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企業不祥事再発の構造とその防止策についての考察

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Academic year: 2021

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神奈川大学大学院経営学研究科 『研究年報』第14 20103241

■ 修士論文要旨

企業不祥事再発の構造とその防止策についての考察

一原因の特定 と除去のための手法に焦点 をあてて‑

AStudyofStructuralCausesofandPreventiveMeasuresagainstRepeatedCo叩OrateScandals IHowtoIdentifyandEliminatetheCausesoftheScandals一

神奈川大学大学院 経営学研究科 国際経営専攻 博士前期課程

金 山 月

JIN,Shanyue

企業不祥事が多発 してマスコ ミをにぎわ し、深 刻 な企業不信 を招いている現状がある。 しか も、

単なる企業不祥事ではな くて、企業不祥事の再発 も少なくなく、企業不信 に拍車 を掛けている。

企業不祥事は企業経営に大 きな影響 を与 えるが、

その再発 となると時に企業にとって致命的で、経 営破綻の恐れまである。企業不祥事 をいかにして 防 ぐか、中で もその再発 をいかに して防止す るか は、企業経営上極 めて重要な課題である。 そこで、

本論文では、企業不祥事の防止一般 を論 じるので はなく、一度企業不祥事 を起 こして しまった企業 がいかに して再発 を防止す るかに絞 って論 じた。

その際には、企業が再発防止に取 り組んで も、結 果的に次々と再発 して しまうのは、企業不祥事の 根本的な原因が十分に特定 されていないことにあ るのではないか とい う点 を念頭に、それをいかに して除去す るかに留意 して、より有効 な企業不祥 事再発防止策のい くつかを提案す ることを試みる。

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章では、企業不祥事の再発が少なくないこ とを踏 まえて、企業 が再発防止 に取 り組んで も、

なぜ再発が後 を絶たないのか、そ して どうすれば 再発を防止で きるのかとい う本論文の問題意識 を 提示 した。

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章では、企業不祥事の定義 を明 らかに した。

先行研究 を踏 まえ、実例 (三井物産不正入札事件 と明治安田生命の保険金不払い事件)をあげて定 義 を検討 した。具体的には、企業不祥事 とは 「企 業 が他者や環境に対 して与 える不利益であって社 会的に許 されないこと」 と定義 した。

3章では、企業不祥事の再発 とは何かについ て論 じた上で、再発の実例 を詳 しく紹介 した。一 般的に再発 とは、同 じ主体が同 じような企業不祥 事 を再び発生 させ ることで、 これを第

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のパ ター ンとす る。 しか し、世間で問題 とされる企業不祥 事の再発は、それだけでなく、他にも2つのパ ター ンが考 えられる。一つは、一度企業不祥事 を起 こ した企業 または企業グループが、時間をおかずに、

種類が異なる別の企業不祥事 を起 こす ことである。

もう一つのパ ターンは、他の企業で企業不祥事が 起 こったことを知 りなが ら、それ と同一 または良 く似た企業不祥事 を、主 として同一業界の他の企 業が引 き起 こす ことである。

本章では、第1のパ ターンの典型例 として三菱 自動車工業の リコール隠 し事件 を、第

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のパ ター ンの典型例 として雪印事件 を、第3のパ ターンの 典型例 として 日本ハ ムの国産牛肉偽装事件 をとり

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あげ、詳 しく紹介 した。

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章では、企業不祥事の再発防止 とは何 か と その必要性 について論 じた。その後、一般的な再 発防止策 について検討 した上で、個別企業 におけ る具体的な再発防止策 を取 り上 げ、その限界 につ いて論 じた。

本章では、企業不祥事が起 こった後に原因 を分 析 して、同 じ過 ちまたは似ている過ちを二度 と繰 り返 さないために対応処置 を実施す ることで、健 全 な事業活動 を してい く企業づ くりを再発防止 と 位置付 け、再発の もた らす企業経営への深刻 な影 響 を指摘 して再発防止の必要性 を論 じた。

企業不祥事の一般的な再発防止策 として、 コン プライアンスについての取 り組み を論 じた。 その 上で、再発 を生 じさせて しまった企業である、三 菱 自動車、雪印、 日本ハ ムの再発防止策 を検討 し て、なぜ再発防止策が有効 に機能 しなかったのか その原因を分析す し、経営理念 が十分に浸透 して いない ことと、企業不祥事の原因が十分に把握 さ れていなかったことがポイン トである点 を指摘 し た。

第5章では、 これ までの検討 を踏 まえ、企業不 祥事の再発 を防 ぐためのい くつかの手法 を提案す ることを試みた。 まず、再発企業では経営理念が 徹底 していなかった ことを踏 まえ、起業の原点に 帰 って、社会 における企業の存在意義 と使命 を表 わ した経営理念 を再認識 し、それ をしつ こく発信

し続 けて社内に浸透 させ ることの重要性 を論 じた。

次 に、再発企業では、一般 に企業不祥事の原因が 十分に把握 されていなかったことを踏 まえ、正確 な情報 を迅速に把握す るために、'社内に独立 した 機関 を設 け、従業員か らの申告 を受 け付 けるよう にす ることの必要性 を論 じた。最後 に、企業不祥 事 に関与 した従業員 しか知 りえない情報 を確実に 把握 し、再発防止 につ なげるために、発覚前に自 主 申告 した場合 に企業 内での処分 (懲戒解雇 ・降 格 ・減給等)を軽減 す る制度 を採用す ることの必 要性 と効果 を論 じた。

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章では、全体の まとめ として、企業は常に 危機 を内包 してお り、それがいつ起 こって も不思

議ではない こと、 そ して一度企業不祥事が起 きた 時、社会か ら難 しく非難 され ることを指摘 した上 で、 その とき企業 にで きる最低限の ことは企業不 祥事 を再発 させ ない ことで ある点 を論 じた上で、

企業不祥事 を起 こして も有効 な再発防止策 を実行 して、二度 と信用 を失 うことな しに、却 って より 強い企業 を作 ってい くことが重要である点を指摘 した。最後 に、今後の研究課題 を明 らかに した上 で、本論文 を締め くくった。

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