1.はじめに
平成15年12月に学習指導要領が一部改定さ れ、学校教育において「博物館等の社会教育 施設や社会教育関係団体等の各種団体との連 携」が求められることになった1)。たしか に学校教育における博物館利用については、
「総合的な学習の時間」の導入とともに増加 している。しかしその多くは、博物館を調べ 学習の対象としたものであり博物館独自の学 びを十分生かしたものとは言い難い。学校側 は博物館の展示資料、特にその解説ラベルに 対して、より詳しい解説と学齢ごとの解説を 求めている。それに対して、博物館側は学習 者が解説を熱心に写すよりは、もっと時間を かけてじっくりと展示資料を見てほしいと考
えている2)。博物館関係者の「モノからオー ラを感じてほしい」というメッセージは、抽 象的ではあるが博物館独自の学びを象徴して いるものである。前述の平成15年の改訂で連 携がさらに強調されたことは、このような学 校方式の学びと各種社会教育施設の学びとの 違いをそれぞれが認識し、お互いのよさを生 かした独自の連携のスタイルをつくりだすこ とを求めているものと考えた。現時点では博 物館側、学校側のそれぞれのよさを生かすこ とに留意した博学連携の実践例は、ほとんど ないのが現状である。
そもそも博物館は、 展示資料である実物
(モノ)を媒体として教育機関である。学習 者が博物館の学びに対してどのようなイメー
今田晃一(文教大学教育学部)・木村慶太(香芝市立香芝西中学校)
青木 務(神戸大学発達科学部)
Using Museum for Educational Media
IMADA KOICHI
(Faculty of Education, Bunkyo University)KIMURA KEITA
(Kashibanishi Junior High School)AOKI TSUTOMU
(Faculty of Human Development, Kobe University)要 旨
学習指導要領においても博学連携が求められている。博物館はモノを媒体とした教育機関 であり,その展示資料は教育メディアである。学習者が博学連携の展示資料をどのような観 点で評価しているかを明らかにすることは,博物館独自の学びのよさを学校教育に生かすた めの知見を得ることにつながると考え,調査を行った。結果,博物館,特にハンズ・オンに おける展示資料について中学生は,博物館の意図する視点とともに材料・触感性の観点から も評価していることがわかった。また博物館の学びに対して,モノに触れながらの観察を通 して「モノとそのモノが使われている状況に思いを馳せる」という博物館独自の学びのイメー ジを適切にもっていることが明らかになった。
ジをもち、実際の展示資料に対してどのよう な観点で評価するのかを明らかにすることは、
博学連携の課題を解決するための基礎的な研 究として必要である。それは博物館独自の学 びのよさを学校教育に生かすための知見を得 ることにつながると考えられるからである。
ただ、博物館には様々な種類がある。本研 究では、学校教育における「国際理解」に関 連の深い国立民族学博物館(大阪府吹田市、
以下「民博」と略す)を対象として行った。
民博は、年間約5万人の小・中・高校生の来館 者があり、博学連携にも積極的である。また 博物館の教育機関としての側面を象徴的に展 示するハンズ・オンについても充実している。
これからの博物館を利用した教育において はハンズ・オン、つまり触れられたり体験で きたりする参加型の展示方法をいかに活用す るかが重要になってくるであろう。現在多く の 博 物 館 は 、ハ ン ズ ・ オ ン(hands‑on exhibition)という参加、体験型の展示資料 コーナーを充実させている。これは従来の見 るだけの展示資料(hands‑off exhibition)
に対して、簡単な実験や操作によって学ぶこ とができる教育的な展示方法のことである。
現在約半数の博物館では、何らかのハンズ・
オンコーナーを設けているといわれている。
そこで本研究では、まず民博のハンズ・オ ンである「ものの広場」を対象に、小学生、
中学生および高校生が学習者の立場から展示 資料の評価を行う調査を実施した。ハンズ・
オンの教育利用については、科学系の博物館 を中心にその効果的な利用方法などについて 研究が進んでいる3〜5)。しかし、これらは まだ専用の設備や器具を使用することが前提 である。特別な装置や設備を設けるのではな く、ただモノが置かれている収蔵展示法によ るハンズ・オンについては、先行事例もなく その活用法がまだ確立されていないのが現状 である。本研究で検討する民博ハンズ・オン
