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短時間学習を意識 した初級 日本語教材の開発 とその効果

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短時間学習を意識 した初級 日本語教材の開発 とその効果

―初級漢字教科書 『留学生のための毎日のKANJ:』 ―

濱田美和 0高 畠智美 ・市島佑起子

Developlment of Bcgillners Japanese Lcaming Resources for Short lntensive Study 2md the Effects:A Bcgi面 ers tti TextbooК "Everyday KANЛ  for lntemational Smdents"

HAMADA Miwa,TAKABATAKE Tomomi,ICHISHIMA Yukiko

要   旨

日本語教育 において,漢 字教育 は重要である。漢字は語彙の習得 とも関連するものであ り,ま た, 日本で生活す る留学生の多 くは,至 る所で漢字を目にするため,習 得の必要性を強 く感 じている。一般に,集 中日本語 コースで は漢字の体系的な指導がなされているが,コ ‐ス内で十分な時間が確保できない場合,文 型や語彙の習得に重点を 置いて指導がなされるため, 漢 字は学生が自ら学ぶ しかない状況にある。 これには, 教 室における短時間指導に適 した漢字教材の不足 も関連 していると思われる。筆者 らは,専 門の学習等で多忙な留学生のために,新 たに短時間 学習型の初級漢字教科書 『留学生のための毎 日のKA N」 I 』を開発 した。本教材の特徴 として, 教 室における短時 間での導入に適 している点,ま た, 学 生が自学 自習 しやすい工夫を行 った点が挙げ られる。本教材 による漢字指導 を始めた結果,非 漢字圏の学生だけでな く,漢 字圏の学生か らも一定の評価を得ることができた。

キーワー ド】漢字,教 科書,初 級タラス,短 時間学習,自 学自習

1『 留 学生 のための毎 日の KANJl』 開発 の経 緯

日本の大学で学ぶ外国人留学生の多 くは,専 門の学習や研究を行いなが ら,多 忙な中, 日本語のクラ スに参加 している。そのため,短 時間で効率的に,大 学で必要性の高い日本語を習得できるようなコ ス運営が求め られる。 また, 日本語のクラスに継続 して出席できない学生や,予 習や復習 に十分な時間 をかけることができない学生のために, 自学 自習が しやすい環境を整えることも重要である。

富山大学留学生セ ンター 「日本語課外補講」 は,初 級,中 級,上 級, 3つ の レベル別 クラスを前期, 後期 にそれぞれ15週,開 講 している。「日本語課外補講」 は大学院隼や研究生,短 期留学生を主な対象

としてお り,受 講者は専門の授業等がない時間帯のみ 日本語の授業に出席 しているため,各 レベルで開 講 している科 目をすべて取 ることができない学生 も多い。

このうち, 日本語を初めて学ぶ学生のための初級 クラスは,週 10コマ (1コ マ90分)の 「文法」の授 業 (『みんなの 日本語 初級』1,2(ス リーエーネ ッ トワーク)を 主教材 とし,語 彙や文型の導入後,会 話,聴 解,読 解等の基本練習を実施)と 週1コマ 「聴解」の授業 (聴解を中心 とした応用練習を実施) で構成 される。2005年度まではさらに,初 級〜上級 クラスの共通科 目として 「漢字」の授業 も週 1コ マ 受講できるようにな っていたが,「 日本語課外補講」受講者 に対 して毎期実施 しているア ンケー トの中 で,初 級 クラスの受講者か ら,「毎 日の授業で 5分 か10分,漢 字を教えると,学 生 は覚えやす くていい と思 う。」「毎 日のクラスで漢字を勉強 した らいいと思 う。たとえば, 1日 10個漢字を勉強 した ら,漢 字 を知 らない学生 にとて もいい。漢字の授業 は週 1回 だけで,少 ないと思 う。」 といった漢字指導 に関す る意見が複数寄せ られた。初級 クラスの非漢字圏の学生の多 くは英語を用いて研究を行 っているが, 日 本で生活を送 る中では漢字を目にする機会が多 く,漢 字習得の必要性を強 く感 じていることが窺われる。

学生の意見に見 られるように,漢 字を初めて学ぶ学生 にとって週 1回 の授業で多 くのことをまとめて学 ぶ というのは負担が大き く,加 えて,時 間的制約か ら 「漢字」の授業に出席できない学生がいたことも,

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毎 日の授業の中で漢字を学びたい」 という要望が出てきたことに深 く関与 しているのではないか と思 われる。

