されるようになったが,より高い効果を求めて登場 したのがDDTおよびBHC(有機塩素農薬)およびパラ チオン(初期の有機リン農薬)であった.これらの農薬 は人体や環境に対する安全性が欠けていたが,化学肥料 の増産もあり,コメの生産高は毎年増加して,結果とし て戦後の復興の大きな支えとなった事実は否定できな い.しかし,副作用としての毒性影響は看過できず,爾 来安全な有機合成農薬の開発が急速に進み,現在の農薬 の人への毒性はかつての1万分の1程度まで低下してい る.このことは1997年の農薬市場の73%は毒性が普通物 に分類(食塩と同程度の毒性と理解してよい)される農 薬であることからも理解できる.

農薬の発展と進化

埴逐(むしおひ)

の図。松明をとも し、鐘や太鼓をな らし虫適いをとな えて田のあぜを めぐリ、松明を田 に遠い野辺や河 原に捨てると、明 かりに集まった虫 も焼かれて死ぬ。

『除埴録』

大蔵永常著、文政九年(1826)黄葉園蔵全

人類が農業を始めてから1万年。

農業は,常に病嘗虫との戦いの中にあった。

つい最近まで,人類は非常に原始的な手法 でのみ,農産物を生み出していた。

の負担軽減に貢献していることから,現在の安全性の高 い農薬が人類生存にとって不可欠であることは常識とな

っている.

      5.廃棄物の安全性の話

 人類の経済活動は,主に生産と消費という形で成り立 っている.かつての経済活動は,消費したモノを土に返 せば自然のリサイクルのなかで物質は過不足無く循環し ていた.しかし,文明が発達するに従い消費の後に廃棄 処分されるモノ(すなわちゴミ)が多くなり,また生産と 消費のスピードが速く自然のゆったりとした物質循環に合 わなくなってきた.すなわち経済流通の動脈と静脈のバラン スに不均衡があるのが科学文明の特徴の一つといえる.

 廃棄処分された消費財は廃棄物(ゴミ)として扱われる.

2000年度では,日本ではゴミ収集車3720万台分にあたる 5209万トンの廃棄物が発生して,その77.4%が焼却処分

されて,その焼却灰が最終処分場に埋立てられている: ).

しかし焼却灰には,重金属・ダイオキシン類・芳香族炭 化水素・トリハロメタン・フェノール類・ビスフェノールA などの有害物質が高濃度で含まれており,これらが最終 処分場から雨水とともに地下へと浸透して,地下水およ び周辺河川を汚染する環境リスクが危惧されている4).

このような廃棄物最終処分場による環境水汚染を防ぐた めに,処分場底部に防水構造を施し,埋立廃棄物に含ま れる汚水あるいは降雨による汚染浸透水による地下水汚 染を防ぐ方策が取られ,さらに集められた汚水は水処理 施設で処理され河川に放流されることになっている.こ の汚水処理によってメダカへの致死毒性はほぼ100%取

り除かれたが,一部の処理水においてはメダカに催奇形 性および環境ホルモン活性を示すことが明らかになった

゜.廃棄物処分場の役割は環境保全のために非常に重要 であり,この問題については今後も注目すべきである.

図3.江戸時代における害虫駆除

 さて,残念ながら世の中にはいまだに農薬使用に異議 を唱える人々がいる.農薬を使用しなかったらコメの収 量は2/3以下に落ち込み,とくにリンゴに至ってはほぼ 100%被害を受けること,他農作物についても30−70%の 減収となることが実際の栽培実験から明らかになってい る.さらに農薬の使用によって単位面積あたりの収量は 約2倍,労働時間は1/5以下になっている.もちろん労 働時間の短縮は農業機械による貢献も大きいが,農薬に よる作業効率の向上も重要である.このように農薬の使 用により,短い労働時間での高収量が可能となり,農家

     6.ナノマテリアルの出現5)

 ナノマテリアルは外寸(タテ・ヨコ・高さ)のうち,少 なくとも一つの大きさが100nm(ナノメートル,1億分 の1メートル)以下の,既存物質で構成される全く新し い機能性化学物質である.例えばカーボンナノチューブ について,カーボンすなわち炭素は既に存在している化 学物質であるが,炭素一炭素が結合することでチューブ 構造を形成した結果,単なる炭素の集合体であるススと は全く異なる物理化学的性質を有するようになった.こ のようにして他にもフラーレン,Q一ドット,二酸化チ タン,金ナノ粒子,銀ナノコロイドなどのナノマテリア

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柏田祥策

ルが存在している.これらはナノサイズに起因する多様 な物理化学的性質(サイズ依存的な電気化学状態・高張 力・高弾力・高い電気伝導性・蓄電性・水素保持力・紫 外線非透過性など)をもつ.ナノ技術が発達した現在,

これらの加工技術も格段に進歩してナノサイズでの物質 加工が可能になっている.一口にナノサイズといっても ピンと来ないが,例えばDNAの二重らせんの幅は2nm,

バクテリアの大きさは約200nm,花粉の大きさは10,000 nm以上であるので,どの程度超微小なのか想像ができ

ると思う.このように異なる材質と機能をもつナノマテ リアルが電気製品・食品加工・包装・医薬品・衛生用 品・エネルギー関連部品・衣服・航空宇宙科学・化粧 晶・化学品・農業分野などで積極的に用いられてきてい る.Cientificaの調査ではナノテクノロジー市場は2015 年までに1兆米ドルを超えると予測され,その80%は医 薬・衛生用品部門であるとされている.とくにナノサイ ズの銀は市場全体の50%を占めると言われている.