な国・地域のモノ(主に日用品)40種100点 が自由に触れられる状態で展示されているだ けである。個々のモノについての解説は所定 の機器を用いてマルチメディア解説を視聴す ることが可能であるが、基本的には来館者が
「モノを通じて何かを感じとる」「モノとその モノが使われている状況に思いを馳せる」と いう博物館の学びの最も基本的な形での展示 方法を採っている。そのため「ものの広場」
の検討で得られた知見は、一般化しやすいと 考えられる。そこで近畿在住の小・中・高校生 30名を被験者として、民博ハンズ・オン展示
「ものの広場」の展示資料に対して、評価を 行いその結果を分析する調査を実施した。
次に、博物館独自の学びであるモノを通じ て感じる学習について学習者がどのようなイ メージをもっているのか、その内容と方法に ついて奈良県の公立中学校1校の全校生徒を 対象にアンケート調査を行った。これらの2 つの調査研究を通じて、博物館の実物(モノ)
がもつ教育メディアとしての機能を明らかに し、その学校教育における利用の可能性につ いて考察することが本研究の目的である。
2.方 法
2.1 国立民族学博物館「ものの広場」の評 価の方法
調査の方法についてその概略を述べる。ま ず平成15年3月に大阪府の公立A中学校の技 術クラブの生徒7名で、自由記述による「も のの広場」の展示資料の評価を行った6)。40種 の展示資料について、「文化祭において自分 たちで博物館をつくるとする。ここにあるモ ノを使いたいかどうかで評価する」という想 定の基にそれぞれの展示資料について評価す る観点を自由に書いてもらった。その後、そ の評価の観点を整理し、採用する評価項目を 検討した。その結果、数の多かった上位5つ である「意外性」「触感性」「操作性」「文化
表1「ものの広場」の展示資料調査結果(抜粋)
6つを評価の観点とすることとした。マルチ メディア解説とは、「ものの広場」にはない 解説ラベルの代わりにあたるもので、必要な らば所定の機器の上に展示資料を置くことに よってマルチメディア形式の解説を視聴する ことができるシステムのことである。
このような予備実験を経て、平成16年の3 月から4月にかけて、大阪府の公立中学校、
奈良県の公立中学校それぞれ各1校と大阪府 のボランティアグループ1つ、計30人の小・
中・高校生が、6つの評価の観点で展示資料の 評価を行った。評価の方法は、まず全40種の 展示資料を一通り見て、その中で使ってみた いモノを10点選ぶ。選んだ10点についてのみ、
「意外性」「触感性」「操作性」「文化理解」「マ ルチメディア解説」そして「総合評価」の6 つの観点で、それぞれ5段階の評価を行った。
なお「ものの広場」展示資料40種約100点 について筆者らが調査した概要の抜粋を表1 に示す。
表2 アンケート質問内容一覧
学びの方法について 学びに内容について
質問番号 質 問 内 容 質問番号 質 問 内 容 1
2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26
重さや大きさを測る 解説ラベルを読む 先生に質問する 博物館の人に質問する 友人に質問する
わかったことをノートに写す 写真に撮る
ビデオに撮る じっと見る 触ってみる 作ってみる スケッチする 比べる 分類する
虫眼鏡で拡大する 音を録音する
演奏する(楽器など)
インターネットで調べる 本や図鑑で調べる 関連付ける 曲をつくる 詩をつくる 絵を描く
関連する情報を集める 集めた情報をまとめる まとめた情報を伝える
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27
どこの国・地域のものか いつ頃のものか
名称は何か
何からできているか(材料)
大きさはどれくらいか 重さはどのくらいか 比重はどれくらいか 色は主に何色か どのような音がするか どのようなにおいがするか どんな味がするか
値段はいくらか
どのような人が作ったのか どのような人が使っていたか どのように使うか
どのような場面で使うのか
関連したことをならったことがあるか どこに工夫があるか
好きかきらいか 硬いかやわらかいか あたたかいか冷たいか 乾いているか湿っているか つるつるかざらざらか じょうぶかどうか 迫力があるかどうか アイデアがわくかどうか 魅力があるかどうか 2.2 博物館の学びのイメージ調査の方法
