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フランスにおける賃金の法的性質に関する一考察(こ

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(725)

馨△

百冊

説 フ ラ ン ス に お け る 賃 金 の 法 的 性 質 に 関 す る 一 考 察 ( こ

ー 賃 金 控 除 の 理 論 的 基 礎

坂 本 宏 志

89

はしがき 目次

第一章フランスにおける賃金体系と法制第4節賃金の意義および性格﹂賃金の意義

一一社会保障法上の賃金の観念三労働の給付と賃金との関係第二節賃金の種類.狭義の賃金

二現物給与三諸手当第三節賃金に関する法規制]賃金額の決定二賃金支払に関する規制

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神 奈 川法 学 第34巻 第3号2001年 90

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第四節反ストライキ手当(以上本号)

第二章ストライキと労働契約の停止

第三章ストライキに対する賃金控除の諸問題

第四章賃金控除の根拠

は し が き

わが国ではこれまで一般に︑﹁霧の提供がなされないかぎり賃金請求権は発生しない﹂とい・つ定式が︑あたかも

法原理として確立しているかの如くに考えられて来たが︑この定式はそれほどに自明のものであろ︑つか︒この定式は︑

これまでストライキや︒ックアウトなどの集団的労働紛争から生じる賃金問題を解決する機能を営んで来た︒けれど

も・この定式の根拠・性質および内容については︑未だ+分に解明がなされたものとはいい難い︒以下に述べるよ︑つ

に・むしろ・問題点が+分に把握されていないというべきであり︑議論が成熟しないまま現状が黙認されているとい

うことすらできるのである・賃金と労働とが労働契約の最も根本的な要素であることに鑑みれば︑この未解明の問題

は・労働契約論の基本的部分またはその不可欠の前提として位置付けられるべきものである︒本稿における︑王たる関

︑いもまた・賃金と労働との法的関係︑すなわち対価的牽連関係を理論的に解明する指針を探求することにある︒

労働契約が双務契約であることは疑われていない︒したがって︑労働者の負担する霧と使用者の負担する債務と

は・互いに対価的牽連関係に立つ︒両債務の主たる内容についていえば︑労働者は労務に服する債務を負担し︑使用

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フ ラ ン ス に お け る 賃 金 の 法 的 性 質 に 関 す る 一考 察(1) 9ユ

者は賃金(報酬)を支払︑つ債務を負担する(日本民法笙三三条).そして︑抽象的には・賃金が労働の(あるいは労働力の)対価であることは︑比較法的にも異論な奉認されているところである・しかし・賃金と労働との間に対価関係が存するとはい︑尺︑このことから当然に︑﹁霧の提供がなされないかぎり賃金請求権は発生しない﹂という原理が導かれるわけではない︒双務契約における芳の霧の不履行が反対霧の帰趨に影響を与えることがあるのは確かであるけれども︑そこで鯖される法技術は︑すなわち対価的牽連関係の発現形式はご様ではない・しかも・それらの技術は︑﹁請求肇発生しない﹂という帰結を備・えているとは限らず︑むしろ・霧不履行の場合の反対債務の帰趨については︑消滅するかしないかを問うのが響である.したがって︑労働者の霧不履行の場合における使用者の賃金支払霧の存否をめぐる紛争の解決に︑独自の原理が混入していたという疑いが残る・もとより︑労働契約が労働法に特有の原理に服すことがあることに異をとな・えるものではない・例えば・労働契約

の特質は︑当事者間の支配従属関係や賃金の生活費たる性格などから説明され︑これらは労働立法を促す契機となる・けれども︑もし﹁霧の撰がなされないかぎり賃金請求権は発生しない﹂という定式が・労働法に特有の原理に立脚したものとして位置付けられると解するのであれば︑この仮説には次のような疑問が提起されよう・この定式は賃金とい︑つ労働者の轟な権利を承認しないという結論を導急のであるのに︑どうしてこのことを労働法に特有の原理から説明できよ・つか.このよ・つな秦で︑労働契約における対価関係に上述のような独自性を認めるか否か・そして独自性を認めるならばそれがどのような根拠に基づきどのような射程を有するものであるのかが問われなければならないはずである︒

このよ︑つな意味での基礎理論が+分に検討されないまま︑具体的な紛争を解決する準則が確立していくならま・個々の準則に導かれる解決の相互の禁・性が疑わし‑なる︒逆の見地からいえば︑具体的紛争に適用される諸準則の

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神 奈 川法 学 第34巻 第3号2001年 92 {728)

理論的整合性を改めて検討する必要があるといえるのである.現実にも︑賃金の支払いをめぐる紛争は︑労使間の紛

争の中で・特に多く提起される類型の;であり︑しかもこのような紛争における法解釈上の難問は︑そのよ︑つな基

礎理論に多かれ少なかれ関連するものである︒

本 稿 に お け る 具 体 的 検 討 の 素 材 は ︑ 主 と し て 集 団 的 労 働 紛 争 に 関 連 す る 妻 で あ る . 集 団 的 労 働 紛 争 を 検 討 の 対 象

