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1980年代の横浜経済の構造変動と港湾経済の研究

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〈研 究 ノ ー ト〉

1980年 代 の 横 浜 経 済 の 構 造 変 動 と港 湾 経 済 の 研 究

清 水 嘉 治 ・海 道 勝 稔

1ま えが き

21980年 代 の世界経済 の中 での 日本経 済 の構 造変動 を考 え る (1)1980年 代 の世 界経 済 の構造変 化

{2)1980年 代の 口本経済 の構造変 化 の中で横 浜経済 を考 え る 31980年 代 の横浜経済 の構造 変動

q)11大 都 市比 較 か らみ た横 浜経済 の構造 変化 (2)横 浜産業 構造 の基本動 向

(3)横 浜 市中小 企業 の基本動 向 と課題 (4)横 浜先端技 術産 業 の課 題

㈲ 横 浜 にお け るサ ー ビス経済化 の問題 4横 浜港 貿易 の発展 と港湾経 済 の構造 変動

(1)横 浜 港 の基 本動 向 と課 題 (2)横 浜港貿 易 の構 造変化

a横 浜 港貿 易 の動 向 と性格 b横 浜港勢 の動 向 と課題 cコ ンテ ナ貨物 量 の問題

{3)港 湾経済 発展 の ため に改 めて港湾機構 の充実 を考え る1Y題 と 提言 を含 めて一 一

1ま え が き

本研 究 の 目的 は 日本経 済 の国際 化 の進 展 の中 で横 浜経 済 と港湾 経 済 が どの よ うに構 造 変化 を もた ら した か を実 証 的 に分析 す る ことに あ る。 そ の た め に1980年 代 の横 浜 を と りま く内外 の環 境 変 化 に対 応 して横 浜 の 産 業構 造 の高度 化,サ ー ビス経 済 化 が どの よ うに進 展 したか を重 層 的 に 解 明 す る と同時 に,横 浜 の港 湾 機能 が それ に対 応 して どの よ うに構 造 変

(2)

2商 経 論 叢 第28巻 第2号

(269)

化 を もた ら した かを 実証 的 に究 明 す る こ とにあ る。

こ う した研 究 目的 を果 す た め に は,第1に1980年 代 の 世界 経 済 の 主 要 な構 造 変 化 を明 らか に し,さ らに そ の中 で の 日本 経 済 は どの よ うに構 造 変 化 を した のか を究 明 した い。 だが そ の場 合 ,世 界経 済 と日本 経 済 の 構造 変 化 の中 で横 浜経 済 が た えず 国際 化 と連 関性 を もって対 応 して い る

ことを示 したい。 とい うの は世 界 経 済 の構 造 変 化 とい う人状 況 の 中 で , 横 浜経 済 の発 展 を論 じて い く必 要 が あ るか らで あ る。

第2に ・1980年 代 とい う1堺 経 済 の 「一体 化 」 の中 で横 浜 経 済 が どの よ うな イ ンパ ク トを受 け,同 時 に 世界経 済 な い し日本 経 済 に対 して ど の よ うな主体 的 な か かわ りあ い を もって発 展 したか を考 え たい

。 横 浜経 済 の構 造 変動,と くに薫化 学 工業 か ら先 端 的技 術 産 業 へ の構 造 転換 が どの よ うに展開 され た か,の 問題 意 識 を もち なが ら,横 浜 経 済 の構 造 変動 を 主 と して産 業構 造 の変 動 に求 め て実 証 的 に分 析 した い

。 そ の場 合q)と し て11大 都 市比 較 か らみ た横 浜経 済 の構 造 変化 を明 らか に し

,(2}と して, 横 浜産 業 構造 の基 本 動 向 と課 題 を1次 資 料 に即 して解 明 す る。(3)と して 横 浜経 済 を支 え て い る中小 企業 の動 向 と主要 課 題 を 示 した い。

(4)と して80年 代 の リー デ ィ ン グ ・イ ンダ ス トリー と して の先 端 技 術 産業 の動 向 と課 題 を明 らか にす る。㈲ と してs世 界経 済 に お け るサ̲ビ ス経 済化 が横 浜経 済 に どの よ うに反映 しf同 時 に横 浜経 済 の サ ー ビス化 の進 展 動 向 を実 証 的 に明 らか にす る。

第3に 横浜 経 済 の構 造 変 動 と港 湾 繍 の1廻酬 三を,横 浜 港 貿 易 の動 向 と港 湾経 済 の発展 の 中 に求 め,さ らに横 浜 経 済 の基 盤 整 備 と して の港 湾 施設 の現 状 と将 来 計 画 にっ いて の課 題 を示 した い。

以 」ヒが本 研 究 ノ ー トの主要 課 題 で あ る。 さ らに本 研 究 ノー トの課 題 の 問題 意 識 の フ レー ム ワー クを補足 的 に示 してお く。1980年 代 の横 浜経 済

は,国 際化 の課 題 を 自 らの中 に含 み,市 民 的 ニ ー ズ と相 ま って 「技 術 革 新 」 と 「高 度 情報 社 会 」 へ の対応 を迫 られ,一 方 で そ の方 向 に着 実 に進 展 す る と同 時 に,他 方 で そ の あ り方が 検 討 され て い る。 技 術 革 新 と高度

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(268) 1980年 代 の横 浜 経 済 の 構 造変 動 と港 湾 経 済 の研 究3

情 報化 の進 展 は,企 業 経営 の 高度 化,市 民 化 を もた ら し,単 な る省 力化 や生 産性 の 向 ヒだ けで な く,多 品種 少 量生 産 な ど多 様化 す る消 費 者 二 一 ズ に対 応 した商 品 の製造 ・販 売 体制 や サ ー ビス提 供 制 度 の確 凱な どを促 進 す ると同時 に巾小 企 業 等 の一 部 にお い て は異企 業,異 業種 間 に お いて 流 通 ・輸送 等 の多 目的情 報 の ネ ッ トワー クの形成 も進 ん で い る。 横 浜経 済 も,研 究 開 発,先 端 技術 産 業 をか な り 、r:地し,さ ま ざまな課 題 を提 供 して い る。 こ う した横 浜 経 済 にみ られ る先 端技 術 産 業 を 中心 とす る発展 過 程 の中 で,従 来 の伝統 的産 業 で あ り,多 数 を 占め る中小 企 業 群 の存 、r

条件 と発 展 を たえず 考 慮 しつ っ,横 浜 経済 の活 性 化 の 問題 を 明 らか に し た い。 と くに そ れ は市民 生 活 の安 定 と安 全 に対応 した横浜経 済 の発 展 で