そこで,2005年 度よ り,漢 字未習者が徐 々に漢字を習得できるよう,初 級 クラスにおける漢字の指導 体制を見直 し,初 級 クラスの 「文法」「聴解」の授業を利用 して:週 2〜 3回 漢字の指導を短時間で行 うことに した。短時間で漢字を導入す るためには,学 生のニーズに合わせ,漢 字や語彙を精選 した教材 が必要である。初級 日本語の教科書には漢字導入に配慮 した もの もあ り,そ れ らを主教材に使用するこ とも考え られるが,こ れは容易にはできない。主教材の変更はコース全体のカ リキュラムにも影響する ものであ り,加 えて,初 級 クラス 「文法」は大学院入学前予備教育である 「日本語研修 コース」 と週 3 日合同授業 となっているか らである。 またこれ らの教科書は,一 般 に文型や語彙の導入に焦点を当てて 作成 されているため,漢 字の体系的な指導を行 うにはあまり適 していないという問題 もある。一方,漢 字に焦点を当てた教材 については, 日本語学習者向けの優れた漢字教科書や参考書は多 くあるが,既 存 の初級漢字教科書のうち,留 学生に適 したものは,導 入にある程度の時間を要するものであ り,短 時間 での指導用教材 としては必ず しも適 当とは言えない。 また,「 日本語課外補講」を受講する学生は,専 門の授業等のために毎回クラスに出席できない学生 も多 く, 自学 自習にもある程度対応できる内容の教 材が必要である。

以上のような理由か ら,新 たな独 自教材の開発の必要性を感 じ,初 級漢字教科書 『留学生のための毎 日のKANJI』 を作成す るに至 った。 そ して;初 級 クラスで本教材を用いた漢字の授業を 1年 間行 った 結果,一 定の効果が見 られたため,初 級〜上級 クラスの共通科 日としていた 「漢字」の授業を,2006年 度前期か ら,中 級〜上級 クラスの共通科 目に変更 した。 これにより 「漢字」の授業における受講者の習 得 レベル差の緩和 にも役に立 った。

本稿では,初 級漢字教科書 『留学生のための毎 日のKANJI』 の概要 と特徴,そ して,ク ラスにおけ る本教材の使用状況および効果について報告する。

2 『 留 学生 の ための毎 日のKANJl』 の概要 2.1 学 習 目標

本教材は,専 門の学習や研究などで忙 しく, 日本語の学習に十分な時間を割 くことのできない学生が, 無理 な く日本語 の学習を継続 していけるよう支援す ることを 目指 している。『留学生 のための毎 日の KANJI』 は,Vol.1とVol.2の2巻 か ら成 り, この 2巻 で 日本語能力試験 3級 レベルの漢字を網羅 して

いる。

『留学生のための毎 日のKAN」 I,Vol.1』(以下,『Vol.1』と記す)は 初級 クラスの授業で使用する ために作成 したものである。『Vol.1』の学習 目標は,漢 字を初めて学ぶ学生が,

1)漢 字の書 き方,文 字の組立て,音 訓など,漢 字に関する基礎的な知識を体系的に学ぶ こと 2)15週 のコースを終える段階において, 1)の 内容を学ぶために必要な漢字,お よび日常生活や大

学生活で必要度の高い漢字120字を習得すること

3)1), 2)を 通 し,継 続 して漢字学習に取 り組んでい くための素地を確立す ること である。

留学生のための毎 日のKAN」 I,Vol.2』(以下,『Vol.2』と記す)は ,初 級 クラスの授業で 『Vol.1』

を用いて漢字 に関す る基礎的な知識を習得 した学生が,初 級 クラス終了後 も漢字学習を継続 しやすいよ うに,『Vol.1』と同様の形式で作成 した ものである。『Vol.2』では, 日常生活や大学生活で必要度の高 い初級 レベルの漢字172字を習得す ることを学習 目標 としてぃる。

2.2 漢 字 の選定

『Vol.1』では, 日本語学習 における入門 レベルの漢字 として 日本語能力試験 4級 レベルの漢字表の 103字を採用 し,こ れに以下の基準によ り。17字を加え;計 120字を選定 した。

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1)部 首等,他 の漢字の構成要素 として用いられる漢字 :田,門 (日本語能力試験 3級 レベル) 2)日 常生活で使用頻度の高い漢字 :市,住 ,所 ,屋 ,明 (日本語能力試験 3級 レベル)

番,号 (日本語能力試験 2級 レベル)

3)大 学生活で使用頻度の高い漢字 :研,究 ,教 ,室 (日本語能力試験 3級 レベル) 留,部 ,院 (日本語能力試験 2級 レベル) 4)富 山の生活で使用頻度の高い漢字 a:富 (日本語能力試験 2級 レベル)

Vol.2』では,初 級 レベルの漢字 として 日本語能力試験 3級 レベルの169字 (3級 レベルの漢字表に ある284字の うち,『Vol.1』で扱 った 4級 レベルの103字と3級 レベルの12字を除いた漢字)を 採用 し, この169字に,「大学生活で使用頻度の高い漢字」 という基準により, 日本語能力試験 2級 レベルの 「授」

