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Preparatory Problems IChO 2012 Theoretical Problems

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Academic year: 2021

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Preparatory Problems IChO 2012 Theoretical Problems

問題17. 分子モーター

分子モーターは、細胞内で様々な物質を輸送する等の目的で普遍的に使われている。キ ネシンは重要な分子モーター(タンパク質)の1つであり、チューブリン(タンパク質)

でできている微小管(下図Microtubule)と呼ばれる繊維状の管の上を移動する。実際キネシン

(下図Kinesin) は、ATP加水分解酵素であり、ATP(アデノシン三リン酸)の加水分解を動

力にしている。

適当な濃度のキネシンの溶液中に長い微小管を加えるとしよう。この時、微小管に結合 しているキネシン(Pbound)、遊離しているキネシン(Pfree)、および微小管の表面にある キネシン結合可能部位(Site)について、次のような平衡を仮定する:

PboundPfree+Site

キネシン結合部位が微小管にどの程度占められているかは、質量作用の法則により平衡 定数Kdを使って次式のように表される。

ܭ

=

ሾܲ

୤୰ୣୣ

ሿሾܵ݅ݐ݁ሿ ሾܲ

ୠ୭୳୬ୢ]

ここで、[Pfree]は遊離しているキネシンの濃度、[Site]は微小管の表面にあるキネシン結合

可能部位の濃度、そして[Pbound]は微小管に結合しているキネシンの濃度である。

いま、微小管と結合しているキネシンは、その表面をv= 640 nm/sの速さで一定方向に移 動している。微小管のある所で管に対して垂直に交わる平面、すなわち横断面を想像しよ う。微小管のある横断面に対するキネシンの通過率を、1秒あたりに通過するキネシンの分

(2)

子の個数として計算しなさい。(この通過率は、分子モーターが一方向に動く効率を表す。)

計算には以下の情報を使うこと。

・微小管にはl= 5 nmにつきn= 16個のキネシン結合部位がある

・キネシン分子はそれぞれ独立に移動する

・微小管に結合しているキネシンと遊離しているキネシンは、動的平衡状態にあるとする

・平衡定数Kd= 0.5∙10–6

・[Pbound] = 0のときの[Pfree] と[Site]の値は、それぞれ[Pfree] = 100 nM, [Site] = 10μM

(訳者補足:ただし、Mというのはモル濃度の単位で、1 M = 1mol/Lである。平衡定数の 式における各濃度は単位Mでの値で表す)

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