な けれ ば な らな い。

こ う した活 力あ る横 浜経 済 の ・'r̲のた め に は,そ の社 会 的基 盤 を担 っ て い る港 湾機 能 の強化 が新 しい課 題 とな らざ るを え ない。 港 は横 浜 の歴 史的 文化,市 民 意 識 の向L,開 放性,社 会性 とい った 市民 と関 連 企業 の 共有 性 を もって進 ん で きた。 っ ま り港 は市民 共有 の社会 的 構成 体 的性 格 を もっ もので あ る と同時 に,関 連 企 業 の 発展 の共 有的基 盤,社 会 的ffI...有 手段 と して の性格 を も って い る。 そ れ は横浜 経 済 の発 展 とた えず 関連 し

て い る こ と は い う まで もな い。 と くに横 浜 港 は80年 代 の 産 業構 造 が輸 送構 造 の変化 に対 応 し,港 湾 施 設 の機能 の革 新,転 換 を迫 られ て い る。

活 力 あ る横 浜経 済 の発 展 や快 適 な 市民 生 活 を実 現 して い くため に は・ 環 境 保 全 と市民 自治 を前 提 と した生 産,物 流r生 活,文 化 等総 合 的 な港 湾 空 間 の形 成 を不 可欠 とす る。 以 ド問 題 の展 開 に入 る。

21980年 代 の 世 界 経済 の 中 で の 日本 経 済 の 構 造 変 動 を考 え る

(1)1980年 代 の世 界 経済 の構 造変 化

1980年 代 の横 浜経 済 の構造 変 動 を客 観 的 に把握 す るた め に は,ど う し て も同年 代 に激 動 した 世界経 済 の体質 変 化 を把 握 す る と ころか ら始 め た

い 。

(4)

4商 経 論 叢 第28巻 第2冒

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1980年 代 の 世 界 経 済 を 認 識 す る こ と は,90年 代 の 激 動 す る 世 界 経 済 の 方 向 を 探 る こ と が で き る と考 え る。90年 代 は,好 ・不 況 の 世 界 景 気 循 環 の 中 で 世 界 経 済 の 「一 体 化 」,グmバ ル ・エ コ ノ ミー の 深 化 の 時 代 に な る で あ ろ う。 東 西 冷 戦 の 解 体 の 中 で ,世 界 は モ ノ,カ ネ,ヒ ト,サ ー

ビス,情 報 の国 境 を超 え た 交 流 を 活 発 化 す る で あ ろ う

。 世 界 貿 易 が 世 界 のGNPに 占 め る割 合 を み て も,1960年 に約10%で あ っ た の がyX990 年 に は25%に な って い る。 世界 経 済 に お け る 各 国 の 輸 出 入 依 存 度 が 人 き

く な り,貨 物 の 輸 入 墨 も増 大 し,先 進 国 問,先 進 国 と 中 進 国,先 進 国 と 途L国,中 進 国 と途L国,中 進 国 間,途 上 国ll到の 貿 易 も活 発 化 して い る

。 同 時 に と くに 先 進 国 間 に お け る貿 易 摩 擦 も深 刻 で あ る。 と くに 日本 の 一

方 的 黒 字 貿 易 に対 す る批 判 は,米 国,ECか ら共 通 に ま き起 こ って い る

。 世 界経 済 に お け る 不 均 等 発 展 は 世 界 貿 易 の動 き に も表 面 化 して い る

。 と くに80年 代 の 世 界 貿 易 は 大 き な構 造 転 換 を 余 儀 な く さ れ た

。 と くに 先 進 国 に お け る 先 端 技 術 産 業 を 中 心 とす る産 業 の 構 造 転 換 は,先 進 国 間 の 貿 易 を 醗 に した こ と も職 で あ る.こ こ で は,80年 代 の 世 界 貿 易 の 構 造 転 換 の 第1の 特 徴 と して 製 品 貿 易 が し・か に 拡 大 した か を み る

.製 品 貿 易 割 合 は,80年 代 の56%か ら89年 代 は74%に 増 大 した。

製 品 貿 易 の 拡 大 は,日 ・米 ・ECな ど先 進 国 中 心 に展 開 され,途 上 国 と先 進 国 間 と の 製 品 貿 易 は 低 下 して い る 。 途 上国 は,製 品 貿 易 に お い て も先 進 国 に 差 を っ け られ て い る。 両 者 の 格 差 は拡 大 して い る

。 先 進 国 間 に お け る 製 品 貿 易 は,先 進 的 港 湾 に お け る 製 品 貨 物 の 取 扱 量 を 増 加 さ せ,国 際 的 生 産,流 通,消 費 を 促 進 し,か っ コ ス トの 低 減 化 の た め に コ

ンテ ナ貨 物 輸 送 を 増 大 さ せ た 。 同 時 に 半 導 体 な ど軽 薄 短 小 型 の 製 辞 盲の 空 輸 も活 発 化 した 。 こ の傾 向 は60年 代,70年 代 に は,製 品 貿 易 は活 発 で な か っ た 。 本研 究 ノ ー ト4の ② で 明 らか に して い る よ うに

,80年 代 の 横 浜 貿 易 の構 造 転 換 は,世 界 経 済 の 製 品 貿 易 の変 動 に 対 応 して い る

1980年 代 の 世 界 貿 易 の第2の 特 徴 を み る と,サ ー ビ ス貿 易 が 拡 大 した 点 に あ る。1970年 代 に約57億 ドル で あ っ た サ ー ビ ス貿 易 額 は,90年 に

(5)

C2fi6) ㌃980年代 の横 浜 経 済 の構 造変 動 と港 湾 経 済 の 研 究5

約600億 ドル以 上 に 拡 大 した 点 で あ る。 こ の20r#1間 に10倍 以.Lに 増 大 した.サ ー ビ ス貿 易 の 内 容 を み る と運 輸 通,1言・ 金 甑 保 険 エ ン ジ ニ ア リ ン グ,コ ンサ ル タ ン ト技 術 料1労 働 所 得,旅 行 費 用 な ど で あ る。

サ ー ビ ス貿 易 の拡 大 はz製 品 貿 易 と関 連 し,サ ー ビ ス経 済 化 を 国 際 的 に 展 開 す る こ と に な っ た。1970年 の180億 ドル か ら90年 に,1,900億 ドル へ と約10倍 以 上 も増 大 した 。 ま た サ ー ビ ス貿 易 の拡 大 の 申 心 は,銀 行, 証 券 資 本 の海 外 活 動 に あ る。 この 分 野 で も先 進 国 中 心 の サ ー ビ ス経 済 化 が 定 着 しつ つ あ る。80年 代 の 胆1界経 済 に お け る サ ー ビ スの 経 済 化 ・ ソ フ

ト経 済 化 は,横 浜 経 済 構造 の 中 に進 展 した サ ー ビス経 済 化,ソ フ ト経 済 化 の 比 電 の増 大 と な って 表 面 化 して い る・

