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食料消費構造の変化誘因

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Academic year: 2021

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(1)

食料消費構造の変化誘因

堤 伸 子

長崎大学教育学部家政教育講座 (2001315日受理)

TheFa c t o r st ha tMa ket heFood Cons umpt l OnSt r u c t u r eCha nge

NobukoTSUTSUMI

DepartmentofHomeEconomics,FacultyofEducation, NagasakiUniverslty

(ReceivedMarch15,2001)

Abstract

Thepurposeofthisstudyistoconsiderhow thefactorssuchasincome,prlCe,timeetc・have broughtthechangesinthefoodconsumptlOnStructureinJapan.WhatIwishtoshowinthispaperis toconsiderhowthefわodconsumptlOnStructureWillbechanged,whentheincomerises,therelative prlCeChanges,andthetimespentofhouseworkchanges.

Itisneedlesstosaythatconsumerequilibrium occurswherethebudgetlineistangenttoanin‑

differencecurve.Assumlngtherecommendeddietaryallowancesaretaken,''luxuries"willbemore chosenthanusedtobebytheriseinincome・Namelytheupgradingintheeatlnghabitsisprogress‑ 1nglnCOnneCtionwiththeriseinincome.

IftheopportunltycostOfthehouseworkistakenintotherelativeprlCe,theproceededand cookedfoodwillbemorechosenthannon‑proceededfoodwhentheopportunltycostOfthehouse‑ workrises.Inotherwords,theriseintheopportunitycostOfthehouseworkwillleadtothesimpli‑ fyingandtheexteriorizlngintheeatlnghabit・

Whenawageraterises,aworkinghousewifewillspendthelesstimeforthehousework・As theresultofthis,thesimplifyingandtheexteriorizlngintheeatlnghabitwillprogressIThesame maybesaidincaseofafull‑timehousewife.TheriSeinawagerateleadstoprogressthesimplify‑

ingandtheexteriorlZlngintheeatlnghabiLBecausetheriseinawageratewillmotivateherstart‑ 1ngwork,andthetimespentofthehouseworkwilldecrease.

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1 .緒 看

1960年以降の高度経済成長 による所得上昇 に支 え られ, ひ とび との生活様式 は大 きく変 貌 した。食生活 も例外 ではな く,わが国の食料消費構造 は大 きな変化 を遂げた。洋風化 ・ 多様化 ・高級化 ・簡便化 ・外部化 な どを内容 とす る食生活 の近代化が進展 し,食料消費の 栄養面 においては,炭水化物が大幅 に減少 し,たんぱ く質 と脂質が増加 した。食料構成で は,伝統的食生活 において重要な役割 を果 た していた米類 ・い も類が減少 し,肉類や乳卵 類 な どの動物性 食品が著 しく増加 した。 わが国の経済が,1973年の第1次石油危機 を境 に 安定成長期 に移行 してか らは,食料消費 における変化 はそれ以前 の ような著 しい ものでは な く,量的 にはすでに飽和水準 に達 し,食生活 は成熟化 の時代 に入 った もの と思 われる

しか し,その後 も,生活 ス タイルや食意識の変化 に ともない,食生活の内容面 においては, 外部化 ・簡便化 ・多様化 ・高級化 ・レジャー化 な どが進展 してお り,食料消費構造 は間断

な く変化 しつづけている 本研究では,わが国の食料消費構造 に変化 をもた らした誘因, また,今後 も変化 させ るであろ う誘因 について,社会経済環境 の変化 のなかで顕著 にみ ら れる もの を取 り上げ,食料消費構造 を変化 させ るメカニズムについて整理す る 具体 的 に は,消費者行動理論 お よびベ ッカー (Becker,G.S.)や グロノー (Gronau,R)の理論 な ど に基づ き,所得上昇 ・家事労働 の機会費用 を含 む相対価格変化 ・家事労働時間変化が食料 消費構造 にどの ように作用す るか について述べ ることとす る