とするのは・次のような理由による・労働の給付がないという状態は︑欠勤一般について同じである︒ところがム.日

では・集団的労働紛争の場合を除き︑欠勤したことによって労働者が賃金またはこれに代わる収入を全く獲得できな

い場合というのは・むしろ少なくなってきている.また︑全く理由のない無断欠勤の場△・には︑賃金支払請求が提訴

されることがなく・研究の素材に乏しい︒したがって︑現実に︑労働が給付されないことと賃金が支払われない.﹂と

とが同時に最も明瞭に現われ法的紛争となるのは︑ストライキを中心とする集団的労働紛争の場△・であって︑これが

基礎理論の研究にとっても適当な素材であると考えたのである︒

労働者がストライキを行なうと︑所定時間だけ働いたならば支払われるはずの金額から︑ス上ブイキ期間に対応す

る金額が控除されて・賃金が支払われる︒わが国では︑争議行為を理由とする賃金のこのよ・つな控除を︑一般に︑

蚕金カットLと呼んでい(親・こうした賃金の控除から生じる法的問題は︑蚕金カッあ薩L﹁霧の不完全提供

と賃金カット﹂﹁争議不参加者の賃金請求権﹂百ックアウトと賃金Lなど多岐に分かれ︑それぞれの妻についてど

の程度の賃金カットを認めるかが︑従来から盛んに議論されてきた︒ところが︑一般に︑労働をしないと賃金が支払

われないこと自体は当然のことのように考・えられており︑このことが﹁イ7ク.ノーペイ﹂とい︑つ圭口葉で表現さ

れてきた・しかし・ノ占ーク・イペイの原則とい・つ法原理を承認することができるか︑できるとすればそれはど

のような根拠に基づくのかについては︑理論的に未だ+分に解明されていなかった︒実際にも︑右に挙げたさつない

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93 フ ラ ン ス に お け る 賃 金 の 法 的 性 質 に 関 す る 一考 察(1)

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くつかの争占だ対して︑ノ占些・ノーペイ論が資するところは必ずしもはっきりとはしていない(ヒこのイワーク.イペイ論の内容に対する理解自体も必ずしも廉ではなく圃)・

賃金控除の理論廃を概略的に考︑尺るならば︑賃金支払時期においてそもそも具体的蛇粟権が発生していないとい︑つ解釈と︑一日塞した請求権が何らかの事由に基づいて濃するという解釈とが考えられる・⊥剛述のようにわが国

では︑褻に晶削者の蔑が支持されているようにみえるが︑その根拠に関しては・民法第杢四条第項を根拠として︑賃金請求権は霧の給付がなされて初めて発生すると説明されることもあれ塵民法第五三六黍墳を根拠として︑当事者双方の主貝毒すべからざる事由により霧給付の履行が不能となれば賃金を請求することができなくなると説明される.ともある︒これらはいずれも︑労働法における独自の法理というよりも・既存の民事法の理醐を労働契約にあてはめたものと解せられるが︑両者の関係は必ずしも明らかにされていない巨・賃金控除から生じる諸問題の具体的解決についても︑双務契約の芳の不履行として考えるか︑葎行為の条件の問題として考えるかで・法的燈は異なるものと考︑蚤れる︒第六二四条を根拠とする見解についてい・えば・労働者にとって労働は・霧ではなく単なる停止条件にすぎないものと考︑えられるのであろうか.一般の双務契約にあっては・芳の霧の履行が当然に他方の霧の発生原因となっているわけではない.また︑第五三六条を根拠とする見解についていえば・﹁反対給付ヲ書ル権利ヲ有セス﹂とい・つ文言口が︑なぜ賃金請求禦発生しないという解釈と結付くのかを明らかにする必要があろう︒

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神 奈 川法 学 第34巻 第3号2001年 94

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伴う賃金の不払いは・鶴契約の停止から生じる結果の;であると説明されているかのよ・つにみ︑える.わが国にお