 銀は抗菌活性を有することが古くから知られている.

さらに生物濃縮性と環境残留性のある有毒金属である.

既にナノサイズの銀(ナノコロイドおよびナノ粒子)の抗 菌活性を利用した家庭衛生用品の製品が多数市場に出回 っているので,先進国における化学物質の安全性を管理 しているOECD(経済協力開発機構)では,規制条項がな いナノサイズの銀の生体影響について米国を中心に検討 作業を行っている.

 7.ナノマテリアルの環境生態系へのリスク  ナノマテリアルはこれまで環境に全く存在していなか

った化学物質であるので,環境生態系にナノマテリアル を放出した場合の環境挙動および生態影響についてはほ とんど分かっていない.河口域生態系メゾコズムにおけ る金ナノ粒子(長さ4nm)の挙動研究では,海水に添 加した金ナノ粒子は底質(泥)および海草にはほとんど 吸着・濃縮しないが,微生物膜,小エビ,貝および魚か らは海水の100・10,000倍の濃度で検出された6)(図4).ま

たプラスチック製ナノ粒子(直径40nm)を用いた実験 では,ナノ粒子はメダカ受精卵に容易に濃縮されること,

成魚を用いた実験ではエラなどを介して血流に入り込 み,各臓器に分布することを明らかとした.また銀ナノ コロイド(直径4nm)を用いた研究では,銀ナノコロ イドを0.5mg/Lでメダカ受精卵に曝露した結果,胚発 達への強い毒性作用(心臓血管前膜水腫,管状心臓形成,

血栓,虚血症,脊索発達阻害,脳視神経発達阻害など)

を確認した.透過型電子顕微鏡観察および化学分析の結

果,銀ナノコロイドが卵膜を透過して胚組織内部に移行 していることが明らかとなった.ナノマテリアルによる 形態異常は,他の物質でも同様な報告があるので,ナノ マテリアルの毒性影響が物質特異的なものであるかにつ いては今後の検討が必要である.

Distribution ot Gold in EstUar ng Mesocosms atter Aqueous lntroduct on for 12 day8.

Phase(9,       CF S●awater(366 x los)篶水 S6diment(4.9†x104}虐貢 Biofilm(401 x 103)微生■■

Spartlna a|ternltlora 烏草

(graSS,1 50 x to3)

Palaemonetes pugio小コ:ピ

(graSS shrimp, t56}

100 33t 1.53XIO4 82t

†15x102

Cyprinodon variegatus小■負内■4.74 x IO2

(Gl tract and organs, sheepsh●ad minnow.225)

1|yanassa obsoleta(snait,5.5) 貝   t 67 x 102 Mercenaria mercenaria 貝     228 x tO4 0uvenile c|ams,10.O}      51 Feπv Kashwada et al Neture Nanotechnoloav 21441−4442009

図4.河口域生態系におけるナノマテリアルの挙動

      8.むすび

 化学物質と人間との関わりについて時系列的に理解す ることは,歴史を学んで未来を考えることと同様に重要 な作業であり,科学技術を人類と地球の発展に生かすた めに必須である.全く新しい機能性化学物質であるナノ マテリアルによって我々の生活がより便利かつ快適にな るのは望ましいのかも知れない.とくにバブル経済以降 の 失われた20年 のまっただ中にいる日本にとって,

ナノテクノロジーの発展による日本経済の復活は我々個 人にとっても非常に重要である.人類の社会は,歴史上,

様々な化学物質との不幸な物語を体験しながら発展して きた.そのため,より安心安全なナノマテリアルの開発 と利用のために,ナノマテリアルの環境生態系への影響 研究は今後も重要であると考えている.

参考資料

1)Walker, CH., et al.:Principles of ecotoxicology, London,

 Taylor&Francis(2001).

2)桐谷圭治・笹波隆文:環境汚染と生物1,東京,共立出版

  (1972).

3)炭谷晃平ら:ヒメダカおよびムラサキイガイを利用した焼却飛  灰溶出液の毒性評価,廃棄物学会論文誌,16(4),295−308

  (2005).

4)尾崎夏栄ら:ヒメダカを用いた埋立処分場浸出水の安全性  評価手法の構築,廃棄物学会論文誌別冊,14(5),278−287

  (2003).

5)柏田祥策:ナノマテリアルによる新たな水環境汚染と生態   リスク,環境毒性学会誌,12(1),19−32(2009).

6)Ferry, J.L, et al.,:Transfer of Gold Nanoparticles from  the Water Column to the Estuarine Food Web, Nature  Nanotechnology,4(7), 441−444 (2009) .

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