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企 業 会 計 と商 法 に お け る資 本維 持概 念 の乖 離 につ い て

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Academic year: 2022

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(1)企 業 会 計 と商 法 に お け る資 本維 持概 念 の乖 離 につ い て. 企業会 計 と商法 にお ける資本維 持概念 の乖 離 につ い て. 石井. 目. 真澄. 次. I. は じめ に. H. 平成13年 商 法改 正の概 要 皿. 企業 会計 と商法 にお け る利 益概念 お よび 資本維 持概 念の乖 離 W. 改 正前商 法 と改 正後 商 法 にお け る資本 維持 概念 の乖 離 V. おわ りに. 1は. じめ に. 株 式 会 社 に お いて 、株 主 は 会 社 債 権 者 に 対 して 直 接 の 責 任 を負 わ ず 、 会 社 に対 す る 一 定 額 の 出 資 義 務 を負 うに す ぎな い(ll。 ま た 、 自 己 資 本 で あ ろ う と他 人 資 本 で あ ろ う と資金 の もつ 経 済 的 効 果 は全 く同 じで あ るに も か か わ らず 、 株 主 に は 、 出 資 行 為 の 対 価 と して 、 自 益権 や 共 益 権 な ど の権 益 が与 え られ て い る が 、債 権 者 に は何 ら権 益 が 与 え られ て い な い('tl。 こ れ らの こ とか ら、 商 法 で は伝 統 的 に 〔3〕 、株 主 と債 権 者 間 の 利 害 調 整 を 目 的 と して 債権 者 保 護 を重 視 し、 資 本 維 持 の 原 則 に基 づ き、 会社 が 資 本 額 に相 当 す る財 産 を実 質 的 に保 有 す る こ とを 要 請 して い る。 具 体 的 に は 、法 定 準 備 金 規 定 を設 け 、 そ の上 で 資 本 金 、法 定 準 備 金 等 の額 に相 当す る純 資 産 額 を企 業 内 に維 持 す るた め に 配 当規 制 を して い る(商 法290条)。 しか し、f成13年. に 成 立 し、 同年10月r日. 律 似 下 、 「改 正商 法Jと. に 施 行 され た 「商 法 等 の 一 部 を改 正 す る等 の 法. い う)」 に お い て 、株 式 会 社 お よ び有 限 会社 の 資 本 準 備 金 お よ び 利. 益 準 備 金 の 積 立 て に 関 す る規 定 が 変 更 され た こ とな らび に法 定 準 備 金 の 減 少 制 度 が設 け られ た(n;こ と に よ り資 本 維 持 理 念 お よ び 債権 者 保 護 理 念 が後 退 した とい わ れ て い る(5)。 さ ら に 、 会 計 学 の 観 点 か らは 、 「会 計 学 上 最 も重 視 して きた 『資 本 と利 益 の峻 別 』 と い うい わ ゆ る 資 本 ・損 益 区分 原 則 を破 棄 した もの で あ る ㈲」 との批 判 が 少 な く ない 。 これ らの批 判 は 、平 成 13年 商 法 改 正 に よ り 、配 当可 能 利 益 の 中 に 資 本 剰 余 金 が 含 まれ る こ と に な っ た点 に着 目 した もの で あ る と思 わ れ るが 、 この よ う な改T商. 法 に 対 す る批 判 の原 因 は 、 商 法 独 自 の 資 本観 お. よび 利 益 観 に あ る よ うに 思 わ れ る。. 一. ユ25・ 一.

(2) 企 業.会計 と商 法 にお け る資本 維 持 概 念 の 乖 離 につ いて. 本 稿 は 、 商 法 に お け る資 本 維 持 概 念 お よび利 益概 念 を検 討 す る こ とで 、企 業 会 計 に お け る 各概 念 との乖 離 に つ い て 考 察 す る こ と を 目的 とす る。 加 え て 、 商 法 に お.ける資 本 維 持 概 念 の 観 点 か らみ た 改.正商 法 の 問題 点 につ い て も検 討 を試 み た い 。. r隼 .. H平. 成 噌3隼商 法 改 正 の 概 要. 上述 の よ うに.平成13年 商 法 改 正 は 、商 法 に お け る債 権 者 保 護 お よび 企 業 会 計 に お け る 資本 と利 益 の 区 別 の 観 点 か ら数 多 くの 議 論 を生 みtY,して い る。 本 節 で は 、 この 改 正 商 法 の う ち法 定準 備 金 制 度 の 改 正 内 容 お よび その 改 正 理 由 を概 観 す る 。 改 正 商 法 で は 、 ま ず 第1に 、資 本 準 備 金 と して 積 み 立 て る こ とが義 務 付 け られ て い たr資 本 ノ減 少 二 依 リ減 少 シ タル 資 本 ノ額 ガ株 式 ノ消 却 又 ハ 払 戻 二 要 シ タル 金 額 及 欠 損 ノ補 填 二 充 テ タル 金 額 ヲ超 ユ ル トキハ 其 ノ超 過 額(旧 商 法288条. ノ2)」 す な わ ち減 資 差 益 が 資 本 準 備 金. か ら除 外 され る こ と と な っ た 。 この 改 正 は 、 減 資 差 益 が資 本 減 少 手 続 に お い て 、 株 主 総 会 の 特 別 決 議 お よ び 債 権 者保 護 手続 を経 て生 じた もの で あ る た め 、 資 本 準 備 金 と して 積 み 立 て る こ と は適 当で ない との 考 え 〔vl方に基 づ き行 われ た。 す なわ ち 、特 別 決 議 と債 権 者 保 護 手 続 を 通 過 す る こ とは 、株 主 お よび 債 権 者 が滅 資 を行 う こ と を 了承 した こ と を意 味 し、 そ の 了.承を 得 た金 額 につ い て は 維 持 す る必 要 が な い とい う こ とで あ る 。 な お 、資 本 減 少 手 続 に よ って 生 じた 減 資 差 益 は 、 法 定 準 備 金 と して の 配 当制 限 が 及 ば ない た め 、 配 当可 能 利 益 に 含 め られ る こ と とな った 。 第2は 、 法 定 準 備 金 の 積 立 限 度 額 規 定 の 変 更 で あ る。 従 来 は 、 利 益 準 備 金 の 額 が 資本 金 の 4分 のiに 相 当す る金 額 に達 す る ま で 、毎 期 の利 益 処 分 に よ り配 当 金 な どの 形 で 企 業 外 に 流 出 す る額 の10分 の1以 上(中 問 配 当 を行 っ て い る場 合 に は 、 中 間 配 当 額 に相 当す る金 額 の10分 の1>を. 利 益 準 備 金 と して.企業 内 に維 持 す る こ と を義 務 付 け て い た(旧 商 法288条)。. しか し、. 平 成i?年 商 法 改 正 に よ り資 本 準 備 金 と利 益 準 備.金の合 計額 す な わ ち法 定準 備 金 の額 が 資本 金 の4分 のzに 達 す れ ば 、利 益 準 備 金 を積 み 立 て る必 要 が な く な っ た(商 法288条)。. この 積 立. 限 度 額 の 変 更 の 背 景 に は 、 「近 時 、公 開 会社 の 多 くで株 式 の 時 価 発 行 が 行 わ れ 、 多 額 の 資本 準 備 金 が積 み 立 て られ て い る と い う現 況 に お い て 、 そ れ に 加 えて 利 益 準 備 金 の 積 立 て を強 制 す る こ と は過 剰 な規 制 で あ る旨 の指 摘 が あ っ た(a).と い われ て い る 。 第3は 、 法 定 準 備.金の減 少 制 度 の 新 設 で あ る。 平成13年 商 法 改 正 以 削 に お いて 、法 定 準 備 金 は 、 資 本 欠 損 の 填 補 ま た は資 本金 へ の 組 入 れ の 場 合 に の み 、 その 減 少 が.認め られ て い た (商法289条 ①)。 そ れ が平 成13年 商 法 改 正 に よ り、 法定 準 備 金 の う.ち資 本 金 の4分 の1超 過 部 分 を、株 主 に対 して分 配 す る等 の た め に減 少 させ る こ と が可 能 とな った(商 法289条 ②)。 具 体 的 な減 少 手 続 は 、原 則 と して 資.本減 少 手 続 を準 屠 す る こ と が規 定 され て い る(商 法289条. izs一.