奈良県公立A中学校の全校生徒を対象にア ンケート調査を行った。被験者の内訳は、1年 生男子45名、女子37名、2年生男子46名、女 子名49、3年生男子37名、女子43名の計257 名であった。2005年1月〜2月にかけて実施 した。アンケートの実施に際しては、担当の 教諭が全クラスにおなじように説明と指示を 与えるように以下のようなメモを用意した。
【説明文】
「博物館にはさまざまなモノが展示されて います。博物館は実際のモノを見ることがで きます。でも博物館は、モノを通じて教え込 むのではなく、何かを感じさせたり、考えさ せたりする教育機関、すなわち学びの場です。
例えば皆さんの机の上に博物館の展示資料
(モノ)があるとします。この展示資料を使っ て学習するとします。あなたが考える博物館 の学び(または学校の学び)として該当する と思う項目に4段階(とてもあてはまる・あ てはまる・あてはまらない・全くあてはまら ない)で答えてください。」
質問の内容は、博物館の学びにイメージに 対する方法・内容の2つである。質問内容は、
2004年夏休みに大阪府公立中学校の技術クラ ブの生徒21名が国立民族学博物館に見学に来 た際に、見学後「一般的な博物館での学びを イメージすることばを自由に書いて下さい」
というアンケートを実施し、それを予備調査 としてさらに検討を加え設定した。調査用紙 に用いた質問内容の一覧表を表2に示す。
図1 展示資料の評価の因子と材料の関係
楽器(カホン)
蒸し器
とうもろこしはがし
スプーン 攪拌機
木製の雁 靴脱ぎ器
計量升 滑車
抱き枕 弓の的
夢の輪 太鼓のばち
真鍮の立体像
しわ伸ばし機 弁当箱
ククリザル 寿司の木型
道化師の仮面 火吹き竹
木 竹 布 金属 植物
3.結果と考察
3.1「ものの広場」の評価
結果について考察する。総合得点では、
「機織りの滑車」や「寿司の木型」「カホン
(楽器)」の評価が高かった。次に意外性、触 感性、操作性、文化理解、マルチメディア解 説、そして総合評価の結果を、相関行列を用 いて因子分析を行った。バリマックス法によ る回転後、第1因子、第2因子を軸として展 示資料の評点を表記した。さらに展示資料の 材料に注目し、木、竹、金属、布、植物と区 別した結果を図1に示す。図1より、第1因 子は、触感性、操作性を表し、第2因子は意 外性、文化理解を表していることがわかると ともに、材料によって触感性の評価が影響し
ていることが明らかになった。楽器(カホン)
や靴脱ぎ器など木材、竹を材料とするモノの 評価が高い。木製の雁は、木製であるが全体 に塗装を施してありその影響で評価が低くなっ ていると考えられる。次に第2因子は、意外 性、文化理解である。これは一見して何かわ からないモノで、その使われ方を理解した時 点で、異文化理解、自文化理解につながると いう評価である。高い因子得点を得ているも のとして「乾燥じゃがい」もがあるが、これ は一見してじゃがいもとはわからず、石に見 えるところからこのような評価になったと考 えられる。
次に図1の第1因子、第2因子の軸を、各 展示資料の材料別に示したものを図2に示す。
以上の結果から、「ものの広場」のように 触れることのできるハンズ・オンの展示資料 の評価のひとつには、材料に対する評価が機 能していることが明らかになった。おそらく 被験者自身も意識していないことであるが、
ハンズ・オンがモノに触れる行為である以上 その材料のもつ触感性が評価の要因となって いることが明らかになった。各種材料は製品 として様々に形を替え、しかも塗装などによ り見た目も変化する。それでも各種材料がも つ特性は保持していることは興味深い。図2 に示すように木材や竹材などの自然系の材料 の評価はおおむね高い。
また2つめの評価の視点としての意外性お よび文化理解は、民博の目的を被験者が的確 に理解していることを示している。「ものの 広場」には、一見してその目的や機能がわか りにくいモノを集め、そこで疑問をもたせ観
る。ハンズ・オンは、それぞれの博物館が目 的とする趣旨と材料を中心とした触感性に留 意することが大切であることが明らかになっ た。
3.2 博物館の学びの対するイメージ調査 結果と考察について述べる。得られたデー タについてはそれぞれ固有値1以上を基準に 因子数を決定し、バリマックス回転後の因子 負荷量の多い順に並べ変えた。各因子の解釈 については、各項目の因子負荷量をもとに行っ た。方法、内容ごとに博物館の学びについて のイメージに対する考察を行った。
まず最も特徴的な結果の出た内容について 博物館の因子分析の結果を表3に示した。ま ず第1因子では、「あたたかいかつめたいか」