2. 食料消費構造の変化誘因について

1)所得上昇 と食料消費構造変化

先述 した ように,1960年代以降の高度経済成長 に よる所得上昇 に支 え られ,食生活 は大 きく変貌 した。食料消費の変化 を社会現象 として とらえる と,食生活 は多様化,洋風化 , 高級化,外部化,簡便化, レジャー化 して きた といえる これ らを総称 して食生活の近代 化 と呼 ばれた。食生活の近代化 を促 し,食料消費構造 に変化 を もた らした最 も大 きな要因 は,経済成長 による所得上昇である 食料消費構造の変化 とは,一般 に所得 や価格 の変化 に対応 して消費量 を変化 させ ることを指すが, ここでは食料消費構造の変化 と最 も重要 な 誘 因であ る所得上昇 との関係 について述べ る

消費者 に とって最適消費計画の条件 は,予算線 と無差別 曲線が接す る とい うこ とである

経済成長 による直接 的な影響 は, まず予算線 を右方‑ シフ トさせ,その結果,消費者 の食 料選択 に変化が生 じる しか し,影響 はそれだけに とどまらず,食品間の相対価格 も変化 させ る 実質所得が上昇す るにつれ,正常財 に対す る消費者需要 は増加す るが,下級財 に 対す る需要は逆 に減少す る そ うす る と,正常財 を生産す る供給者 (または産業) は拡大 し,劣等財 を生産す る供給者 (または産業) は衰退 してい く 実質所得 の上昇 は,消章者 の需要構造 を変 えるばか りで な く,生産構造 も変 えることになる そ して,生産構造が変 化す る と同時 に雇用構造 も同方 向で変 わってい く この ように経済成長 は,需要構造,坐 産構造,需要曲線 を同時 に変 えることにな り,需要 曲線 と供給 曲線 の変化 による均衡価格 が変化す ることや要素価格 の変化 によって,食料 品の相対価格 の変化が もた らされる

図 1は,所得上昇 に よる食生活の高級化 の例1)を示 した ものである 選択可能 な食 品Ⅹ

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とYが あ る。XとYは 同種 類 の 食 品 で, 同 Y

‑ 数量 が 同一栄養価 を もつ もの とす る そ れ ぞ れ の 価 格 は 一 定 とす る M(),Ml,M

烏 予

y2

算線 を示 してい る 予 算線 の傾 きが示 す よ う に,食 品Yよ りx の ほ うが 上 級 財 で あ る。Ⅰ, I(),Il,I1,は無 差 別 曲線 で あ る. 直 線 EEは消 費 者 が 食 品X,Y か ら摂 取 しな け れ ば な ら な い最小 の栄養 所 要量 で あ る 最小 の栄 養所 要 量 を充 足 す る とい うこ とを考慮 しなけれ ば, yo 消 費者 は予 算線 と無差 別 曲線 の接 点 を最適 な 消 費 の組 み合 わせ と して選択 し, その軌跡 が 所 得 ・消 費 曲線 と な る しか し,食 品

X, Y

か ら最小 の栄 養所 要量 を摂 取 す る こ とを制 約 条件 とす るな らば,所得 水 準 の低 い段 階 にお け る予 算 線M(,と無 差 別 曲線 の接 点 で は最 小 の栄養所 要量 を充足 す る こ とが で きず ,予 算 線 M。と無 差 別 曲線 の接 点 で は な く,M日と EE O の 交 点Qoを選 択 す る。所 得 が 上 昇 し予 算 線 がMlに シ フ トす る と,消 費 者 均 衡 点 は直 線

xo xI E x2 ×

図1 食生活の高級化

EE上 を移 動 し,消 費 量 はQlとな る 所 得 が 十 分 に増 え,予 算 線 が M2に シ フ トす る と, 消 費 者均 衡 点 は予 算 線 と無 差 別 曲線 の接 点 で あ るQl,に移 って い く。上 級 財 で あ る食 品x の消 費量 は所 得 上昇 と と もに増 加 し,Yの消 費量 は減少 す る これが ,最小 の栄 養所 要量 を充 足 す る こ とを考慮 した場 合 の食生 活 にお け る高級化 の プロセスで あ る