いても・このような〒︒ッパ流の契約停止理論を墓控除の根拠として積極的に承靭恥しよ・つとする見解が小数なが

ら存在す(解確かに・労働契約が停止してその効力が生じないが故に使用者は任貝金支払霧を免れるとい︑つ説明は︑

簡明ではあるが・少なくともフラ三においては︑具体的妻との関係でさらに理論的な補強が必要となる.そして

とりわけ注目すべきことは・ストライキに際しての賃金控除か星じる紛争を解決するために停止理論を纏する試

みにおいて・不可抗力理論をはじめとすゑ般契約法理が墨な影響を及ぼしていることである.三において︑ス

トライキにより生じる民事紛争が停止雲醐により処理されるとはいっても︑賃金の問題に限ってい︑姦︑やはり契約

法の原理に頼らざるを得ない状況が認められる︒

本稿は・契約停止理論をわが国の法解釈に導入することの可否を直接の対象とするものではないし︑あ︑尺てい︑えば︑

その回答にも消極的とならざるを得ないが︑少な‑とも停止理論の射程を明らかにする必要はあろ︑つし︑その賃金に

及ぼす影響についてはとりわけ慎重な検討を要するものと解される︒

本稿では・傷契約停止理論が一応定着をみているフランス法において︑集団的労働紛争より生じる賃金控除をめ

ぐる紛争の解決のために機能する法原理を探求する}︺とが︑検討の中心となる.停止理論のほか︑フ一フ・ノスでは︑使

用者の仕事給付霧などのような特徴的な饗繭護も見られ︑ドイツにおける畷説(Q︒9警Φ口9Φ9Φ)ないし経営

危険(ゆΦ幕σω曇."量仁§馨量問題のとら・え方とは対照をなしている.また︑ドイツではスト不参加者

の賃金請求などの問題について集団的かつ労働法的解決が主流であるのに対し︑フ一フンスでは個別的かつ契約法的ア

ブ︒ーチがなお優勢であることを指摘することができる︒さらに︑フランス法におけるス上ブイキやロックアウトに

関して・わが国の研究者による研究は少なくないものの︑賃金控除の観占{からの研究は未乍分ではなく︑また︑フ

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フ ラ ン ス に お け る 賃 金 の 法 的 性 質 に 関 す る 一.察(1) 95

一フ︑ノスの賃金一般に関する法的研究はこれまで非常に少なかったことに鑑み︑賃金に焦点をあてた研究の必要性も疑いのないところであろうむ

労働契約の停止の原因となる事由は︑後に述べるように︑ストライキには限られず・多数の停止原因があり得る・これら中には︑互いに性格を異にする多様な原因が含まれている.その中でも︑本稿が主として集団的労働紛争を原因とする停止を検討対象とするものであることは︑既に述べた通りである.フランスにおいてもやはり・疾病や崖などを原因とする停止においては︑むしろ墓保障がなされる場合の方が一般的であ^魏・このことは・民事契約法とは異なる︑労働法あるいは社会法に讐の原理に立脚したものとみることができよ(・廼・これに対し・前述の如く・ス上ブイキを原因とする停止においては︑労働を給付しないことに伴う賃金の控除がより鮮明に現われてくるのであ

賃金の喪失を契約停止の;の効果とみるとして鎚停止の効果はこれだけに腎れるわけではない・むしろ・停止の基本的効果は契約関係の維持にあるといわれている.停止埋論が承認されるに至って・労働契約関係が維持されることになっても︑少な≦もスト期間に対応する賃金が支払われないという現象の面では・特段の変化があったよ︑つには見︑えない.すなわち︑ス上ブイキを原因とする労働契約停止の理論がフランスにおいて承認される以前においても︑使用者が賃金を支払わなければならないと解釈されていたわけではない・本稿においては・停止の効果の中でも︑特に賃金控除を取り上げることになるが︑本稿の関心の中心は︑停止理論そのものではなく・賃金控除の理藩成にある.この関心から出発しても︑確かに︑停止理論は避けて通ることのできない問題であるということができるが︑古典的市民法の原理をそのまま適用することから生じる非可酷な彙を回避するという停止理論の主要な効果と・賃金控除とが︑正反対の方向付けを有していることを認めるならば︑停止理論の賃金に及ぼす影響は独立した検討対

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神 奈 川法 学 第34巻 第3号2001年 96 (732)

象としての意義を十分に保ち得るものと解される︒

本稿では・わが国で慣用されている賃金カーという用語を避けて︑賃金控除とい・つ語を用いるが︑念のため︑次

のことを指摘しておきたい・わが国の労働基準法第二四条には︑賃金全額払の原則が・つたわれ︑賃金の控除は歪さ

れるけれども・同条にいう控除とは︑履行期の到来している賃金債権についてその蔀を差し引いて支払わないこと

をいうのであ毒・未だ発生していない任貝金債権について使用者がこれを支払わない,︺とは任貝金控除には該当しない.

このような意味での控除という用五叩は︑理論獲に薯したものであるが︑本稿における関心もまさに.三にあるわ

けであるから・検討を進めるうえでは︑控除の意味を特定の理論護に限定しないこととしたい︒したがって︑本稿

で賃金控除とは・所定の労働を給付したならば支払われるであろう金額に対する減額を立︑心味する.なお︑フ一フ︑ノスに

おける賃金控除(幕霧ω¢監︒・量についても︑同様に法文上は社会保険の保険料の控除のよ︑つなものについて

用いるのが本来の用法であろうが︑慣用上はストライキに対すゑ貝金カットの場△・にも用いられている︒

本稿における検討の手順として︑まず第章では︑賃金と蕎との対価関係に切田立︑心しながら︑フ一フンスの任貝金体系

を概観し・とりわけストライキを理由とする不払が問題となる雪等に検討を加︑える︒これは︑控除できる賃金と控

除できない賃金とをどのように区別するかという問題に関わる黍であるが︑さらにい︑凡ば︑各種の任貝金が双務契約

における芳の債務としてどのような意味において対価関係を有しているかを黍すゑ剛提ともなる.次に第二章で

は・具体的問題点を考察する前提として︑ストライキか星じる紛争に適用される労働契約停止の法理のメカニスム

を検討し・この理論だけで賃金控除に関する紛争解決に+分であるかど・つかについて︑問題提起を行なつ︒第三章で

は・集団的労働紛争に関する具体的事例および判例学説を検討し︑ヨフ・ノスにおける紛争解決および理論状況を概観

す る ・ 第 四 章 で は ・ 芳 当 事 者 の 霧 不 履 行 の 反 対 霧 に 及 ぼ す 影 響 に 関 す る 双 務 契 約 に 特 有 の 同 時 履 行 の 抗 弁 ︑ 危