科」「期」の 3字 を加え,計 172字を選定 した。

2.3 全 体構成

V01.1』は全40課,『Vol.2』は全43課か ら成 り,そ れぞれ表 1,表 2の ような構成 とした。

本教材は,教 室における短時間での指導を行 うことを第一の目的 として開発 した ものであるが,非 漢 字圏の学生の場合,漢 字 に慣れるまでは書字指導 にある程度の時間を要す る。そこで,最 初は,面 数の 少ない漢字か ら,横 画,縦 画,払 いなどの基本画の書き方を徐 々に学べるよう,字 の形 により漢字を配 列 した。 また,L14〜 L19では漢字の成 り立 ちや文字の組立てを学生が意識化できるよう,象 形文字, 指示文字,会 意文字をまとめた。 これ以外は,漢 字および漢字熟語の意味や品詞により,漢 字を分類 し, 学生が覚えやす くなるように心がけた。ただ,そ の際 も,部 首等,他 の漢字の構成要素 として使われる 漢字ができるだけ先に学べ るよう,あ るいは,漢 字の音訓の語例にできるだけ既出の漢字が使えるよう 提出順を検討 した。 日本語学習者 に対する漢字教育に関す る先行研究において も,学 習者が挙げる漢字 学習の困難点 として,漢 字の 「記憶」「記憶保持」 ということがある (豊田1995など)が ,特 に初めて 漢字を学習する非漢字圏の学習者は 「漢字間に形態的,あ るいは意味的共通性を見出 し,そ れ らをグルー プにまとめて覚える」 というス トラテジーを頻繁に用いているとする調査報告 もあり (伊藤 0和 田2004 p.125),本教材 も漢字の記憶 という面で,有 効な配列 になっていると言えるだろう。

表 1 『 留学生のための毎 日のKANJI,Vol,1』 の全体構成

一 蜃 彗 l撃 鍵

Ll― L10 基本画 の書 き方 お よび筆順 の原則 を習得す る ための漢字

Ll横 画 :一 ,二 ,三     L2縦 画 :十 ,土 ,山 L3〜 L4払 い :川 ,八 ,人 ,大 ,木 ,本

L5折 れ る画 :日 , 日,田   L6は ね :小 ,水 ,月 L7曲 が りとはね :九 ,花 ,先

L 8 〜L 1 0 点 : 火, 金 , 来 , 六 , 市 , 立 , 国 , 魚 , 雨

Lll〜 L13 数を表す漢字

L14〜 L19 象形文字,会 意文字等,漢 字 の成 り立 ちや文 字 の組立 てを学ぶための漢字

日, 耳 , 手 , 足 , 門 , 車 , 子 , 女 , 男 , 生 , 学 , 休 , 上, 下 , 中 , 右 , 左 , 間

L20‑L22 時間表現 に関 わ ることばに使 われ る漢字 L23〜 L26 基本動詞 に使 われ る漢字

L27‑L33 自己紹介や書類記入の際に必要なことば,大 学生活に関わることばに使われる漢字

名, 住 , 所 , 電 , 番 , 号 , 父 , 母 , 友 , 会 , 社 , 校 , 留, 富 め, 語 , 研 , 究 , 院 , 部 , 教 , 室

L34〜 L36 方 向や場所 を表 す ことばに使 われ る漢字

L37 天気 に関わ ることばに使 われ る漢字 天, 気 , 空

L38〜 L40 基本形容詞 に使 われ る漢字 新, 古 , 自 , 長 , 高 , 安 , 多 , 少 , 明

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表 2 『留学生 のための毎 日のKAN」 I,Vol。2』 の全体構成 華課響

朝 l‖ 難議藝1趨 難 辮墨難差 :翻脚

L41‑L44 時間表現や季節に関わることばに使われ る漢

朝, 昼 , 夕 , 夜 , 春 , 夏 , 秋 , 冬 , 去 , 曜 , 方 , 度 , 暑, 寒 , 早 , 暗

L45‑L46 親族表現 に関わ ることばに使 われ る漢字 私, 家 , 族 , 主 , 兄 , 姉 , 弟 , 妹 L47‑L49 料理,食 べ物,動 物 に関 わ ることばに使 われ

る漢字

L50 身体 に関わることばに使われる漢字 体, 力 , 心 , 持

L51‑L56 大学生活に関わることばに使われる漢字 科, 期 , 試 , 験 , 質 , 問 , 題 , 答 , 注 , 意 , 用 , 紙 , 文, 字 , 漢 , 英 , 勉 , 強 , 習 , 説 , 授 , 業 , 工 , 産 L57 数 や計算 に関 わ ることば に使 われ る漢字 合, 計 , 以 , 代

L58〜 L63 基本形容詞 に使 われ る漢字

( 「色」は例外, 色 彩形容詞 とまとめた。)

元, 親 , 切 , 有 , 不 , 便 , 特 , 別 , 同 j 正 , 悪 , 弱 , 近, 遠 , 広 , 低 , 重 , 軽 , 太 , 短 , 色 , 赤 , 青 , 黒

L64〜 L71 基本動詞 に使 われ る漢字

( 「仕」 「事」は例外, 「働」 「帰」 とま とめた。)

使

L72 乗 り物 に関わることばに使われる漢字 自, 転 , 運 , 通 L73 品物 に関わ ることばに使 われ る漢字 物, 品 , 洋 , 服

L74〜 L75 趣味 に関わ ることばに使 われ る漢字 映, 画 , 写 , 真 , 音 , 楽 , 歌 , 旅

L76 身体部位 を表す ことばに使 われ る漢字 頭, 顔 , 首 , 声

L77‑L78 病 院や人 々に関わ ることばに使 われ る漢字 病, 薬 , 医 , 者 , 員 , 民 , 世 , 界 L79‑L81 場所や建物 に関わることばに使われる漢字