(3) 企 業 会 計 と商法 に お け る資 本 維 持概 念 の 濡 離 に つ い て. ④)た. め 、株 主 総 会 決 議 に基 づ い て 行 わ な け れ ば な らず(商. 法289条 ②)、 その 場 合 に は 当該. 株 主 総 会 の 召 集 通 知 に その 議 案 の 要 領 を記 載 しな け れ ば な ら な い(商 法289条 ③)こ. とにな. .る。 なお 、 この株 主 総 会 に お い て は 、 そ の理 由.、取 崩 す べ き法 定 準 備 金 の種 類 お よび 減 少 額 を明確 に して 決 議(s;を 行 わ な けれ ば な らな い(io;.併 せ て 、債 権 者 保 護.手続(it)に つ い て も、 資 本 減 少 手続 の場 合 と同 様 の 手 続 を.踏まな け れ ば な らな い(商 法289条 ④)こ. と にな る。. この 法 定 準 備 金 の減 少 手 続 は 、 これ まで 法 定 準 備 金 よ り拘 束 性 の 強 い 資本 に 減 少 手 続 が あ .り.な が..ら.、 法 定 準 備 金 に資 本 欠損:の.填補.また は資 本 金 へ の 組 入 れ.の場 合 以 外 に は減 少 手 続 が な い こ と は 、 立 法 の 不 備 で あ る.との 指 摘 が あ った こ と を踏 ま えて 創 設 され た とい わ れ て い る 〔iz;。 しか し、 その.一方 で 、 「実 際 に 企 業 等 か ら 、現 在 の 商 法 で は で き な い こ とを で き る よ うに して ほ しい と い う具 体 的 な 要望 が 出 され て い る 〔,,;」 な ど経 済 界 か らの 商 法 に関 す る規 制 の 緩 和 に対 す る要 望 が あ っ た こ と が 、法 定 準 備 金 減 少 手 続 創 設 の 背 景 に あ る こ と も 、 また 、 事 実 の よ うで あ る。 第4は 、 法 定 準 備 金 の 使 用 順 序 に 関 す る.規定(旧 商 法289条 ②)の. 削 除 で あ る。平 成13年. 商 法 改 正 前 は 、 資 本 欠 損 の填 補 を行 う場 合 に お い て 、利 益 準 備 金 残 高 が あ る と き は 、先 に利 益 準 備 金 を そ の 補 填 に充 て 、利 益 準 備 金 残 高 が な くな った 時 点 で 、 は じめ て 資 本 準 備 金 を そ の捕 填 に充 て る こ と と して い た 。 しか し、 平 成13年 商 法改 正 に よ り 、利 益 準 備 金 残 高 が あ っ て も、資 本 準 備 金 か ら先 に 、 欠 損 の 填 補 に充 て る こ とが 可能 に な った 。 な お 、平 成13年 商 法 改 正 に よ り新 設 され た 法 定 準 備 金 の 減 少 手 続 の場 合 に お い て も 、法 定 準 備 金 の 減 少 順 序 に 関 す る規 定 は な い 。 第5は 、額 面 株 式 制 度 の 廃 止 で あ る。 従 来 の 商 法 で は 、額 面 株 式 に 関 す る規 定(旧 商 法199 条)が 存 在 し、 額 面 株 式 の 金 額 は均..一.一 で な けれ ば な らな い(旧 商 法202条 〉 こ と と され て い た が 、改 正 商 法 で は 、 これ らの 額 面 株 式 制 度 に関 す る規 定 は 削 除 され 、 す べ て の 株 式 が無 額 面 株 式 と され る こ とに な った(14)。この 改 正 につ いて も、 法 定 準 備.金の減 少 手 続 の創 設 と同 じ よ う に、 規 制 緩 和 を志 向 す る経 済 界 か らの要 望 が その 背 景 に あ る よ うに思 わ れ る。 な お 、原 則 と して株 式 発 行 価 額 の総 額 を 資本 と し、 そ の2分 の1に 相 当す る金 額 ま で は 資本 準 備 金 とす る こ とが で き る と い う規 定(商 法284条 ノ2②)は. 維 持 され る こ と とな った 。. 以上 の5点 が 、 法 定 準 備 金 制 度 に関 わ る改 正 商 法 の概 要 で あ る。 次 節 お よび 第4節 で は、 こ の改 正 商 法 の 概 要 に基 づ き.こ れ らの 改 .正に よ り生 じて い る問 題 点 につ い て考 察 す る。. ffi企 業会計 と商法 にお ける利益概念お よび資本維持概念の乖離 「企 業 会 計 原 則 」 第1..一般 原 則3で は 「資 本 取 引 と損 益 取 引 と を 明 瞭 に区 分 し、特 に 資 本 剰 余 金 と利 益 剰 余 金 を混 同 して は な らな い 。」 と して い る。 また 、 「企 業 会 計 原 則 」 の 設 定 に あ. 127一.

(4) 企 業 会 計 と商 法 にお け る資 本 維 持 概 念 の 乖 離 につ い て .﹁.︑﹁..田.賎 ‑. た って 大 きな影 響 を 与 えた とい わ れ て い るSHM会. 計原 則(15)で は 、 「資 本 と利 益 の 区 別 を す. る こ とは 会 計 お よ び経 営 の 根 本 で あ る(1h)」と して い る。 さ らに 、現 在 に お け る ア.メリカ 会 計 基 準 の 設 定 主 体 で あ るFASB〔1Tは. 、資 本 を維 持 す る の に必 要 な額 を超 過 す る流.入の み が 持 分. か らの利 益 で あ る と して 、.資 本 か らの 利 益 と資 本 のn収. と を区 分 す る こ と を規 定 して い る(18;。. この よ う な企 業 会 計 に お け る資 本 と利 益 の 区 別 は 、期 間利 益 の 算 定 お よ び分 配 可 能 利 益.の算 定 の2.つ の観 点 か ら要 請 され て い る 。 まず 、 期 間利 益 の 算 定 の 観 点 か ら は 、利 益 の 減 少 を 資 .本の.減少 と して 扱 え ば 、利 益 が 過 大 表示..さ.れ.、..ま た逆 に資 本 の減 少.を利 益 の減 少 と して 処 理. した な らば 、 利 益 の 資 本 化 を来 たす こ とに な り、企 業 の収 益 力 に 関す る利 害 関係 者 の 判 断 を 誤 らせ る こ と に な る 〔19〕 た め に 資本 と利 益 の 区別 が 要Pfdされ て い る。 ま た 、分 配 可 能 利 益 の 算 定 の 観 点 か ら は 、株 主 か らの 払 込 資 本 が 配 当金 の 形 で企 業 外 に流 出す る と、株 主 は 拠 出 資 本 の 回 収 余 剰 部 分 す なわ ち留 保 利 益 を 配 当 金.として受 け取 って い る はず が 、実 際 に は 拠 出 資 本 の払 戻 し を受 けて い る こ と に な り、株 主 に と って 不 利 益 な ば か りで は な く、 資本 の 食 い 潰 しに よ り企 業 の 倒 産 を 引 き起 こ しか ね な い(zo:た め に 、 資 本 と利 益 の 区 別 が要 請 され て い る の で あ る。 た だ し、 後 者 の 分 配 可 能 利 益 の観 点 に お け る資 本 と利 益 の 区別 につ い て は 、 資 本 金 以 外 の拠 出資 本 お よび 留 保 利 益 は 、 い ず れ も剰 余 金 で あ る こ.とに 違 い が な い と の理 由 か ら、 その 意 義 に疑 義 を呈 す る意 見 が存 在 す る。 しか し、 「期 間利 益 の算 定 の結 果 計 算 され た 利 益 の う ち超 期 間 的 に 企 業 内 部 に蓄 積 され る留 保 利 益 が 減 少 され る際 に 、拠 出資 本 の 減 少 と して扱 わ れ る こ とが あ れ ば 、 本 来 減 少 され るべ き留 保 利 益 は過 大 に示 され 、 ま た か りに この 部 分 の 留 保 利 喬 が 分 配 され れ ば 、 そ れ は 実 質 的 に 資 本 の 分 配 とな ら ざ る を え ない ⑳ 」 こ と に な り、 継 続 企 業 と して の 企 業 の 会 計 に 一 貫 性 が な くな って し ま う よ う に思 われ る 。 ま た 、 資 本 取 引 お よび 損 益取 引 に つ い て は 期 間 利 益 の 算 定 の た め に区 別 が要 講 され る一 方 で 、 資本 取 引 を源 泉 とす る拠.出資 本 お よ び 損 益 取 引 を源 泉 とす る留 保 利 益 につ い て 区 別 が要 請 され な い と い う の は違 和 感 を覚 え る 。 以 上 の 考 えに 基 づ き、 小 稿 で は分 配 可 能 利 益 の 算 定 の観 点 に お け る資 本 と利 益 の 区別 す な わ ち 拠 出 資 本 と留 保 利 益 の 区 別 の 必 要 性 が あ る こ と を前 提 と して 論 を進 め て い く こと とす る 。加 えて 、 小 稿 で は商 法 が 配 当規 制 の た め に資 本 維 持 制 度 を 設 定 し 、期 間利 益 の算 定 につ い て考 慮 して い な い こ とを 鑑 み 、 資 本 と利 益 の 区 別 を企 業 会 計 に お け る分 配 可 能 利 益 の算 定 の観 点 か らの 資 本 お よ び利 益 す なわ ち拠 出 資 本 お よび 留 保 利 益 の 区 別 に限 定 して検 討 して い くこ と にす る。 従 来 、 商 法 は 資本 取 引 か ら生 じた剰 余 金 で法 定 資 本 以外 の もσ)を資 本準 備 金 と して い た ⑳ た め 、 「資本 準 備 金 を 「企 業 会 計 原則 」 に い う資 本 剰 余 金 を呼 称 を か えて 採 り入 れ た もの ⑳ 」 と解 釈 す る こ と が で き 、上 述 した よ う な企.業会 計 が 要 請 す る資 本 と利.益の 区割 に反 す る と こ ろ は ほ とん どな か った 。 しか し、 平 成13年 商 法 改 正 に よ り、.企業 会 計 上 、 資 本取 引 か ら生 じ た 資 本 剰 余 金 に含 め られ て い る減 資 差 益 お よび 資 本 準 備 金 減 少 差 益(za;が 、資 本 準 備 金 か ら 除 外 され 、 配 当 可 能 利 益 に含 め られ る こ と に な っ た こ とで 、 「資 本 準 備 金 ≒ 資 本 剰 余.金」 の. 一izs一.