2)家事 労働 の機 会 費用 を含 む相対価 格 変化 と食 生 活 の簡便 化 ・外 部化

予 算線 の傾 きを決定 す る相対 価 格 は,通常 は購 入価 格 を指 す が, こ こで は家事 労働 の機 会費用 を相対価 格 に取 り入 れ てL',相 対価 格 の変 化 に よる食 料 消 費 構 造 変 化 の プ ロセ ス に つ い て述べ る。1960年 以 降 の食生 活変 貌 の背 景 には,女性 の社 会進 出や家族 員各 自の生 活 時 間の変化 に よる家事 労働 の機 会 費用 の上昇 が働 い てい る そ こで , 家事 労働 時 間 と家事 労働 の機 会費 用 の変 化 を考慮 して,相 対 価格 の変化 が食料 消 費構造 変化 に及 ぼす影響 につ い て考 察 す る

図1の ケー ス と同様 に,消 費者 が選択 可 能 な食 品 を x と Y とす る。X と Y は 同種 類 の 食 品 で あ る 食 品 を購 入 して,家 庭 内 で調 理 し消 費 す る まで の家 事 労 働 時 間 をHと し,1 時 間 当 た りの機 会費 用 をhとす る そ れぞ れ の価 格 は購 入価 格 で はな く, 家事労働 時 間 と 機 会費用 の積Hhを加 えた もの と し,食 品XとYの価 格 をつ ぎの ように定 義 す る

Px=Pux+hHx PY=PりY+hHY

た だ し,Poxと poYは購 入価 格 で ,HxとH,はそれ ぞれ の食 品 の消 費 に至 る まで の家事 労 働 時 間で あ る 機 会 費用hは調理 器具 の進歩 や 食 品産業 の技術 革 新 な どに よって上昇 す る し,核 家族 化 や 少子 化 な どの世 帯 規 模 の縮小 に よっ て も上 昇 す る。X と Y は代 替 可 能 な

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同種類 の食品であるが,Xが家庭 内で調理加 工 しなければな らない素材 であ り,

Y

は調理 済みあるいは加工済み食品である したが っ Y

て,食 品Yの場 合 は家事 労働 時 間H

, ‑0

と なる

家事労働 の機会費用hが上昇 した場合の食 料消費構造変化 のプロセス を,図2に示す。

予算線

M

。は通常 の予算線 に相 当す る もので, 傾 きが購 入価 格 比p。x/p。,で あ る 食 品Yの 価 格 にhH,を取 り入 れ た場 合 の予算 線Mlの 傾 きはpx/p,となる 通常 の消費者均 衡 点 は, 無差 別 曲線 との接 点Qで あ る 家事 労働 時

間 と機会費用 を考慮す る とい うことは,通常 の価 格 変化 でい う ところの Ⅹ の価 格 が上昇

x2 XI Xo x

図2 家事労働の機会費用上昇と食の簡便化・外部化

したの と同 じように,予算線 の傾 きが急 にな り,Ⅹ軸 と交 わ る点がX。か らXlへ と左 に移 動す る そ して,消費者均衡点 はRに変 わる 家事労働 の機会費用hが上昇 した場合,pox, p。,,p,(H

, ‑0

) は変化 しないが,食品Xの価格pxは上昇 し,Ⅹ軸 との交点 は さらに左

に移動 し予算線M2となる その結果,食 品の消費量 は,素材 であるXは減少 し,加工 ・ 調理済みの Y は増加 し,食生活 の簡便化が進行す るのである

3)家事労働時間変化 と食生活の簡便化 ・外部化

すで に,家事労働 の機会費用 の上昇が食生活の簡便化 ・外部化 を促す とい うことを述べ たが,主 に家事労働 を担 っていた女性が市場労働 に参加す る時間が増 え家事労働 時間が減 少す る と,食料消費構造 の簡便化 ・外部化 を促す とい うことはい うまで もない ことである

ここでは専業主婦 と就業主婦 に分 けて,家事労働 の時間配分 について述べ る とともに,職 場 での女性の地位が高 ま り賃金率が上昇す る と家事労働 時間が どの ように変化 し,食料消 費構造 に影響す るか について考察す る