1堺 経 済 に お け る製 品 貿 易 耐 曽大,サ ー ビ ス貿 易 の 増 大 の 背 景 に は・

関 連 企 業 が そ れ ぞ れ の 分 野 で,激 烈 な 価 格 競 争,変 質 競 争,サ ー ビ ス競 争 を 展 開 し,市 場 獲 得 を め ざ して い る こ と に は 変 わ り は な い 。

で は 世 界 貿 易 の 増 大 は,ど の よ うな メ リ ッ トを も た ら して い る の か 。 こ の 点 を 分 析 して み る。

第1に,先 進 各 国 は,経 済 の グ ロ ー バ ル化 を 通 じて 相 対 比 較 優 位 の 商 品 に 傾 斜 す る こ とに よ って,効 率 的 生 産 を 可能 に す るがSそ れ が 限 界 を

こえ る と,負 の 効 果 を もた らす 。

第2に 世 界 貿 易 に よ る 市 場 の 拡 大 は 生 産 の 拡 大 を 誘 因 し,規 模 の メ リ ッ トに よ る 価 格 低 下 を も た らす と同 時 に,技 術 や ノ ウ ハ ウ の 開 発 に よ っ て 企 業 の 多 種 多 様 な 商 品 の 生 産 を ・∫能 に す る。 一 方 こ の シ ス テ ム は,消 費 者 に と って 安 価 な 商 品 の 選 択 を 可能 に す る。 この 点 は メ リ ッ ト で あ る.だ が デ メ リ ッ ト も と も な う.政 府 が 貿 易 管 理 に よ って 関 税 率 を 維 持 す る と,消 費 物 価 は低 下 せ ず,消 費 者 の利 益 に な らな い 。 した が っ

て,政 府 は 生 活 者 の 論 理 に1っ て 消 費 価 格 を 低 一ドす る 努 力 が 必 要 で あ るQ

第3に 低 関 税 率 の も とで は,輸 入 品 が 増 加 し,そ の 国 の 関 係 商 品 との 競 争 力 を 高 め,物 価 を 引 き下 げ る効 果 を もつ 。 さ ら に為 替 の 操 作,為 替

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6商 経 論 叢 第28巻 第2号

(265) の 変 動 な ど に よ っ て も物 価 変 動 に イ ンパ ク トを 与 え る

。 例 え ば 円 高 ドル 安 の 構 造 下 に お い てa輸 入 品 の 価 格 は 低 ドす る

。 だ が 円 高 差 益 還 元 を し な い と き は,価 格 は低 下 しな い。 だ か ら消 費 者 の 価 格 監 視 が 必 要 な の で あ る・ 以L貿 易hの メ リ ッ トは 同 陶 こデ メ   ッ トを もた らす こ と が あ る・ 国 際 競 争 力 の 強 い企 業 は生 産 を拡 大 す る こ と が で き る が 弱 小 企 業 は 生 産 を 縮 小 し,失 業 を もた らす 。 世 界 経 済 の 成 長 が 持 続 し

,す べ て の 企 業 が 鰍 配 分 を 公 平 に う け と る こ と力河 能 で あ る と い う保 証 は な い

。 世 界 経 済 に お け る製 品 貿 易 の 拡 大 は,そ の メ リ ッ トを 全 面 的 に 享受 す る こ と に よ って 可能 で あ っ た・ した が って80年 代 の 世 界 貿 易 の 拡 大 は 先 進 国 間 の ノ坪 貿 易 中 心 の 木韓造 を もた ら した が 洞 時 に 先 進 「母と途 姻 0療 直 賜 の 構 造 を もた ら した

.だ が フ・ジ ァ ニ ー ズ(NIES噺 興1業 地域)を 除 い た 途 上 国 の 輸 出 の 伸 び は 先 進 国 間 の 貿 易 の 伸 び に 比 べ て 低

ド した。

80年 代 の 世 界 貿 易 の 拡 人 は,先 進 諸 国,と りわ け米 国 ,日 本,ECに お け る商 品 の 輸 出 入 の 増 人 と な り,グ ロ ー バ ル ・エ コ ノ ミー の傾 向 を 定 着 させ た ・ 同 時 に 先 に述 べ た よ うに 貿 易 構 造 曜 擦 を 拡 大 した

.86年 に 始 ま った ウ ル グ ア イ ・ラ ン ドは,従 来 の モ ノ の 貿 易 の 舳 化 の調 整 だ け で な く・ 金 融 情 報 通 信 ・ 知 的 所 有 権 な ど サ ー ビ ス貿 易 の 舳 化 も対 象 と した 。 現 在,米 国 が 日本,ECの 農 産 物q体 の場合 は米)の 保 護 政 策 に 対 して 厳 しい 態 度 を と って い る。 い ま重 要 な政 策 的 解 決 は

,各 国 の エ ゴを 捨 て て ・ 多 角 的 な 製 品 を 生 産 し,交 換 し,調 整 で き る よ う な新 し い貿 易 の ノト ル を 作 り・ 国 際 卿Jの あ り方 を 鮪 す る こ とで は な い カ、。

80年 代 の 貿 易 の 拡 大 は 同 時 に 海 外 直 接 投 資 の 増 大 と 関 連 性 を も っ て 進 行 した。80年 代 後 半 の海 外 直 接 投 資 の 現 状 を み る と,88年 末,は じめ て1兆 ドル の 大 台 に の せ た。 半 導 体,自 動 車,電 機,機 械,石 油 化 学 , 通 信 機 な どが 中 心 に な って ・ 国 境 を こえ て 現 地 生 産 を 展 開 した

。88年 末 の 世 界 の 直 接 投 資 の 累 計 額 の 国 別 構 成 を み る と

,全 体 の90%が 米 国,英 国 ・ 日本 ・ ドイ ツ・ オ ラ ン ダ な ど先 進 国 の 資 本 で 占 め られ て い る

。 米 国

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(264) 1980年 代 の横 浜 経 済 の構 造 変動 と港 湾 経 済 の研 究7

の 占有 率28%,次 い で 英 国19%,日 本12%,ド イ ツ8%,オ ラ ン ダ7

%,フ ラ ン ス6%な ど の 順 に な っ て い る。 米 国 は,1975年 に 世 界 の 対 外 直 接 投 資 額 の52%を 占 め て い た の に対 し,EI本 は,同 年6%で あ っ た。