(5) 企 業 会 計 と商 法 に お け る資 本維 持 概 念 の 乖 離 に つ い て. 図 式 は 、 「資本 準 備 金 ≠資 本 剰 余.金」 とい う図 式 に変 更 を余 儀 な く され た 。 これ に よ り、 商 法 会 計 に お け る資 本 と利 益 の 区別 は 、破 棄 され た よ うに 思 わ れ る。 この 点 に つ い て 、 立 法 関 係者 は次 の よ うに説 明 して い る。 「資 本 性 の 剰 余金 が商 法 上 の 利 益 の 配 当 と して 株 主 に 分 配 され 得 る こ とに な っ た た め 、 『 利 益 ノ配 当 』 との 文言.が与 え る印 象 に そ ぐわ な い との意 見 も見 られ る 。 しか し、商 法 は 、 貸 借 対 照 表 上 の純 資 産 額 か ら資 本 、 法 定 準 備 金 等 を控 除 した残 額 を利 益 配 当 の.上限 と して い るの で あ り.(商 法290条)、. 『 利 益』 とい. う.文言..に 厳 密 な 意 味 を与 えて お.ら.ず 、 、...ま.た.、....『 利.益の 配 当 』 と.の文 言 が 、.決算 期 に生 じた 剰 余 金 を株 主 に対 して平 等 に分 配 す る行 為 を呼 ぶ 名 称.と して 使 用 して い た に す ぎ ない もの と も 考 え られ る。 この よ う に理 解 す れ ば 、 資本 性 の剰 余 金 が 配 当 の原 資 に な った と して も、 会 計 的 な 観 点 か らの 違 和 感 は 別 と して 、 これ まで の 商 法 の 体 系 を 逸 脱 す る もの と は い え な い 〔as7。 」 す な わ ち 、企 業 会 計 が 分 配 可 能 利 益 の算 定 の観 点 か ら 、利 益(留. 保 利 益)を 払 込 資 本 以 外 の. 純 資 産 の 増 加 部 分 と捉 え て い る(zs;の に対 し、 商 法 で は 利 益 を純 資 産 の うち 法 定 資 本 と法 定 準 備 金 以 外 の もの と捉 え て お り、 企 業 会 計 に おLける利 益 の 概 念 と そ の 内容 を異 に して い る 。 さ らに い え ば 、商 法 は 「利 益 の 意 義 を定 め.るこ と につ い て は そ の 必 要 も感 じて い ない し、 ま た興 味 を 持 つ もの で もな い(27;」と され て い る、 事 実.、商 法 は、 減 資 差 益 等 の 「そ の他 資 本 剰 余 金 」 か ら の 分 配 又 は配 当 が認 め ら.れた こ と に よ っ て 、現 行 法..Lの利 益 配 当(商 法290条) お よび 中 間 配 当(商 法293条 375条)と. ノ5)と 資 本 及 び 法 定 準 備 金 の 減 少 に伴 う払 戻 し(商 法289条. ・. の 区 別 が相 対 化 して お り、 と もに 「利 益 お よ び そ の 他 資 本 剰 余 金 」 とい う 、 い わ. ゆ る 「剰 余 金 」 を払 い戻 す 行 為 と して整 理 す る こ と が で き、 両 者 を法 律..ヒ 区 別 して規 律 す る 必 要性 は 乏 しい(28)と して 、平 成15年1⑪R2e日. 公 表 され た 「会 社 法 制 の 現 代 化 に関 す る 要 綱. 試 案(以 下 、 「要 綱 試 案 」 とい う)」 に お い て利 益 の 配 当 、 中 間 配 当 、資 本 お よ び資 本 準 備 金 の減 少 に伴 う払 戻 しな らび に利 益 処 分 に よ る そ の 他 金 銭 等 の 支 払 を 「剰 余.金の 分配 」 と して 整 理 す る こ と と して い る(「 要 綱 試 案 」 第5・1(1)〉. 。 これ に 伴 い 利 益 準 備 金 と資 本 準備 金 の. 科 目の 区 別 が廃 止 され る こ と(「 要 綱 試 案 」 第5・2(3))お. よ び 配 当可 能 利 益 とい う名称 を. 分 配可 能 限 度 額 とい う名称 に変 更 す る こ とが検 討 され て い る(「 要 綱 試 案 」 第5・1(3>)。 この 要綱 試 案 は 、 商 法 が 「 利 益 」 とい う文 言 そ れ.自体 を撤 廃 す る こ とで 、 「利 益 」 とい う概 念 が 商 法 に は存 在 し ない こ と を 明確 に し、企 業 会 計 か らの 配 当 可 能 利 益 に対 す る資本 と利 益 の 区 別 に関 す る批 判 を根 絶 さ.せる意 図.があ る よ う に思 わ れ る。 企 業 会計 に お い て も、.剰余 金 を 「企 業 会 計 原 則 の注 解6が 明示 して い る よ う に 「会 社 の 純 資 産 額 が 法 定 資 本 の額 を超 え る 部分 を い う』 もの(zs1」と定 義 して い るた め 、 要 綱 試 案 に あ る よ うに 資本 の払 戻 お よび 利 益 の 配 当 を 「剰 余 金 の.分配 」 と呼 ぶ こ とに 論理 的 矛 盾 は な い 。 しか し、 「 剰 余金 の分 配 」 と して 資 .本の 払 戻 と利 益 の 配 当 を統 合 す る こ と自体 が 、 企 業 会 計 に お け る資.本と利 益 の 区 別 の 観 点 か ら適 切 で は な い よ うに 思 わ れ る。 次 に 、 商 法 と企 業 会 計 の 資 本 維 持 概 念 の乖 離 につ い て 検 討 す る 。商 法 と企 業 会 計 との 間 に. 129一.