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フ ラ ンス にお け 嶺 金 の 法 的 性 質 に関 す る 堵 察q ) 97

険負担︑解除などの法理を賃金控除に適用する可能性を検討する・

雛 雛 礁鱗 瀞 灘 駒欝 鵜 嚇

な お ︑ 本 稿 は ︑ 平 成 四 年 に 北 海 道 大 学 で 学 位 を 受 け た 博 士 論 文 に 袈 訂 正 し た も の で 舞

本 稿 で 多 く 取 り 上 げ た 文 献 の 略 語 表

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(10)

98 神 奈 川法 学 第34巻 第3号2001年

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(11)

(735)

フ ラ ン ス に お け る 賃 金 の 法 的 性 質 に 関 す る … 考 察(1) 99

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(12)

100 神 奈 川法 学 第34巻 第3号2001年

(736)

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(6)

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(13)

(737}

フラ ンス にお け る賃 金 の 法 的 性 質 に関 す る一考察(1)

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(14)

102

第 一 章 フ ラ ン ス に お け る 賃 金 体 系 と 法 制

第 一 節 賃 金 の 意 義 お よ び 性 格

神 奈 川法 学 第34巻 第3号2001年

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一賃金の意義

フランスにおいても二般に・賃金(ω四一塁とは蕎の対価(§§曽冨Φ)であると定義されるが︑場労働

誕 .雛 額 雛 髪 礁 鞍 い省 ︑鴛 藤 羅 認 籔 鶴 購 鵠 凱 駿 翫 耀 糖 藁 雛 難 魁匙 紮 郵 報 臓 鰐 蕪 綾 縫 雛

というものも・古典的あるいは契約法的角度を土.心味するものと解される︒

使 用 者 の 労 讐 に 対 す る 給 付 は 多 様 な 形 態 を と る が ︑ こ れ ら が そ れ ぞ 巷 金 と し て 性 格 付 け ら れ る 書 つ か を 問 ︑つ

実益は・賃金法制に服すべきものあるいは他の給付を算定する基礎となるものを明らかにすることにある.したがっ

て・墓たる性格付けは︑それが問題となる局面羅て異なるものであって︑この音心味では︑賃金という法観今心は

実は必ずしも一貫したものではなく相対的なものである︒

賃金は本来定額の報酬蚕醤¢・ph・登塁であ霊表現されることがある.この土.心味するところは︑使用

者の経営上の利華損失から独立したものということである覆に述べる奨励手当などの賃金に付随する諸給付は︑

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フ ラ ン ス に お け る 賃 金 の 法 的 性 質 に 関 す る ・考 察(1) 103

これに賃金たる性格が認められ賃金法制が適用されるとしても︑企業の讐に関係付けられることが舞また・月

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神 奈 川 法 学 第34巻 第3号2001年 104

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{740)

二社会保障法上の賃金の観念

労働法典には賃金を定義する規定がないが︑社会保障法典はこれを備えている.社ム云保障の一般制度において拠出

非 常 に 広 い 定

金(Oo口ω四口○⇒)の算定に用いられる賃金の墾について︑社会保障法典L第二四二の一条第頑は︑

(17)

(741)

フ ラ ン ス に お け る 賃 金 の 法 的 性 質 に 関 す る 一 考 察(1) 105

義を採用している.すなわち︑同条は︑﹁労働の対価として(§§§吋雪しまたは労働を契機として(卿肥︒.︒鋤ω一︒口畠=けh‑︒<鋤ε労働者に支払われるすべての書は報酬(雪藷曇塁とみなされる﹂と規定してい(解この﹁労働を契機として﹂とい・つ部分が定謬非常に広いものとしている.学説によると︑こうした拡張の茜は・詐欺の防止と財源の強化にあるといわれている.労働を契機として支払われる薔に警するためには・判例の非常に拡張された考︑秀によると︑それが被用者に被用者たる立場において支給される金員・すなわち企業に現在または

過 去 に 帰 属 し て い る こ と を 理 由 と し て 支 払 わ れ な 謀 ば な ら な い 貧 で あ れ ば 足 匙 . 労 働 契 約 停 止 期 間 中 に 支 払 わ れ 粛 付 も ︑ 多 く は 拠 出 金 の 篁 疋 の 譲 に 箋 さ れ る . し か し ︑ 企 業 の た め に 労 働 者 が 支 出 し た 費 用 の 返 戻 は 算 入 さ

社会保障糞がこのよ・つに賃金について広い定義規定をおいていることから︑労働法上の賃金たる性格をもたない

灘  難 纒 難 籍 融鍵 嫁 赫 謡 蘇 牒蕪 縫 羅

もか諾らず︑拠出金の納付を霧付けられることから︑使用者は企業委員会に償還請求することができるとする判例がある.こ︑つしたことは︑同じ給付について︑(勝働法と社会保障法とで異なる法的性質が付与されるという解釈をもたらすことになり頁性がないと指摘されている︒むしろ積極的に︑社会保障法典の定義を参照して解墾一醐をたてる立場が増︑凡てきている.すなわ焔い虜働を契讐してL支給される給付は︑単にこれだけの理由で労働法上も賃金であるとみなされるというのである︒