L82‑L83 自然 に関わることばに使われる漢字 林, 森 , 海 , 池 , 風 , 台 , 光 , 銀

また,   自学 自習用 と して も本教材 を使用 し やす いよ う, 巻 末 に練習 問題 の解答ペー ジを 加えた。 さらに, 『V o l . 1 』では本冊 とは別に, 授業で使用す るための1 0 課ごとの復習テス ト, そ して, 学 生が復習用の漢字 カァ ドを簡単 に作 成 で き る よ うWeb上  (http://wwwoisc.u―

toyamaoac.jp/〜hamada/kanji.html)に実字カー ドのPDFフ ァイル (A4用 紙両面11枚,カ ー ド 330枚分)を 用意 した。漢字 カー ドは,表 面 に 当該漢字を用いた語 とその漢字の導入課,裏 面 に読み方 と英訳が印刷できるようになっている。

(図 1)

2.4 各 課 の構成

『留学 生 の ため の 毎 日の KANJI』

6)穴(ごングを通します。

6)Pass a‖ng throu♪ttt hOles

図 1 漢 字 カー ドPDFダ ウ ド用Webペ ー ジ

『Vol.1』は各課 3字 ,『Vol.2』は各課 4字

とし,一 つの課 が見開 き 2ペ ー ジで完結 している6こ れは,学 生 の負担感 を軽減 し,意 欲的 に漢字学習 に取 り組 めるよ うに配慮 した ものである。各課 は,漢 字 につ いて学ぶペー ジ (左ペニ ジ)と 練習ペー ジ (右ペー ジ)か ら成 っている。 (図 2,図 3)

PCとプリン爆 字カードが簡単に作れます。 You can make KanJ cardSJし嘔hg PC and 漢字カードの作り方

1)両面〔晰」可能な厚手の紙を11枚用達しま 晰 vto maにKatt cardS す。       1)Prepare ettven sheets of thに k paper 2)表面に

降根」I ca記ldrを 印昂幅ます。   fOr doubtt sded p‖nthε

鷲覆 な鰤幅ま3:1離;毒f繁諄:1確trsde

5 ) 切つた紙の左端 にバンチで穴をあけます。  の c u t   t h e   p a p e r s   a b t t   t h e ‖n e 6

一‑20‑一

(5)

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牛 牛 生 衝 れん しゅうしましょう 計1llil:■i已

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´6sl■ ∝ =̀:fl l■ 鮪へ。

1 1 ま

1 ) わ た しのE l l では生の魚はたべません,

2 ) 大 学は 十よう日と日よう日が体みです。

でツ「かきましょう

1 ) な つ壺 に  と もだちと 準 に  い きます.

2 ) あ の  だ ん し  が Kせ 0■ま い ちねんせいです.

3 ) 二 どt , の  た ん上 ■,び に ケ ーキを つ くります.

l linle血 …t眸 → 鈴→ 休

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study

・ ″ 一繭

・山

議一珈

図 2 留学生のための毎 日のKAN」 I,Vol。1』L17

『留学生 のための毎 日のKANJI,Vol.2』 L42

ヽ::│,ヽ│: =4露

義 肇 I I 富 : ニ ク 夫 春 卜 + 人十日ゝ

勁 れんじゅうしましょう

│キ

春 休み (は る‐やす‐み)   sping h昴 days , l t a A l L e L - . \ ' , L - a - U ' t t h e v c r n a l e q u i n o x d a y

│1夏 lilIIs二 「 戸フ夏怪t萱〕鸞

I ( t J ? ) s u m h e r

I { e ( t j ? - t f - r ' ) s u m m e r h o l i d a y s

初 夏 (し ょ‐か)       early summer

W醐 [蔦魚 rtt E/・ n漱 ゝ 罐

みましょう

A h ' a E ( L b ) ' . ; ' , L ' o - U l t b e a i l t u m n a l e q u i n o x d a y

春     夏     秋     冬     春 分 の 日    秋 分 の 日

1 ) 夏 と 冬 と 、 ど ち らが す き で す か , 2 ) 日 本 で は 、 春 分 の 日 と秋 分 の 日l ■休 み で す ,

かきましょう

1)な つやすみに た てやまへ い主たいです。

2)ふ ゆは さかなが とても お いしくなります.

3)こ の こ うえんは はユ│ま さ くら、 あ 豊は もみじが きれいです。

図 3

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漢字について学ぶページには,筆 順,字 義の英訳,漢 字の音訓,当 該漢字を用いた語 とその英訳を載せ た。一部の漢字には,学 生が漢字を覚える際の助けとなるよう,漢 字の成 り立ち等を示 したイラス トを入れ た0。『Vol。1』においては,筆 順は一画ずつすべて載せ,そ の該当部分に 「sweep(払 い)」「hook(は ね)」

等の書写上のポイ ン トも加え,初 めて漢字の書字練習を行 う学生が漢字の点画の書き方や筆順を確認 し やす くした。『Vol.2』においては,「 日」「土」「み」等の基本的な部首や構成要素の筆順は習得できて いると想定 されるため,あ る程度まとまった単位で筆順を示 した。 さらに既習の漢字の部首や構成要素 を組み合わせ ることにより,新 出漢字の大半が書けることを学生 に意識化 させるために,例 えば 「春」