この14年 間 に 日本 は2倍 に 増 加 した の に 対 して 米 国 は2分 の1に 低 下 した こ と に注 日す べ きで あ ろ う。

こ う して み る と 世 界 の 直 接 投 資 の 動 き は 世 界 市場 に お け る米 国 資 本 の 専 一 的 支 配 か ら多 数 国 型 支配 に 変 化 して い る。 直 接 投 資 の担 い 手 は多 国 籍 企 業 で あ り,80年 代 は,日 本,EC,米 国 を の そ れ ぞ れ の 多 国 籍 企 業 に よ る激 烈 な 競 争 が 活 発 化 し,M&A(企 業 合併 ・買収)とLBO(買 収 先 の資産 を担保 に した借 入金 に よる買収)も 活 発 に展 開 され た 。

と こ ろでs日 本 企 業 の 海 外 直 接 投 資 の 拡 人 の 宅な 理 由 を み る と こ うで あ る。 世 界 景 気 の 拡 大 に 支 え られ,米 国,ア ジ ア,ECな ど へ の 直 接 投 資 を 活 発 化 した こ と,相 手 国 の 外 為 法,外 資 法 等 な ど の 規 制 の 緩 和,廃 止 な ど に よ って,先 進 国 間 の 貿 易 面 で の 輸 出 の 自 主 規 制,輸 入 制 限 な ど を 回 避 し,現 地 に お け る生 産 と販 売 を 求 め て 直 接 投 資 を 増 加 させ る よ う

に な っ た こ と,な ど を あ げ る こ とが で き る。 と くに 多 国 籍 企 業 に よ る研 究,開 発,生 産,販 売,資 金 調 達 に お け る最 適 配 置 を 展 開 す る グ ロ ー バ ル 化 が 進 行 した こ と も大 き な 理 由 で あ る。 も ち ろ ん 多 国 籍 企 業 は,現 地 生 産,流 通,販 売 を 通 じて 国 内 に お け る利 益 率 よ り海 外 に お い て 高利 益

率 を 獲 得 で き た か らで あ る。

っ ぎ に 海 外 投 資 の 産 業 構 成 を み る と,第1次 産 業 の 比 重 が 低 下 し,第 3次 産 業 で あ る サ ー ビ ス産 業 の 地 位 が 増 大 し た 点 に あ る。 こ の 点 は, 1980年 代 に お け る 日 本 の 産 業 構 成,横 浜 の 産 業 構 成 が,第3次 産 業 の構i 成 比 率 を,60年 代,70年 代 と比 較 して 大 き く して い る こ と と・関 連 して

い る。

1980年 代 の 世 界 経 済 の構 造 変 動 は,製 品 貿 易 の 増 大,サ ー ビ ス経 済 の 国 際 化,多 国 籍企 業 に よ る直 接 投 資 の顕 著 な増 大 傾 向 に み られ た 。 世 界 経 済 の グ ロ ー バ ル 化 は,日 本 経 済,横 浜 経 済 の構 造 の 中 に も,反 映 さ れ

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8商 経 論 叢 第28巻 第2号

(263) て い る・80年 代 の 世界 経 済 の グ ・ 一 バ ル 化 は 同 時 に 日本 経 済 の地 域 経 済 の 国 際 化 ・mカ リゼ ー シ ョ ン と して 具 現 化 して い る

。 した が っ て,世 界経 済 の 構 造 変 化 の 中 で,横 浜 経 済 の 構 造 転 換 を把 握 す る こ と は重 要 な 意 味 を も っ い る。 も ち ろ ん 世界 経 済 に お け る南 北 問 題

,累 積 債 務 の 問 題 90年 代 に 入 って 世 界 不 況 問 題 な どlh積 して い る

。 こ こで は 直 接 の 対 象 で は な い の で 省 略 した い。

(2)1980年 代 の 日本 経 済 の 構 造 変 化 の 中 で 横 浜 経 済 を 考 え る 1980年 代 の 世 界 経 済 は激 動 す る10年 間 で あ った よ う に

,日 本 経 済 に と っ て も,大 きな 転 換 期 で あ っ た。 そ れ は 従 来 の 目本 経 済 の 体 質 を 変 革 せ ざ る を え な い ほ ど の 転 換 期 間 で あ っ た。

日 本 経 済 は80年 代 に 入 っ て か ら,一 貰 して 対 米 貿 易 の 人 幅 な 黒 字 増 に よ る 円 高,ド ル 安 の 構 造 か ら,80年 代 後 半 の 急 速 な 内 需 拡 大 へ の 転 換 を 余 儀 な くさ れ た 。 っ ま り,従 来 の 日本 経 済 の セ要 課 題 は,輸 出 拡 人 を 通 じて 資 源 の 合 理 的 配 分 を 可能 と した成 長1:に あ っ た。 この こ と は,

日本 経 済 の 規 模 を 拡 大 し,同 時 に 対 外 貿 易 摩 擦 を 生 み だ す こ と に な っ た。 日本 経 済 の 成 長 主義 は,一 方 で経 済 人 国 と な って 表 面 化 し

,他 方 で, 国 民 生 活 小 国 とな っ て 顕 在 化 した 。

改 め て1980年 代 の 日本 経 済 の 直 面 す る 課 題 を み て み よ う。 1980年 代 に 入 っ て,日 本 の 一 方 的 な 貿 易 黒 字 に 対 して

,ア メ リカ,E C,ア ジ アNIESは,厳 しい 市場 開 放 を 要 求 した

。 と くに80年 代 前 半 に お い て 日米 貿 易 摩 擦 は深 刻 に な り,ア メ リカ は 目本 に 対 して 保 護 主 義 的 貿 易 政 策 を 展 開 す る と同 時 に,「rl∫場 開 放 」政 策 を 政 治 的,経 済 的 両 側 面 か ら要 求 した。

1987年 の ブ ラ ッ ク マ ンデ ー を 経 験 した ア メ リカ の 貿 易 赤 字 は ,1,712 億 ドル と な り,史 上最 高 を記 録 した 。 日本 が 大 幅 な 貿 易 黒 字 を 背 景 に 円 高 。 ドル安 の 構 造 を 定 着 化 さ せ る 中 で,ア メ リカ は 対 日貿 易 措 置 を 狙 っ た 「88年 包 括 通 商 競 争 力 強 化 法 」 を 成 立 さ せ た。 こ の 法 律 は,対 日貿 易

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(262) 1980年 代 の 横浜 経 済 の 構 造変 動 と港 湾経 済 の研 究9

に お い て お くれ を と っ た ア メ リカ が,一 方 で 保 護 主 義 を,他 方 で,市 場 開 放 を 要 求 した も の で あ る。 だ が こ こで,対 米 貿 易 黒 字 に よ っ て 経 済 大 国 を 現 出 し た 日本 経 済 を 位 置 づ け る た め に も・ 相 手 国 ア メ リ カ の1987 年10月 の 株 価 暴 落 の背 景 を み て お く こ と にす る。