(21)2

(18)

神 奈 川法 学 第34巻 第3号2001年 106

纏 )い蠣 縫 麺 確 魏 蘇轟 難 舞 議 鱒 総 赫 籠 肺 麟 ︑繋 罫

(31 ) 8 糞 奪 鑓 藷 咋 匹ギ Φ ω. .琶 き 炉 垂 卜・・ ξ ξ 箋 一⁝ 叶 ぎ ・ Φ毫 企 業 が 琴 偽 警 び

P一恕(uこも二§舞§ひ"︒・①ξ翼・§旨堕ξ⁝ξ§なお︑肇院判例に対して下馨裁判所が示した華の抵抗に

(51)総 繕 馨 鴫 野 ⑭縫 賑 緯 鈷 鞭 酎騰 韓 翻 擁

92<9ωω§Φωω一四一吋ΦωΦω§Φ一︽.ヨ.

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(81 ) ピ麹 雛 繕 馨 ω.難 婆 矯 蕪 露 錐 礎 馨 銑 縫 ︑..仲 欝 肋聾 鰐 .難

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{742)

(19)

107 フ ラ ン ス に お け る 賃 金 の 法 的 性 質 に 関 す る 一 考 察(1)

(743}

三労働の給付と賃金との関係

先に指摘したとおり︑賃金とは被用者が給付した労働の対価であると定義されるのが一般的である・この定義において︑羅付したLとか﹁供給された﹂という形容詞が付されていることの法的嚢の解明は・本稿の忠テ←にも関わる︒この定義を審に解すると︑労働が供給されていない限り賃金請求権が存在し得な℃﹂とは・賃金の定義

雛 蕪 趣 縫 続 雛 継 雛 稜 賃藤 難 麺 鑓 麹 麟 旅

導かれたものである..あ故に︑賃金控除の法的根拠の核心は︑労働契約が双務契約であるという性格付けを与えられていることにあると解すべきことになる.賃金の定義に上記のような形容詞が付されていることから・安易に賃金が停止条件付霧であると帰薄%ことはできない.実際にも︑労働を;の商品と見立てたときに・賃金が士冗買代金であると比喩されることがあるが︑翫のことは︑対価の意味が売買等の双務契約と極端に異なる意味に解釈されるべきでない︑﹂とを物語るものとい︑尺よ・つ.賃金控除の法的根拠を双務契約の諸制度の中に求める目葎的検討は・第四章において展開する︒

また︑右のよ︑つな定乗承認されるにせよ︑労働の給付がないにもかかわらず支給される賃金は少なくないゆ第三章において検討する集団的労働紛争から告る賃金控除の問題に与えられる解決は・労働の給付の存否を必ずしもその決め手としているわけではない.それでは︑いずれが原則かといえば︑労働の給付がない場合には賃金が控除されるのが原則であるといわざるを得ない.調ば判例は︑﹁契約の展開するなかで︑労働の給付がなされなかったときは︑報酬は霧付けられない﹂と述べている︒また︑労働という対価守葎上支払うべきものとされている報酬

は︑例外的なものとみなされなければならず︑その結果︑限定的に解釈されなければならないとする判例もあ(麺・

(20)

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潔 霧 講 総 馨 ・.籍 騰 羅 曇 ・難 雛 慈 諺 鱗 線

仕事の閑散を理由として休業を命じられこれに応じた女子賢が休蕩間中の賃豊硝求したもので︑肇院は︑使用者に休業を

(23)︒・ρb9ω"ω<・悉.

翻 竃 Φ涜 騒 .薄 募 怨 ρ撫 藤 鷺 簿 担 債 筆 蓼 労 働 契 ー ー ー 意 味 合 いを 持

(%)た駆ω .・§三ー奮・喜・㊤.・ξ・ωは・このよ・つな給付も使用者から支払われている限佳金の範疇に属するとする.

Φ§︒・︒・.

麺 雛 襲 糞 臨 紳 麟 蓬 は ・ 籍 休 蕎 中 に ・ 休 日 架 橋 (塁 製 に 森 暴 っ た ‑ し て ︑ 労 瑠 疋 上

の補足手当が請求された妻である・原判決は︑協定が有給休暇期間中の架橋が生じることについて何ら制限を規定していないと

して・請求を馨した・これに対し肇院は︑﹁労働の給付なき報酬の例外的支払に関する葎の窺定は︑これが何ら規定して

{

(744)

(21)

(745)

フ ラ ン ス に お け る 賃 金 の 法 的 性 質 に 関 す る 一 考 察(1) 109

第 二 節 賃 金 の 種 類

一 狭 義 の 賃 金

狭義の賃金は︑時間賃金(ω‑︒}餌一NΦ山§量と能率賃金(垂NΦp・¢§§Φ8との・二つのタイ・フの賃金からなる︒時間賃金は︑歪の労働時間に対応して履行された労働の対価として支払われる賃金であり・これが最も普及している賃金の形態である︒能率賃金は︑歪時間内において労働者が実現した生産圏夏に対応する賃金である・これらが賃金体系のうちの最も基本的な部分を構成すると考えられている︒