(6) 企 業 会 計 と商 法 に お け る資 本 維 持 概 念 の 乖 離 につ い て. 利 益概 念 の 相 違(商 法 の 利 益 概 念 の 撤 廃 を 含 む)が. あ る とい う こ と は 、無 論 、 商 法 と企 業.会. 計 との 間 で資 本 維 持概 念 に つ い.ても相 違 が あ る こ とに な る で あ ろ う。 企 業 会 計 で は 、 資本 と利 益 の 区別 の観 点 か ら、株 主 か らの拠 出 資 本 お よび こ れ に準 ず る一 定 の もの は維 持拘 束性 を有 す る こ と に な る(30;。した が って 、 株 式 払 込 剰 余 金 、 合 併 差 益 お よ び 減 資 差 益 等 は 、維 持 拘 束 性 を有 す る資 本 剰余 金 に該 当 す る 。 しか し、 商 法 で は 、減 資 差 益. を企 業 が 維 持 す べ き も の か ら除 外 した こ とお よび 資 本 準 備 金 に減 少 手 続 を設 定 した こ とに よ り.、..資 本 取 引 か ら生 じた剰 余金 の 一:oisに っ.鳶維 持 拘 束 性 が解.かれ る こ.とに な っ た。 こ の こ と .は 、 商 法 が資 本 取 引 で あ る か 否 か を維 持 拘 束 の判 断 基 準 と して い な い こ と を意 味 して い る よ うに 思 わ れ る。 こ こで 、 商 法 が 「資 本 の 維 持 」 とい っ た場 合 に お け る 「資 本 」 につ い て は 、 一 般 的 に次 の よ うな解 釈 が な され て い る。 「 商 法 上 、 資 本 の 定義 につ い て と くに明 文 規 定 が あ る わ けで は な い が 、 資 本 に 関 す る商 法 の 規 定 か ら、 一 般 に資 本 とは 『会 社 財 産 を確 保 す る た め の 基 準 と な る一 定 の金 額 』 と定 義 づ け られ る 〔3町 。 具 体 的 に は 、発 行 済 株 式 の 総 額 が 、原 則 と して 商 法 に お け る 「資 本 」 を意 味 す る こ と に な る(a2;。 した が っ て 、 商 法 に お け る資 本 維 持 の 原 則 は 、 企 業 会 計 で い う と こ ろ の 「資 本 金 」 の維 持 を要 請 す る もの で あ り、 この 法 定 資 本 に相 当 す る 純 資 産 を会 社 に維 持 させ る た め の 緩 衝 器 と して 法 定 準 備 金 制 度 を設 け 、 会 社 債 権 者 を保 護 し よ う と して い る の で あ る(i3)例. え ば 、1⑪,oo⑪ 千 円拠 出 され(全 額 、資 本 金 とす る)設 .立され. た企 業 が 、設 立年 度 に1,000千 円 の 利 益 を得 た とす る。 この場 合 、法 定 準 備 金 制 度 が な け れ ば 、 そ の利 益 を利 益 処 分 に よ り全 額 株 主 に対 して配 当 す る こ とが 可 能 と な る。 しか し、全 額 株 主 に配 当 して し ま う と、 例 え ば そ の翌 期 の 決 算 に お い て損 失 が 生 じた 場 合 に 、 資 本 金 を減 少 さ せ る こ とで しか そ の損 失 を填 補 す る こ とが で き な い こ とに な っ て しま う。 この よ う な事 態 を 回 避 し、法 定 資本 の 欠損 を可 能 な限 り防 ぐた め の ク ッシ ョン と して 法 定 準 備 金 が規 定 され て い るわ けで あ る(鋤 。 す なわ ち 、商 法 に お け る 資本 維 持 は 、r会. 計 と異 な り、法 定 資本 その. もの の 維 持 と法 定 資 本 を維 持 す る た め の緩 衝 器 の 維 持 を要 請 す る もの で あ り、法 定 資 本 ま た は法 定 準 備 金 で あ るか 否 か が 商 法 に お け る維 持 拘 束 の 判 断 基 準 とな っ て い る と考 え られ る。 以 上 の よ うな 、 商 法 と企 業 会 計 との 間 に お け る資 本 維 持 概 念 お よ び利 益 概 念 の 乖 離 は 、 商 法 に お け る法 定 準 備 金 制 度 と りわ け資 本 準 備 金 制 度 が 債 権 者保 護 の 観 点 か ら株 主 の 拠 出額 の 配 当 を許 さない ほ うが 望 ま しい とい う配 当 規 制 の た め に設 け られ た政 策 的 な 制 度(35で あ り、 企 業.会計 に お け る資本 と利 益 の 区 別 を す るた め の 制 度 で は な い(as7.こと に起 因 して い る と考 え られ る。 また 、 この 法 定 準 備.金謝 度 に 対 す る考 え方 に加 え て 、上 述 の よ う な平 成13年 の商 法 改 正 に よ る法 定 準 備 金 制 度 の 改 正 お よ び 要 綱 試 案 に よ る利 益 概 念 の 実 質 上 の 撤 廃 に よ り、 商 法 と企 業 会 計 の 温 度 差 は更 に拡 大 した よ うに思 われ る。. 一iso一.

(7) 企 業 会 計 と商 法 に お け る資 本 維 持 概 念 の 乖 離 につ い て. .≧. 法 にお ける資本維持概念 と改正商法の乖離. 上 述 した よ うに 、商 法.は債 権 者 保 護 の 観 点 か ら 「資 本 維 持 の 原 則 」 を設 定 して い るが 、 平 成13年 の 商 法 改 正 は 、商 法 に お け る資 本 維 持 概 念 の 観 点 か ら も問 題 点 を有 して い る よ う に思 わ れ る。 そ こ で 、以 下 、 こめ 問題 点 につ い て考 察 を試 み る と と もに 、商 法 に お け る 資 本 維 持 制 度 の有 効 性 につ い て も検 討 を加.えて い く.ことに す る。 改 正 商 法 で は、 法 定 準 備 金 の 積 立.限度 額 に 関 す る規 定 の 変 更 され た こ と お よ び額 面 株 式 制 度 の廃 止 に よ り、利 益 準 備 金 の 積 立 て の 必 要 性 が 実 質 上 な く な っ た と思 われ る 。 この こ と に つ い て は 、以 下 の 設 例 を用 い て 具 体 的 な 説 明 を試 み る。. 【設例 】 ①[2002年4月1日]A社. は会 社 の設 立 に あ た り、 株 式is,ooo株. の う ち2,000株 を1株 の 発 行 価 額. 60千 円 で発 行 し、 払込 金 額 を 当座 預 金 と した 。 な お 、資 本 金 に は 発行 価 額 の うち商 法 で 認 め られ る最 低 額 を組 入れ る こ と と して い る。 ②[2003年3月siB]第1期. 決 算 に おい て 、 当期 未 処 外利 益iz,ooo千 円 を計.Lし た。 な お、2003年6. 月25日 開 催 予定 の株 主 総.会にお い て次 の 内 容 の 利益 処 分 を.予定 して い る。 配. 当. 金1株. 利 益 準備 金. につ き3千 円 商 法規 定 の 最低 限 度 額. 役 員 賞 う.金4,000千. 円. 残 余 は次 期 に繰 り越 す 。. この 設 例 を 、平 成13年 商 法改 正 前 の規 定 に基 づ き仕 訳 をす る と以下 の よ うに な る。 借方項 目. ①. 当座 預 金. 金. 額. 120,000千. 1 円. 1. C. 未処分利益. 12,000千. 貸 方項 目. 資本金 資本準備金 利益準備金 配当金 役員賞与金 繰越利益. 円. 金. 額. 100,000千. 円. zo,ooa千. 円. 1,000千. 円. 6,000干lli 4,000千. 円.. 1,000千. 円. ...一... 次 に、 この 設 例 を、平 成13年 商 法 改 正 後 の規 定 に基 づ き仕 訳 をす る と以 下 の よ うに な る。 借方項. 目. 金. 額. 貸 方項 目. 金. 額. 1. C. 導座 預金. c. 未処分利益. 120,000干. 三2,000千. 円. 資本金 資本準備金. 円. 配当金 役員賞与.金 繰越利益. 一131一. so,ooa千. 円. 60,000千19 6,000T'1.犀1 4,000. .千 円. z,ooo7i円. ‑..F ....... N商.