1987年10月19日 の ア メ リカ の株 価 暴 落 と為 替 相 場 の 急 変 は,自 国 の 構 造 的 体 質 の 脆 弱 性 を 表 面 化 した 。 当 時 ア メ リカ経 済 は,鉱 工 業 生 産 指 数 を み て も,失 業 率 の 減 少 具 合 を み て も,名 目個 人 消 費 総 額 を み て も,

当 時 着 実 に 上 昇 して い た。 た と え ば,鉱 工 業 生 産 指 数(1977年 を100と し た場 合)は85年 に123.8,86年125。8,87年 の1〜4月 平 均 が127.4,同 年5〜7月129で あ りf失 業 率 は,85年7.1%,86年6.9%,874尋 汀 月 5.9%と82年 の9.6%か らみ る と か な り減 少 し た 。 ア メ リ カ の 失 業 率 は,6%以 下 で あ れ ば,IE常 だ と い わ れ て い る。名 目個 人 消 費 総 額 は,85 年 の2兆6,294億 ド ル,86{1三2兆7,994億 ド ル ・87イiこ7川 こ は2兆 9,931億 ドル と増 加 して る(U.S,DepartmentofCommerce,Surveyof

CurrentBusiness,Oct.1987)。 ダ ウr業 株30種 も,86年,87年(9月 まで) い ず れ も上 昇 した。 と こ ろ が,1987年10月 の株 価 暴 落 は,鉱 工 業 生 産 の 増 大 を 逆 比 例 して起 こ った 。 つ ま り,景 気 が 上 昇 して い る中 で,株 価 の 暴 落 を 招 い た の で あ る。 こ の 理 由 は,ア メ リカ経 済 の 体 質 が,世 界 経 済 に対 応 で き な くな っ た点 に あ る。 と く に国 際 収 支 構 造 が 慢 性 的 に 赤 字 体 質 に な っ た 点 に あ る。

も ち ろ ん,88年 に な っ て,ア メ リカ は,や っ と経 済 成 長 率 を3・5%に 回 復 し,さ ら に 製 造 業 の 設 備 稼 働 率 を83%台 に 回 復 さ せ た。 と くに 目

、Zった の は,失 業 率 を5.5%に 引 き下 げ,1974年 以 来 の低 水 準 に戻 した 点 に あ る。 こ の 背 景 に は,設 備 投 資 を 主 軸 と した 世 界 的 な景 気 拡 大 に 基 づ く原 材 料 ば か りで な く資 本 財 の 大 幅 な 輸 出 増 加 が あ っ た。

に もか か わ らず,そ の 後 ア メ リカ経 済 は再 び 停 滞 した。 ア メ リカ の 貿 易 赤 字 は,自 国 経 済 を よ り弱 体 化 せ さ て い った 。 した が っ て ア メ リカ は, 日本 に対 す る貿 易 規 制 と 市 場 開 放 を 要 求 した の で あ る。 も ち ろ ん,ア メ

(10)

10商 経 論 叢 第2H巻 第2F‑]x

(261) リカ は,自 動 車 産 業,半 導 体 を 主 軸 とす る 先 端 技 術 産 業

,通 信 機 産 業 な ど に お い て ・ そ の 競 争 力 を 低 下 させ た。 の み な らず ア メ リカ 主要 多 国 籍 企 業 は海 外 生 産 の 増 大 を 志 向 し,国 内 に お け る産 業 の 空 洞 化 減 少 を もた

ら した 。 こ の こ と も国 内 に お け る生 産 性 を 低 下 さ せ た

こ う した 中 で 旧 本 の 関 連 牒 は,一 一方 で 対 米 貿 易 摩 擦 の 部 分 鵬 鞘 を現 地 生 席 拠 点 の 開 発 を 通 じて ,現 地 で の 市 場 占有 率 を 高 め る こ と,現 地 の 雇 用 吸 収 力 を 高 め る こ と,現 地 で の 生 産 物 を 逆 輸 入 す る こ と に よ っ

て 進 出 先 の 輸 出 に 貢 献 す る こ と に あ っ た。 例 え ば 自動 車産 業,通 信 機 器 産 業 が そ の代 表 的 な産 業 で あ る。 他 方 で 日本 企 業 は,ア メ リカ の 強 力 な 要 請 もあ っ て 国 内 需 要 の拡 人(内 需拡 大)を 通 じて 輸 人 増 を 図 り

,「 内 外 」 の 不 均 衡 を是 正 す る こ と に,そ の 活 路 を 見 出 した。

日 本 経 済 に 対 す る 経 済 政 策 の 転 換 の 要 請 は,OEcD閣 僚 理 事 会 に よ っ て す で に 提 出 さ れ て い た。 す な わ ち1985年4月8日 の 同 理 事 会 は 次 の コ ミュ ニ テ ィを 発 表 した 。

日本 は 世界 各 国 の 国 際 収 支 の均 衡 に 寄 与 す る た め ① 国 内 金 融 化 を 円 滑 に進 め る こ と,② 対 外 ・対 内 投 資 を 促 進 す る こ と

}③ 消 費 者 信 用 の 供 給 を 増 大 さ せ る こ と,④ 市場 ア ク セ スを 容 易 に す る こ と

a⑤ 輸 入 の 拡 大 を 優 先 的 に 進 め る こ と な ど で あ る。

こ う した提 言 は,当 時 の 日 本 経 済 の 政 策 担 当 者 に と って か な り厳 し い もの で あ っ た。 だ が,日 本 経 済 は,内 需 拡 人 と国 際 強 調 路 線 を実 現 す る た め に 政 策 転 換 を 協 力 に 推 進 した。 こ の 政 策 は,1987年 の 世 界 経 済 の 部 分 的 好 況 に よ って 支 え られ た 。

87年 の 世界 貿 易 は・世界 経 済 の 成 長 と と もに 緩 慢 な 拡 大 基 調 に あ り , 数 量 ペ ー ス で は前 年 に 比 べ て4.0%の 成 長 率 を 記 録 し,ド ル 金 額 ベ ー ス で も,15.6%の 高 成 長 を 見 せ た。 地 域 別 の 貿 易 動 向 を 見 て も

,先 進 国 全 体 の 輸 出 入額 は 人 幅 な 増 加 とな っ た。 主 要 先 進 国 間 の 貿 易 不 均 衡 は

,U 本,西 ドイ ツ で 若 干 の 輸 入 額 の伸 び を 示 した の で 改 善 を 見 た も の の

,ド ル 金 額 ベ ー スで 見 るか ぎ り,貿 易 不 均 衡 は拡 人 した(OECD,Econ・IIIIc

(11)

(2fiO) 1980年 代 の 横 浜経 済 の構 造 変 動 と港 湾経 済 の研 究11

Outlook,1988.)o

こ う した 世 界 経 済 の緩 慢 な 「好 転 」 に 支 え られ っ っ,87〜89年 前 半 の 日本 経 済 は,独 自 な 設 備 投 資 と個 人 消 費 の2本 立て に よ る好 循 環 を も た