賃 金 は 労 働 契 約 の 萎 で あ る . 賃 金 な ‑ し て は 労 働 契 約 は 存 在 し 得 藁 し た が っ て ・ あ る 契 約 が 労 働 契 約 で あ る

か否かを決定するには︑報酬とい・つ案が不可欠である︒かつて︑時間賃金が支払われるのが労働契約の特徴であって︑仕事の成果に対して報謬支払われるのは請負契約であるとする学説が提唱されたこと薮髭・しかし・この説明は今日では支持されていない︒

の難 鞍 簿 鍵 憾 鎚 嫉雛 娚膿 蕪 饗 鶴 鉾翻 鑓 射

れ対応することになる︒そ︑つだとすれば︑賃金が労働の対価であるという定義は狭義の賃金について正確に当てはま

輪 軽 倣 鯵 肋 徹 蝶 籍 謹 鋤 麟 鱗 諜 雛 て い る が ︑ こ れ に 対 し ︑ 広 義 の 賃 金 は 厳 密

狭義の賃金の金額は︑実際に訴労働協約により決定される.協約により決定される賃金額は・当該協約の適用領域において︑取低賃金として機能する︒協約の水準を下回る賃金しか支払われない場合には・追加賃金が被用者に支払

(22)

神 奈 川法 学 第34巻 第3号2001年 110

(746}

われなければなら碗・労働協約による賃金額の決定方式は︑まず職業格付け(ρ¢鋤ま︒蝉岱︒⇔︒.︒{Φ..︒一口旨Φ=Φ)のな

い者の最低の賃金額を定め︑次いで撃格付けごとの係数を誘るというものである︒こ︑つして︑職業格付けが決定

されれば︑自動的に協約上の最低賃金額が決定されることになる︒

時間賃金は・蒔間や一か月といった期間に対応しており︑それぞれ時給(ω巴鉱HΦげo鑓﹃Φ)お語月給(.・︒一四一.Φ

ー邑と呼ばれる・時給と月給との間に理論的にどのような違いあるのかは︑興轟い問題である︒月給の壕︒

には﹂か月の所定労働時間が月毎に異なっていても︑各月の賃金の総額は異ならないが︑時給の場△.には︑労働時

間の変動が直接賃金に影響を及ぼす︒亘

能率賃金は労働の性格に応じてさまざまな形式を採り︑時間賃金と組合せて賃金の骨格が作られる︒SM‑C(フ

ランスの最低賃金制度)が時間単位で{疋められているため︑能率賃金は能率手当(9墓ω餌:Φ巳ΦヨΦ艮)とい︑つ形

式をとることが多い・報酬がもっぱら能率賃金で支払われるときでも︑少なくとも最低賃金の水準が確保されなけれ

ばなら碗・この種の賃金は・収入が安定しないとか︑非人間的な作業→スを強いることになるおそれがあるなど

として︑批判されている︒

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ω・一bOOω)02Φ・一・逡

(2)g§㌧延・・︒︒︒}︒︒・︒・㎝︒︒︒︒

(3)︒暑曇ξ二合肇り擢よれば︑時間賃金は︑労禦賃金隻払う者の指獲叩令下で行なわれていることを示す有力な手

(4)穿Φ82ρ

嗣h同 「 冒 「甲n 國1  

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(23)

(747)

フ ラ ン ス に お け る 賃 金 の 法 的 性 質 に 関 す る 一考 察(1) 111

(5)6ΦΦδΦ§§6︒・P.壽(6)ωωωΦ§9・§

(7 ) の 翻 罐 縫 鷺 肋 鰐 靴 嘉 叢 難 鷺 働 の 対 価 と し て ま た は 労 働 を 契 讐 し て 支 払 わ れ た 全 て

(8).簿δζ㌧え.簿.(9)一Φ・︒︒.9(‑o)ΦΦ§&§.(u)ΦpN・毫ωΦ(§p暁︒§Φ)・,・⁝穿Φ︒・一ξξ§§.一︒・卜・(12)oΦN︒︒ω︒︒9

(B)=..,一Φω一︒Φg.N8N)

二 現 物 給 与

現物給与(.<‑︒口酔.‑q...§還は︑その金銭餐が必ずしも容易ではない場合があるものの塞本的には賃金の一部をなすものと認められてよい.も蝦ら現物給与で支払うことも︑最低賃金を下回らない限り許され(摯しかし︑他の給付との区別が困難な場合もある︒

ス上ブイキと現物給付との関係では︑社宅(一︒‑‑①ヨ豊の供与が問題とされることがある・社宅の供与が労働契約に付随してなされているときには︑労働者は労働契約の終了後には居住を維持する権利を原則として有しないことに