は 「三 +人 +日 」,「暑」は 「日 +土 +ノ +日 」 といった組立て方 に関する情報 も,筆 順の横 に加えたり

漢字の音訓 については,使 用頻度が少ない読み (「目」の音読み 「ボク」および訓読み 「ま」,「夕」

の音読み 「セキ」等)に ついては掲載 しなか った。また,当 該漢字を用いた語例は,音 訓それぞれ 3語 以内とし,語 の選定 は,初 級 クラスの主教材である 『みんなの 日本語 初級』の語彙, 日本語能力試験 3級 レベルの語彙,お よび 『語彙別 漢字基準表』 レベルDecの 語彙を参考 に初級 レベルの基本語彙を 選 び, これ らに大学生活に必要な語 (前期,研 究室,教 授,学 会等)お よび富山での生活に必要な語 (北陸,富 山市,立 山,市 電等)を 加え,ま た,多 少難易度が高い語 について も,漢 字の意味によって 語の意味の推測が行いやすい語 (飲食店,出 国,西 部,本 店等)は ,漢 字が意味を表す ことを学生 に意 識化 させるために適宜取 り入れた。音訓 ともに 3語 以内に絞 ったため,例 として掲載できなか った重要 語彙については,練 習ページあるいは漢字カー ドに載せることにより補 った。そ して,動 詞については, 初級 クラスの主教材である 『みんなの 日本語 初級』では新出語彙の動詞の形 として 「ます形」が採用

されているため,本 教材 において も 「ます形」を用いることとした。

練習ページには,各 漢字の書写練習の枡,語 あるいは句単位での読み練習 (各課 4〜 9問 ),文 単位 での読み練習 (各課 2問 )お よび書 き練習 (各課 3問 )か ら成 っている。 これ らの練習問題に用いる文 や語 は,初 級 クラスのシラバスに沿 って,徐 々に難易度が上がっている。

3 『 留 学生 の ための毎 日の KANJ:』 の特徴

本教材の作成 にあた り, もっとも重視 した点は, 日本語の学習にまとまった時間を取れない学生のた めに,教 室における短時間での指導が可能な教材 とすることである。そ して,漢 字の習得には,教 室外 での復習 も欠かせないため,短 時間での復習が しやすい教材 とすること,さ らには,毎 日日本語の授業 に出席することができない学生 も多いため,自 学 自習 しやすい教材 とすることを目指 し,開 発を行 った。

具体的には,以 下のような点を工夫 した。

第一点 日として,本 教材で扱 う漢字数および語彙数を制限 した点が挙 げられる。 まず,漢 字数 につい ては,学 生が大 きな負担を感 じることな く,意 欲的に漢字学習に取 り組めるよう,『Vol。1』では 1課 の 漢字数を 3字 ,教 科書全体の漢字数を120字,『Vol.2』では 1課 の漢字数を 4字 ,教 科書全体の漢字数 を172字と制限 した。 また,『留学生のための毎 日のKAN」 I』をVol.1とVol.2の2巻 に分 け,学 生が教 科書を 1冊 学習 し終えた達成感を持ちやす くした。次 に,語 彙数 について も先に挙げた漢字数 と同様, 学生の負担感を軽減するため,ま た,教 室における導入時間を短縮するため,音 訓 ともに 3語 以下に制 限 した。そ して,扱 う語彙は授業で既習の ものを中心に取 り上 げた。

第二は,漢 字の提出順序 についてである。 1課 5〜 10分程度 という短 い指導時間を想定 していること か ら,『Vol.1』の冒頭部分は,漢 字を初めて学習する非漢字圏の学生への書字指導が円滑に行えるよう, 字形の単純な字か ら導入 し,漢 字の基本的な書 き方,た とえば,横 画の書 き方,縦 画の書 き方,払 いの 書き方,点 の書 き方などを,順 を追 って学べるような配列 とした。その後は,漢 字および漢字熟語の意 味や品詞 による分類を行い°,新 出漢字の構成要素や語例 に,で きるだけ既出漢字が使えるように配慮

しなが ら,配 列 した。

第二は,漢 字 と語彙の選定についてである。富山大学で学ぶ留学生を対象に作成 した教材であるため,

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富山で大学生活を送 る中で 目にする機会が多い漢字や漢字熟語 については,一 般的に難易度が高いとさ れるもので も採用 し,利 用者のニーズに,よ り即 した内容 とした6

第四は,練 習問題 についてである。本教材は 「日本語課外補講」初級 クラスでの使用を前提 とし開発 していることか ら,当 クラスのシラバスを考慮 した上で,練 習問題文の難易度を決定 した。 これにより, 本教材は,漢 字の学習だけでな く,既 習の語彙や文型の定着の促進にも役立つ ものとなっている。また, 練習問題の解答を巻末 に付けてあるため,練 習問題部分 は自宅での復習用 として用いることも可能であ る。 また,授 業へあまり出席できない学生が一人で も学べるように,解 答には,す べて英訳を入れる予 定で,現 在作業を進めているη

