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■研究の背景と目的

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Academic year: 2021

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第14回 研究助成事業成果報告会

既存ダム施設の三次元モデル化に関する三次元計測技術の 有効性検証と最適詳細度解明に関する研究

エンジニアリング本部 山根 隆弘

(2)

■研究の背景と目的

【背景】

・ダムを含めた日本の社会インフラは新規建設から維持管理にフェーズが移行。

・高度経済成長期、もしくはそれ以前(1970年以前)に建設されたダムに ついては、最終形の図面はほとんど残されていないと想定される。

・ハード面においては三次元計測に関する技術が急速な進歩と汎用化を 遂げている。

【目的】

既存のダムを三次元モデル化するとした時に、三次元計測技術を活用して、

計測 ~ 三次元モデル化まで実際にできるのか … やってみる。

・三次元計測データの①有効性を検証(使える?精度は?)

・維持管理を目的としたモデルを作成する際の②最適詳細度を解明する。

(3)

三次元計測技術の有効性検証

(4)

■調査対象 (大倉ダム【仙台市】)

大倉川上流に位置するダブルアーチ式コンクリートダム

洪水調節・かんがい・上水道・工業用水・発電を目的とした 多目的ダム

建設工事は、旧建設省直轄事業として1958年(昭和33年度)

に着手し、4年の歳月を経て、1961年(昭和36年度)に完成

ダム管理は1962年(昭和37年度)

から宮城県が行っている

項 目 内 容

型式

ダ ブ ル ア ー チ 式 コ ン ク リートダム

アーチ軸線半径 82m

堤高

川谷

82m

、台地

42m 堤頂長 323m

堤体積 226千m3

(地理院地図)

(5)

■使用した三次元計測機器

計測機器 : ライカ C10、ScanStation 2

単発測定精度(※1~50m範囲)

>> 座標 :± 6mm

>> 距離 :± 4mm

>> 角度(鉛直/水平): 12’’

タイム・オブ・フライト方式

C10 ScanStation 2 ターゲット

(複数箇所の計測データ を合成する際の目印)

(6)

●:計測位置(30箇所)

●:ターゲット設置位置(30箇所)

■三次元計測位置

(7)

■三次元計測データ(点群)

30箇所の計測データを統合

(8)

■計測精度

モデルサイズ:3,934 mm

実測値:3,930 mm

(ダム下流部に位置するポンプ施設を対象 として点群からモデルを作成し、その

サイズを計測)

(メジャーを使用して実測)

(9)

■三次元計測データの有効性検証結果

<有効性>

今回全貌を計測するのに30箇所からの計測が必要となったが、

シンプルな重力式ダムであれば8箇所程度で全体を計測でき ると考えられる

⇒ 形状が複雑なダムでも計測できた。

>> 下記留意点があるが … ダムでも使える!

精度確認のため、ポンプ施設を対象にモデルサイズと実測値 を比較したところ差は4mm

⇒ 図面を「cm」で管理している土木分野では、十分適用できる。

>> 精度は十分!

<留意点>

ダムを見通せる計測場所の有無が、データに大きく影響

(樹木等により見通せない > 計測箇所が多くなる・撮れないこともある)

計測機器が10kgを超える重量

⇒ 急な斜面等を運ぶことは困難

(計測機器が重たいため、行けない場所がある)

可視光レーザの場合、周りの状況(人がいるところ等)に配慮が必要

(10)

最適詳細度(LOD)の検討

(11)

■三次元モデル

三次元計測データ(点群)を背景とし、

トレース作業により作成した三次元モデル

堤体:サーフェスモデル

(通常はソリッドモデル)

(12)

■詳細度の定義

詳細度 共通定義

100 対象を記号や線、単純な形状でその位置を示したモデル。

200 対象の構造形式が分かる程度のモデル。

標準横断で切土・盛土を表現、又は構造物一般図に示され る標準横断図を対象範囲でスイープ(押し出し)させて作 成する程度の表現。

300 附帯工等の細部構造、接続部構造を除き、対象の外部形状 を正確に表現したモデル。

400 詳細度 300 に加えて、附帯工、接続構造(ボルトは除く)

などの細部構造及び配筋も含めて、正確に表現したモデル。

500 対象の現実の形状を正確に表現したモデル。

「CIMに対する各工種の統一的な詳細度の定義(案)」

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■最適詳細度の検討(地形 検討モデル

LOD 100相当 LOD 200相当(10m~5m)

LOD 200相当(5m~1m) LOD 200相当(1m未満)

地形に関しては、場所や範囲等を考慮して詳細度を検討する必要があるが、

(14)

■最適詳細度の検討(ダム堤体)

LOD 100 LOD 200

LOD 300 LOD 400

堤体は巨大な構造物であることから周辺設備との位置関係を示す基盤データ

(15)

■最適詳細度の検討(機械設備:放流設備)

LOD 100 LOD 200

LOD 300 LOD 400

機械設備については、紐づける点検結果の内容から、概略図形で良いと考える。

(点検帳票は状態の良し悪しを記すものであるため、点検帳票との紐づけの

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■最適詳細度の検討(計測機器:漏水量測定)

LOD 100 LOD 200

LOD 300 LOD 400

計測機器は形状が小さいく、紐づける属性も主に測定値となるため、球体もし

(17)

■最適詳細度( LOD )の検討結果

(LOD200に記載のサイズは…

TIN

サーフェスを構成する ポイント間隔)

詳細度 地形

100相当 ×

200相当 10m~5m × 5m~1m △ 1m未満 ○

詳細度

ダ ム 堤 体

機械設備

計測 取水 機器

設備

放流 設備

ゲート

設備 係船 設備

(建屋)

ポンプ 設備

(建屋)

100 × × × × △ △ ○

200 △ ○ ○ ○ ○ ○ △

300 ○ △ △ △ ‐ ‐ ×

400 △ × × × ‐ ‐ ×

500 ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ ‐

(18)

■まとめ

形状が複雑なダムを対象としたが、

「三次元計測」⇒「三次元モデル作成」までやり遂げた。

計測できた。精度は十分。

検討結果の概要は以下のとおり。

・地形と堤体はできるだけ外部形状を正確に

・機械設備は概略図形で良い

・維持管理における三次元モデルを作成する際の②最適詳細度を解明する。

・三次元計測データの①有効性を検証(使える?精度は?)

【目的】

既存のダムを三次元モデル化するとした時に、三次元計測技術を活用して、

計測 ~ 三次元モデル化まで実際にできるのか … やってみる

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ご清聴ありがとうございました。

参照

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