第1図 設 備投 資の動 向と関連指標

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設 備 投 資(前 年1レi1期比)

ノ#一̲言 舌重力(自f∫舞司司 其男,Lヒ)

'全 産 業

製造 業

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経 常 利 益 の 見 通 し(B.S.L)

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Ii 1t̲LJ ll目IIl口1口 1占ll旦 Il丘1 11

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54 55 56575859 so 61 62 63 6

備 考)経 済 企1嚇 ・資 本 ス ト ッ ク統 計 ・舷 人 牒 動 燗 査 ・ 通 産 省 「鉱1二 業 指 数 総 覧 」 等 、

(出 所)経 企 庁 「日 本 経 済 の 現 況 」1989年 。

64(年)

(12)

12商 経 論 叢 第28巻 第2号

0259) 第1表 各業種の部門別売上高比率の推移

α)鉄 鋼

1%pノ

年 度

81

82183

il8485卜 85下86聡 86ド87

 『 一   一『 一 一̲

鉄 鋼 部 門 ・1 83.5 'i 81.8181.7 一̲占 一}  一一

81980.9

一}

79.4182 1事 ・プ ラ ン ト部 門

非 鉄 部 門

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11.8 2.0 0.6 2.2 1pQ.Q

13.6 2.6 0.6

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12.5112.5 2,712.7 1,211.2

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(備 考)尚 炉 メ ー カ ー の う ち 売 ヒ高}一位6社 の 合 計

。 (2)板 硝 子

硝 ∫吃 部

化 学 部

81 64.7 27.

999130

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(備考)板 硝{メ ーカーの うち売f"高 ヒ位3社 の合計。 (資料)有 価証券報告書1988年 。

(出所)経 企庁 『通商白書』新尋版1988年 。

ら した ・ こ の点1988年 経 済 企 画 庁 が 発 表 したr同 年 の 経 済 の 回 顧 と課 題 」 は 次 の よ う に 指 摘 した。

「民 間 企 業 設 備 は,新 製 品 の 開 発 や 情 報 技 術 革 新 に基 づ く投 資 に加 え , 需 要 の 高 ま りか ら生 産 の 拡 大 や 稼 働 率 の 上昇 と な って お り

,投 資 収 益 性 の 面 で は投 入 価 格 の 大 幅 な低 下 が 企 業 家 の 経 常 利 益 の増 大 感 を もた ら し て お りa経 常 利 益 率(法 人蝶 統計)は この と こ ろ 製 造 業 で1970年 (昭和48)年 末 の水 準 に ・非 製 造 業 は最 高 の 水 準 と な って お り,こ う した 良 好 な 投 資 環 境(第 咽)の 下 で 旺 盛 な 投 資 カゴ計 画 され て い る」

.た しカ、

に ・ 当 時 の 設 備 投 資 が い か に旺 盛 で あ った か は

,対GNP比 で み て も, 20%前 後 に な って い るの で ・ 高 度 成 長 期 の 設 備 投 資 以Lの 水 準 で あ る。 だ が 性 格 は 異 っ て い る。 大 手 企 業 中 心 の先 端 技 術 産 業 を 中 心 とす る旺 盛 な 設 備 投 資 需 要 と 資 産 効 果(上 地 資嵐 証券資産)に 依 存 した 中 ・高 所 得 者 層 の 個 人 消 費 需 要 に 基 づ く企 業 の 売 上 高 ,生 産 量 の 増 大 の 結 果 で あ

45.9 30.2

(13)

(258) 1980年 代 の横 浜経 済 の 構造 変 動 と港 湾経 済 の 研究13

り,さ らにそ れ は 「隔 と原 蔽 とい う外 的繍 環 境 に よ る原料 費 燃 料 費 の コ ス トの低下 の相 乗 効 果 に よ って・ 企 業収 益 の蹴 とな って 麺

化 した.一 縦 来 円高 不 況 に噸 し欄 連 中小 牒 や素 材 産 業 も鋤 て 収 益 増 を もた ら した ので あ る.1989年3月 鰍 算 で は前年 破 撮 高 収 益 の 記鎌 さ らに2・%硬 新 した(il本 繍 新聞1988年1'月12鰐 ・ 法

人企業動向調査,1988年9月)。

円高 ドル安 の瀧 の中 で牒 収益 が 回復 した酌 の第1はi剛 の設 備投 資 と消費 霰 の相 乗 効 果 に よる もの と思 わ れ る・80年 代 後 半 にな っ

て製 造業 のパ フ ォーマ ンス は多 彩 的舘 方 式 を採 用 した・ 例 えば新 商 品 の実 現(楊 化)の た め に販 売拠 点 の増設 の み な らず販 売組 織 の活 性化 に よ る国 内 市場 獲 得 を展 開 した こ と,製 造 業 自体 が消 費 に直結 した イベ ン

トや ア ンテ ナ シ ョ ップを利 用 し嬢 駄 売 等 樋 じた国1勾1陽 獲 得 を実 現 した こ と消 費者 ニー ズの高 繍 志 向,と くに資漸 得層 に よ る高 級 瀟 買 力 の駄 多 品種少 量憾 の持続 啓」拡 大・ 新製 品 の開購 の 蠕 拡 大策 で,国 内 市場 を掘 り起 した点 が 酌 った・さ らに政 府 の公 蝦 資・

減 税,金 利低 下等 の 蠕 拡 大 が あ り,杜 高 な らび に収 益増 を もた ら し たa

諜 収 益 回復 が 順調 に連行 し櫛2の 要 因 は・ 途 上 国灌 油 発 騰h 国 か らの原 料 燃 料 価格 の低下 と賃 金 の 相対 的 安 定 化冶 理化 讃 理化

の徹 底 素 雁 業 で の 韻 整欝 に依 存 した点1こあ る・従 来 の重 厚 長大 型 産 業 の体 質 改 善 も進 ん だ。 これ らの素 材 型 企業 は,既 存部 門 に お いて 徹 底 した合理 化 を しっ っ瀬 しい部 門 へ の参 入 を闘 い 陽 競 争 樋

じて経 営 基 盤 を よ り多 角化 して い る.例 えば87牡 期 に お いて 鉄.,̲

界 で は,本 業 に お け る 売 上 高 比 率 力弍82・3%江 事 ・ プ ラ ン ト部 ドレi 12.1%,非 鉄 部 門3.5%,化 学 製 品 部 門 そ の他 で2・1%で あ り・櫛 肖子 業