産業構造が農業か ら工業‑ と変貌す るなかで,主流 となったサ ラリーマ ン世帯の妻 は専 業主婦 となった。 しか し,1970年代半 ば以降,パ ー トタイマー を中心 に既婚女性 が社会 に 進 出す るようにな り, さらに80年代後半 か らは専 門職,技術職へ の女性 の進出が伸 び,捕 助 的 ・周辺的業務 だけで な く基幹 的 ・専 門的業務 に就 くケースが増 えて きてい る この背 景 には,サー ビス経済化 の進展や女性 の高学歴化,家庭電化製品の進歩 と普及 による家事 労働 の軽減,女性 の仕事 に対す る意欲 の高 ま りな どがある その うえ, まもな く高齢社会 を迎 え ようとしてい るなかで,女性 の労働力 に対す る期待 も高 まって きている ます ます 女性 の職場進 出が進行 してい くとい う流 れは変 わ りようが ない。

ベ ッカー (Becker,G.S.)3)の 「時 間配分の理論」 によれば,家計 は時間 (非労働時間) と財 を組み合 わせ て基本的 な 「便益

を生産す る としている グロノー (Gronau,R.)4)は ベ ッカーの 「時 間配分の理論」 を家事労働 ,市場労働 , レジャーの3部 門へ拡張 した。 グ 1総務庁統計局 『就業構造基本調査』 (平成9年) による と,20‑59歳 の女性 で仕事 を主 と考 えている割 合は,70年代 には30%台半 ばであったのが,97年 には44%にまで上昇 した。

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ロ ノーのモデ ル を基 に専 業 主婦 の場 合 と就労 主婦 の場 合 に分 けて時 間配分 につ いて述べ る

グロノー に よれ ば, 図3に示す よ うに主体均 衡 のための必 要条件 は,家事 生 産 の限界価値 生 産物 と時 間消 費の 間の限界代 替率 (レジ ャーの シャ ドウ ・プ ラ イス) に等 しい こ と,お よび市場 労働 に参加 してい る場 合 は,それ らが実 質賃 金率 に等 しくなる こ とと してい る。

横 軸 は主婦 が利用可能 な仝時 間で,家事 生 産 関数 はTB'()A(,C日で示 され る 家事 生 産 関数 の傾 きは,下 図 の家事 労働 の限界価値生 産物 曲線MPr,を示 してい る 限界生 産力 は逓 減 す るので,限界価 値生 産物 曲線MPr)は右下が りの 曲線 とな る 専 業主婦 の場 合 ,財 一時 間選 好無差 別 曲線 と家事 生 産 関数 との接 点 はB'()で あ る。 B'日で は無差 別 曲線 の傾 きは,家事 労 働 の限界価値 生 産物 に等 し く,専業 主婦 は利 用可能 な全時 間の うちTL'いを家事 労働 に,残 りのL'oOを レジ ャー に配 分 す る 下 図 のmLoは市 場 労 働 に参 加 して い な い主 婦 の シ ャ ドー ・プ ラ イス 曲線 で あ る 市 場 労働 に参 加 す る就 労 主婦 の場 合 ,賃 金率W()は家事 生 産 関数 に Anで接 す る直線 At)E。の傾 きで,下 図 にお いては平行線 で示 され る。 TB,(,A‖E()は,衣 計 所 得 線 で あ る 無差 別 曲線 が 家計 所 得 線 に揺 す る点 はBr)で あ る。 同様 に,Bりにお い て, 就業主婦 はTN(逐 家事労働 に,市場 労働 にはN。L日を,残 りのしい0を レジ ャー に配分 す る。

つ ぎに,実 質賃 金率

w

oが wlに上 昇 した場 合 を図4に示 すL'、。 賃 金 率 が 上 昇 して も,衣 事 生産 関数 には影響 を与 えないので,下 図 のMPnの形状 は変 わ らない。賃金率 の上昇 に よ

o L

o

N

o

L■0 時間 T

o Lo No L■ 時間 T

Wl

Wo

A

l

B

l

o

T

h hi 1

iZS Ao Bo

B

l

o Lo LI No N■oL'1 Nl 時間 T MPo mLo mLo

BI B■1 AI

B■o Bo Ao

o Lo LI No N'oL'1 N1 時間 '