第五は,補 助教材 についてである。既 に作成済みの ものとして,『Vol.1』用の漢字カー ドを作成する ためのPDFフ ァイルをWeb上 で提供 している (2.3を参照)。本来な らば学習者 自身が漢字 カー ドを作成 したほうが,漢 字の記憶の促進に,よ り効果を発揮す ると思われるが, 日本語の学習時間が十分に取れ ない学生にとっては,漢 字カー ドを作 る時間 もなかなか取れないことが多いため,補 助教材 として提供 することにした。先行研究にも;漢 字学習を始めたばか りの学生 にとってのカー ドの有効性が述べ られ ている0。実際に筆者 らは;文 字の学習 に不慣れな学生か ら,漢 字の学習方法 について相談を受 け, こ の漢字カー ドの使用を勧めたところ,覚 えるのに大変役に立 ったとの報告を受けた。なお,ま だ計画中 の段階ではあるが,教 室外 における漢字学習を支援す るため,Web上 で本教材に即 した内容の練習問 題の提供を行 う予定である。 問題をランダムに提 出でき,即 時 フィー ドバ ックが可能なWeb教 材 は,

自学 自習 しやすい環境の整備 に資するところは大 きいと思われる。

以上のように,本 教材は,短 時間学習を目的として開発 したため,教 科書に掲載する内容はかな り絞 り込んだ ものとなっている。本教材はあ くまで 日本語の学習に十分な時間が割けない学生 に対 して,彼 らが漢字の学習 に慣れるまで,教 室において短時間で指導することを目的に作成 したものである。 この ことは,逆 に, 日本語の学習にある程度の時間や労力を注 ぐことのできる学生には,内 容的に物足 りな さを感 じさせる恐れがある。漢字の指導 に十分な時間が取れる場合 は,他 の豊富な内容を扱 った漢字教 材を用いたほうがより効果的であろう。本教材を使用す る際には, この点に注意が必要である。

4 『 留 学生 の ための毎 日の KANJ:′ Vo!.1』の授業 での使用状 況 お よび効果

2005年度前期 より富山大学留学生セ ンター 「日本語課外補講」初級 クラスにおいて,『Vol。1』を使用 .し た漢字教育を始め, これまで 3期 にわた り,非 漢字圏の学生 6人 (バングラデシュ4人 ,ブ ラジル,

マ レーシア各 1人 ),漢 字圏の学生10人 (中国10人)に 対 し,漢 字の指導を行 らた。

当初は,月 曜 日か ら金曜 日まで毎 日 1課 進める計画で教材の開発 に当たったが,2005年 度前期 より, 初級 クラス11コマの うち, 6コ マを 「日本語研修 コース」初級 クラスとの合同授業 とすることにな り,

「日本語研修 コース」では 『BASIC KANJI BOOK』 VOL。1を用 いた漢字指導の時間が別 に設 けられ ているため,「 日本語課外補講」単独授業の中で, コース開始後 5週 目か ら,週 2〜 3回 , 1回 の授業 で 1課 ない し2課 進めることにした。初級 クラスでは,文 法,語 彙,作 文,聴 解,会 話に関する定期試 験を 2〜 3週 間に 1回 実施 しているため,試 験がある週は漢字指導の時間を少な くしている。漢字につ いては, この定期試験 とは別 に,10課 ごとに確認テス トを行 っている。表 3に 詳細を示す。

表 3 日 本語課外補講初級 クラスにおける漢字指導 のスケ ジュール (2006年度前期)

(かなの指導) L6‑L8 L21‑L25

(かなの指導) L9〜 L12,テ ス トLl〜 L10 L26‑L28

(かなの指導) L13‑L15 L29‑L34, テ ス トL21‑L30

(かなの指導) L16‑L18 L35‑L37

Ll― L5 L19‑L20, テ ス トLll― L20 L38‑L40

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本教材の特徴 と して,短 時間で指導 が行 え る点, 自学 自習 を行 いやす い点を挙 げたが,実 際 に授業で 使用 した ところ,練 習 問題 を一部宿題 にす る等の方法を取れば, 1課 を 5分 で指導す ることも十分可能 であることがわか った。 また,初 めて漢字 に触 れ る学生 もあま り負担 を感 じず に学べたよ うで ある。専 門の学習や家庭 の事情 によ り,初 級 クラスの授業 を欠席 しが ちであ った非漢字 圏の学生 が数名 いたが, 漢字 の学習 は続 けやすか ったよ うで,中 には, コース終了時に欠席 日の漢字テス トの受験を希望す る学 生 もいた。初級 の文法 ・文型 の学習 は,基 本的 に積 み上 げ式 にな っていることもあ り,ま た内容的 に も

自学 自習では難 しい面 があるのに対 し,漢 字 の学習 は,漢 字 に関す る基本知識 の習得後 は,あ る程度 人で学習す ることも可能 であ り,学 習成果 も見 えやす い。 日本語 を学習す る時間を十分 に取 れない学生 に とって,授 業 の中で漢字 の指導 を組 み込 む ことは,負 担 を増す ことにつなが るか もしれない とい う不 安 もあ ったが, これまでの学生 の様子か らは,逆 に 日本語学習 の動機付 けの一助 として機能す るほうが 強 いのではないか と感 じられた。