界 に お い て は洞 年 上期 で,硝 子 謝1門 に お け る本 業 の売 上 高 比 率 力斗 45.9%,化 学 部 門30.2%,建 材部 門17.4%,セ ラ ミック部 門2.3%,そ

の他 非硝 子4.2%(第2表r有 価証欄 舗 』1988年)で あ り・ こ う した剖̀

(14)

14商 経 論 叢 第28巻 第2号

(257) 門 にお い て は多 角 経 営 もか な り定 着 して い る

企 業 の設 備 投 資 増 大 の特 徴 は,儒 要 離 の 多様 化 ・プ 。ダ ク ト.ラ ィ フサ ィ クル の短 期 化 に伴 い・ そ の内 訳 に1ま変 化 が み られ る.例 え ば車 勘 バ リエ ー シ ョ ンを拡人 させ て きた た め,:s両 当 りの生mは 年 を 追 って減 少 して い る・ 多 樋 蝿 の生 産 カゴ進 脳 れ ば

znは 能 力増 強 投 資 に代 わ って・ 品 ぞ ろえ確 保漸 製 品 開 発 の た め の研究 醗 投 資 や

, 蛯 ライ ンの効軸 な稼働 を実 現 す るた め の合 靴 ・勧 化 に重 きを置

くことに な る・ 同 時 に濡 要 の変 動 磯 動 的 に対 応 し

,設 備 の囎 化 リ ス クを轍 す るた め の リー 殻 備 の導 入 櫨 ん で あ る」(r繭 白書』

1988 年)・最 近 の製 造 業 の設 備 投 資 にお1ナる研究 開発 と合 理化 醐 の傾 向1ま

, 地域 経 済 にお け る暢 獲得 競 争 と して表 面化 した

.あ とで展 開 す る横 浜 繍 も旧 櫨 鍛 徹 資 に支 え られ,肚 葡 や付加 価 値 額 樫 調 な伸 び

をみ せ労 働生 産 性 も全 国平 均 を上 回 る伸 び率 を示 した

。 と くに横 浜 の工 業 縦 来 の規 格 化 され た糧 生 産 拠点 力・ら多 樋 ・蝿 生産 滴 付 加 価 イ醗 産 とい う多様 化 ・離 化 へ の車云擬 示 したの も この職 で あ り

, 購 に高付 加 価 値腱 の メ リッ ト姓 か す研 究 開発 ・試 作拠 点 化 の方式 も採 用 され た。

徽 繍 の新 しい動 きは・198・ 年ftに み られ,と くに研究 醗 機 能 の 腫 を増 大 し効 率 化 と勧 化 を雛 す る こと にな った.横 浜 繍 は世界 経 済 と日本 経 済 の構 造 変化 に内 と外 か ら対応 した

。 こ こで1980年 代 の 日本 経 済 を改 め て整 理 してみ よ う

。80年 代 前 半 ま で の 目本 繍 の特 色 は潤 高 不 況 の 中 で 自動 車庵 機 な どの 援 蝶 の 欄 を除 いて・鉄 鋼 石 油化 学 造 船 な どに お いて深 刻 な不況 に直 面 し

, 合 理化 ・ 損 鯉 を断行 し・ 多 角経 営 方 式 を採肌 た.一 方 は政 府 は, 緊縮 財 政 を志 向 し・ 行 財政 改革 を通 じて繍 の体 質 改善 を試 み訟 鍛 資 の圧 縮 をせ ざ るをえ な か った.し た が って蠕 は儲 した

。 この こと は,従 来 の 重化学 工 業 地域 を抱 え る都 市の経 済 は法 人税 収 入 減 に よ り

, 停 滞 を余 儀 な くされ た。 横 浜経 済 に と って も,関 連 企 業 の不 況 に よ って

(15)

(256) 1980年 代 の横 浜経 済 の構 造 変 動 と港 湾経 済 の研 究15

税 収減 とな り,緊 縮 財 政 を選 択 せ ざ るを え なか った。 日本経 済 は,円 高 不 況 下 にお い て内需 振 興,外 需 依 存 の政 策 路線 を選択 し,外 需 拡 大策 は

アメ リカ,ECか らの批 判 を浴 びた。 この 当時 の 目本経 済 政策 の担 当者 は,ま さ に ア ンチ ノ ミーの状 況 にお かれ た。

と ころが,87年 以 降89年 末 まで の世 界経済 の 景気 「拡 大」策 は 日本 経 済 に と って は,住 宅 投 資,公 共投 資,民 間 設 備投 資,個 人消 費 とい う4本 の柱 で 内需 拡 大 を志 向 した。 日本経 済 は,従 来 の円 高 に よ る輸 入 急増, 輸 出 の停 滞 を部 分 的 に克 服 し,実 質 成 長 率 を5%台 にLげ た。 この期 間 に も,海 外 直接 投 資 の増 大 と貿 易収 支 の黒 字 幅 は持続 した。この こと は, 横 浜 経済 にお い て も構 造 転 換 とな って 表 面化 した。

で はなぜ 日本 経 済 は円 高不 況 を克 服 し,内 需 主導 型 経済 を もた らす こ とが で きたの で あ ろ うか。 この こと は横 浜経 済 の成 長 を知 る うえで も重 要 な基 本 的 問題 で あ る。

それ は第1に,国 民 に よ る円高 不況 に よ る内需不 振 へ の批 判 とア メ リ カか らの市 場 解 放 要求 に基 づ く6兆 円 の緊 急経 済対 策 が 地域 の 公共投 資 増 を促 進 し,消 費需 要 を拡 大 す る こ とが で き たか らで あ る。 この こ とは 民 間企 業 の設 備 投 資 を拡 大 させ る こ とが で きた。

第2に,1986年 の東 京 オ フ シ ョア 市場 の開 設 によ る 「金 融 自由化 」に 基 づ く,低 金 利 を背 景 に した 土地 ・株式 価 格 の騰 費 を もた ら した。 この ことに よ って土 地 所 有者,株 式 所有 者 な どの資 産家 の資産 を一 時 的 に増 人 させ た。なぜ一 時 的 に とい った のか は,90年 後 半 のバ ブル経 済 の崩 壊 に よ って,土 地 価 格 の凍結 状 態 と株価 低 落 を もた ら したか らで あ る。 だ が80年 代後 半 の 日本経 済 の 「好 況 」は,i弛 所有 者,企 業株1",高 中所 得 者 の株 主が 住 宅,高 物 品 の購 買 力 を もた ら した。 専 門 的 表現 を用 い る な らば,日 本 経済 の 「好 況 」 の ひ とっ の要 因 は,住 宅 投 資増,関 連消 費 需 要 増 を作 りT企 業 の設 備 投 資 を誘 因 させ た。 この結 果a高 ・中所得 者 の消 費需 要 を喚 起 しy企 業 の設 備 投 資 に連 動 させ た。

