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社会貢献と産学連携の新しい形

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Academic year: 2021

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生 産 と 技 術  第60巻 第3号(2008) 

社会貢献と産学連携の新しい形 

馬 場 章 夫 * 

巻 頭 言 

*Akio BABA 

 大学の役割は研究,教育に加えて社会貢献が重要 であるといわれ,これらについて定量的に評価され ます.これに対し,大学は自由な研究と人材育成が 真の任務であるとの「正論」があり,学外の方たち からも大学は「正論」を守り,独立法人化や最近の 風潮に流されようにとの励ましを多くいただきます.

しかし,研究,教育とは別に社会貢献という言葉が ことさらのように付け加えられた事実は,やはり「正 論」だけでは通用しなくなっているということです.

永久に存在するかもしれない正論は宗教以外にない と思います.独立法人化は明治維新以来のできごと であり,最近の研究と教育は否定されたと受け止め るのが大学人には必要ではないでしょうか.新しい 正論を構築して,社会から尊敬され信頼される大学 へと大きく発展することのできるチャンスに恵まれ たと受け止めるべきではないでしょうか.とくに若 い方にとってはすばらしい時代です.託したいと思 います. 

 根本的に変えるには,仕組みを変え,人を代える のが効果的ですが,急にできる話ではありません.

しかし,従来型のものをいったん否定してみること は必要であり,工学研究科においてもさまざまな変 革を試みています.教員の任期制と評価の仕組みの 構築,フロンティア研究センターおよび高度人材育 成センターの設置,振興調整費などによる大型研究,

グローバルCOEなどによる教育プログラム,さら には人事システムを変える目的の「若手人材育成プ ログラム」の導入などが進められています.これら は,新しい形での研究と教育を確立し,それを力と して優秀な人材,特に若手研究者,博士課程の学生 を集めて育てることが重要であるとの認識に立った ものです.人気ある阪大工学研究科を夢見ています. 

一方,産学連携も同様であり,新しい形を常に模索 していきたいと思います.社会は速い速度で変化し ていますので,対応していく必要があります.社会 貢献という言葉は好きではありません.何か高見か らものをいっているようですし,強要すべきことで はないと思います.工学研究科では産学連携が得意 ですので,これを手段として人材を育て大学での研 究を確立できればいいと考えています.貢献などと 肩を張らずに,産学連携も社会と大学が常識に従っ て普通に共同で活動することが,阪大工学研究科ら しさではないでしょうか.このような考えのもとに 設立された共同研究講座については,その内容はす でに紹介しましたので繰り返しませんが,制度がで きて 2 年間で 10 講座(全学では 14 講座)を数える までになっており,これからも順調に成長していく と期待しています.この講座制度などを使って社会 の方との距離をさらに近いものとしながら,新しい 連携の形を作っていけると信じております.阪大ら しい,柔軟な運用で若い研究者や学生が主体的に活 躍でき,研究教育の場ともなるような産学連携のあ り方を期待しております.そのためには,産学の強 固な相互信頼関係の構築が何よりも重要です.協会 に所属されています諸先輩のご支援を切にお願い申 し上げます. 

−1− 

1949年1月生 

大阪大学工学部応用化学科(1971年) 

現在.大阪大学大学院工学研究科 教授  工学博士 有機合成化学       TEL:06-6879-7384 

FAX:06-6879-7387 

E-mail:[email protected]

A contribution to the society, industry-university cooperation.

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