また,い ずれの期 もクラス

には非漢字 圏の学生 と漢字 圏の学生が混在 していたため,実 際の指導 は, 新 出漢字 の音訓 および語彙 の確認 までは一斉 に行 うが,そ の後は,非 漢字圏の学生 と漢字圏の学生 とで 分 けて指導す ることが多か った。基本 的に非漢字 圏の学生へ は漢字 の書写練習 を中心 に,漢 字 の書字指 導 を丁寧 に行 い,練 習問題 は部分的に宿題 にす るな どして対応 している。非漢字圏の学生への指導 の間, 漢字 圏の学生 には当該漢字 を用 いた語彙 や文 の読 み練習,書 き練習 の問題 を させ,後 で間違 いがないか を教師が確認す るとい った方法 を採 り,時 間調整 を行 っている。『Vol.1』では 3字 ごとに練習問題が用 意 され,そ れ らの解答 もあるため,こ のような学生個人のペースに合 わせた指導 も行 いやすか った。

初級 クラスにおける漢字教育 の組み込 みは,非 漢字圏の学生 たちか らの要望 を契機 に始 めた ものであ るが,数 名 の学生 に本教材 を使用 した漢字学習 につ いてのア ンケー トを実施 した ところ°,非 漢字 圏の 学生 だけでな く,漢 字 圏の学生 も 「漢字 の授業 は役 に立 った」 とい う回答 であ った。授業 の中で, 自 ら の弱点 に気付 き,漢 字学習 の必要性 を実感 した様子 の漢字 圏の学生 もいた。漢字圏 とは言 え,正 確 な読 みは苦手 とす る学生 が多 く,ま た書 く場合 の適切な漢字 の選択 には,語 彙 の知識 も必要 とな るため,語 彙 の定着 に も漢字学習 は欠かせない ことをn,教 える側 も再認識 させ られた。

このよ うに,本 教材 の開発 は,「 日本語課外補講」初級 クラスの授業 の改善 に少 なか らず寄与 で きた のではないか と思 われ る。先行研究 において も,漢 字学習 は,時 間的制約等の理 由か らその大部分 が学 習者 の 自学 自習 に委ね られてきた こと,ま た,体 系的な指導 が唱え られているが,基 本 的には主教材 と して用 いてい る教科書 の課 に出て くる順 に提示 し,簡 単 な紹介 と練習 を し,テ ス トで定着 を図 るとい う 方法 を採 ってい る教育機 関が多 い ことが述べ られてい る (豊田1995p.101)。 その理 由の一つ として, 既存の漢字教科書 では,短 時間での指導 が難 しいことも関連 しているのではないか と思 われ る。本教材

は,富 山大学 の学生 を対象 に作成 した ものであ るが,富 山に短期 間滞在す る外国人教師や研修生 を指導 す る 日本語教師か らも本教材 を使用 したい との申 し出が数件 あ った。

今後 は,前 述 の解答 ぺ=ジ の英訳 の作成 およびWeb上 の練習 問題 の作成,ま た,既 出漢字 を確認 す るための索 引の作成 な ど,本 教材 の充実 を図 るとともに,漢 字学習の他 に,語 彙学習 を効率 的 に行 いた い とい う学生 か らの要望 に応 え るため D,将 来 的 には本教材 と関連 した語彙教材 の開発へ と発展 させて いきたい と考 えている②。

謝辞

本稿は,2006年度 日本語教育学会研究集会 第 5回 Jヒ陸地区における研究発表をもとに,加 筆修正を施 したもの である。同会出席の皆様より貴重なご助言をいただきました。ここに心から感謝の意を表 します。

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(1)例 えば,石 田1989に 「漢字の選択は易から難を目指すのが基本的原則であるが,学 習者にとって必要度の高い漢字 から教えていく。例えば,筑 波大学の学生であれば 『筑波』は複雑な構造の漢字ではあっても,最 初に読み方 と意 味は教えなければならないし,学 習者にとっては日常最 も多 く目にする漢字なので,決 して難 しくはない。教科書で は,学 習者の日常生活で必要度の高いもの,雑 誌 ・新聞での使用頻度の高いもの,な かでも造語力の高いもの,偏 や傍になるもの等が優先 して提示 されている」(p.297)とあるように,一 般に日本語教育における漢字の導入は,学 習者にとっての必要度の高さという観点が重視される。『留学生のための毎 日のKANJI』 は,富 山大学の留学生を 主たる対象とし開発を行 ったため,彼 らにとっての必要度の高さという観点から,こ こでの選定基準を設けた。

け)「 山」は日本語能力試験 4級 レベルの漢字 に含まれるため,富 山の生活で使用頻度の高い漢字 として加えた漢 字は,「富」 1字 となっている。

輸)「 富」は,富 山で生活する留学生のために加えた字である。

に)酒 井1994は,非 漢字圏学習者に漢字を導入す る際,イ ラス トを提示することにより,漢 字の定着度が高め られ たという実験結果を示 している。

幅)高 木1995は,非 漢字圏学習者の漢字学習では,字 形の認識能力の促進が漢字習得を高めるという実験結果を示 している。

(6)漢 字や漢字熟語の意味や品詞による分類は, 日本語学習者向けの漢字教科書や練習問題集でよ く行われている 方法である。

 2006年 度前期版では,L20ま で英訳を入れている。

旧)大 北1995では,非 漢字圏の日本語学習を対象 とした調査を もとに,学 習 レベルによって漢字学習ス トラテジー の使用頻度 に差があることが指摘 され,学 習 し始め (1年 目)の 段階ではフラッシュカー ドの使用が多か った