(8) .企業 会 計 と商 法 に お け る資 本 維 持概 念 の 乖 離 につ い て. まず 、 平 成13年 商 法 改 正 前 は 、原 則 と して1株5.万 円 の 額 面 株 式 制 度 が あ っ た た め 、 資 本 準 備金 に は20,000.千 円 しか組 入 れ る こ とが で きな か っ たの に対 し、 平成1.3年 商 法 改 正 後 は額 面株 式 制 度 が な い た め 発行 価 額 の2分 の1す な わ ち60,000千 円 を 資本 準 備 金 とす る こ と が で き て い る。次 に 、.Y成13年 商 法 改 正 前 は 、利 益 準 備 金 の み が 積 立 限 度 額 規 定 の 対 象 と な って い た た め 、 利 益 準 備 金1,000千 円 を積 み 立 て る必 要 が あ う た が 、 平 成13年.商 法 改 正 後 は 、 法 定 準 備 金 全 体 が 積 立 限 度 額 規 定 の 対 象 と な っ て い た た め 、 利 益 準 備 金 を積 み 立 て る必 要 が な く な っ た。 ま た 、改 正 商 法 が 積 立 限 度 額 に関 す る規 定 を変 更 した だ け で 額 面 株 式 制 度 を廃 止 して い な い もの と仮 定 す る と、 この 設 例 の 場 合 、 法 定 準備 金20,000千 円 が資 本 金100,000千 円 の4分 の 1の 金 額 で あ る25,000.千 円 を下 回 っ て い る た め利 益 準 備 金 を積 み 立 て る義 務 が生 じる こ と に な る。 以 上 の よ うに 、 法 定 準 備 金 の 積 立 限 度 額 に関 す る規 定 の変 更 お よび 額 面 株 式 の廃 止 とい う 2つ の 改 正 に よ り 、利 益 準 備 金 が 貸 借 対 照 表 上 に計 上 され る こ と は 、 ほ とん ど な くな っ て し ま っ た(3])。平 成13年 商 法 改 正 に よ り利 益 準 備 金 の 積 み 立 て が不 要 と な る こ と は 、 そ の 改 正 案 の 中 で 、利 益 準 備 金 制 度 を廃 止 す る との 意 見 が あ っ た ㈹ よ うに 、 改 正 前 か ら予 想 され て い た こ と で あ る 。 した が っ て 、商 法 は形 式 的 に利 益 準 備.金制 度 を残 した だ け で 、 実 質 的 に は 利 益 準備 金 制 度 を廃 止 した とい って も過 言 で は ない で あ ろ う。 利 益 準 備 金 が実 質 的 に な くな っ た こ とで 、法 定 資 本 の 緩 衝 器 は 資 本 準 備 金 の み とな っ て し ま った 。 この 資本 準 備 金 は 、現 行 法 に お い て株 式 払 込 剰 余 金 、 合 併 差 益 、株 式 交換 差 益 、 株 式 移 転 差 益 お よび 分 割 差 益 に限 定 され て い る(39;が 、 この う ち株 式 払 込 剰 余金 以 外 の もの は 、 非 日常 的 な取 引 に よ り生 じる もの で あ るた め に 、 資 本 準 備 金 は そ の ほ と ん ど が株 式 払 込 剰 余 金 で 構 成 され る こ と に な る。 す な わ ち 、株 式 払 込 剰 余 金 が 、 ほ とん ど唯 一 の法 定 資本 の緩 衝 器 と して の役 割 を担 っ て い る とい うこ と がで き るで あ ろ う。 しか し、株 式 払 込 剰 余金 は株 主 か らの払 込 金 額 の う ち法 定 資本 に 含 め な か っ た もの で あ り、 本 源 的 に は 法 定 資 本 と何 らMr格 を異 とす る と こ ろは な い 。 こ の こ とd3、 商 法 が発 行 済 株 式 の 総 額 を、 原 則 と して 資 本 と して い る こ と か ら も明 ら か で あ ろ う。 この 意 味 で 、現 行 商 法 は 、 法 定 資 本 の 緩 衝 器 と して 法 定 資 本 の み を用 い る こ と を要 請 して い る こ と に な り、法 定 準 備 金 は 、本 来 の 存 在 意 義 を失 って しま っ た よ う に思 わ れ る。 さ らに 、 商 法 は 、r法 定 準 備 金 につ い て 、 資 本 の4分 の1を 超 え ない 部 分 につ い て は減 少 す る こ とが で きな い もの と して い る規 制 は 、廃 止 す る方 向 で 検 討(「 要 綱 試 案 」 第5・2(5>) を進 め て い る。 この 要 綱 試 案 が 法 制 度 化 され れ ば 、株 主 か らの払 込 金 額 の2分 の1相 当額 は 、 資本 金 の金 額 に か か わ らず法 定 準 備 金 め 減 少 手 続 を経 れ ば 、 そ の 全 額 を取 崩 す こ と も可 能 に な り、法 定 準備 金 が ゼ ロ の企 業 が で て くる こ と も十 分 考 え られ る。 この 法 定 準 備 金 減 少 額 の 上 限 規 制 廃 止 の 理 由 を 、商 法 は 「資 本 を保 護 す る た め の 予 防 的 な 計 数 で あ る法 定 準 備 金 の減. 13'1.一.

(9) 企 業 会 計 と商 法 にお け る資 本維 持 概 念 の乖 離 につ い て. 少 を制 限 して 、 保 護 され る べ き資 本 を先 に減 少 させ な け れ ば な らな い とい う規 制 を維 持 す る こ とは 、資 本 制 度 に よ る債 権 者 保 護 の 考 え方 に 沿 う もの で あ る と は い い難 い 襯 」 た め と して い るが 、債 権 者保 護 を そ の理 由 と して あ げ るの で あ れ ば 、法 定 準 備 金 減 少 額 の上 限 規 制 の 撤 廃 それ 自体 が 資 本 制度 に よ る債 権 者 保 護 の考 え か た に沿 う もの で は な い よ うに 思 わ れ る。 この よ うな商 法 に よ る ドラ ス テ ィ ッ ク な改 正 の 背 景 に は 、 商法 に お け る資 本 維 持 制 度 が 債 権 者 保 護 に有 効 に機 能 して い な い との 批 判 が あ る と 考 え られ る。 具 体 的 に は 、以 下 の2点 を その 有 効 性 に 対 す る批 判 と して あ げ るζ と.がで きる 。 第1に 、資 本 に 損 失 の 緩 衝 器 と して の 役 割 を期 待 す る な らば そ れ にふ さわ しい 資本 の額 が 法 的 に設 定 され な け れ ば な らな い は ず だ が 、 商 法 は株 式 会 社 の 資本 の 額 の 最 低 限 度 額 に つ い て 何 の 規 制 も置 い て お らず 極 め て 少 額 の 資 本 金 しか もた な い会 社 が 多 数 設.立され る結 果 と な って い る(a//こ れ は 、資 本 維 持 制 度 に よ る債 権 者 保 護 の 観 点 か らは 、 多 額 で あ るほ ど望 ま し い と され る法 定 資 本 の額 が 、税 法 上 の 理 由 な ど か らむ しろ過 小 資本 で あ る こ と を好 む株 主 お よび 社 員 の裁 量 に委 ね られ て い る こ とに起 因す る(az;も ので あ る(43.。 第2に 、資 本 維 持 制 度 に お い て 資 本 は損 失 発 生 に備 え て の緩 衝 器 に と ど ま り 、営 業 不振 に よ る会 社 財 産 の減 少 臼 体 を阻 止す る こ とが で きな い(44)。会 社 が倒 産 した と き に可 能 な 限 り高 い 弁 済 を得 られ る よ うに す る こ と が債 権 者 保 護 の1つ の課 題 で あ る と す る な ら ば債 務 超 過 が 生 じた場 合 に 、 そ れ 以 上 財 産 状 態 が 悪 化 す る こ と を防 ぐこ と が 資 本維 持 制 度 に 求 め られ る は ず で あ るが 、 現 行法 は こ の 点 につ い て何 の規 制 も加 えて い ない(ns;。 さ らに 、債 権 者 保 護 の た め に......・ 定 額 の 財 産 を確 保 す る こ と に 意昧 が あ る と して も、 そ の 金 額 が な ぜ 資 本 で な け れ ば な らな い の か とい う資 本維 持 制 度 それ 自体 に対 す る本 源 的 な批 判(as; も存 在 す る 圃 。 た しか に 、債 権 者 保 護 の 観 点 か ら0)み 考 えれ ば 、 資 本 の 額 は過 去 の 事 実 を表 す に す ぎず 、会 社 の 現 在 の 支 払 能 力 と も将 来 の 収 益 見 通 し と も何 の関 係 もな い 数字 で あ り(ax;、 資 本 の維 持 が債 権 者 保 護 に 直結 す る と は必 ず し もい い きれ ない で あ ろ う。 しか し、 商 法 に よ る資本 維 持 制 度 が 以 上 の よ う な問 題 点 を有 して い る と の指 摘 が あ るに も か か わ らず 、現 在 もな お債 権 者 保 護 の 手段 と.して 資 本 維 持 が原 則 とな って い るの に は 、 資 本 維 持 の 原 則 よ りわ か り やす くか つ 効 果 的 な原 則.を見 出 せ ず に い るた め(49;で あ るよ うに 思 わ れ る。平 成is年 の 商 法 改.正お よび 要 綱 試 案 の 内 容 か らす る と、債 権 者 の 自己責 任 を重 視 しtso;、 資 本 維 持 制 度 を撤 廃 し よ う と して い る と考 え られ な く もな い 。 しか し 、上 述 の よ うに 要 綱 試 案 に お いて 資 本 維 持 制 度 に基 づ く債 権 者 保 護 を尊 重 す る記 載 が 見 受 け られ る こ とか ら も 、商 法 が 今 もな お 資本 維 持 制 度 を前 提 と して い る と い って よい よ う に思 わ れ る。 以 一.ヒ の こ とか ら、商 法 は債 権 者 保 護 の た め の 資 本 維 持 制 度 に懐 疑 心 を持 ち 、 そ の 代 替 規 定 を 設 け る か ま た は債 権 者 保 護 の 後 退 を 認 め るか を模 索 して い る 状 態 に あ る と考 え られ る。 そ の よ うな状 態 が 、.一F述 の よ う な法 定 準 備 金 制 度 す な わ ち資 本 維 持 制 度 の 後 退 の 形 で 表 れ て い るの で は なか ろ うか 。債 権 者 保 護 の 後 退 が 商 法 に お い て適 切 で あ るか 否 か に つ い て は言 及 を. 133一.