「乾いているか湿っているか」「硬いかやわら かいか」「つるつるかざらざらか」「じょうぶ 植物
図2 展示資料の材料別表示
金属布 金属
布
金属
表3 博物館の学びに対するイメージ調査の因子分析結果(内容)
質問番号 質 問 内 容 因子№.1 因子№.2 因子№.3 因子№.4 解 釈 21
22 20 23 24 18 15 14 13 1 16
3 6 5 2 7 4 26 28 27 25
あたたかいか冷たいか 乾いているか湿っているか 硬いかやわらかいか つるつるかざらざらか じょうぶかどうか どこに工夫があるか どのように使うか
どのような人が使っていたか どのような人が作ったのか どこの国・地域のものか どのような場面で使うのか 名称は何か
重さはどのくらいか 大きさはどれくらいか いつ頃のものか 比重はどれくらいか
何からできているか(材料)
アイデアがわくかどうか 自分の生活をふりかえる 魅力があるかどうか 迫力があるかどうか
0.852455 0.844669 0.839068 0.814693 0.562705 0.411232 0.034879 0.006127 0.118063
−0.00063 0.03437 0.016523 0.217376 0.167808 0.074949 0.185146 0.036535
−0.10089
−0.1183
−0.04539 0.16431
−0.02499 0.027662 0.104232 0.053155 0.162266 0.284266 0.769108 0.72426 0.622873 0.605857 0.578773 0.535299 0.098803 0.194103 0.269428 0.09549 0.495526 0.028382 0.037924 0.169573 0.294823
0.125231 0.049246 0.145164 0.172716 0.231731 0.185051 0.150219
−0.0752
−0.04419 0.201188 0.194433 0.207573 0.794714 0.789953 0.557456 0.554801 0.467584 0.213538 0.197698 0.129424 0.022498
0.062516 0.105025
−0.01879 0.077527 0.006694 0.006864 0.14731 0.210239 0.019 0.490663 0.109833 0.032288 0.362181 0.507156 0.325692 0.479754 0.043794 0.569037 0.506608 0.485515 0.312922
触感性
モ ノ が 使 わ れ て い る 状 況 に 思 い を馳せる
分類・比較・分析
モノが発するオー ラを感じる れ触感性の官能検査の代表的な形容詞対であ
り、それぞれ温冷感、乾湿感、硬軟感、粗滑 感、安心感にあたる。これらの項目の内容は、
触れた感じ、触感性に関する因子と命名した。
第2因子は、「どのように使うか」「どのよう な人がつかっているか」など、これはモノの 背景にある生活や文化、そのモノが使われて いる状況に思いを馳せるという内容であるの で、モノが使われている状況に関する因子と した。同様に、以下第3因子を分析的、測定 的な観察、調査の項目が多く、分類・比較・
分析の要因とした。第4因子は、被験者にとっ ても大変抽象的な質問項目であったが、「迫 力がある」「アイデアがわく」などの内容よ り、「モノが発するオーラを感じる」とした。
これは博物館関係者がよくフレーズであるが、
学習者はイメージとして博物館独自の学びを ある程度明確に理解していることがわかった。
次に方法に関しての結果を表4に示した。
ここではしっかりとじっくりとモノを見ると いう博物館の学びの基本を被験者が適切に把 握していることが明らかになった。その上で、
記録、測定から分類、比較へとモノに対する 学習が展開されることをイメージしているこ とがわかった。
以上の結果より、現在の中学生は博物館に ついてはその特徴をよく理解し、博物館が求 める学びのイメージを適切に把握しているこ とが示された。原因としては、中学生はハン ズ・オンなど触れられる展示資料についてす でに多くの博物館で経験していることが考え られる。そのことはイメージ調査における自 由記述でも明らかになった。学習者である中 学生はまずモノに触れて、それからそれが使 われている状況に思いを馳せるという博物館 の独自の学びの特徴を内容面、方法面から理 解していることがわかった。
