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論 文 内 容 要 旨 論文題目

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Academic year: 2021

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論 文 内 容 要 旨

論文題目

Cardiac nuclear high-mobility group box 1 ameliorates angiotensin II induced pathological cardiac hypertrophy by inhibiting DNA damage response pathway

(核内HMGB1DNA傷害応答を介してアンジオテンシンIIによる病的心臓リモデリング を抑制する)

責任講座:内科学第一講座 氏 名:髙橋 徹也

【内容要旨】

1,200

字以内)

【背景】High-mobility group box 1 (HMGB1)は核内に存在する非ヒストン

DNA

結合タンパク質であり、核の恒常性維持や

DNA

修復に関与することが知 られている。私たちはこれまでの研究で心筋細胞核内

HMGB1

が心不全モデル マウスにおいて

DNA

傷害を抑制し、心不全の進行を抑えることを報告した。し かし、核内

HMGB1

が心不全や心肥大に保護的に働く詳細なメカニズムについ ては不明である。

【方法・結果】ヒト心筋生検標本、新生仔ラット培養心筋細胞、心筋細胞特異

HMGB1

過剰発現マウスを用いて、核内

HMGB1

と心肥大との関連について 検討を行った。ヒト心不全患者の心筋生検標本を用いて免疫染色を行ったとこ ろ、健常者の心筋細胞と比較して有意に心筋細胞の核内

HMGB1

の発現が低下 しており、核内

HMGB1

発現低下は心筋細胞肥大、心筋線維化、血清

brain natriuretic peptide (BNP)値と有意な相関を示した。また、心不全患者の心筋細

胞では健常者の心筋細胞と比較して

DNA

傷害応答の調節酵素である

ataxia telangiectasia mutated (ATM)の発現が有意に上昇していた。新生仔ラット培養

心筋細胞を用いた検討では、免疫沈降にて

HMGB1

ATM

の相互作用を認め、

アンジオテンシン

II

投与にてその相互作用は減弱した。新生仔ラット培養心筋 細胞に

HMGB1

を過剰発現させると、アンジオテンシン

II

投与後の

DNA

傷害 マーカーγH2AX

ATM

の上昇が抑制された。HMGB1

siRNA

を用いて抑 制すると、アンジオテンシン

II

投与後のγH2AX

ATM

の活性化が増強した。

さらに、HMGB1を抑制するとアンジオテンシン

II

投与による培養心筋細胞の 肥大化が増強し、extracellular signal-regulated kinase1/2 (ERK1/2)のリン酸 化が亢進した。

ATM

阻害剤

KU55933

の前投与により、アンジオテンシン

II

よる

ERK1/2

の活性化は有意に抑制された。心筋特異的

HMGB1

過剰発現マウ スでは、野生型マウスと比較して、アンジオテンシン

II

投与による心肥大およ び心筋の線維化が抑制された。また、心筋特異的

HMGB1

過剰発現マウスでは γH2AX

ATM

の活性が低く、DNA傷害が有意に抑制された。さらに、心筋 特異的

HMGB1

過剰発現マウスに

KU55933

を投与すると、アンジオテンシン

II

による心肥大および心筋線維化を共同的に抑制した。

【結論】核内

HMGB1

ATM

活性を制御し、アンジオテンシン

II

による

DNA

傷害と

DNA

傷害応答を減弱させることで、病的心臓リモデリングを抑制すると 考えられた。

DNA

傷害応答を標的とした治療は心肥大と心不全に対する新たな 治療戦略の一つになることが示唆された。

(2)

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