(10) 企 業 会 計 と商 法 に お け る資 本 維 持 概 念 の 乖 離 につ い て. 避 け る が 、 商 法 が 資 本 維 持 制 度 の 代 り とな る債 権 者 保 護 の手 段 を 設 定 しな い 限 り、現 行 商 法 の 規 定 に よ る 資 本維 持 制 度 の 後 退 は 、債 権.者保 護 の 弱 体 化 を意 昧 す る こ とに は違 い な い で あ ろ う。=加え て 、 資 本維 持 制 度 の 後 退 は、 商 法 と企 業 会 計 に お け る 資 本 お よ び利 益 の概 念 の さ らな る乖 離 の原 因 とな っ て い る よ う に思 わ れ る。. V...お.わ.り..に... 本 稿 で は 、平 成13年 商 法 改 正 お よび.「会社 法 制 の 現 代 化 に 関 す る要綱 試 案」 の 内容 か ら商 法 の 資 本 維 持概 念 お よび 利 益 概 念 を 明 らか に し、 企 業 会 計 に お け る資 本 と利 益 の 区 分 お よび 債 権 者 保 護 の 観 点 か ら、 問題 点 を 明 らか にす る こ と を試 み て き た。 改 正 前 の商 法 は 、 資 本 準 備 金 と資 本 剰 余 金 と で 、 そ の 内 容 が ほ ぼ 同 じで あ っ た こ と か ら も わ か る よ うに 、企 業 会 計 との 調和 を図 っ て い た と考 え られ る。 しか し、平 成13年 改 正商 法 は 、 資 本 準 備 金 の 内容 の 変 更 お よび 利 益 概 念 を撤 廃 す る.こと に よ り、 企業 会 計 との概 念 の 違 い を 明示 し、 商 法 の¥(,場を強 く主 張 して い る と考 え られ る。. また 、 平 成13年 商 法 改 正 お よび 要 綱 試 案 は 、債 権 者 保 護 の 達 成 手 段 で あ る法 定 準 備 金 制 度 を弱 体 化 させ る こ と に もな っ て お り、 企 業 会 計 と の 乖 離 だ けで は な く、 商 法 が要 請 す る 資 本 維 持 の原 則 と の乖 離 も見受 け られ る よ うに思 われ る。 債 権 者 保 護 の 観 点 か らは 、 資本 維 持 制 度 を変 革 して い く こ と に異 論 は な い。 しか し、 企 業 会 計 との 調 和 の 観 点 か らは 、商 法 に お い て も資 本 の 維 持 は 必 要 で あ る よ うに思 われ る。 企 業 会 計 と 商 法 が 調 和 す る必 要 は な い と の意 見 も少 な くな い が 、 企 業 会 計 お よび 商 法 会 計 は 別 個 独 立 した会 計 で は な く 、相 互 関連 性 お よ び相g,4trl性 の 高 い もの で あ り(s//、両者 の 調和 は必 要 なの で は なか ろ うか 。 加 え て 、企 業 会 計 に お け る資 本 と利 益 の 区別 の 必 要 性 を前 提 とす る な らば 、 商 法 会 計 に お い て も資 本 と利 益 の概 念 の 明 確 化 お よび 資 本 と利 益 の 区 別 が 求 め られ るべ きで あ る よ う に思 わ れ る。 た だ し、 この こ と を明 確 に 述 べ る た め に は 企 業.会計 に お け る資 本 と利 益 の 区 別 の 必 要 性 に つ い ての さ らな る検 討 お よび 商 法 に お け る 資 本 維 持 舗 度 の 今 後 の 展 望 を検 討 す る必 要 が あ る。 これ らの こ と につ い て は 今 後 の検 討 課 題 と した い 。. 一134一.