表3 博物館の学びに対するイメージ調査の因子分析結果(内容)
質問番号 質 問 内 容 因子№.1 因子№.2 因子№.3 解 釈
2 9 10
4 15 17 7 8 6 11
1 12 13 14 18 19 5 20
解説ラベルを読む じっと見る 触ってみる
博物館の人に質問する 虫眼鏡で拡大する 演奏する(楽器など)
写真に撮る ビデオに撮る
わかったことをノートに写す 作ってみる
重さや大きさを測る スケッチする 比べる 分類する
インターネットで調べる 本や図鑑で調べる 友人に質問する 関連付ける
0.767246 0.715875 0.707039 0.609616 0.603646 0.440974 0.072425 0.034491 0.13737 0.26695
−0.02458 0.084118 0.066904 0.050531 0.24185 0.182271 0.135189 0.358523
−0.03652 0.026123 0.019048 0.210103 0.248654 0.225896 0.847038 0.821639 0.510565 0.417699 0.415271 0.392543 0.157051 0.108258 0.047205 0.322102 0.24173 0.05715
0.153712 0.206564 0.152541
−0.00325
−0.03573 0.313872
−0.02202 0.005288 0.213037 0.081876 0.444746 0.052524 0,746976 0.744411 0.575368 0.487356 0.336818 0.308235
観察(見る・触る)
記録・測定
比較・分類
4.まとめ
学校教育が博物館を主に調べ学習の対象と して、本来の博物館の学びを十分に生かせて いないという指摘は多いが7〜8)、実際の中 学生は博物館の学びの特徴を内容面、方法面 ともに十分に理解していることが明らかになっ た。授業者の意識改革がまず必要であろう。
現在の博物館はハンズ・オンが充実してお り、来館者である中学生はまず展示資料に触 れることによって、モノとそのモノが使われ ている状況に思いを馳せることが博物館本来 の学びのスタイルであるとイメージしている。
学校教育における博物館利用に際しては、こ の学習者の状況を理解しできるだけ調べ学習 の対象で終わらせず、さらに発展的な学習を 構築することが可能であるという視点に留意 してカリキュラム開発に臨む必要がある。
また、教育メディアとしての展示資料には その博物館の目的の視点とともに材料、特に 触感性に関する視点に留意して選定していく
要である。
本研究における調査校は、学校教育におい て比較的博物館を利用している学校である。
そのため博物館をほとんど利用しない学校と の比較を今後の課題とし、さらに有効な博物 館利用の知見、留意点について検討をすすめ ていく。
附 記
本研究の一部は、平成16〜17年度科学研究 費補助金基盤研究(C)(2)「博物館におけるハ ンズ・オン教材学習プログラム開発」(代表:
今田晃一, 課題番号16530609)の補助を受け ている。
文 献
1)文部科学省『中学校学習指導要領』,平成 15年12月改訂版
2)今田晃一・手嶋將博「博物館を利用した 国際理解教育の可能性−ハンズ・オン教
て − 」『 国 際 理 解 教 育 』, 10, 2004, pp66‑79
3)小川義和・下条隆嗣「科学系博物館の学 習資源と学習活動における児童の態度変 容との関連性」『科学教育研究』, 28(3), 2004, pp158−165
4)小川義和, 下条隆嗣「科学系博物館の単 発的な学習活動の特性」『科学教育研究』, 27(1), 2003, pp42−49
5)小川義和「学校教育と科学系博物館をつ なぐ学習活動の現状と課題」『科学教育 研究』, 27(1), 2003, pp24−32
6)今田晃一・手嶋將博・青木務「学校教育
における博物館の活用−国立民族学博物 館の『触れる』展示資料を中心として−」
『 文 教 大 学 教 育 学 部 紀 要 』,37 ,2003, pp85‑94
7)ハンズ・オン・プランニング「学校にお ける自主作成課題に関する収集・分析Ⅰ」
『国立民族学博物館調査報告書2001 』, 2001
8)ハンズ・オン・プランニング「小・中学 校関係者の見学利用に対する意見および 要望の調査」『国立民族学博物館調査報 告書2001』,2001