図3 専業主婦と就労主婦の時間配分 図4 賃金率上昇による専業主婦と就業主婦の時間配分

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り,上昇後 の賃金率wlとの交点Alは上昇前 の交点 A。よ り右側 に位 置 す る これ は,賃 金 率 の上昇 に よ り,就労主婦 はTN。か らTN1‑ と家事労働 時 間 を短縮す る こ とを意味 してい る 新 たな家計所得線m lB'1Elと接 す る無差別 曲線 は,上昇前 の無差 別 曲線 よ り高 い位 置 にあ るので,財 の時 間 に対す る限界代 替率 は上昇 し,下図 においては シャ ドー ・プライス曲 線 は上方 に移動 す る しか し,財 の時 間に対す る限界代替率 の上昇 の程度 は,無差別 曲線 の 形状 に よ り異 なる レジャー選好が強 く時 間に村す る代 替率 が よ り大 きい場合 は,無差別 曲線 の傾 きが急 にな り,限界代 替率 は大 き く上昇す る 所得選好が強 く財 の時 間 に対す る 代替率が小 さい場合 には,無差別 曲線 の傾 きは緩やかで,限界代替率 も緩 やか に上昇す る

専業主婦 の場合 ,家事労働 にTNl以上 の時 間 を配分 していた ら,賃金率 の上昇 に ともな い家事生産の代 替効果が働 くようになる 家事労働 時間 を減 ら して市場労働 に参加す るこ とに よ り,上昇前 よ りも高 い家計所得線 に達 す るので,市場労働 へ の参加が促 され る 家 事労働 にTNl以下 の時 間 しか配分 してい ない場合 には,市場労働 参加へ の誘発 要 因が な く 従来 どお りの時 間 を家事労働 時 間に配分 し続 ける

以上 の こ とか ら,賃金率 の上昇 は就業主婦 に対 しては就業時 間の増加 と家事労働 時間の 減少 を招 き,食生活 の簡便化 ,外部化 を一層 進行 させ るこ とになる 専業主婦 で も家事労 働 に配分 していた時 間が一定以上 の場 合 には,賃金率 の上昇 は就労す る きっかけ とな り, 家事労働 時 間が減少 し食生活 の簡便化 ,外部化が進行す る と思 われ る

3. ま と め

わが 国の食料消費構造 の変化 を もた ら した原 因 と して,所得上昇 ・相対価格変化 ・家事 労働 時 間の観点 か ら述べ た。消費者 に とって最適消費計 画 の条件 は言 うまで もな く予算線 と無差別 曲線 の接 点 であ る 栄養所 要量 の充足 を制約条件 と した場合 ,所得上昇 に伴 い上 級財 を よ り多 く選択 し,その結果,食生活 の高級化 が進展 す る ことが わか った。 また,衣 事労働 の機会費用 を取 り入れた相対価格 の変化 をみ た場合,家事労働 の機会費用 が上昇す る と素材 よ りも加工 ・調理済み食品 を と り多 く選択 す る こ とが わか った。つ ま り,家事労 働 の機会費用 の上昇が,食生活 の簡便化 ・外 部化 を促 す と言 える 最後 に,家事労働 時 間 変化 か らみた。賃金率が上昇 した場合,就業主婦 は家事労働 時 間 を減少 させ ,食生活の簡 便化 ・外部化 を一層進行 させ る。専業主婦 も,賃金率 の上昇 が就労 の きっかけ とな り,就 業主婦 と同様 に,家事労働 時 間 を減少 させ,食生活 の簡便化 ・外部化 を一層進行 させ る こ

わか った。

引 用 文 献

1)荏開津典生 ・時子山ひろみ (加藤譲編) :『食品産業経済論』,農林統計協会,14‑16,1990 2)荏開津典生 ・時子山ひろみ (加藤譲編) :『食品産業経済論』,農林統計協会,16‑18,1990

3)ゲ‑ リー・S・ベ ッカー (宮沢健 一 ・清水啓典訳) : 『経 済理論 一人 間行動 ‑ の ア プ ローチ』,東洋経 済新 報 社,289‑300,1976

4)GronauR∴Leisure,HomeProduction,andWork‑theTheoryoftheAllocationofTimeRevisited,JoumalofPo‑

1iticalEconomy,Ⅵ)1.87,1099‑1123,1977

5)岩淵道生 :『外食産業論一外食産業の競争と成長』,農林統計協会,137‑142,1996

参照

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