(11) 企業 会計 と商 法 に お け る資 本維 持概 念 の乖 離 に つ い て. ﹁ P﹂﹁[.. 【注 】. 前田庸 「 会 社 法 入 門(第9版).」. 有 斐 閣 、20G3.年 、12頁 右. (z). 広瀬義州 「 財 務 会 計(第4版)」. 中央 経 済 社 、2004年 、13頁 。. (3). 商 法 に お け る債 権 者 保 護 は 、 旧 商 法,さ. ‑. (i;. ... らに は ロエ ス レル草 案(ri]法 省 「ロエ ス レル 氏 起 稿 商 法. 草 案 」1784年 、269条)に まで 遡 る こ との で き る法 的 要請 で あ る とい わ れ て い る(尾 崎 安 央 「配 当 .可能 利 益 の 変 容 」 企 業 会 計 、第54巻 第7.号[2002年7月]、36頁 〉。. (4;. 弥 永 真 生 「法 定 準 備 金 と 『そ の他 の 剰 余 金 」 一 企 業 会 計 との 乖 離 の拡 大 と:縮小 」 企 業 会or.第53 巻 第..12号(2001年12月)、32:頁. (5). 。............. 安 藤 英 義 「商 法 に お け る資 本 制 度 の 揺 ら ぎ と 『資本 の部 』 の表 示 」 会計 、 第162巻 第2号(2002年. ) ) 6 ( 7 > 0 0 ( (. 8月)、9頁 。 武 田 隆 二 「資 本 概念 の 変 化 と企 業 モ デル 」 税 経 通 信 、 第59巻 第1号(2004年1月)、19頁 岸 田 雅 雄 「法 定 準備 金 の 会 計」 税 経 通 信 、第58巻 第4号(2003年4月)、39頁. 原 田 晃 治 ・泰 田 啓 太 ・郡 谷 大 輔 「自 己 株式 の取 得 規 制 等 の 見 直 しに係 る 改正 商 法 の 解 説[下]」 事 法 務 、 第1609号(2001年1Q月25日)、6頁. (s;. 。. 。 商. 。. た だ し 、 資本 減 少 手 続 で は株 主 総 会 の 特 別 決 議 を 必 要 と す るの に 対 し、法 定 準 備 金 の 減 少 手続 に お け る株 主 総 会 は 普通 決 議 で よ い と され て い る(商 法289条 ②)。.普 通 決 議 で よ い と され る 理 由 と して は 、法 定 準 備 金 の 減 少 の 場 合 には 、 資本 減 少 の 場 合 と 異 な り 、株 主 や社.員の 利 害 に 関 わ る特 段 の 措 貿(株. 式 あ る い は 持 分 の 併 合 等)が. 行 わ れ る こ と が な い(岸. こ とが あ げ られ て い る。 な お 、 額 面 株 式 制 度 がIfさ. 田雅 雄 、gij掲[注7]、40頁. 〉. れ た こ と に よ り、 資 本 減 少 の場 合 に も、 資. 本.金額 の み を減 少 させ る こ と が 可 能 に な っ て お り、 資 本 減 少 に つ き 、株 主 総 会 あ る い は社 員総 会 の 特 別 決 議 をつ ね に要 求 す る合 理 的 根 拠 に は疑 い が 生.じて い る と も い わ れ て い る(弥 永 頁 生 、 前 掲[注4〕. 、37頁)。 事 実 、 平 成15年io月22日. に 公 表 され た 「会社 法 制 の 現 代 化 に関 す る 要綱 試. 案 」 で は 、減 少 す る資 木 の 総 額 を欠 損 填 捕 に充 て る資 本 減 少 の 決 議 をす る 場 合 の 決 議 要 件 は 普 通 決 議 で足 りる もの とす る方 向で 検 討 がな され て い る。. (io) 平 成14年 の 商 法 改 正 に よ り、 法 定 準 備 金 の種 類 お よび 減 少 額 だ け で は な く、株 主 に払 戻 し をす る 場 合 に は払 戻 しに 要 す.る額 お よ び 資 本 の 欠 損 に充 て るfnnは (商法289条 ②)と. (ii) 債 権 者 保 護7続. 填 補 に充 て る 額 につ い て も 決 議 事 項. され た(/ffF'i雅雄 、 前掲[注7]、40頁)。 「①債 権 者 に対 して 異 議 が あれ ば 述 べ る よ うに 官 報 で公nし. 権 者 に 対 して は 個別 の 催 告 を行 わ な け れ ば な らな い(商 法 第376条 第2項. 、.かつ 、znれ た る債. ・第100条 第1項)。 ② 異. 議 を 述 べ た債 権 者 に 対 して は 、 法定 準 備 金 の 減 少 に よ りそ の債 務 者 を害 す る お そ れ が な い 場合 を 除 き、 債 務 の 弁 済 、 担 保 の 提 供 あ るい は その 債 務 者 に弁 済 を受 け させ る こ と を 目 的 と して相 当 の Afireを信 託 す る こ と が要 求 され る(商 法 第376条 第2項. ・X3100条 第3項)of. (ユ2). 原 田 晃 治 ・泰 田 啓 太 ・郡 谷 大 輔 、 前掲(注8)、7頁. 。. (za;. 落 合 誠..・・神 田 秀樹 ・斎藤 静 樹 ・深 尾 光 洋 「 座 談.会 『.会 社 法 大 改 正 の意 義 』」 ジ ュ リス ト、第1206 号(2001年8月1日)、SK。. (Z4; 岸 田 雅 雄 「新 株 式 制 度 の 企 業 会 計 へ の影 響 」 企業 会 謙 、 第53巻 第iz号(2001年iz月)、23頁 (15) 山 本 繁 「会 計 原 則 発 達 史 」il.1書 店 、1990年 、78頁 。 (is) Sanders,T.H.,H.R.HatSeldandU.Moore,ASt「tementofAccountangPranriples,AIA,1938,p.‑‑ (山本 繁 ・勝 山 進 ・小 関 勇 訳 「SHM会 計 原 則 」 同文 舘 、1979年 、17頁),. F35. 。.

(12) 金 業 会計 と商 法 に お け る資 本 維 持 概 念 の 乖 離 につ い て. (17)広. 瀬 義州 「 会 計 基 準 論 」 巾央 経 済社 、1995年 、125員 。. (3S)FASB,StatementofFananca「IAceannt「ngConceptsNo.6:ElementsofFinanci「lStatements,FASB, 1985,par.71(平. 松 一 夫 ・広 瀬 義 州 訳1‑FASB財. 務 会 計 の諸 概 念(増 補 版)」 中 央経 済 、2002年. 、. 321頁). (19)丹. 波 康 太 郎 「資 本 会計 」 中央 経 済社 、1863年 、to頁 。. (20)広. 瀬 義 州 、 前掲(注2)、U5頁. (21)丹. 波 康 太 郎 、前 掲(注19)、10頁. (22)昭. 和zsfiに. 。 。. は 「商 法 と.企業 会 計 原 則 と の.調整 に 関 す る意 見書 」..の 中.で、..そ の当時の企業会 計理論. t:、資本 剰 余 金 と して 位 置 付 け られ て い た 資 本 的 支 出 に 該 当 す る 国庫 補 助 金 お よ びT事. 負担 金 、. 株 主 の 贈 与 な らび に 保 険 差 益 な ど を資 本 準 備 金 と して 位 置 付 け るこ とが 主 張 され た が 、 資 本 的 .支 出 に 該 当 す る国 庫 補 助 金 お よび 工 事rim、. 株 主 の 贈 与 な ら び に保 険 差 益 な ど が 資 本 取 引 で あ る. こ と につ き明 確 な理 由 が 存 在 しな か っ たた め 、 条 文 に追 加 す る こと は 見 送 られ て い る 。 な お 、 現 在 、.PLの. 贈 与 剰 余 金 お よび 評 価 替 剰 余 金 は 、企 業会 計 上 も資 本 剰 余 金 と はみ な され ず 、 損 益 計. 算 書 に お け る特 別 利 益 す な わ ち利 益 剰 余金 と して処 理 され て い る。 な お 、贈 与 剰 余 金 お よ び 評 価 替 剰 余 金 を資 本剰 余 金 と す る か利 益 剰 余 金 とす る か は 、 未 だ に 意 見 が分 か れ る と こ ろで あ る が 、 本 稿 で は そ の 位 置付 け につ い て は剖 愛 す る。 (23)佐. 藤 孝 一 編 「資 本 剰 余金 会 計」.中央 経 済 社 、1963年 、304頁 。. (24>利. 益 準 備 金 の減 少 に 伴 う 金額 は 、 利 益 準 備 金 が 利 益 処 分 に よ り積 み 立 て られ た もの で あ り、 本 源 的 に は利 益 剰余 金 に 該 当す る こ とか ら、 資 本 と利 益 の 峻 別 の 問 題 が{:じ る こ とは な い と.考え られ る.. (25).泰 田 啓 太 「 金 庫 株 の 解 禁 等 に 関 す る商 法 改 正 に 伴 う計 算 書 類 規 則 及 び 参 考 書 類 規 則 の 一 部 改 正 に つ い て」JICPAジ (26)広. ャー ナル 、 第5575(2001年12月). 、38頁 。. 瀬 義 州 、前 掲(油2)、115頁.. (27)太. 田哲 三 「 配uJ能. (28)法. 務 省民 事局:参事 官 蜜 「 会 社 法 制 の 現 代 化 に関 す る 要綱 試案 補 足 説 明 」 法 務 省 、2003年10月. 利 益 と企 業 利 益 の 研 究 」 産 業経 理 、 第25巻 第10号(1965年10月. 〉、6頁 。 、第. 5・1(1)。 (29)新. 井 清 光 「資本 剰 余 金 の 分 類 に つ い て 」早 稲 周 商 学 、第136h(1958年10月)、93頁. (30)岩. 田 巌 「資 本 維 持 の 構 造 を分 析 して 実 質 資 本 維 持 学 説 に 及 ぶ 」 企 業 会 計 、 第5巻 第4号(1953年 4A)、416‑418頁. (31)前. 。. 田 庸 、 前掲.(注1),i3. (32)た. 。. .H。. だ し、株 式 の 発行 画 額 の2分 の1を 超 えな い 額 を株 式 払 込 剰 余.金とす る こ とが で.きる(商 法28条 ノz②)。. (33)弥. 永 真生 「 負 債 と配:1%.一a可 能 利 益 」 会 計 、第152巻 第4号(1997年10月)、39k1。. (34)安. 藤 英 義 、前 掲(注5)、7頁. (35)弥. 永真生 「 資 本 準 備 金 に 関 す る考 察 」.会計 、 第144巻 第4.号(1993年io月)62頁. (36)新. 井清光 「 資 本.会計 論 」 中 央経 済 社 、 ユ965年 、33頁.. (37)企. 業 が 、原 則 に 基 づ き 、株 主 か らの 払 込 金 額 の全 額 を資 本 金 と す るの で あ れ ば 、 利 益 準 備 金 を積. 。 。. み 立 て る 余 地 も あ る 。 しか し、 企 業 は 資 産 が拘 束 され る こ とを 好 む もの で は な い ため 、 払 込 金 額 を も っ と.も拘 束 牲 の 高 い 資 本 金 に全 額 縦 人 れ る こ とは 考 え に く く、 商 法 で 規 定 す る最 低 額 しか 資. 一136一.