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神 奈 川 法 学 第34巻 第3号2001年 112

0748}

匙・いわゆるスト日切断説が戦前の判例において支配的であったことは次章で紹介するが︑これによれば︑ス上ブ

イキにより労働契約が切断されるのであるから︑社宅の利益は失われることになり︑使用者は魂をA叩ずる裁判を得

ることができる・これに対し︑停止理論が認められるならば︑魂の享受が維持されることになる.学説には︑社宅

への権利が維持されるのは停止の効果であると評価するものがある︒

(卜・.・ω§§.Φω・§・︒".・︒p・︒=一㊦H.δ.一.︒︒.︒α.p.︒

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(51)ξb・ξωω§N・§・つ.L

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(17)︒︒Φ・︒N

(18)§・ωBN︒︒︒︒・︒︒N

(19)ω・ω9

三 諸 手 当

㈲使用者が労働者に対して支払う基本賃金以外の給付で︑賃金たる性格が認められ得るものは極遵多様な形態を

勧・百に諸手当(倉DOOΦωωO一HΦω)などと総称されるが︑奨励手当(g量︑代償手当(一口αΦ日口羅ω)︑賞与(‑qH蝉‑

ま§範・心付け(崔σ.量というように分類されるのが薯である.しかし︑実際に付されている名称が必

ずしも歪していない(惚・これらの分類も必ずしも法的性質に従ったものとい・つわけでもない.また︑これらの給付

印巾1噸 睡

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(25)

1ユ3 フ ラ ン ス に お け る 賃 金 の 法 的 性 質 に 関 す る 一 考 察(1)

(749)

は︑奨励手当を除けば︑狭義の墓とは異なり︑当然に賃金たる性格が認められるわけではなく・賃金たる性格が問題となる制度に関する紛争ごとに︑この性格の存否を検討すべきものとされている︒

㈲諸手端中でも︑奨励手当は︑その名付け方に混乱があることを留保する限り・ほぼ異論なく賃金たる性格が認められている︒しかし︑奨励手当の形式は多様である︒この手当の例としては︑能率手当や歪の生産性向上・品質改善︑原料節約など業績を上げる.とを喚起することを晶とするもののほか︑従業員の企業への定着を目的とする勤続手当(︒﹃巨Φα.帥口︒一Φゆ口Φ昼︑欠勤の抑止を目的とする精勤手当(葺亀一2・ωω嚢Φ)・高熱下・寒冷地・坑内高所など︑特に苛酷な条件下での労働の履行に由来するいわゆる苦役手当(琶①§ひ三σ量などがあ(麺・これらを一括して性格付けることは相当に困難であるが︑少な‑とも︑いずれも特定の労働に対する報酬としての性格を示

すものと見る.とができよ・つ︒労働の価値は︑既に述べた時間賃金のように︑多あ場合労働時間によって測定されるが︑労働時間の長さだけでは測定できない労働の価値を使用者が享受することがある・奨励手当は時間賃金により評価されていない労働者の労働の価値に対して報酬を与えるものといえよう︒

奨励手当の支給は︑葎によっては霧付けられておらず︑労働協約等にその支給の根拠がある・勤続手当と精勤手当に対しては︑その支給に消極的な見解が多い.勤続手当とは︑基本賃金に勤続期間の長さに応じて増加する=疋割△.を乗じた金額の手当で︑労働力の移動を阻害するものと評価されてい麺・また・後述するように・精摯当はストライキとの関係で深刻な問題を提起する︒

ω代(礪手当や賞与は︑当然に賃金たる性格が認められるわけでは奮︑基本的には賃金ではないと表現されることすらある.また︑︑心付けは︑本来使用者が労働者に支払うものではないという点において・明らかに賃金と異なる・代償手当は︑その名称からして墾.賠償を連想させるが︑労働関係においては必ずしも損害を填補する性格を有し

(26)

神 奈 川法 学 第34巻 第3号2001年 114

(750)

ているものばかりではないといわれている︒実際にも︑超過時間手当は︑法定の嶺がなされているだけで︑労働に

対する報酬であることには変わりがない.法定の有給休暇手当(ヨαΦ日耳ひαΦ︒8ひqひω冨︽ひω)や︑協約上の祭旱当

のようなものについては・労働がないことが前提であるけれども︑少なくとも︑労働したならば得られるであろ︑つ賃

金額に相当する手当であることは確かである︒これらが喪失した賃金を填補するものであるならば︑代償手当とい︑つ

名称は適当であることになるが︑法律または協約におい錆給であることが霧付けられているが故に支給されるも

のであるから・賃金が喪失しているとはい・えないことになる︒むしろ︑労働の履行がない豪.に関する法律上または

協約上の危険分配の態様と解すれば足りよう︒解雇予告に代わる手当も同様に︑使用者が支払わなければならない賃

金と同じ性質を有巻・これらの賃金そのものまたは賃金の代替物(ω¢σωけ一け⊆什ω)としての代償手当は︑賃金法制に

服す(魏・

以上のほか︑損害賠償や費用の償還(﹁Φヨげ︒霞ω①讐Φ艮号◎9Φ口ω①ω(31V)としての性所貝を有する代償手当も存在する.