ことが報告 されている。

伸)2005年 度後期に本教材を使用 した学生 に対 し,2006年 5月 に実施 した。方法は質問票の配布回収による。まだ 分析のための十分な回答数を得 られていないため,本 稿では部分的な紹介に止める。今後 もア ンケー ト調査を 継続 して行 う予定である。

αO 先 行研究において も漢字学習 と語彙学習の結び付 きの強 さが指摘 されている。たとえば,横 須賀1999には 「日 本語の語彙について考えるとき,そ れは単に 『単語』の問題ではな く,そ の表記体系である漢字 について も考 え合わせなければな らない。漢字は,文 字 ・表記 と語彙 との両面にわたる性格を もつか らだ。」(p.97)という記 述がある。 また,石 田1989では,テ ス トの総得点か ら各テス ト (聴解,漢 字読み,漢 字書 き,構 文読解)得 点 の寄与を調べた結果か ら,「漢字の読み方は 日本語の総合的な力を反映 してお り:特 に語彙力,聴 解力 と関連 を もっている」(p.299にとが示 されている。

αD 富 山大学留学生セ ンター 「日本語課外補講」で毎期実施 している学生ア ンケー トの中で,「た くさん新 しいこ とばがあ ります。 どうや った ら覚え られますか。」「教科書はわか りやすいですが, こ とばの説明がちょっと足 りません。」 といった語彙 に関す るコメン トが初級 クラスの学生か ら何度か出されている。

a)先 行研究 において 「現在の 日本語教育では,語 彙は一般的に他の技能 と併せて指導 されることが多 く,単 独で 体系的に指導 され ることはない」 (横須加1999p.112)と 指摘 される通 り,ま だ十分な学習,指 導体制の整備 がなされていない領域である。

主 な参 考 文 献

(1)石 田敏子(1989)「漢字の指導法(非漢字系)」加藤彰彦編 『講座 日本語 と日本語教育 第 9巻 日本語の文字 ・表 記(下)』pp.290‑312(明治書院)

(2 伊 藤寛子 ・和田裕一(2004)「漢字背景 と漢字能力か らみた漢字の学習方略」『2004年度 日本語教育国際研究大会 予稿集 発表2』pp.124‑129

暢)大 北葉子(1995)「漢字学習ス トラテジー と学生の漢字学習 に対す る信念」国際交流基金 日本語国際セ ンター編

世界の 日本語教育』第 5号 pp.105‑124(凡人社)

141 加納千恵子 ・清水百合 ・竹中弘子 ・石井恵理子(1989)『BASIC KANJI B00K』 VOL。1,VOL.2(凡 人社) に)国 際交流基金 ・財団法人 日本国際教育協会(2002)『日本語能力試験 出題基準 [改訂版]』(凡人社)

(0 酒 井順子(1994)「認知科学か らみた漢字教育へのアプローチー学生の自立学習を目指 した四段階の F記憶法』

による実証的漢字指導の試み一」『東京外国語大学留学生 日本語教育セ ンター論集』20号 pp.43‑61 (7)「 日本語学カテス ト」運営委員会(1999)『語彙別 漢字基準表』(専門教育出版)

棒)高 木裕子(1995)「非漠字系 日本語学習者 における漢字パター ン認識能力 と漢字習得 に関する研究」国際交流基 金 日本語国際セ ンター編 『世界の日本語教育』第 5号 pp.125‑138(凡人社)

輸)高 畠智美 ・濱 田美和 ・市島佑起子(2006)「短時間導入型 『初級漢字教材』の開発」2006年度 日本語教育学会研 究集会 第 5回 Jヒ陸地区 資料集 pp.24‑25

αO 豊 田悦子(1995)「漢字学習 に対す る学習者の意識」『日本語教育』85号 pp。101‑113(日 本語教育学会)

OD 横 須賀柳子(1999)「語彙及 び漢字学習ス トラテジーの研究」宮崎里司 ,JoV。ネウス トプニー編 『日本語教育 と 日本語学習 一学習ス トラテジー論 にむけて―』pp.97‑116(く ろしお出版)

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表 2 『留学生 のための毎 日のKAN」 I,Vol。2』 の全体構成 華課響 朝 l‖ 難議藝1趨 難 辮墨難差 :翻脚 L41‑L44 時間表現や季節に関わることばに使われ る漢 字 朝, 昼 , 夕 , 夜 , 春 , 夏 , 秋 , 冬 , 去 , 曜 , 方 , 度 ,暑, 寒 , 早 , 暗 L45‑L46 親族表現 に関わ ることばに使 われ る漢字 私, 家 , 族 , 主 , 兄 , 姉 , 弟 , 妹 L47‑L49 料理,食 べ物,動 物 に関 わ ることばに使 われ る漢字 L50

参照

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