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博物館教育について

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Academic year: 2021

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鹿児島国際大学ミュージアム調査研究報告152018. 3

BulletinoftheMuseumStudy.thelntemationaIUniversityofKagoshima,Vol.15March2018

レポート (博物館教育論)

博物館教育について

供士原宏人l)

l)891‑0197鹿児島市坂之上8‑34‑l鹿児島国際大学国際文化学部

につけ,考えていくためにも「教育」が必要なのであると 私は考えている.

1. 「博物館」とは

博物館法において,博物館は「歴史・芸術・民俗・産業・

自然科学等に関する資料を収集し,保管・展示して教育的 配慮の下に一般公衆の利用に供し,その教養・調査研究・

レクリエーション等に資するために必要な事業を行い,あ わせてこれらの資料に関する調査研究をすることを目的と する機関」であると定められている.そして,それらを担

うのが学芸員なのである. また,国際博物館会議による博 物館の定義としては, 「社会とその発展に寄与することを 目的として広く市民に開放された営利を目的としない恒久 施設であって,研究・教育・レクリエーションに供するた めに,人類とその環境に関する有形の物証を収集し,保存・

調査し,資料としての利用に供し, または展示を行うもの をいう」公共の非営利常設機関だとしている.

世界各地に博物館は存在するが, それぞれが国の歴史を 背負い,文化観を反映している. イギリスやフランスは市 民革命を経て国民や市民の宝になっている.博物館が導入 された当時の日本は日本文化(旧文化)を否定した廃仏穀 釈がさかんだった.そこで,薩摩出身で英国留学生の一人 であり,実際に欧米に滞在した初めての侍である町田久成 が博覧会開催に尽力をし, 日本初の博物館である東京帝室 博物館(現在の東京国立博物館)をつくり初代館長となっ た.そして,現在はその内務省系の博物館や現国立科学博 物館などの文部省系の教育博物館などが存在している.

植物園や動物園水族館,科学センターやプラネタリウ ム, 自然保護地なども博物館であるとみなされている.私 は,歴史や考古学を扱っている施設や,博物館と名前がつ いている施設だけが「博物館」なのだと思っている人々も 多いのではないかと考える. また, 「学芸員」についても 便利屋や雑芸員扱いが一般的で, スペシャリストとしての 社会的認知がなされていないのが現状である.そこで,そ れらの誤った考えを改め,博物館に対して正しい知識を身

2. 「教育」について

そもそも「教育」には学校教育や博物館教育,家庭教育 などがある.教育とは辞書によると,教え育むこと・人間 を成長させるために物事を教えること・人の心身両面にわ たって, またある技能について,その才能を伸ばすために 教えることとある.

(1)学校教育と博物館教育

学校教育は,基礎的な知識を学ぶ定型教育であり,受動 的側面がある.対して博物館教育は, 自ら考え.学ぶ無定 形教育であり,能動的側面がある.意図的な学習であるの とは違い,学習していることをあまり意識しない形式ばら ない教育なのである.学校では教諭が,博物館では学芸 員が主に活動している.そして,学校はマニュアル的であ るが博物館などは判断力を高める非マニュアル的な部分を 持っているのである.

(2)教育のあり方・展示における教育的意義

博物館での教育のあり方としては,博物館に展示されて いる実物資料を鑑賞することで自ら学ぶ能動的学びと,学 芸員を通じて学ぶ受動的学びの両立が必要なのだと考え た.モノを見て自ら学ぶことで学びがより深まる. また,

学芸員から学ぶことでモノの持つ意味や重要性・価値など を知り,学びが循環していく.そして,学んだことの成果 を活かす場として博物館のボランティアなどに参加するこ とも大切なのである.博物館教育の中に,体験的な教育プ ログラムも行われている.美術館であればワークショップ,

考古学系の博物館は土器の発掘体験や火おこしの体験,縄 文・弥生の頃の衣服を着る体験などがその代表的な例であ

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博物館教育論レポート佐土原宏人

る.本物・実物は,視覚だけではなく触覚・嗅覚・聴覚な どの五感で感じ,言葉や画像・映像からは得られない体験 をすることが必要である.実際に触れ,体験することで専 門的な部分に対する理解を深めることが可能なのだ.

博物館の展示は,ある社会集団や個人の活動といった過 去の出来事を,証拠としての資料を統合的に空間に配慮し ながら,博物館が意味付けし,鑑賞者と共有することをね らいとするコミュニケーションにおける媒体なのだ. アメ リカの博物館教育学者であるジョージ・ハイン氏は,博物 館は学習者にとって意味を成すという「構成主義教育」の 場であると主張している.その一つに,来館者の人生経験 を活用するような様々な活動や体験を通じて,彼らと資料 及び考え方を結びつけるとある.展示は,受動的な鑑賞者 に一方的に知識を伝える場から,能動的な鑑賞者から意見 を聞き,意味を共有する双方向の場へとなっていっている のである.鑑賞者は,博物館のメッセージは「すべて正し い」という先入観を持つのではなく,資料の意味や選択の 妥当性などを相互に関連づけて批判的に考察する必要があ

るのだ.

知らない人など, どんな人でも理解できるような説明がで き,興味を持ってもらえるような展示ができる人間になり たいと思う.学芸員は,いろいろなことに興味を持つこと が必要で博学でなくてはならない.博物館でただ単に"座っ ている のではなく,来館者にきちんと対応し,楽しく学 んでもらうことが重要だ.モノの見た目では分からない部 分を, どのように説明していくのかが鍵になってくる.そ ういった学芸員・博物館の深いところをさらに学んでいく ことが今後必要になってくる.収集・保管・展示の専門家,

研究者,教育者として実力を発揮し, スペシャリストとし て活動していくのが学芸員なのだから,常日頃から周りの ことや何気なく過ごしている場所のことについて考え,疑 問を持っていかなければならないと感じた.

3.博物館教育論を学んでみて

そもそも博物館教育に必要な学芸員が,博物館業務の分 担が日本は出来ていないために,多忙を極め専門的な部分 の高い質の維持が困難な状況であるのだと感じた. また教 育に関しては,学校教育の目的が,社会人として暮らせる 人を育成することであるのに対し,博物館教育の目的は,

自立した個人の育成にあるのだと考えた.

「本物」を見たり触れたりすることは学びを深くさせ,

博物館に対しての興味・関心を持ってもらうことにつな がっていくのだと理解した. 日本には多種多様な博物館が 存在し,特色のある文化や多様性を知ることができる.そ して,博物館の企画・展示の可能性は幅広い.企画展では,

長期休暇のときには親子を対象にして,子供のときから博 物館に関わることができているという点では, さらにそう いった活動が認知されれば,将来の博物館のあり方や意義

ももっと効果的で有意義なものへと変わるのではないかと

思った.

おわりに

私は学芸員という職業に対して, 「博物館教育論・博物 館資料論」を学んでみて,非常に興味・関心を持った. し,将来学芸員を目指すとしたら,専門的なことに対して

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