これらについては・賃金たる性格が認められないものとされている︒例えば︑費用の償還は︑予止口手当および解雇手

当の難の基礎となる賃金から除外耗雛.当該給付が轟の償里還に該当するか否かについては︑給付の支給条件が

職業上の出費の現実に対応しているか否かが決め手とされる.けれども︑費朔償還の一種と見られている出張手当

(冨藍歪Φα書§Φ包に賃金の時効の規定が適用されるとした例がある︒結局︑賃金たる性格を有しないと

される類型としての損害賠償と費用の償還とは︑そのような性質が明らかである限り賃金でないとされるに過ぎない

というべきであろう・実際にも︑純粋な意味での損害賠償金が賃金ではないことは当然のことである︒具体的には︑

適用される条項との関係で︑賃金たる性格が決せられるもののようである︒

⑥葺の支給には・労働者の企業への貢献に対して使用者が満足を表明する場△・と︑家庭の事情など労働者に個人

(27)

(751}

フ ラ ン ス に お け る 賃 金 の 法 的 性 質 に 関 す る 一考 察(1>

115

的事情が生じた場△︒とがある︒‑‑・・鼻餌§ωという名称からしても賞与は恩恵的給付を思わせるが・賃金たる性格を有する場△.もある︒賃金たる性格を有しないものを無警与(oq鑓什慾o巴8ω9幕くo一Φω)・賃金たる性格を有する賞与を約定賞与(‑q﹃餌自︒餌鉱︒口ω8暑き量と呼んで区別すること募麺・例えば・労働協約に{疋められた年末手

雛 器 鋸 .蘇 製 鴛 驚 驚 諜 臼蕪 議 金譲 難 耀

賃金たる性格を有しない賞与は︑賃金端が適用されず︑その支給は使用者の董に委ねられ(魏・賞与が・原則と

^飢て︑無償行為であると考︑える立場もある︒けれども︑労働関係においては︑恩恵的給付は消滅しつつあるといわれる︒用語例は必ずしも麸されておらず︑特に前述の年末手当のように︑9犀と名付けられている場合も多い・慣行にその根拠がある場△・には︑=疋の条件を満たすことにより賃金たる制格付けが与えられることもあ(細)・

判 例 に よ れ ば ︑ 慣 行 上 ︑ 賞 与 が 賃 金 の 補 完 た る 性 格 を 有 す る た め に は ︑ 次 の 3 つ の 標 撃 考 慮 さ れ (華 篁 に ・ 特 {疋 の 鎗 個 人 的 に 支 給 さ れ る も の で は 守 ︑ 従 業 塁 体 に ま た 繋 定 の 霧 に 就 い て い る 被 用 者 責 に 支 給 さ れ る こ 嚢 鉦 総 矯 期鍵 鵜 藁 轟 稼 雲 難 鱒 の蠣 鞍 繕 嚢

することもある︒慣行の存在は原則として労働者が証明しなければならな(圃)・

年末手当等の支給には︑被用者が特定の日に当該企業に在職していることが条件として課されることがある・この日付までに退職しまたは解雇された被用者は︑手当を請求する権利を有しな圃)・この条件が定められていない場合には︑被用者が在職した月数の割△︑に応じて手講算定されるべきだとする説がある(拘︑判例はその旨が協約または慣行によって定められている場合に限るとしている︒

(28)

神 奈 川法 学 第34巻 第3号2001年 116

(752)

⑨心付け(b§︒量は︑使用者自身が支払うのではなく︑被用者の職務({︒口︒叶一︒旨)をきっかけとして︑関係

した第三者が支払う金員である・すなわち︑労働関係からみると第三者である使用者の馨が支給する給付である︒

その支給は・仕事の完了した状態に対する客の満足を表明する︒したがって︑心付けは︑本来;の因憲的給付であ

ったのであり・その金額および形態は贈胴与者の自由裁量に委ねられていた︒けれども心付けの霧の並.及に伴い︑そ

の支給およびその最終的帰属をめぐって関係する三者の関係に変化が現われ︑特に個人に対する心付けが減少して︑

客と使用者との間で締結される請負契約のなかにマビス料として心付けが組み込謙︑集団的サービスに対応する

心付けが使用者によって集約され︑従業員に対して割り振られるようになってきている︒A・日では︑心付けも被用者

の報酬に属するという見解が為・また︑使用者による濫用を防ぐために︑充三三年七旦九日の葎(L第一四

七の一条)は・心付けの統制および分配を明不的に規律することとし︑心付けの慣行がある商業を営む事業において

は・使用者が﹁サービスのために﹂行なった徴収は︑すべて従業員に支払われなければならないことになった︒この

ようにして従業員が受け取った心付けは︑賃金法制に服するが︑それは固定した賃金と混同されたり︑これの代用と

されたりしてはならず・賃金に付加されるものである︒もし︑心付けのみで報酬を受ける瞥がいても︑その者には

最低額の賃金が保障されなければならない︒

一九八六年=月二百のオルドナンスに定められた利益参加による給付は︑法律上︑賃金たる性格が与︑尺られな

い・特に同オルドナンス第四条は︑莉益参加協定の適用により被用者に支給される金員は労働立法の適用について

は賃金の要素たる性格を有しない﹂と定めている︒

(20)"§Φω8Φ同①ωgω一餌一﹃Φ6§︒︒ω.

制 階脚 【 山蹴 即団欄

一 」一

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