(13) 企 業 会 計 と商 法 に お け る 資 本維 持 概 念 の乖 離 につ い て. 本.金に組 人 れ な い よ うに思 われ る。 (38)原. 田 晃 治 ・泰 田 啓 太 ・郡 谷 大 輔 、 前掲(注8)、b。. なお 、 利 益 準 備 金 制 度 が 廃 止 され な か っ た の. は 、 従 来 の 非 公 開 会 社 で は株 式 を額 面 発 行 して い る例 が 多 く、 資 本 準 備 金 の 積 み 立 て が 充 分 で な い こ と につ い て の懸 念 が あ っ たか ら で あ る と されて い る(同 書 、 同 頁).。 (39)「 要 綱 試 案」 第5・2(4)に. おいて 、「 準 備 金 に 積 み 立 て るべ き もの につ いて 、 そ のす べ て を 法律. に お い て 限 定 列 挙 す る こ と は せ ず 、 そ の..'部 を省 令 に 委 任す る もの とす る 。 」 と して お り 、 今 後 、 資 本 準 備 金 の 構 成要 素 が大 幅 に.変更 され る こ と も予 想 され る。 (40>法. 務 省 民 事 局 参 事官 室 、前 掲(注28)、. (41)吉. 第5・2...(s)... 原和志 「 会 社 の 責 任 財 産 の 維 持 と債 権 者 の 利 益 保 護(1).一 一よ り実 効 的 な規 制 へ の展 望 一 」 法 学 .協会uu .第1⑪2巻 第3号(1985年3月)、425Fl。. (4̀L)同 上 、 同 真 。 (43)こ. の こ と は要 綱 試 案 に お い て 最 低 資本 金 制 度 の撤 廃 が検 討 され て い る(「 要 綱 試 案J第2・1(1)) こ とか ら 、今 後 よ り顕 著 な 問題 と な る こ と が予 想 され る 。. (44>吉. 原 和 志 、前 掲(注41)、426頁.. (45)同. 上、同頁。. (46>吉. 田昴 「 株 式 会 社 資本 の 債 権 者保 護 的機 能 」 商 事 法 務研 究 、 第116号(1958年10月5・15日. 〉、2. 頁。 (47)財. 産 確 保 の 金 額 の 基 準 と して 資 本 を設 定 した の は 、 企 業 会ofが 資 本 の維 持 を要uflして い る こ と を 考 慮 し、企 業 会 計 との調 和 を図 っ た た め で あ る よ うに 思 われ る。. (48)吉. 原 和L、 前 掲(注41;、426頁. 。. (49)吉. 原和志 「 会 社 の責 任 財 産 の維 持 と債 権 者 の 利 益 保 護(2)一 協 会 雑 誌 、第102巻 第5号(】.985年5月)、909頁. (5①. よ り実 効 的 な規 制 へ の 展 望 一 」 法 学. 。. 債 権 者 保 護 手 続 を経 れ ば資 本 準 備 金 の 滅 少 を行 うこ とが で き る よ うに 、 債 権.者が 資 本 の 減 少 をP 承 し さ えす れ ば 、債 権 者 保 護 に つ いて 問 題 が な い こ と と さ れて い る。 す な わ ち法 的保 護 は債 権 者 保 護 手 続0)設 定 に とど ま り強制 的 な 資本 維 持 制 度 は 衰 退 して い る よ うに思 われ る。. (51)昧. 村 治 「資本 維 持 の原 則 と収 益 力 の 表示 」 商 事 法務 研 究 、 第120号(1958年11月25日)、8頁. 。. 【主 要 参 考 文 献 】 FABB.StatementofFin「ncialAccountingConceptsNo.S:EfemenlsofFin「nci「IStatevnensFASB,,1985(平 松 一 夫 ・広 瀬 義 州 訳. 「FASB財. 務 会 計 の 諸 概 念(増. 補 版 〉」 中 央 経 済 、2002年).. Sanders.,T,H。,H.R.Rat&eldandU.Moore,AStatementofAccauntdngPrinciples,A艶,1935(山 山 進 ・小 関 勇 訳. 「SHM会. 本 繁 ・勝. 計 原 則 」 同 文 舘 、1979年).. 新 井 清:光 「資 本 剰 余 金 の 分 類 に つ い て 」A.稲 「n商 学 、5136.号(1958年10月)。 新井 清光. 「資 本 準 備 金 概 念 の 拡 大 可 能 性 の 検 討 一 解 釈 論 と 立 法 論 か らみ て 一..1企 業 会of、. 第16巻. 第12号. (1964年12月)o 安藤英 義 岩 田巌. 「商 法 に お け る 資 本 制 度 の 揺 ら ぎ と. 『資 本 の 部1の. 表 示 」 会 計 、 第162巻. 「資 本 維 持 の 構 造 を 分 析 し て 実 質 資 本 維 持 学 説 に 及 ぶ 」 企 業 会 計 、 第5巻. 第2号(2002年8月. 太 田哲三. 「配 当 可 能 利 益 と 企 業 利 益 の 研 究 」 産 業 経 理 、 第25巻. 一一137一. 第4号(1953年4月)i. 第10.5(1965年10月)。. 〉。.

(14) 企 業 会 計 と商 法 に お け る資 本 維 持 概 念 の 乖 離 に つ い て. 尾崎 安 央 「配 当可 能 利 益 の変 容 」 企 業 会 計 、第54巻 第7号(2002年7月). 落 合 誠...一神 田 秀 樹 ・斎 藤 静 樹 ・深 尾 .光洋1..座談 会1.会 社 法大 改 正 の 意 義ljジ (2001年8月1日. ュ リ ス ト、 第1206号. 〉。. 岸 出雅 雄 「 新 株 式 制 度 の 企 業 会 計 へ の 影 響 」 企 業 会 計 、 第53巻 第12.号(2001年12月)。 岸田雅雄 「 法 定 準 備 金 の 会 計 」 税 経 通 信 、 第58巻 第 塗号(2003年4月)。 佐 藤 孝 一 編 「資 本 剰 余 金 会 計 」 中央 経 済社 、1963年 。 泰 田 啓 太r金 庫 株 の 解 禁 等 に 関 す る商 法 改iFに 伴 う計算 書類 規 則 及 び参 考書 類 規 則 の.....部 改 正 に つ い てJ JICPAジ. ャー ナ ル 、 第557号(2001.年. ユz.月.).。. 武 田 隆 二 「資本 概 念の 変 化 と企業 モ デ ル」 税 経 通 信 、 第59巻 第9.号(2004.年1月)。 丹 波 康 太 郎 「資本 会計 」 中 央経 済 社 、1963年 。 原 田 晃治 ・泰 田 啓 太 ・郡 谷大 輔 「自 己株 式 の取 得 規 制 等 の 見 直 し に係 る改 正 商 法 の 解 説[下]」. 商事法務、. 第1609号(2001年10月25日) 広瀬義州 「 財 務 会 計(第4版)」. 中 央経 済 社 、2GO4.年 。. 広 瀬 義 州 「会 計 基 準 論 」 中央 経 済 社 、1995年 。 前田庸 「 会 社 法 入 門(第9版)」. 有 斐 閣 、20Q3年 。. 弥 永 真 生 「負債 と配 当 可 能 利 益 」 会 計 、 第.152巻 第4号(1997年io.月)。 弥 永 真 生 「法 定 準 備 金 と 『そ の他 の剰 余金1一. 企 業 会 計 との乖 離 の 拡 大 と縮 小 」 企 業 会 計 、 第53巻 第12. 号(2001年12月)。 弥 永 真 生 「『資 本 』 の.会計.」中 央経 済 社 、2003年 。 [.1」 本繁 「 会 計原 則 発 達 史 」 …森 山書 店 、1990年 。 吉 原 利 志 「会社 の 責 任 財 産 の 維 持 と債 権.者の 利 益 保 護(1)一 誌 、 第102巻 第3ti(1985年3月)。. 」38. よ り実 践 的 な規 制 へ の展 望 一 」 法 学 協 会 雑.

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