第3に,円 高 に よ る輸 入価 格 の 「相 対 的」低 ド(日 本の内外価格 をみる限

(16)

16商 経 論 叢 第28巻 第2号 (255)

り,そ れで も高価格であ る)と 原油 価 格 の低 下 が}物 価安 定 に連 動 し,そ れ に よ って消 費者 の購 買 力 の増 加 を創 出 した。

第4に 企業 が投 資 と消費 に対 応 した多 角 的経 営 と新 製 品 開 発 に よ る内 需 掘 り起 しに成 功 した。

第5に,良 質 の労 働 力 に よ る技 術導 入 と賃 金 の抑 制 効 果 に あ った と考 え られ る。

この点 は横 浜 経 済 に お いて も,基 本 的 に 同 時 的 性 格 を も って進 行 し た。1986年12月 か ら始 ま った 日本 の景気 拡 大 は,1991年9月 ま での 戦 後 最 長 の大 型 景気 とな った。 日本 経 済 は,こ の 「平 成 景気 」 内需 中心 の 大 型 景気 に直面 した。 だ が その後 この土地 ・株式 市場 の 中心 のバ ブル経 済 の崩 壊 まで は,世 界 同時 好 況 の継 続 労 働 力 不足,物 価 と賃 金 の 「相 対 的」 安 定 的 な推 移 を み る と,そ れ は一 面 で は 「イ ンフ レな き持 続 的 成 長」で あ ったの か も知 れ な い。1985年 の プ ラザ合意 を契 機 と した 円高 不 況 に直 面 した横 浜経 済 は,86年 以 降 の公 共投 資 に支 え られ,民 間企 業 の 製 造 業 へ の傾 斜 が み られ,急 速 に景気 が拡 大 して い った。1987年 か ら内 需 拡 大 のイ ンパ ク トを受 け,旺 盛 な民 間 企 業 の設 備 投 資 と高 級 品 志 向 の 消 費拡 大 が牽 引 車 とな って1988年 か ら90年 にか けて 自律 的成 長 をみ せ た ので あ る。 だが90年 代 に入 って,91年10月 頃 か ら複 合 不 況 に突入 し たの で あ る。 それ は ここで の課題 で は な い。

以下,こ う した内外 の経 済構 造 の転換 の 中 で,横 浜経 済 の構造 変 動 を み て み よ う。

31980年 代 の 横 浜 経 済 の構 造 変 動

(1)11大 都 市 比較 か らみ た横 浜 経済 の構 造 変化

1980年 代 の横 浜経 済 の動 向 を み る と,前 半 は円高 不 況 か らいか に脱 却 す るか に あ り,後 半 は,内 需 拡 大 と国 際 協調 路 線 を軸 に設備 投 資 と消 費 需 要 に支 え られ,「 好 況 期」の中 で堅 調 な成 長 を続 けた。 と くに横 浜経 済 に お いて も製造 業 を中心 と した伸 び が 目 立ち,な か で も中小 企 業 にお い

(17)

(254) ・:1年代 の横 浜 経 済 の構 造変 動 と港 湾 経 済 の研 究17

て は 積 極 的 な 投 資 行 動 が み られ,横 浜 経 済 の構 造 変 化 を先 取 りす る形 の 多 彩 な 展 開 を み せ た。

非 製 造 業 を み る と,事 務 所,住 宅,商 業 施 設 な どへ の 投 資 を活 発 化 し, 景 気 拡 大 の牽 引 車 と して の 役 割 を 果 た した 。 一 方,設 備 投 資 は国 際 協 調 路 線 を 軸 に展 開 さ れ た 。 ま た 横 浜 の 経 済 の 構 造 変 化 は,サ ー ビス の 経 済 化,ソ フ ト経 済 化 の 中 に み られ た 。 この 点 は,あ と で 述 べ る。

ま ず こ こ で は1986〜87年 の 景 気 回 復 期 に お け る横 浜 経 済 の 特 徴 を 他 の10都 市 の 経 済 力 と産 業 の 構 造 の 比 較 を試 み た 資 料(横 浜 市経 済局rよ こ はま経済 の あ らま し』1990年,以 ト 『あ らま し』第2表1,2)に 基 づ い て み て み る と,横 浜 は人 口315万 人 を 超 え,東 京 都 区 部 に 次 い で 第2位 で あ る。

人 口 の伸 び率 か らい っ て トッ プ の 水 準 に あ る。 横 浜 経 済 が 占 め る対 全 国 シ ェ ア の 比 較 を み る と,第2表 に あ る よ う に,市 内 総 生 産 で2.3%,全 国 第4位 で あ り,市 民 総 生 産 で は2.9%,全 国 第3位 で あ り,事 業 所 で 1.8%,全 国 第4位 で あ り,従 業 者 数 で は2.1%,第4位 で あ る。11人 都 市 の 経 済 力 の 中 で,横 浜 の経 済 力 は,概 ね 第4位 に位 置 す る。 ま た 株 式 上 場 企 業 数 を み る と,全 国1,931社 で,横 浜 に は本 社37社(1.7%)し か な い。 東 京 と大 阪 に 集 巾 し,東 京 は12.4%,人 阪 は4.6%占 め て い る。

横 浜 に あ る上 場 企 業37社 は,東 京 都 区 部,大 阪 市,名 古 屋 市,京 都 市 に っ い で 第6位 で あ る。 横 浜 に お い て は,本 社 機 能 の 集 積 が 弱 い。 この 点 は税 収 構造 に も影 響 を 与 え て い る。 この 点 で,東 京 一 極 集 中 度 が 依 然 と

して 高 い。 今 後 の政 府 の 課 題 で もあ る。 と くに 行 財 政 構 造 が 中 央 集 権 型 で あ って,地 方 分 権 型 で な い こ と に大 き な理 由 が あ る。 と くに 主 要 な 許 認 下権 が 依 然 と して 中 央 官 庁 の 統 括 下 に あ る か らで あ る。

第2表 か ら横 浜 経 済 に お け る産 業 構 造 の 特 徴 を 指 摘 して み よ う。 製 造 事 業 所 数6000で 丁 全 国 順 位 で 第5位 で あ り,全 国 比1.4%で あ り,従 業 者 数19万4000人,全 国 比1.8%で 第4位,出 荷 額 は5兆800億 円 で あ

り,粗 付 加 価 値 額 で は,2兆2百 億 円,対 全 国 比2.0%で,第4位 で あ り, この 粗 付 加 価 値 額 が 高 い の は,電 機,機 械,通 信 機 な ど加 工 組 立型 の 産

(18)

(253) 18商 経 論 叢 第28巻 第2号

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1980年 代 の横 浜 経 済 の構造 変 動 と港 湾 経 済 の研 究 19 0252)

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